映画『チャロの囀り』は2024年1月20日(土)~26日(金)渋谷ユーロスペースにて劇場公開!
数々のMVや音楽映像・CMなどを手がけてきた末吉ノブ監督による劇場長編デビュー作『チャロの囀り』が、2024年1月20日(土)~26日(金)渋谷ユーロスペースにて劇場公開されます。
記憶と言葉をなくした孤独な男と、現実に翻弄されながらも真っ直ぐに生きたい女の出会いが紡ぐ寓話的な物語です。
数多くのインディーズ映画に出演する卯ノ原圭吾と、ドラマ『東京彼女』に主演した新進俳優・東宮綾音がW主演を務めます。
世の中から決して消えることのない格差と偏見の中で、恋人たちが自分たちの生き方を懸命に模索する本作の魅力をご紹介します。
映画『チャロの囀り』の作品情報
【日本公開】
2024年(日本映画)
【監督・脚本・編集】
末吉ノブ
【主題歌】
LiSA『BEAUTIFUL WORLD』
【キャスト】
卯ノ原圭吾、東宮綾音、芽衣子、米元信太郎、立仙愛理、仲野温、宇佐美彩乃、渋江譲二、木村直樹、松本響、アビルゲン、千藤あずさ、白水帆幹
【作品概要】
LiSA、西野カナ、PENGUIN RESEARCHなどの数々のミュージックビデオやCMを手がけてきた末吉ノブ監督の劇場長編デビュー作。
1980〜90年代の洋画へのオマージュをふんだんに盛り込み、監督自身が普段から信念にしている「人を想うこと」をテーマに脚本を執筆。北九州の抒情的な風景も美しい作品です。また主題歌は、監督が「『チャロ』の脚本を書いた時点で、すぐにこの曲の歌詞が頭に浮かんだ」というLiSA『BEAUTIFUL WORLD』。
記憶と言葉をなくした男・チャロ役の卯ノ原圭吾は、『3653の旅』(2022)『ボクらのホームパーティ』(2022)といった話題の作品が立て続けに公開される注目の俳優。本作の演技が認められ、海外の複数の映画祭では主演男優賞にも輝きました。
ヒロイン役の東宮綾音は、監督たってのオファーで出演が決定した若手実力派俳優。理想と現実の狭間で揺れる中で、戸惑いながらもチャロのひたむきな姿に引かれていく美華を新鮮に演じます。
映画『チャロの囀り』のあらすじ
夜は牛乳配達、昼は大学の清掃員で働くチャロ。5年前の事故で記憶と言葉を無くし、今は浮浪者のたつおとともに平和に静かに生きています。
美華は山の手の住宅地にある大学へ通っています。富裕層の友だちに囲まれ満ち足りた大学生活を送っているように見えますが、実は夜は借金のためスナックでバイトし、姉のように慕う童話作家・エルの家に入り浸っていました。
普段から、大学の友だちの価値観と自分の価値観の差に戸惑い劣等感を抱く美華を、エルは「住む世界が違う」と諭します。
ある深夜、スナックの閉店後に帰ってきた美華の元へ闇金が返済に迫ってきました。その一部始終を、牛乳配達中のチャロが目撃します。
慌てて美華はチャロに固く口止めしますが、言葉が通じません。しかし、彼の一生懸命何かを伝えようとする姿に、美華は好感を持つようになりました。
そして、ある事件をきっかけに二人は急接近します。
チャロと美華の平和な時間が流れるかに見えましたが、ある人物の登場により、エル、たつお、学校の友だちをも巻き込んで思わぬ事態となっていき……。
映画『チャロの囀り』の感想と評価
孤独すぎるふたりの男女の魂が、格差や偏見を越えて自然に引き寄せ合っていく姿を綴る作品です。
5年前に記憶も言語も失ってしまったチャロは、牛乳配達と大学清掃の仕事をかけ持ちでしながらひっそりと暮らしていました。
一方、女子大生の美華は借金を返済するために夜のバイトをしています。しかし、裕福な友人たちの前では真実を隠し、彼らとの間にある格差に苦しんでいました。
現実に疲れ果てた美華は、純粋すぎるチャロにどうしようもなく魅かれていきます。しかし、当然周囲からは奇異の目で見られてしまいます。
それでも多くの壁を飛び越えようとする美華の強い思いや、美華を大切に思うエルの深い愛情は、観る者の心を温めてくれます。真実を見ぬく目を持つエルの言葉には驚かされるに違いありません。
美華が裕福な人間との間に感じる溝。そして美華とチャロの間に横たわる深い溝。人間と人間を隔てる格差や偏見とはいったい何なのかについて、末吉監督はひるまずに迫っていきます。
チャロと美華の関係はどんな着地を見せるのでしょうか。どうぞ最後まで見守ってください。
まとめ
記憶と言葉をなくしてしまった男と、裕福な女子大生のふりをする借金苦のヒロインの苦い愛の物語『チャロの囀り』。
現代社会に存在する人間のあいだの格差、持たざる者への偏見などが厳しい視線で描かれます。
しかし、その一方で純粋な愛情が確かに存在することを教えられ、心が温かく満たされる一作です。
映画『チャロの囀り』は2024年1月20日(土)~26日(金)渋谷ユーロスペースにて劇場公開です。