連続テレビドラマ小説『とと姉ちゃん』や映画『空飛ぶタイヤ』に出演した矢野聖人が主人公太一役を演じ、映画初主演作となる『ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでる。』。
クジラの町、和歌山県太地町での全編オールロケで撮影を敢行!クジラ博物館を舞台に、「へこたれない、だって、夢がある。」をキャッチコピーに、若者たち飼育員やそこに務める人の葛藤や成長を描いた感動作です。
人手不足のため東京からやってきたピンチヒッターの飼育員に、ドラマ『ワカコ酒』などの武田梨奈が共演を務めます。またの良き同僚で良き理解者には、物語の舞台になった和歌山県出身のタレント・女優の岡本玲。
クジラ博物館の館長役には鶴見辰吾と町長役には近藤芳正と豪華なキャスト陣も見どころ。
CONTENTS
映画『ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでる。』の作品情報
【公開】
2018年(日本映画)
【監督】
藤原知之
【脚本】
菊池誠
【キャスト】
矢野聖人、武田梨奈、岡本玲、末野卓磨、秋吉織栄、長濱慎、葉山昴、斉藤佑介、彩羽、ねりお弘晃、すわいつ郎、高山璃子、飯田祐真、松永有紗、丹羽紀元、宮島小百合、柳橋さやか、木元としひろ、本谷紗紀、清水理子、山本瑠香、相沢まき、近藤芳正、鶴見辰吾
【作品概要】
和歌山県の太地町立くじらの博物館を舞台に、クジラを飼育し愛する青年の姿と、博物館を盛り上げようとする人たちの奮闘を描いたヒューマンドラマ。
主人公の太一役を映画初主演となる矢野聖人が演じ、武田梨奈、岡本玲、近藤芳正、鶴見辰吾らが脇を固めています。
映画『ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでる。』あらすじとネタバレ
海に面した和歌山県太地町にあるクジラしかいない、くじらの博物館。そこで働く鯨井太一は、変わった性格ゆえか、あまり職場に馴染めずにいました。
そんななか年々来客が減り、激務ゆえ退職するする者も多い現状を打破するために、館長の冨樫は周りのスタッフの反感を買いながらも、クジラのことを一番に考えてる太一を飼育係のリーダーに任命します。
任命された太一は、リーダーとしての行動を果たそうとします。
東京からやってきたピンチヒッターの白石唯や、くじらの博物館に務める学芸員の間柴望たちと協力していきますが、なかなか現状は良くなるばかりか、悪くなる一方でした。
太一がいつも通り作業をしていると、そこに非番のはずのバイトの女の子がやってきます。
休みなのになぜと困惑する太一に、「地元を盛り上げたいから」と笑う女の子。
太一は、その盛り上げたいの一言で、自分がクジラを好きになった時の気持ちを皆に届けたいと、スタッフで手作りのクジラ祭りを思いつきます。
映画『ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでる。』の感想と評価
2018年11月3日、東京池袋にあるシネ・リーブルの初回上映後、矢野聖人をはじめ、岡本玲を含むメインキャストが初日舞台挨拶に登壇しました。
まず始めに藤原知之監督は、この映画のクジラのショーのシーンや、クジラの餌を作ったりするシーンは吹き替えではなく、ほとんど役者が自分自身で行なっていたものだと明かします。
撮影がクランク・インする一ヶ月前から出演者を含めて一緒に合宿をしながら、博物館の仕事を手伝い、ショーの訓練も行なったそうです。
武田梨奈さんの最後のシーンも実写なのかと驚いてしまいました。
ここで働く職員たちは、本当に激務だそうで、その忙しい最中に役者たちにもトレーニングを教えてくれたそうです。
トレーニングについて代表して質問に答えていた矢野聖人は、「クジラに不安が伝わってしまうといけないから、自信をもってやるようにした」と語っていました。
どうやら自信なくやっているとクジラに伝わってしまうようです。劇中の役者たちは堂々と指示をクジラに出していたこともあり、本当のトレーナーに見えました。
しかし、ウラ話を明かすと矢野聖人と武田梨奈はカナヅチなのだそうです。そうは見えないよう自信タップリに演じ切った2人に感服ですね。
岡本玲は、ところどころで方言を劇中で披露していて、それが凄く自然体な方言だと感じました。
それもそのはず、岡本玲は和歌山県出身であり、地元が映画の舞台になったことで思い出が深い作品になったと語っていました。
さて、矢野聖人にとっては初の主演作ということで、その気持ちはと尋ねられると、「20代のうちに主演を務めたかったので夢が叶ってよかった」と語っていました。
矢野聖人が演じた太一というキャラクターは、本当に頼りない人物で、物語の主人公がこれで大丈夫かとはじめは心配になったのですが、映画中盤あたりにクジラ祭りを発案してからは、頼もしさを発揮。
主人公を熱演する矢野聖人にとても惹きつけられ魅せられました。
どんな困難がきても優しく受け止め自身で解決しようとしていく太一だからこそ、唯や望美の気持ちを引っ張っていけた終盤の展開に繋がったのでしょう。
今後もいろんな作品で活躍するだろう矢野聖人に注目ですね。
さて、他の俳優に目を向けると、館長役を務めた鶴見辰吾は、昔、和歌山に映画の撮影に訪れたことがあったらしく、すごい懐かしい気持ちになったと語っています。
彼もまた映画で立派なキーマンとなっています。
さらには町長を演じる近藤芳正の場面を見ると、本作が若者の成長のみを描いた映画ではないと気が付かされます。
藤原知之監督は、本作『ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる。』を鑑賞した方が、どのような町が舞台なのかと気になったら、ぜひ和歌山まで行って見て欲しいと語っていました。
そこまでスタッフやキャストが惚れ込んでいないと、劇中にあったような良いシーンは撮れないのだろうと納得の場面も多かったです。
和歌山県太地町への愛を感じる作品になってますよ!
まとめ
矢野聖人の初主演映画『ボクはボク、クジラはクジラで泳いでる』は、若者たちが自身の夢に向かって必死に挑戦する姿の熱が周りに伝わり、最終的には多くの心まで動かす物語です。
老若男女が楽しめて、心がほっこり温まる作品になっています。
最後に、武田梨奈が舞台挨拶で語ったことで、良いなあと感じた言葉を一つ。
「映画が映画館で生きれる時間は短い」
正しくその通りで、毎週毎週いろいろなスクリーンで映画が公開され千秋楽の上映を終える作品もあります。
だからこそ、今、本作をスクリーンで見にいって欲しいオススメの映画です。ぜひ、ご覧ください!