ドキュメンタリー映画『顔さんの仕事』が2024年10月19日(土)より大阪・シアターセブンにて公開されるほか全国順次公開予定
台湾の映画絵看板師・顔振発(イェン・ジェンファ)に迫るドキュメンタリー映画『顔さんの仕事』が、2024年10月19日(金)より大阪・シアターセブンにて公開されるほか、全国順次公開となります。
『クレヴァニ、愛のトンネル』(2015)『恋恋豆花』(2020)の今関あきよしが監督を務めます。ナビゲーターはイラストレーターの三留まゆみ。
数え切れないほど沢山の生き生きとした素晴らしい作品を生み出してきた天才職人・顔振発の人生に迫る本作の魅力をご紹介します。
映画『顔さんの仕事』の作品情報
【公開】
2024年(日本映画)
【監督】
今関あきよし
【編集】
鈴木理
【キャスト】
顔振発、三留まゆみ、柏豪
【作品概要】
台湾の映画絵看板師・顔振発(イェン・ジェンファ)の人生を映し出すドキュメンタリー作品。右目がほぼ見えなくなりながらも描き続ける顔振発の奇跡を生み出す仕事に迫ります。
監督は、『クレヴァニ、愛のトンネル』(2015)『恋恋豆花』(2020)など海外を舞台にした映画作品を多数手がけている今関あきよし。
ナビゲーターは、今関監督と8mm映画時代からの名共でもあるイラストレーターの三留まゆみが務めます。通訳として、台湾俳優・柏豪も参加しています。
映画『顔さんの仕事』のあらすじ
現在の台南市下営区に生まれた顔振発は、幼い頃から絵を描くことが好きでした。絵の才能を感じた家族にすすめられ、彼は看板職人の陳峰永の弟子入りします。
台湾映画界が盛り上がった1970年代には、1カ月に100~200枚もの手描き映画看板を描き、台南の映画館「全美戯院」では看板の制作から設置までを一手に引き受けていました。
しかし生涯にわたる絵の制作は彼の目に負担をかけていました。網膜が異常をきたし、現在は右目がほぼ見えない状態になっていますが、それでもなお、顔振発は絵を描き続けています。
映画『顔さんの仕事』の感想と評価
現在では数少なくなった映画看板を描く職人。そのレジェンド・顔振発に迫るドキュメンタリー映画です。
職人・顔振発の手によって美しく混ぜ合わされていくペンキに、鮮やかな筆遣い。まるで魔法を見ているかのように感じることでしょう。
すでに老齢となった顔振発ですが、その手の動きにはまったく迷いはなく、色使い、縁取りをスマートに素早くすすめていきます。タイトル字までも、下書きも無しに美しく仕上げる様は圧巻です。
その腕同様、風貌や表情までも神様のように穏やかな顔氏は、これまでの思い出や仕事への思いを優しく語ります。ナビゲートする三留まゆみの、素で見せる感嘆の表情にも納得です。
神様の仕事を見られる幸せに浸ることのできるとても優れた一作です。
まとめ
顔振発という天才看板職人の仕事ぶりを余すことなく映し出す『顔さんの仕事』。
経費や収納の問題から、何作もの作品を塗り重ねていくため、古い作品は2度と見ることが叶いません。まるではかない夢のようです。
それでも、巨大なキャンバスに向かい淡々と己の仕事と向き合う顔氏からは、自分の作品への深い愛情が伝わってきます。
ドキュメンタリー映画『顔さんの仕事』は2024年10月19日(金)より大阪・シアターセブンにて公開されるほか、全国順次公開予定です。