映画『キノ・ライカ 小さな町の映画館』は2024年12月14日(土)ユーロスペースほか全国順次公開
映画『キノ・ライカ 小さな町の映画館』は、フィンランドの名匠アキ・カウリスマキが仲間たちと作った映画館「キノ・ライカ」のドキュメンタリー作品。
映画『キノ・ライカ 小さな町の映画館』が2024年12月14日(土)ユーロスペースほか全国順次公開されます。
豊かな自然のなかで芸術を愛して暮らす人々の、映画とカルッキラという町への想いが映し出されます。
カウリスマキの理想の映画館「キノ・ライカ」が町にもたらした変化の兆しと、これからの映画館の可能性がとらえられています。
カウリスマキ作品でおなじみの俳優やスタッフ、そして盟友ジム・ジャームッシュも登場する、映画愛にあふれたカウリスマキからのプレゼントです。
映画『キノ・ライカ 小さな町の映画館』の作品情報
【日本公開】
2024年(フランス・フィンランド合作映画)
【監督・脚本・編集】
ヴェリコ・ヴィダク
【キャスト】
アキ・カウリスマキ、ミカ・ラッティ、カルッキラの住人たち、ジム・ジャームッシュ、マウステテュトット、ヌップ・コイヴ、サイモン・フセイン・アル・バズーン、ユホ・クオスマネン、エイミー・トービン
【作品概要】
カウリスマキと共同経営者の作家ミカ・ラッティが2021年に映画館をオープンさせるまでの様子や、インタビューに応じる姿などを映像に残したドキュメンタリー作品。カウリスマキが自ら館内の内装や看板設置などの作業に勤しむ姿も映しだします。
『枯れ葉』(2023)に出演した女性デュオのマウステテュトットや、「希望のかなた」(2017)に出演したヌップ・コイブ、サイモン・フセイン・アルバズーン、盟友ジム・ジャームッシュらも登場し、カウリスマキとの思い出や映画への思いを語ります。監督・脚本はヴェリコ・ヴィダク。
映画『キノ・ライカ 小さな町の映画館』のあらすじ
北欧フィンランドの鉄鋼の町カルッキラ。深い森と湖と、今は使われなくなった鋳物工場しかなかった小さなその町に、はじめての映画館「キノ・ライカ」がまもなく誕生します。
自らの手で椅子を取りつけ、スクリーンを張るのは映画監督のアキ・カウリスマキと仲間たち。
キャデラックにバイク、ビールと音楽。
まるでカウリスマキの映画から抜けでたような町で、住人たちは映画館への期待に胸をふくらませ、口々に映画について話しだします。
映画『キノ・ライカ 小さな町の映画館』の感想と評価
自分たちの住む町と、そして映画への深い愛情に彩られた豊かな一作です。
静かな美しい森と湖のある小さな小さな町カルッキラ。そこに住む人々は、名匠アキ・カウリスマキが町初めての映画館を作ると聞いて、心躍らせます。カウリスマキ監督のカルッキラへの愛情と感謝から生まれた大きなプレゼントでした。
映画館のある暮らしを思い描き、素晴らしいものになる、何しろカウリスマキ監督なのだから、と口々に言う人々。彼らの監督に寄せる絶大な信頼と愛情に胸打たれます。
カウリスマキ監督自ら、リサイクル木材や鉄を使って手作りの映画館作りに朝から晩まで没頭します。そこには、損得を全く抜きにした情熱がありました。
キノ・ライカ建設の話を聞いた本作の監督のヴェリコ・ヴィダクは、カウリスマキの野心的な計画を見届けようと駆けつけたといいます。
町全体から匂い立つ熱気をすくい取らずにいられなかったヴィダク監督の思いも伝わってくる作品です。
カウリスマキ監督の盟友であるジム・ジャームッシュのインタビューも見逃せません。
まとめ
カルッキラという小さな町に灯された光を描くドキュメンタリー作品『キノ・ライカ 小さな町の映画館』。
長年暮らしてきたこの町を舞台にした作品を数多く世に送り出してきた名匠アキ・カウリスマキ監督が、愛と感謝を込めて町で初めての映画館を作り出す様を温かく映し出します。
深い森の中に暮らす人たちの大きな期待と喜びが画面からあふれ出てきます。カウリスマキ監督へのリスペクトに満ちた一作です。