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Entry 2017/07/15
Update

映画『銀魂』感想と結末ネタバレ!続編はある?ラストの銀時考察も

  • Writer :
  • 馬渕一平

大人気TVドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズや映画『HK 変態仮面』を手掛けた福田雄一監督による大人気コミックスの実写化『銀魂』をご紹介します。

以下、あらすじや結末が含まれる記事となりますので、まずは『銀魂』映画作品情報をどうぞ!

1.『銀魂』作品情報

【公開】
2017年(日本映画)

【スタッフ】
原作:空知英秋、監督・脚本:福田雄一、音楽:瀬川英史、主題歌:UVERworld「DECIDED」

【キャスト】
坂田銀時:小栗旬、志村新八:菅田将暉、神楽:橋本環奈、土方十四郎:柳楽優弥、岡田似蔵:新井浩文、沖田総悟:吉沢亮、村田鉄子:早見あかり、平賀源外:ムロツヨシ、志村妙:長澤まさみ、桂小太郎:岡田将生、武市変平太:佐藤二朗、来島また子:菜々緒、村田鉄矢:安田顕、近藤勲:中村勘九郎、高杉晋助:堂本剛、吉田松陽(声):山寺宏一

【作品概要】
あの週刊少年ジャンプの看板コミック「銀魂」がついに実写化! 舞台は、黒船でなく宇宙人によって鎖国を解かれたパラレルワールドの江戸末期。SFと時代劇がミックスされたぶっ飛んだ世界観の中、抱腹絶倒の原作ギャグに、ドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズの福田監督ならではのパロディ&アドリブネタが上乗せされ、全編通じてギャグとシリアスが変幻自在に駆け巡る――。全く新しいジャンルの映画の誕生!

2.『銀魂』あらすじと結末


(C)空知英秋/集英社 (C)2017 映画「銀魂」製作委員会
侍の国・・・この国がそう呼ばれたのも今は昔の話。江戸時代末期、宇宙からやって来た「天人(あまんと)」の台頭と廃刀令により、侍は衰退の一途をたどっていた。かつて攘夷志士として天人と最後まで戦い「白夜叉」と恐れられた坂田銀時も、今は腰の刀を木刀に持ち替え、かぶき町の便利屋<万事屋(よろず屋)銀ちゃん>を呑気に営む日々。そんな彼の元に、かつての同志である桂小太郎が消息不明になり、高杉晋助が挙兵し幕府の転覆を企んでいるという知らせが入る。事件の調査に乗り出した万事屋メンバーの新八、神楽の身に危険が迫った時、銀時は再び剣をとる。進む道、戦う意味を違えたかつての同志と対峙し、己の魂と大切な仲間を護るために――。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『銀魂』結末の記載がございます。『銀魂』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
廃刀令によって実家の剣術道場に通う者もいなくなり、お金に困った新八はレストランで働いています。ある日、新八が客の天人に難癖をつけられ困っているところを坂田銀時に助けられました。それが二人の出会いでした。

万事屋銀ちゃんで銀時と一緒に働く新八と神楽。急に神楽がカブトムシを取りに行きたいと言い出します。貴重なカブトムシは高く売れると金に目が眩んだ銀時。3人でカブトムシ狩りに出掛けることに。

森の中で局長の近藤勲、副局長の土方十四郎、一番隊隊長の沖田総悟ら真選組と遭遇します。彼らは将軍が飼っている金色のカブトムシの行方を探していました。

そこにその金色のカブトムシが通り過ぎました。慌てて駆け出す一同。新八の姉の妙や銀時の旧友である桂小太郎とそのペットのエリザベスを巻き込んで、街中での追いかけっこが始まります。

銀時が先回りして捕まえようとしたその時、巨大な水生生物がカブトムシを飲み込んでしまいました。

その一件によって幕府から事情を聞かれていた銀時は不満を漏らしながら桂と共に帰路につきます。銀時は、このあたりで最近出没している辻斬りに気を付けろと桂に忠告し、別れます。

桂が橋を渡っていると後ろから声をかける人物が。その人物こそが辻斬りであり、紅色に怪しく光る刀によって桂は斬られてしまいました。

翌日辻斬りの犠牲者が出たニュースを見たエリザベスは、斬られたのは桂ではないかと不安になります。

エリザベスは銀時たちに助けを求めにいきますが、銀時は仕事の依頼が入ったとその場から逃げ出します。残された新八と神楽は喋らないエリザベスから事情を察し、真相解明に乗り出します。

銀時に依頼をしたのは刀工の村田鉄矢でした。その依頼とは、父が作った名刀「紅桜」が盗まれたので、それを探し出して欲しいというものでした。

その「紅桜」は月明かりに照らされると紅色に光り、関わったものに凶事が訪れる妖刀。妹の鉄子が何か言いたげな表情を浮かべていましたが、銀時は依頼を引き受けることにしました。

新八とエリザベスは犠牲者が斬られた橋の近くで待ち伏せすることに。そこへ、二人を怪しんだ幕府の見廻り人が話しかけてきました。すると、突然その見廻り人が後ろから斬られ死に絶えました。そこにはその辻斬りの姿が・・・。

新八はすぐにその辻斬りが人斬りと恐れられている岡田似蔵であることに気付きます。エリザベスは似蔵に真っ二つに斬られ、姿が消滅。残された新八が狙われたその瞬間、銀時が助けにやってきました。

似蔵は、攘夷志士時代に「白夜叉」と恐れられたあの坂田銀時と斬り合えることを喜びます。「紅桜」はただの刀ではなくまるで似蔵の腕に寄生している化物のようで、ただの木刀で立ち向かう銀時は圧倒的に不利でした。

橋の下に落ちた銀時と似蔵。ついに銀時が追い詰められ、心臓を狙われますが手で刃先をつかむとなんとか脇腹に方向を変えます。しかし、刀が深々と腹に突き刺さった銀時は絶対絶命の状態でした。

似蔵がとどめを刺そうとしたところに新八が橋の上から斬りかかり、似蔵の右腕を切り落としました。そこに沖田も駆け付けます。似蔵は「紅桜」を持って逃げ出しました。

一方、神楽はペットの定春と共に桂の行方を探していました。手掛かりはつかめず今日は諦めて帰ろうとしたところ、定春が大きな船の方から桂の匂いがすることを訴えます。

神楽は定春に銀時たちの元への報せを頼み、自らは船の舳先に一人で立っている男に話しかけにいきました。

その男の名は、銀時と桂の旧友でもある高杉晋助。3人の恩師である吉田松陽の無念を継いで、来島また子と武市変平太らと共に「鬼兵隊」を結成し、この国を変えようとしていました。

高杉を狙った神楽はまた子らに取り囲まれ、抵抗するも捕まってしまいました。

傷ついた銀時が目を覚ますとそばには妙がいます。新八から看病を頼まれ、銀時は絶対安静とのことでした。そこに、鉄子が何か訳ありげな顔で訪ねてきます。

銀時と妙は、鉄子から事情を全て聞きます。「紅桜」とは兄の鉄矢が偉大な刀匠であった父に負けないよう、「からくり」に手を出して作り出したまさに化物でした。

「紅桜」は使っている人に取り付くとその身体を徐々に侵食し、斬った相手の血を吸ってパターンを分析してどんどんと強くなっていくとんでもない代物。銀時もデータ収集に利用されただけでした。

全てを知っていながら兄を思って隠していた鉄子の気持ちを汲み取った銀時は、表向きは助けを断りながらも結局は「紅桜」の暴走を止めに向かいます。

銀時の看病を頼まれていた妙もまたその気持ちをきちんと察していました。平賀源外の助けを借り、銀時と鉄子は高杉の船へと向かいます。

神楽が帰ってこないことを心配した新八は定春を町で見つけ、その案内で神楽が入っていった船を発見。

殺されようとしていた神楽を助けに一人で新八は船に乗り込みました。無計画につい乗り込みピンチに陥っていた新八でしたが、真選組の船が鬼兵隊を捕らえにやってきました。

その混乱に乗じて逃げ出した新八と神楽は、船の中で大量の「紅桜」が作り出されている工場を見つけます。

秘密を知られた高杉が二人に斬りかかろうとすると、そこに消えたはずのエリザベスが登場。なんとその正体は死んだと思われていた桂でした。

事情を調査するために桂は身を隠している間、エリザベスに扮していました。桂は高杉の後を追い、新八は武市、神楽はまた子と対峙。

右腕が完全に「紅桜」と同化した似蔵も動き出し、土方と斬り合います。そこへ、銀時と鉄子がやってきました。銀時は鉄子が打った刀を手に、再び似蔵こと「紅桜」との戦いに挑みます。

死線を経験したことで怪我をしているはずの銀時の動きが昔の「白夜叉」時代に戻りつつあり、一方の似蔵は、進化し続ける「紅桜」に身体がついていけなくなっていました。

そして、ついに似蔵が完全に「紅桜」と一体化し、まさに化物となります。敵味方関係なく吹き飛ばし、ついには銀時までやられます。

新八と神楽、そして鉄子が自らの命を呈して必死に「紅桜」を止めようとしますがその力は絶大でした。

この姿こそ究極の剣の形であると思い込んでいたはずの鉄矢ですが、鉄子が「紅桜」によって止めを刺されようとしているところを身代わりになりました。全てを剣に捧げてきたはずが、妹への愛だけは捨てられなかった自身を恥じます。

その時、ボロボロの銀時が立ち上がり、鉄子の打った人を守るための剣を使って見事に「紅桜」を倒しました。妹の剣の強さをしかと見届けた鉄矢は鉄子の腕の中で息絶えました。

天人の船に乗って逃げようとする高杉を銀時は止めます。高杉は松陽先生への想いを語り、銀時と斬り合い始めました。

次第には刀も吹っ飛び、素手での取っ組み合いに。銀時は高杉を叩きつけ、止めを刺そうと落ちていた刀を手にしますが、それを下ろすことは出来ませんでした。

銀時の甘さを知っていた高杉は武市に抱えられながらまた子らと共に天人の船に乗って逃げ出しました。桂が工場に仕掛けた爆弾が爆発し、銀時は桂と共にパラシュートで炎上する船から脱出しました。

銀時と新八と神楽は、妙の待つ家に帰ります。

3.『銀魂』の感想と評価

(C)空知英秋/集英社 (C)2017 映画「銀魂」製作委員会
少年ジャンプの大人気コミックスを豪華キャストで実写映画化したのが本作『銀魂』。

監督は、TVドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズが深夜帯ながら人気を博し、今やコメディといえばこの人と言われる存在にまでなった福田雄一

福田監督のブレイクと共に、福田作品常連のムロツヨシや佐藤二朗も現在ドラマや映画にCMと、引っ張りだこです。

福田監督は、元々バラエティ番組を担当されていたそうですが、個人的にはTVドラマの人というイメージが未だに強い。

TVドラマの『勇者ヨシヒコ』シリーズのあまりのくだらなさには当時ハマりました。個人的に『アオイホノオ』は名作だと思っています。

この人の功績は、俳優の新たな一面を強烈に発揮させ、一般的に知られていない俳優たちをフックアップしてきたことだと思います。

山田孝之の人間的魅力が遺憾無く発揮された『勇者ヨシヒコ』シリーズ。ここで同時にムロツヨシと佐藤二朗の凄さに気付かされた方も多いのではないでしょうか。

『アオイホノオ』ではカンヌ受賞後なかなか良作に恵まれなかった柳楽優弥を主演に起用。

私個人としてはこの作品が彼にとって大きな分岐点になったような気がします。

そのハジケっぷりと並々ならぬ覚悟が業界にも伝わったのか、その後はまさに神がかったと表現していいくらい凄い演技を連発。

『信長協奏曲』で1話出演ながら強烈なインパクトを残し、『ディストラクション・ベイビーズ』で見せた怪演は映画ファンを唸らせました。個人的には今目が離せない俳優の一人です。

その監督の作品によく参加するキャストのことをよく○○組という言い方をしますが、福田組は超豪華。

過去の出演者が今回の『銀魂』にも多数出演し、あの山田孝之が姿の見えないエリザベス役でしか出演していないというから驚きです(アオイホノオでの1シーン出演も最高でした)。

その繋がりは業界での長い実績によって作り上げられた福田監督の大きな武器であり、今作もやはりその俳優陣の魅力に溢れた作品になっていました。私は不勉強ながら原作漫画もアニメもまったく見ていないので、内容をよく知りません。しかし、ふざけ倒したギャグとしっかりしたドラマのバランスが絶妙な作品だということはすぐに分かりました。

そして、キャラクターの個性によって物語がドライブしていくタイプの作品であり、中でもとりわけ、ファンの方は主人公の銀時に対して物語の登場人物たちと同様に絶対の信頼を抱いていることも伝わってきました。

この、主人公さえ来てくれればなんとかなる感じを抱いてしまうのは『ドラゴンボール』や『ワンピース』といったジャンプを背負ってきた名作たちとも重なります。

そこでこの作品を成立させるためにものすごく重要なことは、銀時をきちんと正しく実写化するということ。原作を知らない私がこの言葉を使うのは間違いかもしれませんが、スクリーンの中に確かに銀時がいました。

小栗旬というのは不思議な役者で、こんなことを書くと失礼かもしれませんがいわゆるこれという代表作がないです。

今作でもイジられていた「まーきのっ」は代表作ですがあれは松潤と井上真央のものでしょう。

数々の作品で主演を務めるスター俳優、超スタイルの良いイケメンでありながら、決して気さくさを失わず好感度もとても高い。もちろん私も好きです。

構成としては、吉田松陽を巡る銀時と桂と高杉の物語と、村田鉄矢と鉄子の兄妹愛の物語、このシリアスな2本のドラマを軸に、周りに役者陣のはっちゃけた演技を効果的に加えていきます(福田組の現場はとても楽しそう!)。

さらに、銀時と新八と神楽の主要キャラが3人いることを上手くいかし、編集でも場面転換で盛り上げて行きます。

こういったタイプの作品は普段は劇場に足を運ばないであろう方々も映画館に呼び込んでくれます。映画業界の盛り上がりを願ういちライターとしては、とてもありがたい話です。

現に昨日の公開初日に私が観に行った回では非常に多くの席が埋まり、劇場内は何度も大きな笑いに包まれていました。

確かに原作を読んでいない私は、土方と沖田の犬猿の仲を知らず、沖田が土方のことを急に縛り付ける意味がわからず困惑もしました。

記事を書いている時も、歴史上の人物を少し文字った各キャラの名前に少し戸惑い、決して誤字ではないよなと不安にもなりました。

でも本当にそれくらいで、本編はとてもくだらないシーンばかりですので、難しいこと考えずに楽しんだもん勝ちです。

福田監督好き、役者好き(個人的には堂本剛の色っぽさに驚きました…)、原作ファンもそうでない方も皆まとめて『銀魂』ファミリーが楽しませてくれることでしょう!

4.まとめ

今作も、現在大ヒット中の映画『22年目の告白』と同じくワーナー・ブラザース映画が配給しています。
個人的にはスマッシュヒットを期待していますが、果たして結果はどうなるか?

ヒットすれば終わり方的にも続編製作は間違いないでしょう。
毎年夏に公開される人気シリーズになりそうな予感大です。

福田監督はこの後、10月21日公開の映画『斉木楠雄のΨ難』が控えています。
こちらも同じくジャンプの人気コミックスが原作。

今をときめく山﨑賢人が主演ということで、こちらも注目していきたい作品です。

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