Netflixオリジナルコンテンツの魅力は、その独特なコンセプトと世界観にあります。
今回は「家出少女」と「サイコパス」と言う、一味違った2人が「思春期」ならではの心と、社会の生きづらさに直面する様子を描いたブラックコメディドラマ『このサイテーな世界の終わり シーズン1』のあらすじと魅力をご紹介していこうと思います。
CONTENTS
海外ドラマ『このサイテーな世界の終わり シーズン1』の作品情報
【原題】
The End of the F***ing World
【公開】
2017年(Netflix独占配信)
【監督】
ジョナサン・エントウィッスル
【キャスト】
アレックス・ロウザー、ジェシカ・バーデン、ジェマ・ウィーラン、ウンミ・モサク、スティーヴ・オーラム
【作品概要】
チャールズ・フォースマンの同名コミックをNetflix配給で実写化したドラマシリーズ。
『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』(2015)でロンドン映画批評家協会賞を受賞したアレックス・ロウザーを主演としたことでも話題を集めた。
海外ドラマ『このサイテーな世界の終わり シーズン1』の登場人物紹介
ジェームス(アレックス・ロウザー)
幼いころから小動物などを殺し、今は人に対し殺人衝動を抱く少年。
自身が「サイコパス」であることを感じ、アリッサを殺す好機を見つけるためアリッサの家出について行く。
アリッサ(ジェシカ・バーデン)
母の再婚相手と上手くいかず、ジェームスと共に父のもとを目指すため家出をした少女。
心では真反対のことを思っているにもかかわらず、言動は攻撃的で行動も過激。
海外ドラマ『このサイテーな世界の終わり シーズン1』のあらすじとネタバレ
幼いころから冗談を好きになれず、高温の油に手を突っ込むなど、どこか人と違う感性を自覚していた少年のジェームス。
彼は小動物を殺したことを契機に殺人に興味を持ち始めます。
学校を品定めの場にするジェームスは、母が再婚し自宅に居場所のない少女アリッサに声をかけられたことから、彼女をデートに誘い自宅に招待します。
自宅でのアリッサの殺害を考えていたジェームスでしたが、父であるフィルの早めの帰宅により殺害を断念することになります。
翌日、自宅で開かれたパーティの最中に義理の父に出ていけと言われたアリッサは、ジェームスと共に家出を企みます。
主体性を殺すことを大事にしてきたジェームスは、アリッサの誘いを受け、旅の道中でアリッサを殺害することに決めます。
フィルを殴り倒し、車を奪ったジェームスとアリッサ。
こうして、2人の旅は始まりました。
わき見運転から父の車を大破させ、ヒッチハイクで移動する2人は元軍人の男に拾われます。
何かと良くしてくれるその男を訝しむ2人でしたが、その男はゲイであり、トイレで行為に及ぼうとしたところをアリッサに見咎められ、財布を置き去ってしまいます。
2人になったジェームスとアリッサは男から手に入れたお金で、ホテルに泊まります。
トイレに行ったアリッサの殺害を企むジェームスでしたが、彼女がトイレの中で泣いていることを知り、持っていたナイフをしまいます。
トイレを出たアリッサは家に電話をしますが、義理の父が母親に電話を渡してはくれず、状況は何も変わらないままでした。
翌日から父親の家を目指すことをジェームスに告げ、ベッドで寝るアリッサに求められジェームスは彼女を抱きしめます。
一方フィルは、警察にジェームスが出ていったことを相談し、捜索届を出していました。
父親の家への道中で、長期間留守にしていることが明らかな豪邸に侵入する2人。
その家で、ジェームスと身体の関係を持とうとするも煮え切らないジェームスへの当てつけとして、クリストファーと言う黒人青年を連れ込み関係を持とうとするアリッサでしたが、それも上手くいきません。
アリッサの揺さぶりによって、ないと思っていた感情を芽生えさせ始めるジェームスは、手持ち無沙汰となり家中を漁ると、その家の持ち主が本を出すような著名な研究者でありながら、女性への強姦を繰り返し、その様子を写真や動画に収めている非道な人物であることに気が付きます。
海外ドラマ『このサイテーな世界の終わり シーズン1』の感想と評価
公開されるや否や、全世界で瞬く間に人気を集めた今ドラマは「ブラックコメディ」とジャンル分けされていますが、その本質は痛々しいほどの「青春」を描いています。
家出少女のアリッサは「思春期」らしい性格を持った少女で、反発心が人一倍強く、何に対しても反発します。
しかし、実際の心の中では自身の言動や行動の細部に至るまでを常々後悔しており、その心を見透かされないように次々問題を起こしていきます。
一方、殺人衝動を抱えるジェームスはこの物語の題材でもある「家出少女と彼女を殺そうとするサイコパスの旅物語」の「サイコパス」の部分に該当する少年です。
ですが、鑑賞前の想像を裏切り、殺人衝動以外は「物事の流れに身を任せる」ジェームスの方が至って常識人に見え、様々な問題を起こすアリッサをカバーしていく様子が健気に映ります。
そのジェームスは自分自身のことを「サイコパス」であると考え、殺人に身をゆだねようとしているのですが、様々な言い訳を自分のなかで使い、なかなか実行しません。
このように、今作はアリッサとジェームスと言う性別も生い立ちも違う男女の「思春期」ならではの「虚飾」と「本音」が、リアルかつ大げさに描かれており、ハッピーエンドが想像出来ない壮絶な旅路のなかで、「大人」になっていく2人に切なさを覚えます。
まとめ
海外ドラマとして1話20分弱と言う見やすい尺もあり、最終話まで一気見をしてしまうほどの作品『このサイテーな世界の終わり』。
今ドラマは大人気を受け、Netflixは既にシーズン2の制作に着手しています。
儚くも悲しい衝撃のラストの後アリッサとジェームスはどうなったのか。
2人を追う刑事ユニスは、アリッサの父レズリーは、気になる伏線の数々に続シーズンが待ちきれません。