演技派俳優として知られるショーン・ペン。
彼の代表作はハートフルな障がいのある父親を演じた『アイ・アム・サム』や、アカデミー主演男優賞を獲得した『ミスティック・リバー』やLGBTのアメリカ初となる政治家を演じた『ミルク』などが挙げられます。
どれを見ても確かな演技力を見せるショーン・ペンであり、それでいながらも、まるで別人が演じているように見えるカメレオン俳優です。
今回はショーン・ペンの初期代表作『初体験リッジモント・ハイ』をご紹介します。
CONTENTS
映画『初体験リッジモントハイ』の作品情報
【公開】
1982年(アメリカ映画)
【原題】
Fast Times At Ridgemont High
【監督】
エイミー・ヘッカーリング
【キャスト】
ショーン・ペン、ジェニファー・ジェイソン・リー、ジャッジ・ラインホルド、ブライアン・バッカー、フィービー・ケイツ、ラナ・クラークソン、ビンセント・スキャベリ、エリック・ストルツ、ロバート・ロマナス、レイ・ウォルストン、アマンダ・ワイス、フォレスト・ウィテカー、アンソニー・エドワーズ、ニコラス・コッポラ
【作品概要】
1980年代初頭のアメリカの高校生たちの恋と青春を描いた学園コメディ。
『あの頃ペニー・レインと』でアカデミー脚本賞を受賞したキャメロン・クロウが書き下ろした小説を自ら脚本として執筆。演出はドラマ『ゴシップガール』や『マンハッタンに恋をして 〜キャリーの日記〜』で知られるエイミー・ヘッカーリング監督。
ショーン・ペンのほかに、後のニコラス・ケイジも出演しています。
映画『初体験リッジモントハイ』のあらすじ
南カリフォルニアにあるリッジモント高校に通う同窓生のステーシーとリンダ。
2人は同じファーストフード店でアルバイトをしていました。
リンダは17歳ですでに初体験を終え、15歳のステーシーは、まだ未経験のままでした。
ステーシーの関心事といえば、ボーイフレンドを手に入れ、リンダのように初体験を終えること、ステーシーは友人リンダから様々なアドバイスを受けます。
一方でそんなステーシーに好意を持っていたのがマーク。しかし、彼もまた童貞という事もあり、奥手でした。
ある夜のこと、ステーシーは男の子とデートして、ついに初経験を終えることに成功します。
すると、ステーシーは、まるで人が変わったかのように、多くの男の子とデートを重ね、好奇心の強い彼女の性的行為はエスカレートしていきます。
そんなステーシーを見ていたマークは心配を募らせます。すると案の定、ステーシーは誤って妊娠してしまいました。
そのことで怒りに達した友人リンダは、ステーシーを妊娠させであろうマイクに嫌がらせをします。
一方でステーシーは気がつきます。自分が求めていたのは性的行為ではなく、愛だったのではないかと実感します。
そのとき、マークがステーシーの前に現れる…。
映画『初体験リッジモント・ハイ』の感想と評価
アメリカが認めた青春映画の秀作
1982年に公開されたアメリカ映画『初体験リッジモントハイ』は、高校生たちの恋と青春を描いた作品です。
日本公開された際にも、リンダ役を演じた人気アイドル的な女優フィービー・ケイツのプールサイドでのビキニ姿やトップレスになる場面が大きな話題となりました。
なんだ、ありがちな安っぽい映画かと思うのは早合点。本作は2005年にアメリカ国立フィルム登録簿に永久保存登録作品で、当時の時代性や映画として価値を認められた作品です。
その理由のひとつに含まれるだろうことに、後に有名となる若き俳優が出演していて、ニコラス・コッポラ(ニコラス・ケイジ)やジャッジ・ラインホルド、そしてエリック・ストルツなどが出演しています。
その中でも際立った怪演を見せたのが若き日のショーン・ペンなのです。
若き日のショーン・ペン演技力
ショーン・ペンの演じたのは金髪で長髪のジェフ・スピコーリ役。しかも、ラリっちゃてるサーファー青年です。
記事冒頭の『初体験リッジモント・ハイ』の予告編を見てもわかるように、ショーンの演技力が見せた存在感は誰よりも光っています。
確かにフィービー・ケイツは、真っ赤なビキニ姿も登場しますが、インパクトでは喋りまくって、しっかりと演技を見せているショーン・ペンの方がはるかに上手です。
ファーストフード店では他の客のことなどオカマイナシで、着ていたシャツを脱ぎ捨て裸でガツガツ登場!
また、学校に登校する際には、仲間たちと乗った車のバンには危ない煙が充満してる中から転げ落ちて登場!!
さらには、マジメに授業に出たかと思えば、教室にピザを配達させるなど、どこまでも自由奔放な憎めない青年です。
ショーンの演じたジェフが、無邪気に何のためらいもなく行動している姿こそが、アメリカ高校生を体現しているのでしょう。
それだけでなく、先生にピザを取り上げられた際のショーンの悲しい表情は演技派ならではですよ。
まとめ
演技派として知られ、どのような役柄も演じ分けることのできるショーン・ペン。
アメリカのアカデミー主演男優賞を2回、そして、世界三大映画祭のヴェネツィア、カンヌ、ベルリンの主演男優賞を全て受賞し、ヴェネツィアにいたっては、2度も受賞している国際的に演技力の評価が高い名優のひとりです。
そんなショーンの演技力の原点、代表作の1本が『初体験リッジモント・ハイ』なのです。
この作品でショーンが演じたジェフが、病院で行われた生物学の課外授業に出席する場面は、他の生徒がドン引きするなか、彼だけが前のめりに嬉しそうな笑顔キラキラで見せていますので、ここも要チェック!
ショーン・ペンの怪演と書きましたが、この作品を観るといかに彼が徹底的なまでに役柄にのめり込むのかが伺える1本です。