連載コラム「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第127回
深夜テレビの放送や、レンタルビデオ店で目にする機会があったB級映画たち。現在では、新作・旧作含めたB級映画の数々を、動画配信U-NEXTで鑑賞することも可能です。
そんな気になるB級映画のお宝掘り出し物を、Cinemarcheのシネマダイバーがご紹介する「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第127回は、アイザック・フロレンティーン監督が演出を務めた、映画『リベンジ・オブ・ウォー』です。
凄腕の傭兵ライダーは、弟がいる傭兵部隊を率いて、これまでアメリカ政府の極秘任務を数多くこなしてきました。
しかしリビア有数の軍事指導者カリードの暗殺任務で、弟と仲間を殺され部隊は全滅。ただ一人生き残ったライダーは、自分たちを裏切り罠に嵌めた人物がいることに気づき、復讐を誓います。
しかしこの裏切りの裏には、さらに巨大な国家的謀略が隠されていて……。
「キャプテン・アメリカ」シリーズ出演のフランク・グリロ主演のハード・リベンジ・アクション映画『リベンジ・オブ・ウォー』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
【連載コラム】「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」記事一覧はこちら
映画『リベンジ・オブ・ウォー』の作品情報

(C) 2024 MFC GLOBAL FILMS LTD. AND HOUNDS OF WAR MALTA LTD
【公開】
2024年(マルタ・アメリカ合作映画)
【脚本】
ジャン・ピエール・メイグロ
【監督】
アイザック・フロレンティーン
【キャスト】
フランク・グリロ、ロバート・パトリック、ローナ・ミトラ、ユルス・レチン、マシュー・マーシュ、リーション・アレクサンダー、ヴィクター・ソレ、マーク・ホアン、マーク・ストレンジ、ジョーイ・アンサー、イヴォンヌ・マイ、ラハ・ラーバリ、マーク・カブルダン、メアリーシア・S・ペレス
【作品概要】
『ニンジャ・アベンジャーズ』(2015)のアイザック・フロレンティーンが監督を務めた、マルタ・アメリカ合作のハード・リベンジ・アクション作品です。
「キャプテン・アメリカ」シリーズ出演のフランク・グリロが本作の主演を務めています。
映画『リベンジ・オブ・ウォー』のあらすじとネタバレ

(C) 2024 MFC GLOBAL FILMS LTD. AND HOUNDS OF WAR MALTA LTD
アメリカの凄腕の傭兵ライダー・ウォード。弟のトミーを含む精鋭部隊「ハウンズ」のリーダーとして、アメリカ政府の極秘任務を数多く成功させてきました。
ある日、ライダーたちはCIAのハート大佐の指揮のもと、リビアで新たな任務「ブリムストーン作戦」に挑みます。
ブリムストーン作戦の目的は、リビア有数の軍事指導者カリード・ムスタファ・アテフの暗殺。ロシアも中国も関心が強く、彼を止めなければ代理戦争が起こる危険があるからです。
ライダーは、このブリムストーン作戦が終わったら引退しようと考えていました。
過去にシリアで行った任務で大勢の仲間を失い、自分たちも死にかけたことがあったからです。
ライダーたちは、カリードがいるリビアの軍事拠点に潜入。司令室にいる彼を守る重装備の精鋭部隊を1人1人倒していきます。
しかし、ハートに聞いていたよりも敵兵の人数がやけに少ない…。挙句の果てに、司令室にいるはずのカリードの姿がありません。
先に突撃したライダーの仲間の1人が不審に思っていると、司令室にある机に仕掛けられた爆弾が爆発。これを皮切りに、隠れていた敵兵がライダーたちに襲い掛かってきたのです。
しかも敵は、ハートが言っていた20人よりも多い…。熾烈な戦いの末、ライダー墓辛くも生き延びるも、トミーや仲間たちは皆殺され、ブリムストーン作戦も失敗してしまいました。
実は、ライダーたちは政府の秘密を知りすぎたため、証拠隠滅のために消されようとしていたのでした。
ハートはカリードとの取引電話の後、ライダーたちの帰りを待つトミーの妻と、トミーと彼女の赤ん坊を殺害しました。
それから半年後、イタリア・ローマ。ライダーは、かつての恋人で元工作員のセリーナに会いに行きます。
ライダーは、トミーとその家族、仲間を裏切り殺したハートへの復讐と、アメリカの腐敗した政治体制を壊すために力を貸してくれないかと彼女に言いました。
一方、北アフリカで傭兵を使って暗殺を実行し、対テロ戦争を助長しているとして、フランスとドイツは繰り返しアメリカを批判しています。
アメリカはこの疑惑を否定。アメリカのレイン大統領はヨーロッパの首脳陣と会談を行うため、マルタを訪問していました。
そんな中、ライダーたちが行ったリビアでの隠密作戦がオンライン上で公開されます。動画の送信先は、ローマにいるライダーでした。
ハートと彼が指揮を任されたCIAのロンドン支局は、ライダーのもとに武装した地元警察の部隊を派遣。ライダーは腹を撃たれ重傷を負うも、これを撃退し逃走します。
映画『リベンジ・オブ・ウォー』の感想と評価

(C) 2024 MFC GLOBAL FILMS LTD. AND HOUNDS OF WAR MALTA LTD
フランク・グリロが演じる本作の主人公ライダーはもちろん、彼の弟や彼の仲間である傭兵たちによるアクション場面は、CGや派手な必殺技ではなく、軍人らしい連携プレイに実践的な戦闘・銃撃戦が中心。
そのため、ライダーたちがこれまで数多くの暗殺任務をこなしてきた精鋭揃いの傭兵部隊であるという説得力があり、持っている銃の弾が全部尽きようともナイフや己の肉体を張ったアクションは見応え十分です。
それになんといっても、ライダーが元工作員であるかつての恋人セリーナとその仲間の協力のもと、弟たちの仇であるハートたちの捜索・追跡の目をかいくぐり、彼らが気づいた時にはもう遅いほどの無駄のない速さで復讐を果たしていく姿。まさに作中でライダーが言っていた「弾よりも速い」手際の良さに惚れ惚れします。
軍事作戦さながらの敵地への潜入・狙撃・奇襲など、傭兵ならではの戦術が物語の随所に盛り込まれており、少人数で任務を遂行する特殊部隊が活躍する映画の雰囲気が強く、ミリタリーアクション好きな人には楽しめるポイントです。
その一方で、主人公たちを裏切るハート大佐役を演じるロバート・パトリックの存在感。
『ターミネーター2』(1991)のT-1000役で知られるロバート・パトリックの、派手に暴れず冷徹で威圧感のある演技が素晴らしく、物語全体の緊張感を高めています。
まとめ

(C) 2024 MFC GLOBAL FILMS LTD. AND HOUNDS OF WAR MALTA LTD
引退最後の任務で弟と仲間が全滅し、自身も組織に裏切られ命を狙われることとなってしまった凄腕の傭兵が復讐を誓うところから物語が始まるハード・リベンジ・アクション作品。
単なる敵討ちではなく、誰を信じるべきか、裏切り者の背後にいる黒幕は誰なのかというサスペンス要素も加わり、物語の最後まで先が気になる展開にワクワクします。
弟や仲間を裏切ったハート大佐と、これまで散々いいように利用してきたのに身勝手な理由で部隊を潰すよう指示したアメリカ政府に対する、ライダーの復讐。
彼らをとことん追い詰め、ハート大佐には死を、アメリカ大統領にはこれまでの罪の告白をさせるという、それぞれに見合った罰を与えることができたので、報われたのではないかと考えます。
ハート大佐に部隊を潰すよう指示したジョシュアが拳銃自殺したことは、それもライダーの計算であるならば…。
実際、復讐を果たしたからこそ、物語の最後、ライダーはセリーナとともに新たな人生を歩みだせたのです。
また、ロバート・パトリックが演じたハート大佐は、彼に指示を与えるジョシュアやアメリカ大統領にとって悩みの種というか目の上のたん瘤だったらしく…。ライダーが手を下さずとも、近いうちにお払い箱にされてしまうような組織の駒にすぎなかったのではないかと考えられます。
精鋭揃いの傭兵部隊による実戦的なアクションと、凄腕の傭兵による復讐劇の爽快感を楽しむことができる本作をぜひ一度ご鑑賞ください。
【連載コラム】「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」記事一覧はこちら



































