NETFLIX映画『ホイールマン -逃亡者-』
アクション映画の主演や大作映画への出演によって「アクション俳優」というイメージの強い俳優フランク・グリロ。
しかし、『ポイント・ブランク -この愛のために撃て-』(2019)で見せたように、粗暴でありながら家族を思いやる気持ちの強さも感じさせる彼の「演技」も強い魅力を放っています。
今回はそんなフランク・グリロが主演し、全編がほぼワンシチュエーションで展開する異色のカーサスペンス映画『ホイールマン -逃亡者-』(2017)を、ネタバレあらすじを含めてご紹介させていただきます。
映画『ホイールマン -逃亡者-』の作品情報
【原題】
Wheelman
【配信】
2017年(Netflix限定配信)
【監督】
ジェレミー・ラッシュ
【キャスト】
フランク・グリロ、ケイトリン・カーマイケル、ギャレット・ディラハント、ウェンディ・モニツ、スレイン
【作品概要】
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)からブロック・ラムロウ役として「アベンジャーズ」シリーズに出演したフランク・グリロが主演を務めたサスペンス映画。
ドラマシリーズ「シェキラ!」でのゲスト出演時のパフォーマンスで高い評価を受け賞に輝いた、ケイトリン・カーマイケルが共演を務めました。
映画『ホイールマン -逃亡者-』のあらすじとネタバレ
夜の街、逃がし屋の男(ホイールマン)は調達屋から車を受け取ります。
「目立たない車」を指定したはずなのに、車体が黒でトランクが赤の「BMW E46」であることに憤慨しますが、今更変える時間もなく仕方なく車に乗り込みます。
計画の立案者であるクレイに電話が繋がらず、13歳の娘ケイティが外出の許可を求める電話をホイールマンにかけて来ますが、ホイールマンはケイティに外出してはいけないと言い電話を切ります。
タトゥー屋の前でベン・オクリと名乗る黒人の男と「クソッタレ(mother fucker)」と名乗るモヒカンの男を車に乗せたホイールマンは車を走らせます。
「クソッタレ」は終始ホイールマンに名前を聞こうと話しかけますが、ホイールマンは仕事以外の会話はしたくないと拒否し、そのまま車は銀行へとたどり着きます。
ベンと「クソッタレ」は銃火器で武装し銀行を襲撃し、ホイールマンは逃走の準備のため車の中で待機します。
その時、州外の電話からホイールマンの電話に着信があり、ホイールマンが通話をすると男の声で「俺が誰か分かるか」と聞かれます。
ホイールマンは一瞬でその男がクレイを雇い銀行強盗の計画を立案させた「雇い主の男」であることを理解。
雇い主の男はホイールマンが倉庫火災の罪で3年間刑務所に入っていたことや、その時に出来た借金を返済するためにこの仕事を請け負ったことを知っており、「実行犯の2人がトランクに金を詰めた時点で車を発進させ2人を置き去りにしろ」とホイールマンに命令します。
ホイールマンは冗談だと受け止めていましたが、雇い主の男が実行犯の2人にホイールマンの射殺を命じていると言うとホイールマンは実行犯の2人がトランクに金を入れた時点で車を発進させ2人を置き去りにしました。
路地に車を停めると、雇い主の男はホイールマンに金を数えさせ、チャンドラー駅に行くように指示します。
その間、ホイールマンは非通知でホイールマンの電話に着信をかけてくる「非通知の男」から「お前とクレイを殺す」と脅迫されます。
クレイから電話があり、雇い主の男の指示に従い逃げたことや、自身が雇い主の男にハメられている可能性があることをホイールマンは伝えますが、クレイは雇い主の男がジェファーソン通りに住んでいることしか知らず、目的すら知らない状況でした。
チャンドラー駅に近づき雇い主の男からの着信に出るホイールマンは、雇い主の男から「倉庫に行き、品物と金を交換しろ」と求められます。
しかし、その現場には多数の武装した男たちが待ち構えており、「品物」が「麻薬」であることを察したホイールマンは現場から急いで離れます。
逃走の途中、トンネルの中で1台のバイクがホイールマンの車を尾行していることに気が付きます。
非通知の男から電話があり、ホイールマンとクレイを2人とも殺害すると告げられると、車を尾行してきたバイクの男がホイールマンに発砲を始めます。
ホイールマンは自身の運転技術でバイクの男を事故に追い込み、難を逃れました。
クレイとの電話の最中、ホイールマンがクレイに教えていない「目的地がチャンドラー駅だったこと」をクレイが話したことで、ホイールマンはクレイが雇い主の男の計画を知っていたことを感じ取ります。
クレイのアジトに殴り込み、クレイを連れ出したホイールマンは彼から雇い主の男と今回の依頼の真実を聞きだしました。
映画『ホイールマン -逃亡者-』の感想と評価
カメラが主人公の乗る車からほとんど離れない異色のカーサスペンス映画『ホイールマン -逃亡者-』。
借金を返すために強盗の計画に逃がし屋として参加した主人公の男。
しかし、その計画は横やりによって予想もしない方向へと進んでいき、主人公はあらゆる勢力から追われることになります。
通常であれば展開に空間と言う足枷のついてしまう「ワンシチュエーション」映画ですが、本作は舞台が「移動する車」。
そのため、何が起きているのかが見当もつかない主人公と同様のサスペンス性たっぷりの緊迫感を味わえると共に、いつどこから誰が襲ってくるのか分からない恐怖感、そしてカーアクションの高揚感も楽しむことが出来ます。
「ワンシチュエーション」という足枷を様々なプラスの要素に変換させた、異色かつ秀逸なサスペンス映画でした。
まとめ
いかがでしたか。
全ての物語が車内で完結する『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』(2015)とも類似する本作。
ヒューマンドラマに振り切った『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』とサスペンス性に振り切った『ホイールマン -逃亡者-』。
ワンシチュエーション映画好きの方は、両作の違いをその目で見比べてみることをオススメ致します。
映画『ホイールマン -逃亡者-』は映像配信サービス「Netflix」より独占配信中です。