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NETFLIX【ポイントブランク】ネタバレあらすじと感想。元ネタ『この愛のために撃て(2010)』とリメイク版の比較解説

  • Writer :
  • 糸魚川悟

看護師とアウトロー、凸凹コンビの戦いの行方は。

フランス国内で大ヒットを記録した映画『この愛のために撃て』(2010)。

渋くそれでいて熱いサスペンス映画の秀作が2019年に、ジョー・リンチの手によってアメリカでリメイクされました。

今回は『この愛のために撃て』のリメイク映画『ポイント・ブランク -この愛のために撃て-』(2019)のあらすじネタバレと、原作映画との文化的違いをご紹介させていただきます。

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映画『ポイント・ブランク -この愛のために撃て-』の作品情報

【日本公開】
2019年(NETFLIX独占配信)

【原題】
Point Blank

【監督】
ジョー・リンチ

【キャスト】
アンソニー・マッキー、フランク・グリロ、クリスチャン・クック、マーシャ・ゲイ・ハーデン、テヨナ・パリス、マーキス・ムーア

映画『ポイント・ブランク -この愛のために撃て-』のあらすじとネタバレ

深夜の住宅街で銃声が鳴り響きます。

複数の男に銃撃を受けながら逃亡する男は、待機していた運転手を交差点に呼び寄せますが、合流地点の交差点で車にはねられてしまいました。

病院で看護師として働くポールには、予定日を3週間後に控えた身重の妻タリンが居ます。

ポールは車にはねられた意識不明の男の容態を見るため病室に向かった際に覆面をした何者かに襲われ、病院の身分証明書を取られ逃げられてしまいます。

病院内で襲われたポールは刑事にそのことを報告し帰路につきます。

警察は男が車にはねられた日に発生した検事補ジョシュアが殺された事件を世間を賑わす一連の要人暗殺事件と紐づけ、意識不明の男を容疑者として送検するつもりでした。

ポールが家に着くと突然何者かに背後から襲われ気を失い、妻のタリンを誘拐されてしまいます。

病院内で襲ってきた人間と思われる男がポールに電話をかけ、タリンを助けたければ意識不明の兄を警察が見張る病院から脱出させろ、とポールを脅迫。

タリンを何としても取り戻したいポールは電話の男の要求に従い、意識不明の男を地下駐車場へ移送します。

付き添いの警察官を除細動器で失神させた後に、薬物を投与することで意識不明の男を目覚めさせたポール。

一方、ジョシュア暗殺事件を調べる女刑事レジーナは意識不明の男が大物ギャングのビッグDとつながりのある危険な男エイブであることに同僚のマスターソンの調査で辿り着きます。

エイブは弟のマテオの実刑判決を覆すために、ジョシュアが進めていた警察内部の汚職調査の決定的証拠を集めたUSBメモリを使いジョシュアと駆け引きを行っていたことも分かり、エイブの容疑はさらに濃厚になりました。

エイブが病室から消えたことに気がついたレジーナとマスターソンは、ポールが手引きしたことに気がつき直ちに2人を追跡。

目を覚ましたエイブは現在の状況をポールから聞き出すと、ポールの車を使い2人で病院から脱出します。

タリンを誘拐したマテオと連絡を取ったエイブはタリンの無事をポールに確認させると、この件から手を引くようにポールに言いますが、妻を無事に取り戻したいと考えるポールは痛み止めやその他の薬物を使用しなければ行動出来ないエイブの身体状況を利用し脅迫することで2人は同行することになります。

エイブはマテオとバス停で落ち合うことにしていましたが、バス停には2人を狙う男たちが先に辿り着いていて、合流することに失敗。

洗車場に逃げ延びたエイブとポールは追手により攻撃を受けますが、2人の連携によって追手を撃退しました。

追手の身体調査をするポールは、追手が警察官であることに気がつきます。

洗車をしていた女性から車を奪った2人は、その情報からすぐにレジーナとマスターソンに追跡されますが、ポールと親しくしていたホームレスの機転により2人は追跡から逃れました。

隠れ家に辿り着いたマテオは身重なタリンを気遣いながらも、なかなかエイブと合流できず、ビッグDと警察に追われ続ける現状にしびれを切らし始めていました。

一方、売人の店に辿り着いたエイブとポールは逃走のための車を調達しようとします。

エイブが交渉している隙を見てレジーナに居場所を教えたポールによって、レジーナとマスターソン、そしてレジーナの部下の3人は売人の店に押し入ります。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『ポイント・ブランク -この愛のために撃て-』のネタバレ・結末の記載がございます。『ポイント・ブランク -この愛のために撃て-』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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あっけなく取り押さえられる2人でしたが、レジーナは売人を殺害し、エイブにUSBメモリの場所を言うように迫り始めました。

その言動からマスターソンはレジーナこそが汚職警官であり、ジョシュアを殺した犯人であることに気がつきますが、直後にレジーナに射殺されてしまいます。

警察の増援が迫りレジーナとその部下はエイブとポールを射殺しようと考えますが、レジーナが警察の増援と話をしに行っている隙にポールがレジーナの部下を射殺し、2人は逃走。

タリンが産気づき、いよいよ出産が迫っていることを知ったマテオは、彼女を病院に連れて行こうと考えますが、隠れ家にやって来たレジーナの仲間に撃たれてしまいます。

ポールとエイブが隠れ家に到着しますが、タリンはレジーナの仲間によって連れ去られ、マテオは複数個所を撃たれ瀕死の状態でした。

出血が激しくどうすることも出来ないと悟ったポール、そのことを悟ったエイブはマテオに「大丈夫だ」と声をかけると、そのままマテオは息を引き取ります。

エイブはマテオが死してなお守り切ったUSBメモリを役立てるために、売人の店にあった隠しカメラの映像を奪取し、レジーナによるマスターソン殺害の映像を公表しようと考えます。

仮にも警察であるレジーナと真っ向から対立することに否定的なポールでしたが、タリンを取り戻すためには銃を取れとエイブに諭されます。

協力者を得るためにエイブは自身と対立関係にあるギャングのビッグDのもとを訪れます。

一触即発の事態に陥るエイブとビッグDでしたが、USBメモリの中身がエイブがビッグDに作った借金の何倍もの価値があると分かるとビッグDとエイブはすぐに和解。

レジーナからの電話でタリンを救いたければ1時間後にUSBメモリを持ってくるようにと脅迫されると、すぐにビッグDたちと救出の作戦を立案。

警察署の証拠保管庫にタリンが監禁されている可能性が高いと確信したエイブたちはすぐさま行動に移ります。

ビッグDの配下たちが警察署の前で車を燃やし騒ぎを起こし、警察に扮装したエイブとポールが警察署に侵入するとエイブは騒ぎに気付きやって来たレジーナを確保します。

一方、タリンの悲鳴に気づいたポールは証拠保管庫に駆け付け、レジーナの仲間に薬物を打ち彼女を救出しますが、既に破水が始まっていました。

レジーナを捕らえたエイブは彼女が気づいていなかった売人の隠しカメラを証拠品から取り出すと、自分よりも上の存在がいるとエイブを脅すレジーナを蹴り倒し、自身で片を付けろと拳銃を置き警察署から出ます。

車の炎上騒動で駆け付けたマスコミに「この映像を流せ」と隠しカメラを渡すエイブは、静かにその場から離れて行きました。

マスターソンを射殺するレジーナの映像がニュースで流れ、汚職警官の存在が明らかになり、警察はレジーナを確保するため署内に動員され始めます。

証拠保管庫で警察に発見され手を挙げるように求められたポールでしたが、彼がタリンの出産を介助していると知ると警察はその動向を見守り、無事出産に成功。

レジーナは部屋に入ってきた警察官たちに手を挙げるように求められますが、マスターソン殺害の動画がニュースで流れていることを知ると自殺しようと拳銃を手に取り、警察官たちに撃たれます。

テレビに映る自身の映像を目にしながら彼女は息を引き取りました。

1年後、誕生日を迎えるポールの息子のために、エイブはポールに匿名で誕生日を祝います。

相手が誰か気付いているポールは、誕生日ケーキの写真をエイブに送信。

ポールの息子が「マテオ」と名付けられたことを知ったエイブはその写真を見ると微笑み車を走らせましたが、エイブの車を追うように黒いバンが跡をつけていました。

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映画『ポイント・ブランク -この愛のために撃て-』の感想と評価

『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)よりMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)に連続で出演するアンソニー・マッキーとフランク・グリロのダブル主演作として話題となった本作。

その期待に沿うように2人の演技は本作でも印象的なものになっています。

主人公の2人はそれぞれが非常に家族想いな人間であり、倫理や法律に逆らってでも家族のために行動する信念を持ち合わせています。

アンソニー・マッキー演じるポールは生まれながらの真面目さと誠実さで、フランク・グリロ演じるエイブは暴力と過激な行動力で自身の家族を傷つける巨悪に立ち向かっていきます。

性格も人生も真逆な2人が手を組んだことで互いの信念が影響を与え合っていく様子が面白く、凸凹バディムービーとして一見の価値がある作品です。

原作との違いを検証!国ごとに違う表現の違いとは

参考画像:フランス映画『この愛のために撃て』(2010)

(C)2010 LGM FILMS – GAUMONT – TF1 FILMS PRODUCTION – K.R. PRODUCTIONS

原作はフランス映画であり、アメリカでリメイクされた本作とは設定上異なる部分がいくつか存在します。

今回はいくつかの変更された要素から見える文化の違いを2つほど検証していこうと思います。

エイブ(ユーゴ)の人物設定

殺人の容疑をかけられ看護師のポールと逃走することになるエイブ。

本作では「警察官の汚職事件を捜査していた検事捕が殺害され、検事捕の協力者だったエイブが疑われる」と言う「正義の行い」をしていた男が追われる逃亡劇になっています。

しかし、原作の同人物に当たるユーゴは「空き巣に入っていた家で殺人事件が起きたことで容疑者にされる」と言うある意味では自業自得な設定であり、小悪党対巨悪といった対立構造の違いが明らかになってきます。

人物設定そのものも大きく違い、エイブが根は心優しい人物であることが強調されるのに対し、ユーゴは家族に対してですらどこか冷めた様子を見せ、事件に巻き込まれたサミュエル(ポール)にも終始心を開きません。

このように映画全体での描写の違いからユーゴはエイブと違い、生まれながらアウトローに生き続けてきたことが匂わされます。

現在でもフランスはアメリカの失業率の2倍以上であり、2018年には大規模なデモが発生するなど貧富の差は社会問題として世界に発信されるほどになりました。

そんな状況の中、アウトローな手段でしか生きてこれなかったユーゴが、政府機関である警察が事業家の富裕層と手を組み行っていた犯罪に立ち向かうという物語展開は痛快かつメッセージ深く、原作とリメイク版では違った文化を知ることが出来ると言えます。

映画全体の雰囲気

参考映像:フランス映画『この愛のために撃て』(2010)

長尺のチェイスシーンこそあれど、全体的に渋く静かな印象の漂う原作映画

リメイク版である本作は、そんな原作に派手なカーチェイスや戦闘シーン、そして派手なBGMによる味付けが加えられ良い意味でハリウッド映画としてのエンタメ性が強調されています。

そのためシリアスなサスペンスを楽しむなら原作、アクションや主人公2人のバディムービー感を楽しむなら本作、と完全に別作品としての楽しみ方もあるため、お互いの作品を活かしあう原作とリメイクの関係性がありました。

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まとめ

いかがでしたか。

「イピカイエー」などアメリカリメイク版ならではの映画小ネタも大量に散りばめられた『ポイント・ブランク -この愛のために撃て-』は、原作を既に鑑賞済みの人でも未鑑賞の人でも楽しめるバディムービーです。

まだまだ続く暑い夏のお供に鑑賞してみてはいかがでしょうか。


【連載コラム】『SF恐怖映画という名の観覧車』記事一覧はこちら

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