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『仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』ネタバレ感想と解説。“救世主伝説”を描いた平成ライダー映画の傑作|邦画特撮大全35

  • Writer :
  • 森谷秀

連載コラム「邦画特撮大全」第35章

20019年1月末、「平成仮面ライダー映画・あの名作をもう一度!キャンペーン」という企画が展開されました。

現在も人気上映中の『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』を除いた平成仮面ライダー映画40作の中から、「もう一度スクリーンで観たい映画」「みんなで応援したい映画」をそれぞれ投票。

投票数No.1に輝いた作品をリバイバル上映するというものです。

結果「もう一度スクリーンで観たい映画」には『仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』(2003)が、「みんなで応援したい映画」には『仮面ライダーW FOEVER AtoZ/運命のガイアメモリ』(2010)が見事選出されました。

『劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』製作発表

ちなみに筆者も『仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』に投票しています。

今月2月16日に『仮面ライダーW FOEVER AtoZ/運命のガイアメモリ』の応援上映、翌日2月17日に『仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』の上映がともに渋谷TOEIで行われます。

この機会に今回は『仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』(2003)を特集します。

【連載コラム】『邦画特撮大全』記事一覧はこちら

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映画『仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』の作品情報

【公開】
2003年(日本映画)

【原作】
石ノ森章太郎

【脚本】
井上敏樹

【監督】
田崎竜太

【キャスト】
半田健人、芳賀優里亜、溝呂木賢、泉政行、唐橋充、黒川芽以、村上幸平、速水もこみち、志田未来、大高洋夫、ピーター・ホー、村井克行

本作『仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』はテレビシリーズとは異なった世界観で製作され、1本の独立した映画作品となっています。

台湾を中心に活動するピーター・ホーが仮面ライダーに変身、1万人のエキストラ、量産型の仮面ライダー“ライオトルーパー”の登場などが公開当時に話題となりました。

またブレイク前の速水もこみち、子役時代の志田未来が出演しているほか、『仮面ライダーBLACK RX』(1988~1989)で敵幹部と首領の声を演じていた加藤精三、飯塚昭三、納谷悟朗が顔出しで特別出演している点も注目です。

映画『仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』のあらすじ

遠くない未来、ある国の物語。

世界は人類の進化系“オルフェノク”によって支配されています。

一部生き残った人類は都市部から追いやられ、廃墟のような居住区で暮らしていました。

人々がオルフェノクの恐怖におびえる中、“人間解放軍”としてレジスタンス活動を続ける園田真理。

人類との共存を望む木場勇治らオルフェノク3人と真理は、行方不明となった乾巧/仮面ライダー555の生存と帰還を信じています。

しかし解放軍の水原や草加雅人/仮面ライダーカイザは、その救世主伝説を信じていません。

オルフェノクを管理する大企業・スマートブレインは、強大な力を持つ “帝王のベルト”を開発。帝王のベルトの1つ“天のベルト”によって青年・レオが変身する“仮面ライダーサイガ”、量産型の仮面ライダー“ライオトルーパー”の軍勢が居住区を襲撃。この戦いで草加は絶命してしまいます。

真理は人々を元気づけようと仮面舞踏会を準備していましたが、敵の襲撃によって中止を余儀なくされてしまいました。

会場に1人たたずむ真理の前に、巧にそっくりな隆と名乗る青年が現れます。

真理と隆は2人で舞踏会に興じますが、ライオトルーパーが再び居住区を襲撃します……。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』ネタバレ・結末の記載がございます。『仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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ライオトルーパーの襲撃によって頭を強く打つ隆。そのショックで隆は、自分が乾巧であることを思い出します。

巧は555に変身し、ライオトルーパーの手から真理を守ります。

しかし他の人間解放軍の面々は巧を受け入れない上、水原は巧から変身に必要な“ファイズギア”を奪ってしまいます。

木場は水原からファイズギアを奪還しますが、水原の投げた手榴弾が爆発。その爆風によって木場の武器が吹き飛び、水原を死に至らしめてしまったのです。

水原の一件で居住区を追われた木場たちはスマートブレインに潜入。

しかし巨大なエラスモテリウムオルフェノクの襲撃を受けてしまうのでした。

仲間を失い1人生き残った木場の前に真理が現れ、彼女の口からオルフェノクに対する不信の言葉を聞きます。

人々に裏切られたと思う木場。しかしこの真理は偽物で、全てスマートブレインの罠だったのです。

真理が仮面ライダーサイガにさらわれてしまい、巧は真理を救いに向かいます。

真理は大勢の観衆が集まるスタジアムに拘束され、エラスモテリウムオルフェノクによって公開処刑寸前。

巧がスタジアムに現れ555に変身!!

555は激闘の末、サイガを打ち取ります。しかし巧と真理の目の前に木場が現れ、帝王のベルトである “地のベルト”を使い仮面ライダーオーガに変身します。

オーガとの激闘の末、555は変身が解けてしまいました。窮地に陥った巧はウルフオルフェノクに変身!!

巧の正体がオルフェノクだったことに衝撃を受ける真理と木場……。

死闘の末、555はオーガに勝利します。木場はエラスモテリウムオルフェノクから真理を庇います。木場は最期に巧へ思いを託し絶命。

真理は巧の正体がオルフェノクだと知っても彼を受け入れ、2人はあてもない道行きへと向かっていくのでした。

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映画『仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』の感想と評価

“救世主伝説”を描いた平成ライダー映画の傑作

本作の予告編には“人類に光をもたらす[救世主伝説]”とあります。

テレビシリーズ『仮面ライダー555』(2003~2004)は、ベルトを巡る目まぐるしい攻防と愛憎劇が繰り広げられています。

本作は“救世主伝説”をテーマに、『仮面ライダー555』という作品を換骨奪胎したものといえます。

本作ではテレビシリーズで多く見られた恋愛関係が絡む愛憎劇の要素があまり見られない上、人物設定やその関係性もテレビシリーズとは違うものとなっています。

またベルトを巡る攻防は強大な力を持つ2つの“帝王のベルト”と、水原がファイズギアを奪う件に集約されています。

“救世主伝説”と銘打ったように、本作は神話や英雄譚から引用された箇所が多く見受けらます。

まずは行方不明で死んだと思われていた乾巧=555が再び現れるという描写。世界各地の神話には、一度死んだ神が再生や復活を果たすというものがあります。

本作で一番大きな柱となっている“乾巧=555の復活”は、死と再生の神話からの引用でしょう。

そもそも敵怪人・オルフェノクは死者が復活したという設定で、その名称はギリシア神話に登場するオルフェウスと『旧約聖書』に登場するエノクに由来します。

また終盤のスタジアムでのアクションは、『グラディエーター』(2000)などに登場した古代ローマの闘技場“コロッセオ”がモチーフです。

またラストシーン、大勢の観衆が巧と真理に道を開けるラストシーンは、モーゼの十戒を意識したものです。

一方で居住区での人間解放軍とライオトルーパーの戦闘シーンは、装甲車が登場するなど『マッドマックス2』を思わせるものとなっています。

まとめ

『仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』は独立した映画として製作され、平成仮面ライダー映画の中でも完成度の高い作品の1つです。

本作が持つ高いクオリティは、神話や英雄譚などに裏打ちされたものなのではないでしょうか。

次回の邦画特撮大全は…

『劇場版 ウルトラマンR/ B(ルーブ) セレクト!絆のクリスタル』最新公式PV

次回の邦画特撮大全は劇場版の公開前に、『ウルトラマンR/B(ルーブ)』(2018)のテレビシリーズを特集します。お楽しみに。

お楽しみに。

【連載コラム】『邦画特撮大全』記事一覧はこちら

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