連載コラム「Amazonプライムおすすめ映画館」第26回
ジェイク・カスダンが監督を務めた、2024年製作のアメリカのアクションアドベンチャーコメディ映画『レッド・ワン』。
クリスマス・イブの前夜。「レッド・ワン」というコードネームをもつサンタクロースが何者かに誘拐されてしまいました。
クリスマスを取り戻すため、子供たちの笑顔が生きがいのサンタクロース護衛隊長のカラムは、世界一の追跡者(トラッカー)である賞金稼ぎのジャックと手を組み、サンタ救出のため世界中を飛び回ることに。
しかしサンタ誘拐犯は、サンタの力を利用してある恐ろしい計画を企てていて………。
映画『レッド・ワン』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
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映画『レッド・ワン』の作品情報

(C)2024 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED
【公開】
2024年(アメリカ映画)
【脚本】
クリス・モーガン
【監督】
ジェイク・カスダン
【キャスト】
ドウェイン・ジョンソン、クリス・エヴァンス、ルーシー・リュー、J・K・シモンズ、ボニー・ハント、キアナン・シプカ、クリストファー・ヒヴュ、ニック・クロール、ウェスリー・キンメル
【作品概要】
『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』(2017)のジェイク・カスダンが監督を務めた、アメリカのアクションアドベンチャーコメディ作品です。
「ジュマンジ」シリーズや「ワイルド・スピード」シリーズのドウェイン・ジョンソンがカラム役を、「キャプテン・アメリカ」シリーズや「アベンジャーズ」シリーズのクリス・エヴァンスがジャック役、そしてレッド・ワンことサンタクロース役を『セッション』(2014)のJ・K・シモンズがそれぞれ担当しています。
映画『レッド・ワン』のあらすじとネタバレ

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2024年、クリスマス・イブの前夜。コードネーム「レッド・ワン」ことサンタクロースが、何者かに誘拐されてしまいました。
サンタクロース護衛一筋542年の「物流管理・防備専任隊(ELF)」の長官カラム・ドリフトは、神話や民話の世界の保護と維持を目的としている国際機関「神話民話管理修復局(MORA)」の局長ゾーイに現状を報告。
サンタを誘拐した犯人は、原子プラズマでサンタの住まいである北極ドームに穴を開けて侵入、足跡では8~10人の人間、装甲雪上車を囮に使い貨物ジェット機で逃走した、と。
カラムの報告を受け、ゾーイは部下のトロールに、おそらくドームの位置を見破るのに使われたアメリカ海洋地質局(NOGA)の大陸間地震監視システム(IS)をハッキングした人物の捜索を命じます。
その結果、ハッキングした犯人は「ウルフ」こと、大金のためなら何でもする世界一の追跡者(トラッカー)にして賞金稼ぎのジャック・オマリーであると判明。
ジャックの居所を特定したゾーイは、捜索チームを組んでジャックの家を襲撃。「アクイエスサー」というテーザーガンに似たものを使って彼を捕まえ、箱詰めにしてMORAに帰還します。
ゾーイはジャックに、誰に雇われたのかと尋ねました。ジャックは正体不明の雇い主に、「北極で兵器システムを実験している奴を探せ」と依頼されてISをハッキングしたと白状しました。
まさか自分がこれまで数百年間、極秘だったサンタの住まいを特定したとは知らずに…。
カラムとELFのメンバーの一人、白熊のガルシアは手荒な手段を使って、ゾーイは彼を金で雇うという手段を使って、ジャックに雇い主が誰か尋ねます。
ガルシアに胸ぐらをつかまれたジャックは観念して、「支払い不履行に備え、保険として雇い主のVPN(仮想プライベートネットワーク)に追跡バグを仕込んだ」と言いました。
その追跡バグが示す場所は、アルバ島。ゾーイに金で雇われたジャックですが、子供の頃からサンタの存在を一切信じておらず、一匹狼のため、カラムと一緒に行動することを拒否します。
カラムも、悪い子(人殺し・信号無視する者・嘘つき・ポイ捨てする者・無礼者・遅刻する者など)のリストに載っているジャックを信用しておらず、彼と行動を共にすることを拒否しました。
ゾーイはそんな2人の仲裁に入り、ジャックに追跡装置を取りつけ、2人にアルバ島に向かうよう指示します。
カラムがジャックを連れて、北極の交通システムを使ってアルバ島へ。その途中で北極の交通システムと繋がっているおもちゃ屋で実用的なものを選びます。
ジャックはおもちゃの車、ホットウィールズの赤のC8コルベットを選びました。カラムはそれを腕鎧に搭載された魔法で本物に変えます。
カラムは運転しながら、ジャックに自分とサンタの仕事を説明しました。
サンタは準備してあらゆる瞬間・あらゆる場所のリハーサルをして、世界中の家(37の時間帯の数十億の家庭)に1日でプレゼントを配っていること。
しかもそれは、誰にもプレゼントを配っている姿を見せずに立ち去るという骨の折れる仕事をしているということ。
カラムはそんな彼の護衛のため、年間364日勤務。カラムとサンタの唯一の休みはクリスマスの翌日、12月26日であること。
全人類の起床・就寝時間を把握しているサンタは、子供たちに幸せと喜びを届ける唯一無二の存在であることを。
その後、カラムたちは目的地のビーチに到着。カラム1人で、ジャックの雇い主テッドを守っている傭兵団を倒し、彼にサンタの所在を尋ねました。
しかし正確に言うと、テッドはジャックの雇い主ではなく、ジャックと彼の雇い主の仲介人でした。
テッドはその人物に見張られていて名前を出すことができません。ですがカラムに脅され、ビーチの砂にその人物の名前を書きました。
「GRYLA(グリラ)」、900年の時を生きるクリスマスの魔女の名前でした。彼女を知らないジャックは、その文字を音読してしまいました。
自身の名前が呼ばれたことに気づいたグリラは、テッドの体を乗っ取り、彼らにサンタを誘拐した目的を明かします。何百年もの間望んでいる
サンタの力を使って、グリラが「悪い子」とみなす者全員(リストに載っている者、かつてリストに載っていた者全て)を罰すること。
何百年もの間望んでいたその願いがようやく、明日叶えることができると告げ、グリラはテッドの体から去っていきました。
その直後、海から不気味なアイスクリーム屋の車が3人に接近。その中から、3体のスノーマンが出てきました。
スノーマンが持つ武器に触れたものは、たちまち氷漬けにされてしまいます。しかもスノーマンは、燃やしても体を真っ二つにしても消えません。
苦戦を強いられたカラムですが、戦いの中でスノーマンの顔にある何かを掴んだら倒すことができたのです。
それはスノーマンの鼻(ニンジン)。そうとは知らず、ジャックを襲っていたスノーマンは、彼が仕掛けた爆撃によりニンジンが取れて消滅しました。
最後に残ったスノーマンによって足を凍らされ、絶体絶命のピンチに陥るジャック。カラムはスノーマンの背後からニンジンを捥いで、彼を助けます。
ですが残念ながら、グリラに繋がる手がかりであるテッドは口封じのため、スノーマンに氷漬けにされてしまいました。
以下、『レッド・ワン』ネタバレ・結末の記載がございます。『レッド・ワン』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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その後、機動隊と共に現場に到着したゾーイは、カラムたちに昨夜の監視映像を見せました。
そこに映っていたのは、若い女性に擬態したグリラと、その息子たちの姿。グリラは呪術を使う魔女で、息子が13人います。
カラムたちはグリラの行動範囲を知るため、最近の「魔法の不正使用(UDM)」を調べることに。
その結果、8日前の12月16日に2件、ドイツで魔物を呼ぶ呪術が使われていることが判明。サンタの弟(養子)とグリラが手を組んだ可能性が浮上しました。
サンタの弟がいるドイツの隠れ家は見えないドームの中にあり、MORAもそこへは行かないという取り決めがあって手は出せません。
カラムとジャックは、北極の交通システムを使ってドイツへ。カラムが選んだおもちゃの車、青のシボレー・シルバラードを本物に変え、サンタの弟の屋敷に向かいました。
その道中、カラムは、ドイツに到着したと同時にジャックにかかってきた電話の内容について尋ねます。
ジャックには、電話をかけてきた医者のオリビアとの間にディランという息子がいました。
ですが、ジャックとオリビアは結婚しておらず、オリビアは別の男と結婚していました。
下手なギャンブルにハマってろくでもない連中とつるんでいる実の父親よりも、いい養父がいる息子の生活を邪魔しないように、息子をガッカリさせないように、ジャックは距離をとっているのだといいました。
ですがその作戦は失敗し、思春期のディランはジャックとの交流を望んでいました。
今度はジャックが、サンタとその弟の間に何があったのか尋ねます。
サンタことニックと、彼の弟である冬の闇の魔王クランプスは、最初の頃はニックがプレゼント配り、クランプスがプレゼント配る子がどんな子か調べるというように兄弟で協力していました。
しかし、クランプスが悪い子リストを作り始めてから兄弟仲は悪化。悪さをする子をリストアップするなんて嫌だと反対する兄の声に耳を貸さず、クランプスはリスト作りに夢中になり、実際に悪い子にお仕置きするようになってしまいました。
ニックはこれに激怒し、弟からリストを取り上げました。クランプスは兄との関係を断ち切り、グリラと親密な関係になりました。
クランプスたちは700年間、北欧のアイスランドなど世界各地を回り、「悪い子」が礼儀の正しいいい子になるように、冬のように厳しく人間を罰していました。
しかししばらくして、2人は喧嘩別れになったという…。カラムがその話をした後、2人はクランプスの屋敷に着きました。
カラムはジャックにここにあるものに何一つ触れるなと忠告し、護衛たちが使っている裏口から侵入を試みます。
しかし借金がかさんで首が回らなかったジャックは、クランプスへの貢物として客人が箱ごと置いていった金貨の山に目がくらみ、その中から1枚盗んでしまったのです。
すぐに護衛たちに見つかり、地下牢に入れられてしまったカラムたち。カラムは、数えきれないほどの選択肢がある中で自分で金貨を盗むと、他人よりも自分を優先すると決めたのなら、リストに載るのも自業自得だとジャックにいいました。
さらにカラムは、「何者になりたいか、人は日々選ぶ」という、ニックがいつも言っていた言葉をジャックにいいました。いい子になるか悪い子になるかは自分の選択次第なのだと。
またジャックは、明日でこの仕事を引退することをジャックに話しました。
実はニックが誘拐される前に、カラムはニックに辞表を提出。理由は、ついに人類の過半数を超えた「悪い子」や悪い大人たちの身勝手な振る舞いが許せず、以前なら見えていたはずの「内なる子供」の姿が見えなくなってしまったから。
「内なる子供」とは、ニック曰く、迷える大人の心の奥に今も宿っているかつての子供のことです。
自分たちは子供たちのために、そしてかつての子供たちのために尽くすのだとニックは言いましたが、カラムの引退の意志は固く…。
引退理由について、ジャックには言葉を濁したカラム。護衛たちに連れられ、対面したクランプスに屋敷に侵入した理由を話し、グリラがここに来た理由を追及します。
グリラは、昔自分に贈った魔法の檻「ガラスの檻(グラスケーフィヒ。悪い子を1人だけ閉じ込めることができる)」を取り戻しに来たのだと、クランプスは答えました。
クランプスは屋敷に侵入した代償として、カラムを永久に自分の奴隷にすると決め、MORAへの伝言係としてジャックを解放します。
ですがジャックはカラムを置いて逃げることはせず、クランプスにこの屋敷で行われている宴の余興「クランプスシュラップ」でカラムと勝負しろと提案するのです。
クランプスはジャックの挑発に乗り、カラムとクランプスシュラップで勝負をすることに。
クランプスシュラップのルールは、出場者は交代で互いの頬を1発殴り、先にダウンするか死んだら負け、という単純明快なもの。
1巡目。クランプスの頬をビンタしたカラムですが、腕鎧が押収されて素手だったためびくともしませんでした。
クランプスから強烈な反撃を受け、床に倒れたカラムは「半神の彼に勝てっこない」と弱音を吐きました。
2巡目。クランプス一味の目を盗んで、カラムの腕鎧を取り戻したジャックは彼の右腕に装着。
先ほどよりもパワーアップしたカラムの一撃でクランプスに一泡吹かせることに成功。
さらにカラムは、赤と青のロボットを本物に変えて援護に使い、ジャックと一緒に何とか屋敷から脱出しました。
カラムは自分を置いて逃げなかったジャックのことを見直し、一緒にクリスマスを救おうといいました。
グリラがガラスの檻を大量に作り、悪い子たちに全員罰を与えようとしていると推測したカラムたち。
でもグリラの魔力だけでは、ガラスの檻の大量生産はできないはず…。そう考えたカラムには、彼女がガラスの檻を大量生産できる場所に心当たりがありました。
2人で急いでそこへ向かおうとした瞬間、突如目の前に黒いグランドピアノが出現。自動演奏しているそのピアノの上には、ジャック宛てのプレゼントが置かれていました。
カラムがプレゼントを開けると、そこには複製されたガラスの檻が…。するとディランから電話がかかってきて、彼のもとにも同じ物が贈られていることが判明。
ディランはガラスの檻とは知らずに触れてしまいました。電話越しに姿を消してしまった息子の姿を見て、ジャックはガラスの檻に触れて自ら囚われの身となりました。

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ガラスの檻に閉じ込められ、グリラのもとに転送されたジャックたち親子。グリラがクリスマスプレゼントと称して、大量生産したガラスの檻をリストに載った悪い子全員に贈ろうとしていることを知ります。
カラムはゾーイに現状を報告。2人で話し合っているうちに、グリラがなぜニックを誘拐したのか、ニックが今どこにいるのか気づきました。
カラムが思い当たるガラスの檻を大量生産できる場所とは、ニックのパワーで動いている北極の施設。つまり雪上装甲車も貨物ジェット機も囮で、ニックは北極にいるということを。
それともう1つ、2人は気づいたことがあります。擬態できるグリラとその息子たちによって、今北極のドームは乗っ取られてしまっていることに。
なぜなら、カラムが確認のために連絡を取ったニックの妻ミセスクロースは、ニックの大嫌いなマカルーンというお菓子を作っているというのです。
カラムはゾーイと合流し、ジャックの追跡装置の信号が示す、ドームの作業場の真下にある古い地下通路に向かいます。
同時刻。ガラスの檻に閉じ込められたジャックは、パニック状態に陥った息子に簡潔に現状を伝え、息子が捕まったのは自分のせいだといいました。
またジャックは、息子のためだとでたらめを言って距離をとったせいで、自分も息子も苦しめた己の過ちを反省し、これからは世界一のパパとはいかずとも今よりマシな父親になるよう努力すると約束しました。
その直後、突如ジャックたちを閉じ込めていたガラスの檻が砕け散り、解放されました。
そこへカラムたちが登場。ジャックが本物であるかを確認したカラムは、近くにあった機械に目を留めます。
その機械は、19世紀以降使われていなかった複製機。グリラはこれを復活させ、ガラスの檻を大量に複製していたのです。
ジャックから、グリラがこれからしようとしていることを聞いたカラムたちは、彼らと一緒にグリラたちを止めようとソリがある格納庫へ。ソリはニックなしでは動かせません。
その道中で、誰かの声を聞いたディランが待ったをかけます。その声の主は、本物のミセスクロースたちと一緒に閉じ込められてしまったガルシアでした。
カラムたちはガルシアとミセスクロースと一緒にグリラのもとへ。グリラは息子たちを使って、ソリにニックを閉じ込めた巨大なスノードームのような檻と、大量のガラスの檻を積ませていました。
カラムたちと対峙したグリラは、息子たちに足止めを任せ、いうことを聞かないトナカイたちに鞭を打って無理矢理従わせ走らせます。
それぞれのやり方で、息子たちを次々と倒していくカラム・ジャック・ガルシア・ゾーイ。カラムとジャックは走り出したソリに飛び乗り、背後からグリラを殴りかかります。
しかしグリラに返り討ちにされ、ジャックは走り出すトナカイたちの列の中に、カラムはソリの後方に吹き飛ばされてしまったのです。
ジャックは、2列に並んで走るトナカイ同士をつなぐ鎖を掴み、ソリとトナカイたちを繋いでいる鎖まで移動。
グリラによって北極のドームの外へ、トナカイたちが出ようとしたその瞬間、ジャックは鎖を破壊し、ソリとトナカイの分離に成功。
落下し制御もできないソリは猛スピードのまま橋の柱に激突。グリラは振り落とされ、橋の下へと落ちていきました。
ソリから振り落とされたカラムは、魔法の檻に閉じ込められたニックを救出。しかしグリラに力を吸い取られたせいか、ニックは衰弱し意識はありません。
ジャックが2人のもとに駆け寄ったと同時に、橋の下から不穏な音が…。擬態がとけ、巨大かつ不気味で恐ろしい本性が露わとなったグリラが這い上がってきたのです。
グリラが彼らに襲い掛かろうとしたその時、上空からクランプスによる魔法攻撃が。クランプスは兄を救うため、元恋人であるグリラを止めに来たのです。
グリラはカラムとクランプスを容赦なく痛めつけ、クランプスを投げ飛ばし、カラムを殺そうとします。
とその時、意識を取り戻したニックがグリラの名を叫んだのです。そしてニックは一言、「カバラメ!」と大きく叫びました。
この声にグリラが一瞬怯んだすきをついて、カラムはグリラの手から逃れました。
その直後、霧散していたトナカイたちが戻ってきて、角でグリラを突き上げ、上空から大量のガラスの檻に落としました。
その衝撃で破壊された大量のガラスの檻。グリラは断末魔をあげながら、自ら複製したガラスの檻に閉じ込められてしまいました。
久々に再会した兄弟。ニックは助けてくれたお礼を言い、それに照れたクランプスは「メリークリスマス、兄弟」といい、ジェット機のような自分のソリに乗って帰っていきました。

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その後、サンタの姿になって登場したニックは、ジャックたち親子に一緒に行こうと誘いました。
ニック・カラム・ジャックたち親子を乗せたソリは北極のドームから出発。世界各地を回る旅に出ました。
出発予定から6分遅れたにも関わらず、ニックは世界中の子供たちが起きる前に、無事全てのプレゼントを配り終えました。
ジャックたち親子は、本当に一晩で世界中の家を回り、プレゼントを配ったニックの超人的で格好良い姿に感動しました。
2人の笑顔を見たカラムは、かつて子供だったジャックの姿が見えました。そしてニックに、許されるならこの仕事を続けたいといいました。
笑顔で快諾したニックは「カバラメ」と叫び、トナカイたちの速度を上げ、彼らと一緒に帰路につきました。
映画『レッド・ワン』の感想と評価

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子供の頃からサンタの存在を一切信じていない一匹狼のジャックと、子供たちの笑顔が生きがいのサンタ護衛一筋のカラム。
正反対かつ凸凹コンビだった2人が、サンタ探しの旅を共にしていくにつれて信頼関係を築いていく姿が心にグッときます。
ジャックは逃げることだってできたはずなのに、カラムを置いて逃げることはしませんでしたし、カラムも悪い粉彼のことは信用できないとか言っておきながら、決して見捨てることはせず助けていますし……もう本当にいいコンビでした。
そんな不器用な彼らが作中、ビーチで3体のスノーマンと、敵地の中でクランプスとそれぞれ戦う場面は、ファンタジーでありながら緊張感もあってとても面白いです。
それにクランプスとの戦いでは、何が来ようと物怖じせず立ち向かっていたカラムの頼もしさが消え、ジャックに弱音を吐く場面もあって思わずクスっと笑えちゃいます。
そして物語終盤のグリラとの対決、敵だったはずのクランプスが加勢しにやってきたのはとても胸アツな展開でした。
グリラが最後、大量に複製したガラスの檻に自ら閉じ込められたのは見ていてスカッとしました。
グリラを倒した後の、久々にかわすニックとクランプスの兄弟の会話は何だかほっこりします。
まとめ

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サンタの存在を一切信じていない一匹狼の悪い子と、サンタ護衛一筋542年のサンタクロース護衛隊長が世界中を飛び回り、魔女に誘拐されたサンタと、クリスマスを救うアクションアドベンチャーコメディ作品でした。
本作の見どころは、ジャックとカラムがサンタとクリスマスを救うため、2人であらゆる危機・敵に立ち向かっていく姿。
そして物語の最後に描かれた、たった一晩で世界中の子供たちにプレゼントを配ったニックの勇姿です。
まるでスパイのようにソリから落下して家に侵入し、魔法を使って小さくしたプレゼントを本物サイズに変えて置いていき、誰にも姿を見せることなく、且つ子供たちがサンタのために用意したお菓子を1つつまんで本当にサンタが来た証を残していくニック。
まさに超人のようだったニックは、想像上のサンタクロースよりも格好良く、それでいてサンタクロースらしい。ニック役のJ・K・シモンズははまり役で、イケおじなJ・K・シモンズだからこそより本作のサンタクロースがとても魅力的なキャラクターになったのではないでしょうか。
ジャックやカラム、サンタクロースといった魅力的なキャラクターが多い本作は、彼らを演じた俳優も吹き替えの声優も素晴らしい作品なので、ぜひ一度ご鑑賞ください。
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