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Entry 2021/11/05
Update

映画モースト・デンジャラス・ゲーム|ネタバレ結末評価とあらすじの感想解説。狩猟ゲームで命をかける男を描くアクションスリラー|Amazonプライムおすすめ映画館5

  • Writer :
  • 秋國まゆ

連載コラム「Amazonプライムおすすめ映画館」第5回

フィル・エイブラハムが監督を務めた、2020年製作のアメリカのアクションスリラー映画『モースト・デンジャラス・ゲーム』。

末期の病と宣告された男ダッジ・タインズが、妻とそのお腹の子供の将来を案じて、藁にも縋る思いで危険なゲームに足を踏み入れていく姿とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。

アメリカ・ミシガン州デトロイト市内を舞台に繰り広げられる、主人公を獲物とした24時間の人間狩りゲームを描いた、R18+指定のアクションスリラー映画『モースト・デンジャラス・ゲーム』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。

【連載コラム】「Amazonプライムおすすめ映画館」記事一覧はこちら

映画『モースト・デンジャラス・ゲーム』の作品情報


Amazonプライム『モースト・デンジャラス・ゲーム』

【公開】
2020年(アメリカ映画)

【脚本】
ニック・サントーラ、スコット・エルダー、ジョシュ・ハーモン

【監督】
フィル・エイブラハム

【キャスト】
リアム・ヘムズワース、サラ・ガドン、クリストフ・ヴァルツ、ザック・チェリー、アーロン・プール、ビリー・バーク、デヴォン・ボスティック

【作品概要】
海外ドラマ「MAD MEN マッドメン」シリーズや『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』(2007)などを手掛けたフィル・エイブラハムが監督を務めた、アメリカのアクションスリラー作品です。

本作はR18+指定作品のため、18歳未満の方の視聴は推奨されていません。

「ハンガー・ゲーム」シリーズや『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』(2016)、『ザ・ヴィランズ 悪党伝』(2020)などに出演するリアム・ヘムズワースが主演を務めています。

映画『モースト・デンジャラス・ゲーム』のあらすじとネタバレ


Amazonプライム『モースト・デンジャラス・ゲーム』

元アメリカ・ミシガン州の陸上のスター選手ダッジ・タインズは、激しい頭痛に悩まされながらも、妊娠中の妻ヴァレリーとお腹の中にいる息子のために、日々仕事に邁進していました。

しかし、ダッジのビル建設の事業は暗礁に乗り上げ、破綻寸前。ダッジは懸命に資金調達に奔走するも、誰も融資してくれる人はいませんでした。

全財産を注ぎ込んだビル建設業は、経営が傾いていくにつれて借金が膨らんでいき、気づけば22万ドルにまで膨れ上がってしまいました。

バーを経営する親友ルーガーに借りた5万ドルも返すことが出来ず、ダッジの家には何通もの督促状が届き、玄関前の石畳を修繕する金もなく、家計は火の車でした。

それでも優しいルーガーとヴァレリーに支えられ、今日まで生きてきたダッジ。そんなある日、ダッジはいつも以上に激しい頭痛に襲われ、路上で倒れてしまいます。

搬送先の病院で、医師のシンガル看護助手のリヴィがダッジの脳をCTスキャンで診断した結果、悪性の腫瘍「膠芽腫」があることが判明。その腫瘍がある場所が悪いため、手術することもできません。

残り数週間しか生きられない脳腫瘍だと診断されたダッジ。保険に加入していたり、治療費を支払う金があったりすれば助かるかもしれませんが、彼は莫大な借金を抱えて無保険のため、治療することもできませんでした。

余命宣告を受け、絶望するダッジに、担当の看護師はある団体が置いていったカードを渡します。それは、無保険の人を保証し助けてくれる「ティロ・ファンド」という団体でした。

それから数日後、ダッジは藁にも縋る思いで、ティロ・ファンドに助けを求めました。ティロ・ファンドの代表マイルズ・セラーズは、ダッジにある提案をします。


Amazonプライム『モースト・デンジャラス・ゲーム』

「富裕階級の人々が莫大な賞金を懸けた、究極のスリルを味わえるゲーム“人間狩り”。殺すための狩りを行うハンターの獲物として、このゲームに参加してみないか?」

「制限時間は24時間、君が生き延びれば1時間ごとに報酬が振り込まれる。スタート時にはまず5万ドルが送金され、1時間後には10万ドル、その後1時間ごとに5万ドルずつ増額し、20時間後には100万ドルだ。その後は、1時間ごとに100万ドルずつ加算されていき、24時間後には2450万ドルという報酬が得られる」

「このゲームは始まってしまえば、途中で降りることもやり直すこともできない」「ゲームの範囲はデトロイトに限られているため、市外に出るのはルール違反」「そして君が死ぬまで、ハンターたちの狩りは終わらない」

「警察に通報したり逮捕されたりするのもルール違反となる。もちろん、このことを誰かに話すのもルール違反だ」「銃の使用は禁止。ハンターは至近距離で、獲物を仕留めねばならない」

「君を狩るハンターは5人。男も女も、白人も黒人も関係なくいるし、職業もさまざまだ。君が死ぬまでハンターたちの狩りは終わらない」

「君はIDも現金も持たずに、ハンターから逃げ切るんだ。だがハンターに狩られれば、余命宣告より早めに死ぬ」

「私との通話用の携帯には、1時間ごとに報酬が送金されると同時にチャイムが鳴り、携帯の位置情報がハンターに送信され、15秒間だけハンターたちに位置情報が公開される」

「この携帯を捨てることも失くすことも許されない。携帯を置いて身を隠したら、狩りが終わらないからな」

「嫌なら逃げ出しても構わない。だが無一文でこのまま帰るより、想像もしてなかったほどの大金を家族のために残したいと思わないか?」

ダッジは一晩悩みに悩んだ末、マイルズの悪魔の誘いに乗ることを決め、寝室で眠る妻子に「愛している」と伝えてゲーム会場へ向かいました。

以下、『モースト・デンジャラス・ゲーム』ネタバレ・結末の記載がございます。『モースト・デンジャラス・ゲーム』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


Amazonプライム『モースト・デンジャラス・ゲーム』

翌朝6時46分。ゲームがスタートし、獲物であるダッジには3分猶予が与えられているため、近くにいるハンターたちから少しでも距離をとるべく走り出します。

マイルズから誰がハンターなのか知らされていないため、ダッジは道行く人全てを疑わなければならず、おちおちバスに乗っていることもできません。

周囲を見回しつつ、街中を走るダッジに、1台の黒いベンツの車が接近。尾行するかのようにぴったり後をつけてくるその車に、ハンターが乗っているのかもしれないと思った彼は、「人混みだとハンターが襲ってこない」と言うマイルズの助言に従い、大勢の人が行き交うビルの中に逃げ込みます。

11階でエレベーターから降りたダッジに、違う階で降りて待ち伏せしていたハンターの1人、ニクソンがナイフを持って迫ってきました。

非常階段を使って上の階へ逃げ、男子トイレの1番奥の個室に隠れ、ニクソンが諦めてくれるのを息を殺して待つダッジ。

しかし、ニクソンは余裕綽々と男子トイレで髪を整え、右腕に取りつけたいくつものナイフを晒しながら、1つずつ個室のドアを蹴破ってきたのです。

ニクソンがゲームが1時間足らずで終わってしまうことに失望し、マイルズにクレームの電話を入れた直後、追い詰められたダッジは開けられたドアを押し戻し、その場から逃走。

マイルズたち主催者側とニクソンは、そんなダッジの姿に興奮を覚え、笑みを浮かべていました。

ゲームスタートから1時間が経過し、ダッジの口座にはスタート時の報酬と合わせて、15万ドルが送金されました。しかしそれと同時に、15秒間だけハンターたちにダッジの位置情報が送信されてしまうのです。

ニクソンが見つけるより先にもう1人のハンター、レーガンがダッジを発見。すぐさまダッジの脇腹にナイフを突きつけ、一般人を巻き込まないように、別の場所に移動します。

そんな2人を見つけたニクソンは、レーガンへの怒りを込めてエスカレーターの緊急停止ボタンを押しました。これにより、ダッジはレーガンを押しのけ、その場から逃走。

階段から転げ落ちた際、ダッジはニクソンに殺されかけましたが、運良く警官が声を掛けてくれたおかげで難を逃れます。

盗んだ自転車で逃げるダッジは、今度は路地裏から飛び出してきたレーガンに見つかってしまいました。運良く倒れた自転車にレーガンの足が絡まったことで、ダッジは彼を押し退けて逃走。

ニクソンとレーガンを二度も出し抜いてみせたダッジは、電車に乗ってミシガン州グラティオットへ向かい、キリスト教の教会「聖ジェローム教会」の告解室へと逃げ込みました。

一方その頃、ダッジの取引相手ピアースからの留守電を聞き、ダッジの口座に送金された15万ドルが彼との契約金ではないことを知ったヴァレリー。彼女はルーガーと共に銀行に出向き、送金先を問い合わせました。

その間にも15万ドルの入金がされており、海外の口座から定期的に振り込まれる謎の入金を怪しむヴァレリーたちと女性行員。

ルーガーは「連絡が取れないダッジは、何か深刻な事態に巻き込まれているのかもしれない」と考え、ヴァレリーを促して銀行から立ち去ることにします。


Amazonプライム『モースト・デンジャラス・ゲーム』

9時46分。急いで教会を出ようとするダッジを、助けるふりをして引き留めた神父が、実はハンターの1人カーターであることが判明。

1時間前、ダッジがこの教会に向かおうとしているのが分かったカーターは、教会の出入り口を全て封鎖し、神父に扮して彼を待ち構えていたのです。

500ℊの斧を持って襲い掛かってくるカーター。ここまでは行動学と心理学を熟知している彼の予想通りの展開でしたが、追い詰めた鉄製の扉に斧が引っかかってしまうというアクシデントが発生。

この隙にカーターの魔の手から逃れたダッジは、カーターが振りかざした際に錠が壊れ、開いた扉の向こうに彼を突き飛ばし、近くにあった長い棒を使って閉じ込めることに成功。

その際、ダッジはカーターから、ハンターたちはマイルズから、自分に似ている人物にちなんだ偽名を与えられていることと、事前に自分たちが狩る獲物の情報を教えてもらっていることを聞きました。

その話に聞き入っている隙に、カーターはダッジの足に斧を突き刺し、負傷させます。ダッジは痛む左足を引き摺りながら、教会の献金箱から盗んだ金と斧を持って、教会から脱出。

ダッジはマイルズに、カーターはマイルズの助手コネルにそれぞれ助けを求めましたが、彼らは一貫して手を貸そうとしません。

やむを得ず、ダッジは献金を使って傷の手当てに必要な物を買い、自分で応急処置を施します。しかしそれでも、動くだけで激痛が走るため、ダッジは思うように走れません。

午後4時46分。ダッジはアイスホッケーの試合会場で、自分を追ってくるハンターを待ち構えます。そこにいち早く駆けつけたのは、ニクソンでした。

ダッジは地元選手を応援するファンを装い、会場から出てきた群衆に紛れてニクソンを撒こうとしましたが、ジャージを盗んだことに怒った店員が大声で騒いだため失敗。

屋外駐車場に逃げたダッジは、偶然トランクが開けっ放しの車を発見。そのトランクの中に身を隠し、ニクソンを上手く出し抜きました。

ただ誤算だったのが、その車が向かう先がデトロイト市外であることです。幸いにも、運転手の男がトランクの異変に気づいたことで、ダッジはトランクから飛び出し、デトロイト市内へ戻ることが出来ました。

ゲーム開始から10時間が経過。ダッジがガソリンスタンドでタクシーを盗み、妻が待つ家へ帰ろうとしました。

あと少しのところで、ダッジはバイクに乗るカーターに襲われてしまいます。自力で教会から出たカーターは、ダッジの心理を読んで、彼の自宅に先回りしていたのです。

カーターはバイクからタクシーへ飛び移り、後部座席からダッジをワイヤーで絞め殺そうとしましたが、タクシーが建設現場の仮囲いに衝突したせいで失敗。

カーターはすぐに動けないほどの怪我を負いながら、ダッジとヴァレリーの殺害をほのめかしましたが、それに激怒したダッジにブロックを叩きつけられ死亡しました。


Amazonプライム『モースト・デンジャラス・ゲーム』

午後9時58分。ダッジは乗船券を盗んで遊覧船に乗り、自分を捜しに来たレーガンを撒こうとします。

しかし乗員に扮した女性ハンター、ケネディが襲撃。近接格闘術に長けた彼女に、ダッジは苦戦を強いられてしまいます。

カナダへ向かう遊覧船が橋を通過する際、橋の下に捕まったダッジは、同じく遊覧船から脱したケネディに殺されそうになりますが、海に蹴り落として難を逃れました。

何とか橋の上へ這い出たダッジは、衣類の寄付箱から変装用に服を調達。街をさまよっているうちに深夜になり、やがて位置情報が公開されても反応できないほど、過労で動けなくなってしまいました。

そんなダッジを救い出してくれたのは、彼のことが心配で居ても立ってもいられず、捜しに来たルーガーでした。

ダッジはルーガーの車に乗って走り出した直後、ニクソンの車が急接近。ダッジはルーガーを戦いに巻き込まないよう、車から飛び降りて逃走します。

午前4時46分。不良グループに捕まってしまったダッジの元に、機関銃を持ったハンター、LBJとレーガンが襲来。LBJは、最初にバスに乗った時に隣に座った男でした。

追い詰められたダッジは、「銃はルール違反だ」と訴えますが、「それは獲物のお前だけだ」と返したLBJは、懐から取り出したスタンガンを使って殺そうとします。

その瞬間、戦いに巻き込まれた不良グループの1人が、持っていた銃でLBJを射殺。命を救われたダッジは、その銃を持ってその場から逃走。

ダッジはニクソンの追跡を撒き、病院へ行きました。そこで受付の人に処方された薬と、ダッジのカルテを調べて貰いました。

その結果、ダッジの診断記録もなければ、シンガルとリヴィという医師も存在せず、ダッジが運び込まれた病室があるD棟は、何ヶ月も前から工事中であることも判明。

そう、全てはダッジをゲームに参加させるために仕組んだ、マイルズの嘘だったのです。ダッジは警察に通報すると糾弾しますが、それに対しマイルズは、余裕綽々とこう答えました。

「金も将来もない君は、死んだも同然だった。私のおかげで君は人生を取り返したんだ」

「それに君は、私の本当の名前も居場所も知らない」「君の妻は今、君のお友達に保護させているよ」

うだつの上がらないルーガーは、それでもダッジに全財産を投資したのに、金を返さないダッジに内心腹を立てており、失った金を取り返そうと必死でした。

ダッジが毎朝の日課としているランニングのコースも給水ポイントも知っているルーガーは、マイルズに協力することを決め、5万ドルでダッジの水に薬物を混入させました。

路上で倒れたダッジに駆け寄った警官も、ダッジを診察した医師も全て、マイルズがこの日のために大金をかけて用意した偽物でした。

ゲーム終了まで残り90分。マイルズが仕組んだ罠に騙されていたことを知ったダッジは、公衆電話を使ってヴァレリーにそのことを伝え、「今すぐそこから離れて、僕がプロポーズした場所へ向かえ」と指示します。

マイルズは勇敢なローマ人ティロが始めて以来、2,000年の歴史を誇るこのゲームの栄光を途絶えさせないために、何が何でもダッジに最後まで続けてもらうべく、ヴァレリーを人質に取ることにしました。

プロポーズした場所に駆けつけたダッジは、目の前でマイルズの仲間にヴァレリーを連れ去らわれてしまい、怒りと助けられなかった悔しさで咆哮を上げました。

マイルズは、ゲームを監視する部屋に連れてきてもらったヴァレリーに、こう言いました。

「当初の計画では、あなたはダッジの生命保険金として、追跡不能な巨額の金を受け取るはずだった」

「ダッジは今、私が構成し演出したゲームで、ハンターたちに狩られる獲物として参加している」「ダッジを獲物に選んだ理由は、私が選んだから」


Amazonプライム『モースト・デンジャラス・ゲーム』

午前5時46分。ダッジの命を狙うハンターたちを招いているかのように、ダッジの父親の工場跡、「ヴァン・ビューレン自動車」という自動車工場の電光掲示板が突如点灯。

レーガン・ニクソン・ケネディはそれぞれ車とバイクに乗って駆けつけ、ダッジを今度こそ仕留めるべく、工場跡へ侵入していきました。

最初にダッジを見つけたのは、レーガンでした。レーガンはダッジと揉み合った末、ダッジによって下ろされたプレス機に右手を潰されてしまいます。

次にダッジを見つけたのは、工場の明かりを見てやって来たというルーガー。ダッジは彼から落としてしまった銃を取り戻そうとしたその時、彼は銃を発砲。

被弾したのは、ダッジの背後に迫っていたケネディでした。ケネディの死後、ニクソンが銃を使ってダッジたちを襲撃。

ダッジは撃たれたルーガーを庇いつつ、事前に用意した屋内消火栓ホースを使い、アセトン(両親媒性の無色の液体で、水、アルコール類、クロロホルム、エーテル類、ほとんどの油脂をよく溶かす有機化合物)を追いかけてくるニクソンの足元に放水。

さらに事前に用意しておいた電線に電流を流し、発火させます。手が潰されて動けないレーガンは、燃え広がる炎から逃げることが出来ず死亡。

工場跡は、ダッジたちがいたフロアは瞬く間に炎上し爆発しました。ダッジは、爆破騒ぎで駆けつけるだろう本物の警察と救急車にルーガーを任せようと思い、1人工場跡から抜け出し、近くで様子を見ていたコネルを襲撃。

コネルを脅迫し、ヴァレリーの居場所を突き止めたダッジは、縄で縛りつけられている彼女を無事救出。しかしそこに、マイルズたちの姿はありませんでした。

その直後、爆発から逃げのびたニクソンがダッジに襲い掛かってきます。追い詰められたダッジが外へ剥き出しの柱にしがみつき、そのままニクソンに殺されそうになった瞬間、ゲームはようやく終わりを告げました。

ニクソンはゲーム終了と同時に狩りを止め、下へ落ちそうなダッジを助けて、その場を立ち去っていきました。

駆けつけたヴァレリーと抱き合い、互いの無事を確かめ合うダッジ。そこへ、既にデトロイト市外へ逃げたマイルズから、「君が勝つと思っていた。今後の人生を存分に楽しむといい」という電話がかかってきました。

コネルが運転する車の中で、マイルズが新たな獲物となる男、エドアルドに期待を寄せる姿を最後に、物語は幕を閉じました。

映画『モースト・デンジャラス・ゲーム』の感想と評価


Amazonプライム『モースト・デンジャラス・ゲーム』

元陸上スター選手vsゲームの常連である5人のハンター

余命宣告を受けた元陸上スター選手のダッジは、妻と生まれてくる子供に借金を背負わせたくないため、マイルズの誘いに乗り命懸けのゲームに参加しました。

対照的に、ゲームの常連であるニクソンたち5人のハンターは、獲物を狩る捕食者のように狩りを楽しんでいます。劇中で浮かべるニクソンたちの笑みは、狂気を感じてゾッとするほど怖いです。

どこから襲い掛かってくるか、誰がハンターかも分からないゲームは、気を落ち着かせる場面が少ないため、ダッジの戦いから一秒たりとも目が離せません。

ニクソンたちハンターが執念深く追いかけ、ダッジを追い詰めていくスリリングな描写には冷や冷やさせられ、ダッジが何度もハンターを出し抜いていく様を見るたびに、観ているこちらも安堵します。

ゲーム主催者マイルズの計画


Amazonプライム『モースト・デンジャラス・ゲーム』

ゲーム主催者であろうマイルズは、ダッジをこのゲームに参加させた張本人です。ハンターによる人間狩りが観たい富裕階級の人のためだけに、ゲームを主催しているのではありません。

もちろんそれも理由の1つですが、マイルズ自身が人間狩りを見て楽しみたい趣味趣向を持った人物であり、また2,000年続くこのゲームを続けていかなければならない使命感からきています。

ダッジは余命僅かの脳腫瘍を患ったのではありません。他でもないマイルズが、ダッジを獲物として選んだから、ゲームに参加させるためのきっかけとして演出しただけなのです。

ゲームを続けさせるためなら手段を問わないマイルズが、ゲームへの参加と続行のためだけに、大金をはたいて偽警官や偽物の医師を用意しました。

そんなマイルズのゲームへの恐るべき執念は、ハンターたちの狂気に負けず劣らず、恐怖を感じます。

まとめ


Amazonプライム『モースト・デンジャラス・ゲーム』

余命宣告を受けた男が妻子の将来のため、大金を得られる命懸けのゲームに参加し、24時間ハンターたちから逃げ惑うという、アメリカのアクションスリラー作品でした。

物語の後半、マイルズがダッジをゲームに参加させるために、ランニングコースも給水ポイントも知っているルーガーを買収し、利用したことが明かされます。

それが本当なのか嘘なのかどうか、ルーガーの口から明かされることはありません。ただ工場での死闘の際、ルーガーがダッジを助けたことから、彼が本気でダッジを殺そうと思っていなかったのではないかと考察できます。

また物語のラストで、あんなにダッジを殺す気満々で執念深く追いかけていたニクソンが、ゲーム終了と同時に態度を豹変しダッジを助けた姿には、誰もが彼のギャップに驚かされることでしょう。

ゲーム主催者に嵌められた元陸上のスター選手が、殺人を楽しむハンターたちと命懸けの戦いを繰り広げていく、終始ハラハラドキドキさせられるアクションスリラー映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。

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