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映画『サイバー・ゴースト・セキュリティー』あらすじネタバレと感想。キャストにモニカベルッチやデビッドウェナムも参戦|未体験ゾーンの映画たち2020見破録30

  • Writer :
  • 増田健

連載コラム「未体験ゾーンの映画たち2020見破録」第30回

「未体験ゾーンの映画たち2020見破録」の第30回で紹介するのは、異色の設定で悪魔と対決するアクションホラー映画『サイバー・ゴースト・セキュリティー』

古来より、あらゆる手段で人間を誘惑してきた…とされる存在の悪魔。彼らは文明の進歩と共に、あらゆる手段で人々を誘惑します。中にはヘビィ・メタルの音楽を利用した悪魔まで…あくまで映画の中のお話ですが。

そんな悪魔がネットで世界が結ばれ、誰もがスマホを持つ環境を利用しないはずは無い!それに合わせて、悪魔と闘うネクロマンサーも、時代と共に進化しない訳がない。そんな発想で描かれた、近未来型悪霊退散・バトルホラー映画の登場です。

【連載コラム】『未体験ゾーンの映画たち2020見破録』記事一覧はこちら

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映画『サイバー・ゴースト・セキュリティー』の作品情報


(C)2018 Nekromancer Holdings Pty Ltd, Create NSW and Screen Australia

【日本公開】
2020年(オーストラリア映画)

【原題】
Nekrotronic

【監督・脚本】
キア・ローチ=ターナー

【キャスト】
ベン・オトゥール、デビッド・ウェンハム、モニカ・ベルッチ、キャロライン・フォード、テス・ハウブリック

【作品概要】
ネット空間を利用して人類を支配しようと企む悪魔。その企てにハイテク装備を駆使し、戦いを挑む人々を描いた、サイバーアクション・オカルトホラー。「未体験ゾーンの映画たち 2016」で上映された、「マッドマックス」的世界観にゾンビを加えたトンデモ痛快映画、『ゾンビマックス! 怒りのデス・ゾンビ』を生んだ、監督キア・ローチ=ターナー、製作トリスタン・ローチ=ターナーの、ターナー兄弟による作品です。

主演は『デトロイト』や『ホース・ソルジャー』など、ハリウッド映画でも活躍するベン・オトゥール。「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズでファラミア、「300」シリーズでディリオスを演じたデビッド・ウェンハム、デビュー以来現在まで、様々な映画で存在感を放つ大女優モニカ・ベルッチが共演。ヒューマントラストシネマ渋谷とシネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2020」上映作品。

映画『サイバー・ゴースト・セキュリティー』のあらすじとネタバレ


(C)2018 Nekromancer Holdings Pty Ltd, Create NSW and Screen Australia

はるか昔、人類は誤って悪魔を呼び出します。悪魔は人間に憑依し魂を喰らい、人々を支配しようと暗躍します。しかし人類の中から、悪魔に戦いを挑む戦士が現れます。それがネクロマンサー(魔術師)と呼ばれる人々でした。

悪魔とネクロマンサーとの闘いは続き、人類の進歩と共に戦いの道具も、手段も変わってゆきます。そして現在、悪魔はネットという手段を使用して、人類を支配しようと試みていました…。

クリスマスというのに、耐えられないほど熱い地域のどこか。ハワード(ベン・オトゥール)は相棒のランギと共に、バキュームカーで下水処理の作業をしていました。

スマホに夢中のランギのミスで、ハワードは汚水を全身に浴びます。その上仕事を仕切る義理の兄からアホ呼ばわりされ、おまけに残業まで命じられて、もう怒り心頭のハワード。

不機嫌な顔で車に乗り込んだハワードですが、ランギにハッパをすすめられ機嫌を直します。仕事にも家族にもウンザリしていましたが、相棒のハワードとは楽しく過ごしていました。

ランギのスマホに、新しいARゲームアプリが表示されます。深く考えもせずタップして、ダウンロードするランギ。

ゲームはネットを通じ、とある場所につながっていました。その怪しげな場所では、床に描かれた魔法陣の中央に、拘束された男が座らされていました。

そこに現れた謎の女、フィネガン(モニカ・ベルッチ)。彼女が手際よく生贄の羊を捧げると、ケーブルを通じ何かが男の体に入り、苦悶した彼は悪魔のような形相に変貌します。

スマホを持ち車から身を乗り出すランギ。ゲームは街に現れるポケモンならぬ、幽霊を捕まえようというARアプリでした。すっかりゲームに夢中の相棒に呆れかえるハワード。

スマホを通じて幽霊を発見し、車を止めさせたランギは、画面をタップし幽霊をゲットします。しかしその瞬間、ハワードはなぜか衝撃と痛みを覚えます。

ハワードは以前からこの症状に苦しめられていました。痛みを止める薬を飲むハワード。ふと気づくと近くには、ネクロポッドと呼ばれるトランスミッターが設置されていました。どうやらゲームアプリと関係ある物のようです。

ランギのスマホに新たな幽霊が表示されます。ハワードは何やら不安を覚えていました。

その頃巨大IT企業、デーモコン社はテレビ会議を開いていました。テレビ越しに語るフィネガンは、顔をそろえた幹部たちに、クリスマスらしくサンタの帽子を被れと命じます。

ネクロポットの設置状況と、例のゲームのユーザー数増加の報告を受けたフィネガンですが、生贄が用意されると席を外し、その魂を吸収します。

何事も無かったように会議に戻ったフィネガンは、失態があれば幹部は皆殺しだと告げます。幹部たちはその言葉を、たちの悪い冗談と受け取ろうと努力します。

同じ頃ネクロマンサーのルーサー(デビッド・ウェンハム)、その娘のモリー(キャロライン・フォード)とトルクェル(テス・ハウブリック)は、悪魔化した人間と闘っていました。

親娘はネクロマンサーとして、人知れず悪魔と闘っていました。しかし今回、悪魔がネクロマンサーたちに総攻撃をかけた模様で、仲間たちは次々倒され連絡がとれなくなっていました。襲撃の背後にはフィネガンがいると悟ったルーサーたち。

そんな事など知らず、街を車で走るハワードとランギ。スマホゲームの幽霊を見つけて、仕事そっちのけで遊びたがるランギですが、スマホを通してハワードの顔を見て驚きます。

ゲームアプリを起動したスマホ画面では、ハワードの顔は輝いて見えました。幽霊相手と同様にランギがゲーム画面をタップすると、ハワードは苦しみ出し吹き飛ばされます。

そのハワードの反応をフィネガン、そしてネクロマンサーたちはモニターで感知します。ショックから立ち直ったハワードは、なぜか肉眼で幽霊の姿が見えるようになっていました。

ハワードの存在を知ったフィネガンは、悪魔化した人間の魂をネットを通じ送り込みます。それはハワードの傍で、スマホをかざしていた男に憑りつき、彼を悪魔化させます。

悪魔化した男に襲われるハワード。巻き添えで死人が出る中、ランギも必死に抵抗します。彼を助けに駆け付けたネクロマンサー・モリーの前で、何かの力に目覚めて発動させると、その男の顔を電話機に押し付けたハワード。

悪魔の魂は男から抜け出し、ネット回線を通じ元の場所へと逆流します。フィネガンとモリーは共に、ハワードの持つ力を知りました。そしてハワードは気を失います。

意識の無いハワードの首から、埋め込まれた装置を取り出すルーサー。このスクランブル化装置よって、今まで彼の存在はフィネガンの監視の目から逃れていました。

トルクェルが電撃ショックを与え、無理やり目覚めさせられたハワードは、事態を全く呑み込めていません。そんな彼にルーサー親娘は、自分たちはネクロマンサーだと明かします。そしてハワードに対し、君も悪魔を狩る戦士、ネクロマンサーだと告げるルーサー。

ルーサーは彼に、君は最強のネクロマンサーの血統だと伝え、両親の名を訊ねます。しかしハワードは実の両親を知りません。彼は親に捨てられ、養子として育てられていました。

彼に1枚の写真を見せるルーサー。そこには幼い子供と共に男女が写っていました。私は君の両親を知っている、ヘンリーとフィネガン。2人は最強のネクロマンサーだとルーサーは教えます。

フィネガンは、素手で悪魔を倒せる程の力を持っていました。しかしある時、ネットの世界に逃れた悪魔を追って、フィネガンはサイバー空間に意識を送りますが、逆に彼女の魂は悪魔に憑りつかれます。そして仲間のネクロマンサーを殺し、その魂を吸収し強大な力を手に入れます。

ヘンリーは幼い息子を、悪魔と化した母から逃がすため自ら手放しました。その時に装置をハワードに埋め込んで、ネクロマンサーを滅ぼそうとするフィネガンに、居場所を悟られぬよう図ったのです。そのヘンリーも死んだと告げるルーサー。

真剣な話に退屈したのか、空気を読まずスマホをいじり出すランギ。トルクェルが怒って止めさせますが、それで居場所を悟られたのか、彼らは悪魔化した人間の襲撃を受けます。

ルーサー親娘は銃で抵抗しますが、ランギは射殺されました。彼の亡骸を抱え、嘆き叫ぶハワードから何かの力が発動します。

悪魔に対抗する切り札となったハワードと、2人の娘を逃がすルーサー。彼の前にフィネガンが現れます。圧倒的な力に押さえつけられ、ルーサーは殺されます。

父の死を悟ったモリーとトルクェルは、ハワードと共に逃げようとしますが、恐怖に駆られた彼は1人走り出します。道路に飛び出し、駆け付けたパトカーにはねられるハワード。

彼が病院で目を覚ますと、そこにランギの幽霊が現れます。どうやらハワードの能力の影響で、死後彼は幽霊と化したようでした。ランギの姿は他の者には見えません。

身に付けた様々な能力を見せるランギの幽霊と、それを認めたくないハワードは言い争いますが、何者かの気配にランギは姿を消します。すると病室にフィネガンが現れます。

フィネガンはお前の母である自分は、父のヘンリーと違ってお前を捨てはしないと告げます。彼女のやり口を知ったハワードは拒絶すると、悪魔の持つ強大な力を息子に味あわせ、仲間に引き入れようとするフィネガン。

ケーブルが突き出た怪しげなボックスを取り出し、フィネガンは頭に接続しろとハワードに迫ります。拒否すると本性を現すフィネガンに、駆け付けたモリー・トルクェル姉妹が発砲し、病室から追い落します。ハワードは姉妹と共に病院から脱出しました。

3人の乗せた車は夜の街を走り抜けます。ハワードの目には無数の幽霊と、スマホに夢中になってる人々の姿が映ります。彼は姉妹によって隠れ家に案内されます。

そこに現れたランギの幽霊を、姉妹は始末しようとしますが、慌ててハワードが止めさせます。彼が改めて街に目をやると、そこに幾つか無数の幽霊が引き寄せられる場所がありました。

それはネクロポットの設置された場所で、都市に魔法陣を描くように設置されています。しかもネクロポットには悪霊が巣食っていました。ネクロポットを設置したのはデーモコン社を支配する、フィネガンだと告げるモリー。

いきなり巻き込まれた状況と、知りもしなかった世界に混乱したハワードは怒り出します。しかし姉妹の説得で運命を受け入れ、彼はネクロマンサーになると決意します。

姉妹に秘密基地へと案内されるハワード。しっかりランギの幽霊も付いてきます。そこでモリーの導きで彼が能力を解放させるてみると、想像を越える力が発揮されました。

床に描かれた魔法陣の中央に置かれた装置、ネクロポータルの説明を受けるハワード。悪魔の魂を実態かさせる液体の詰まった装置で、彼はその機能を3Dプリンターに例えて理解します。

悪魔の憑依を防ぐ特殊なボディスーツを見て、ヒーローのスーツだと騒ぐランギ。それをハワードとモリーが身に付けます。試しにトラップボックスに封印した、悪魔の魂をネクロポータルに送り、実体化させて巨大なレーザー砲、“オールド・ベッツィ”で処分してみせるトルクェル。

姉妹はハイテク装備を駆使したこの手順で、サイバー空間に潜む悪魔を退治していました。手下の悪魔が消滅させらたと知ったフィネガン。彼女はネクロマンサーとして覚醒した息子、ハワードとの対決を予感し、不敵に笑います。

以下、『サイバー・ゴースト・セキュリティー』のネタバレ・結末の記載がございます。『サイバー・ゴースト・セキュリティー』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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((C)2018 Nekromancer Holdings Pty Ltd, Create NSW and Screen Australia

都市にデーモコン社を中心に、五芒星の魔法陣を描くようにした、ネクロポットの配置が終わろうとしていました。着々と進行するフィネガンの、人類を支配する計画を阻止すべく、亡き父の意志を継いだネクロマンサー・モリーは計画を立てます。

地下道を進み、ハワードが爆破装置で電磁パルスを発生させ、その隙にモリーとトルクェル姉妹がネクロポットの1つを奪い、正体と目的を暴く計画です。一同は行動を開始しますが、ハワードとモリーのやり取りを眺め、2人の関係をひやかす幽霊のランギ。

ところがランギがヘマを仕出かし、ハワードは予定より早く装置を爆破します。ハワードはネクロポットに潜む悪鬼に襲われ、モリーはスマホを通じて、悪魔に憑かれた男が迫ってきます。

ハワードを襲う悪鬼は、対悪魔用の武器を操るトルクェルが倒します。そしてネクロポットを奪ったものの、悪魔に憑依された者たちに追われるモリー。

一同は地下道を逃げ、現れた敵と戦います。フィネガンは悪魔化した人間を通じ、息子に自分に従うよう呼びかけます。しかしハワードは、悪態をついて母の誘いを拒絶します。

ハワードに拒まれたフィネガンは、所持していた息子との写真を焼き棄てると、奪われた箇所のネクロポットの再設置を命じました。

一方ハワードたちは秘密基地に戻り、奪ったネクロポットの正体を暴こうと解体します。中には彼女らの叔父、ネクロマンサーのデイブの首が入っていました。

モリーが話しかけると、首は悪魔に憑りつかれながらも真実を語ります。フィネガンは倒したネクロマンサーの首を容器に収め、悪魔を憑りつかせて死者の魂を喰わせて、得られた力を利用しネット空間を支配していたのです。

そしてスマホアプリを通じて、フィネガンは人々の魂を得ようと企んでいました。残された時間は少ないと告げたデイブは、モリーに解放を求めます。願いを聞き、叔父の首に銃弾を撃ち込むモリー。

フィネガンの計画が完成が近づく中、モリーはデーモコン社のセキュリティを破り、サーバーの中に自らの意識を送り込み、危険を承知でデータを持ち帰ろうと計画します。

その実行を試みた時彼女に代って、トルクェルが自らをケーブルにつなぎ仮死状態になって、意識をサイバー空間に送り込みます。

トルクェルの魂はデーモコン社のサーバーに侵入し、元の体へ戻ろうとします。それに気付いたフィネガンは、自らの体をネットに接続し魂を送り、追跡を開始しました。

2つの魂はトルクェルの肉体に入り、体内で争いを始めます。モリーの手には負えず、強大なネクロマンサーの力を持つ、ハワードの力に委ねます。彼ならフィネガンの魂だけを、トルクェルの肉体から追い出せる可能性に賭けたのです。

しかしネクロマンサーとしての、経験の浅い彼が発した力が強すぎたのか、耐えられなかったトルクェルの頭部が爆発します。彼女の肉体の損傷と共に、2つの魂も抜け出たようです。凄惨な光景にモリーは悲鳴を上げ、呆然とするハワード。

秘密基地に持ち帰ったトルクェルの遺体を前に、自分たちの判断と行動を責め、そして対立したハワードとモリー。ランギがあることに気付きました。ハワードの力で肉体から離れたトルクェルの魂は、トラップボックスに閉じ込められていたのです。

ネクロポータルに彼女の魂を送り込めば、3Dプリンターの要領で、トルクェルは再生できるかもしれません。しかし悪魔の実体化に使用した装置、人間の魂に有効かは不明です。それを承知でハワードはポータルに魂を送り込みました。

試みは成功し、新たな体を得て復活したトルクェルを、モリーがしっかり抱きしめます。人とは異なる肉体を得たモリーの頭の中には、デーモコン社のサーバーで得た情報が入っていました。反撃の計画がある、と告げるトルクェル。

幽霊のランギの能力を借り、デーモコン社に乗り込むトルクェル。再生された体は協力な爆薬として使用可能で、それを使い敵を倒しながら中枢部へと乗り込みます。

ボディスーツを身に着け武装したハワードとモリーも、別行動で侵入を開始します。トルクェルから得たパスワードを使い、ハワードはメインフレームに侵入しました。

フィネガンがネクロポットで都市に描いた五芒星が、ついに完成の時を迎えます。彼女の計画は最終段階に入りました。

トルクェルはランギと共にサーバールームに入ると、そこの敵を華麗に次々射殺していきます。しかしフィネガンの側近の悪魔に撃たれ、倒されて銃を奪われます。

カウントダウンを終えたフィネガンが、自らをネットに接続すると都市に五芒星が描かれ、人々の体から魂が抜けだし、フィネガンの元へと引き寄せられます。ついに邪悪な計画が発動したと気付くハワードとモリー。

瀕死状態のトルクェルは、フィネガンの前に引き出されます。それはトルクェルの芝居でした。人とは異なる肉体を得た彼女は、ランギと共に反撃に転じ、フィネガンの前で自らを爆破します。

爆発に巻き込まれてフィネガンの企ては失敗し、奪われかけた人々の魂は元の体に戻ります。メインフレームのハワードとモリーは、爆破した肉体を離れ、サイバー空間に逃れたトルクェルの魂を、用意したトラップボックスで回収します。

それを追いサイバー空間をさまようフィネガンの魂。放置すればまたネットを介し、人々を害するでしょう。意を決したモリーは、ハワードが止めるのも聞かずケーブルに接族し、自らの肉体にフィネガンの魂を取り込むモリー。

モリーの肉体を支配したフィネガンは、計画を台無しにした息子ハワードを罵り、容赦なく攻撃してきます。彼が反撃すれば、モリーの魂と体まで失われます。攻撃をためらうハワードを、フィネガンは魔力を使い、一方的に責め立てます。

ハワードの魂を吸収しようと迫るフィネガン。その瞬間ハワードは隙をついて彼女のスーツを暴走させ、ショックを与え倒すことに成功します。

捕えたモリーの肉体から、ハワードは魔術を使いフィネガンを追い出そうと試みます。トルクェルの時の失敗は繰り返さず、彼はフィネガンの魂のみを祓い、トラップボックスに封印する事に成功します。元に戻ったモリーとの再会を喜ぶハワード。

車でネクロマンサーの秘密基地へと向かう2人ですが、幽霊のランギは気を利かして姿を消し、その会話を邪魔しないと決めこみます。

基地に戻ったハワードとモリーは、1つのトラップボックスに収めたトルクェルとフィネガンの魂を、ネクロポータルに送り込みます。ポータルから姿を現したのは、最強の悪魔の正体を現したフィネガンと、その手に捕えられたトルクェルでした。

自分もろとも悪魔をレーザー砲、“オールド・ベッツィ”で撃てと叫ぶトルクェル。しかしモリーには撃てません。彼女は悪魔の魔力で吹き飛ばされます。

ハワードの魔術も歯が立たず、モリーの目前でトルクェルの首を引きちぎる悪魔。そして悪魔に捕えられ、魂を吸われそうになるモリー。

悪魔はハワードに気付くと、彼の前でモリーの右手を引きちぎり、彼女の体を投げ捨てます。怒りに燃えるハワードの魔術で、悪魔は消滅したかに見えました。

しかし悪魔は舞い戻ってハワードを襲い、彼の魂を吸おうとします。しかし片手を失ったモリーが、レーザー砲を悪魔に向けました。発射した光線が命中し、ついに消滅した悪魔。

ハワードが目覚めたとき、トルクェルはちぎられた首を、自らタッカー(大型のホッチキスのような工具)でつなぎとめていました。そして床の上に、右手の無いモリーの遺体が横たわっています。

モリーの遺体を抱きかかえ、ネクロポータルに浸すハワード。彼は死者の霊を操る魔術師、ネクロマンサーの本領を発揮して、彼女の霊を呼び寄せ肉体に戻します。トルクェルの目の前で甦ったモリーの右手は、ポータルの力で再生していました。

ハワードとトルクェルがモリーの復活を喜ぶ、実に感動的な場面に、やはり幽霊のランギは空気が読めず、場違いに登場していました。

その1年後。スマホを通じ人に憑依した悪魔を、右手に装着した武器で倒すモリー。彼女をサポートするハワードに、おジャマ虫幽霊のランギは、ちょっかいを出していました…。

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映画『サイバー・ゴースト・セキュリティー』の感想と評価

参考映像:『ゾンビマックス! 怒りのデス・ゾンビ』(2016)

デビュー長編SFホラー映画『ゾンビマックス! 怒りのデス・ゾンビ』で、世界のB級ホラー映画ファンから熱い支持を集めたターナー兄弟。終末世界で車の燃料にはゾンビを使用、という冗談みたいな設定が、シャレの判る人々に大ウケでした。

今回の『サイバー・ゴースト・セキュリティー』も、人の魂を悪魔がネット空間のエネルギーに利用する、発想した者勝ちの設定が企画の出発点となりました。

オタク男子の夢を詰め込んだサイバー・パンクホラー


(C)2018 Nekromancer Holdings Pty Ltd, Create NSW and Screen Australia

SFを愛する兄弟は、SF作家ウィリアム・ギブスンの小説、サイバースペースの概念を生んだ作品『ニューロマンサー(Neuromancer)』のファンでした。兄弟が本映画に最初に付けた仮題は「Nekromancer」で、この小説の影響を受けたと告白しています。

兄弟は子供の頃に見た『エクソシスト』や『ゴーストバスターズ』、ギブスンの描いた世界を発展させた映画、『マトリックス』の要素を本作に詰め込んだと語っています。

特に『マトリックス』は何度も繰り返し見て、自分たちはあの映画の何が好きなのかを語り合い、本作のキャラクターとストーリー構成に取り込みました。

更に2人で見た『エイリアン』『ゴーストハンターズ』『死霊のはらわた2』、そして同じオーストラリアのピーター・ジャクソン監督の、初期ホラーコメディ映画の要素を混ぜ合わせ、思いつく限りのクールな要素を詰め込んだのが、本作であると紹介しています。

この製作に至る楽しい作業こそ、クレイジーな映画を作り続けている理由だと話すターナー兄弟。ちなみに脚本を書き直している最中に、スマホゲーム「Pokémon GO」が流行りだし、さっそく映画に盛り込みました。

オタク兄弟製作チームもスターとの仕事に大緊張


(C)2018 Nekromancer Holdings Pty Ltd, Create NSW and Screen Australia

前作に比べると、予算も規模もスケールアップした本作。兄弟のとって大スターとの仕事は興奮と緊張をもたらすものでした。デビッド・ウェンハムの出演は、オーストラリア人の監督にとって、ロバート・デ・ニーロと仕事をするようなものだ、と話しています。

そして兄弟は本作の共同プロデューサーが、モニカ・ベルッチと知り合いと聞くや、断わられるのを覚悟の上で、手紙を書き脚本を送りました。すると出演するとの返事をもらい、彼女が自分たちの映画で人の首をすっ飛ばしてくれる!、と大興奮を覚えたそうです。

彼女が演じるフィネガンの役柄は、モニカ・ベルッチの出演決定後、彼女がより魅力的に映るよう書き直されました。そして悪女を演じることが大好きな彼女も、この役を実に協力的に演じてくれたそうです。

ちなみにモニカ・ベルッチが、本作に出演を決めた理由の1つが「スマホ依存な私の娘を、電話から引き離してくれる内容の映画なら、どんなものでも歓迎です」との事。納得です。

まとめ


(C)2018 Nekromancer Holdings Pty Ltd, Create NSW and Screen Australia

SF・ホラーオタクである、キア&トリスタン・ローチ=ターナー兄弟が、自分たちの大好きなものを詰め込み、崇拝する俳優を起用して完成させた映画が、『サイバー・ゴースト・セキュリティー』です。

作り手がハイになっているのが伝わってくるような、実にノリノリの映画。しかし詰め込み過ぎで、情報量過多になった感があります。映画の設定は一気に語り、次から次へと登場するSFアイテム。気を抜くと何が何だか判らなくなる恐れもあります。

それでも何やらカッコいい武器が登場し、見るからに邪悪な化け物と、多量の血しぶきを飛ばしながらテンポよくバトルが展開。ボンクラ主人公が血筋のおかげで覚醒すれば、厳しい特訓抜きで世界を救う中2病的展開。ギャグ要素もある、好きな方にはたまらない映画です。

そして本作一番の魅力は、『S.W.A.T.vsデビル』のキャロライン・フォード、『エイリアン コヴェナント』『ポリス・ストーリー REBORN』のテス・ハウブリック演じる、強くてカッコいい美人ネクロマンサー姉妹の雄姿です。

オタク男子心を刺激するコスチュームで、派手に戦う姿が実にたまりません。しかも彼女たち、エロではなくスプラッター映画方面で露出過多。モニカ・ベルッチの姿といい、ターナー兄弟には何やら、童貞男子の妄想的趣味を感じます。これ、ホメ言葉です。

ともかく、闘うお姉さんの姿が見たい方なら、SF的設定がこれっぽっちも理解できなくても、大いに楽しめますよ、この映画!

次回の「未体験ゾーンの映画たち2020見破録」は…


(C)2019 STX FINANCING, LLC ALL RIGHTS RESERVED

次回の第31回は腕力だけがとりえのスパイと、9歳天才少女がタッグを組む異色のバディ・ムービー『マイ・スパイ』を紹介いたします。お楽しみに。

【連載コラム】『未体験ゾーンの映画たち2020見破録』記事一覧はこちら

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