映画『パイプライン』は2022年2月04日(金)よりシネマート新宿他にて全国順次公開!
送油管に穴を開けて石油を盗む「盗油師」たちを描く、新たなケーパー・ムービー『パイプライン』。
『君に泳げ!』以来8年ぶりの映画復帰となるソ・イングクが盗油業界最高の穿孔技術者を演じるほか、ポン・ジュノ監督やイ・チャンドン監督作品の出演も多いベテラン俳優ユン・スンモク等、実力派俳優が脇を固め、危険極まりない任務につく個性的なキャラクターを熱演しています。
『マルチュク青春通り』、『江南ブルース』などで知られるユ・ハ監督が新たな領域に挑戦した本作は、個性溢れる盗油師たちの命がけの体験をスリリングかつコミカルに描いたアクションエンターティンメントです。
一世一代の大仕事に人生逆転を夢見る盗油師たちの活躍がいよいよベールを脱ぎます!
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映画『パイプライン』の作品情報
【公開】
2022年公開(韓国映画)
【原題】
파이프라인(英題:Pipeline)
【監督】
ユ・ハ
【キャスト】
ソ・イングク、イ・スヒョク、ユ・スンモク、テ・ハンホ、ペ・ユラム、チ・デハン
【作品概要】
『マルチュク青春通り』、『江南ブルース』などで知られるユ・ハが脚本、監督を務め、人生逆転を夢見る盗油師たちのドラマチックな物語を時にコミカルに、時にスリリングに描いたケイパー・ムービー。
映画『パイプライン』のあらすじ
韓国の送油管の総延長距離は約1200キロメートル。石油はパイプラインを通って全国に運ばれます。
その送油管に穴を開けて石油を盗み出す最高の穿孔技術者として知られる“ピンドリ”は、今日も鮮やかな手口で、仕事を終えました。
彼の仕事ぶりに満足した依頼者たちから大きな仕事をやらないかと持ちかけられ、ピンドリはその話に乗ることにします。
大きな仕事の本元は大企業の後継者であるゴヌという人物でした。彼は数千億ウォンの石油を盗む大胆な計画をたてていました。
ピンドリと一緒に作業を行うチームの一員として溶接工のプロ“チョプセ”、地中を透視できるかのように把握している公務員の“ナ課長”、怪力の人間掘削機“ビッグショベル”という3人の男が集められました。
ホテルの地下を掘っていくのですが、ゴヌからは期間中、ホテルの外に出てはいけないと命じられます。“
“カウンター”と呼ばれる女性は、作業中、邪魔者が入らないように見張る監視係でしたが、実はピンドリたちの行動も逐一監視していました。
限られた時間内に作業を済ませなければならない上に異なる目的を持つ者たちが自己都合で右往左往し、裏切り者も現れて、計画は予想外の方向にこじれ始めます・・・。
映画『パイプライン』感想と評価
「盗油」という新しいジャンル
本作は『マルチュク青春通り』(2005)、『凍える牙』(2012)などの作品で知られるユ・ハ監督の『江南ブルース』(2015)以来6年ぶりとなる作品です。
アクションやノワールものを得意とするユ・ハ監督ですが、今回はこれまでとはがらりと変わったコメディタッチの作風に挑戦しています。
明るく愉快なキャラクターたちが、自身の技術を駆使して、人生を逆転させるために難関に挑むのですが、目当ては金やダイヤではありません。
送油管に穴を開けて石油を盗み転売する特殊犯罪をやろうというのです。「盗油」という素材がなにより新鮮でユニークです。
彼らは専門領域のプロフェッショナルですが、スーパーマンのような超人でもなく、体の良い秘密兵器があるわけでもありません。
天才的な腕を持つピンドリ(ソ・イングク)ですら、これほど大きな仕事をするのは初めてです。掘るべき岩盤が固すぎたり、落盤による負傷など様々な困難に振り回される彼らの姿は身近なものに感じられ、我がことのように手に汗握ること請け合いです。
また、イ・スヒョク扮する大企業の後継者・ゴヌの非情な態度に、作業者たちの怒りは頂点に達し、バラバラの寄せ集めだった彼らに連帯感が生まれてきます。
しかし、それも見せかけなのか、本物なのか、どちらにつくか、つかないか、一筋縄でいかない癖のある面々たちによる騙し、騙されの展開の中、物語は、観客に退屈する隙を与えないどころか、次第にスケールアップしていきます。
韓国を代表する制作陣が総結集
地下の狭い空間が主戦場となるため、様々な工夫が施されました。送油管、共同溝、下水溝などの空間をリアルに見せるため、美術監督のイ・ミニをはじめ、美術スタッフは実際のビニールハウスなど多くの場所を掘ってセットを作り上げました。
その空間をダイナミックにビジュアルとして捉えるために、『バトル・オーシャン/海上決戦』(2014)、『七年の夜』(2018)などの作品で知られる撮影監督ハ・ギョンホは手持ちカメラを駆使。精巧さが必要な部分は別途撮影を試みました。
例えば、ピンドリの穿孔技術を見せる場面では、長い棒状のLaowa24mmレンズを使用し、臨場感溢れるカットを導いています。
また、暗い地下の穴の中での撮影だけに繊細なライティングが施されましたが、懐中電灯が巧みに活用されているそうです。
映画の構成も巧みで、石油を相手にすることがいかに危険なことか、それをいきなり冒頭のエピソードで見せています。それによりその後の盗油作業の場面に並々ならぬ緊張感を生み出すことに成功しています。
まとめ
最高峰の穿孔技術者を演じるのは、『応答せよ1997』(2012)、『王の顔』(2014)、『元カレは天才詐欺師」(2015)などの人気ドラマに出演し、歌手としても活躍しているソ・イングクです。
映画出演は『君に泳げ!』(2013)以来8年ぶりで、泥臭さと洗練さを併せ持った「ピンドル」というキャラクターを魅力的に演じ、映画俳優としての新たな側面を見せています。
数千億ウォンの盗油作戦を計画する大企業の後継者ゴヌに扮するのはモデル出身でドラマを中心に活躍しているイ・スヒョク。
ソ・イングクとはドラマ『ナイショの恋していいですか!?』(2014)で共演しており、『パイプライン』の後、ドラマ『ある日、私の家の玄関に滅亡が入ってきた』(2021)で3度目の共演を果たしています。
何かと縁のあるふたりは互いに敬愛し合う中。『パイプライン』では火花を散らし合う役柄ですが、気のあったもの同士の撮影は楽しかったと語っています。
また、ピンドルを逮捕しようと奮闘する生真面目な警官に扮しているのは、『チャンシルさんには福が多いね』(2019)で主人公のチャンシルさんがほのかに好意を寄せるフランス語教師を演じたペ・ユラムです。彼がどのように立ち振る舞うかもみどころのひとつでしょう。
ユ・ハ監督も撮影は楽しかったと語っており、チームワークの良さが伺えます。そうした雰囲気は映画の中に確実に現れています。
映画『パイプライン』は2022年2月04日(金)よりシネマート新宿他にて全国順次公開!