Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

連載コラム

Entry 2021/07/17
Update

フィアーストリートPart3:1666|ネタバレ感想と結末解説のあらすじ。シリーズのラスト完結は町を覆う魔女の呪いの正体が明かされる!|Netflix映画おすすめ50

  • Writer :
  • 糸魚川悟

連載コラム「シネマダイバー推薦のNetflix映画おすすめ」第50回

ドラマや映画シリーズの最終作など物語の完結作には積み上げてきた時間があるからこその強い魅力があります。

登場人物が揃い、シリーズを通しての敵と対峙するような物語であるならば、シリーズを追っていたファンにとってはたまらない作品であると言えます。

そんなわけで、今回は3週連続で映像配信サービス「Netflix」で独占配信されたホラー映画シリーズの完結編『フィアー・ストリート Part3:1666』(2021)を、ネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。

【連載コラム】「Netflix映画おすすめ」記事一覧はこちら

映画『フィアー・ストリート Part3:1666』の作品情報


Netflix映画『フィアー・ストリート Part3:1666』

【原題】
Fear Street Part three: 1666

【配信日】
2021年7月16日(アメリカ映画)

【監督】
リー・ジャニアク

【キャスト】
キアナ・マデイラ、アシュリー・ズーカーマン、ジリアン・ジェイコブス、オリヴィア・ウェルチ、ベンジャミン・フローレス・Jr、ダレル・ブリット=ギブソン、セイディー・シンク

【作品概要】
映画化もされた「グースバンプス」などのシリーズで知られるホラー小説家R・L・スタインによるホラー小説「フィアー・ストリート」シリーズをリー・ジャニアクが3部作で映像化した作品。

第3弾となる本作では1作目で主人公ディーナを演じたキアナ・マデイラが再び主演を務めました。


映画『フィアー・ストリート Part3:1666』のあらすじとネタバレ

1666年、田舎町に住むサラは牧師の娘であるハンナと恋愛関係でした。

しかし、神を信じるこの町では同性愛は禁忌であり、町の迷惑者トーマスに現場を目撃され吹聴されたサラは町での立場を失っていきます。

町では牧師が何かに取り憑かれたように凶変し、母豚が子豚を食い殺し、果物が腐るなど異常な事態が頻発しており、サラは神に逆らう行為をした自身のせいだと不安を覚えます。

ある日、牧師が村の子供達を教会に閉じ込めた上で眼を抉り殺害。

サラの弟のヘンリーも殺害され、妻を失ってから孤独に生きるソロモンがサラを庇い、牧師を殺害しました。

子供達が死んだことで町はパニックとなり、牧師の凶行を悪魔の仕業と考える大人たちは、同性愛者のサラとハンナを魔女と断定。

ハンナを捕縛した町の住民は続けてサラを探し、町を徹底的に捜索します。

サラは拘束されたハンナのもとに現れ、町外れに住む魔女を研究する「未亡人」と呼ばれる医師に会い、本物の魔女になりハンナと共に町を脱出すると宣言しました。

しかし、サラは未亡人の家で彼女を死体を発見。

未亡人の死体に呪文が描かれていたことから、サラは何者かが彼女を殺害しただけでなく何かの儀式のために町を生贄に捧げたことを確信します。

町の住民に追いつかれたことでソロモンに匿ってもらうサラでしたが、彼の地下室で魔法陣を見つけソロモンこそが町に呪いをかけた人間あることを知ります。

無実の子供達を巻き込んだことに憤るサラはソロモンを刺しますが、逆にサラは右腕を切り落とされてしまいます。

ソロモンに捕まったサラは町の住民の前に連れ出され、ハンナと共に縛り首となります。

サラはハンナを守るために自身が魔女でありハンナを操っていたと嘘の自白を行い、ハンナの助命を求めます。

住民たちは協議の上でサラだけを吊るし首にすることを決めます。

サラは吊るし首となる前にソロモンに対し「遠い未来、必ず真実が明るみに出る」と宣言。

吊るし首となったサラは、住民の凶行を止められなかったことを悔やむ友人たちの手で別の場所に埋葬されました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『フィアー・ストリート Part3:1666』のネタバレ・結末の記載がございます。『フィアー・ストリート Part3:1666』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

1994年、サラの埋葬を行ったことでサラの記憶が流れ込んできたディーナは、現代で発生している呪いの正体に気づきます。

ソロモンはサラに罪を着せた後、町を救った英雄として名士にまで引き上げられ、その子孫は現代にまで続いていました。

ソロモン・グッドの血を引くニック・グッド保安官はグッド家に代々伝わる呪いの術で事件を引き起こし、自らが解決することでソロモンと同様に自身の立場を絶対的なものにしようと画策していました。

真実を知ったディーナはそのことを察知したグッドから命を狙われることとなり、弟のジョシュや真実を知らせたナイトウィング事件の生き残りであるバーマン、そしてグッドに恨みを持つモールの管理者マーティンに協力を仰ぎます。

深夜のモールでグッドと彼の操る殺人鬼と立ち向かい、グッドを殺すことに決めた4人はモールでの籠城のために策を練ります。

サラの呪いと偽られ死んでいった多くの友人のために、ディーナは呪いの対象となっている自分の血を使い、殺人鬼をモールへと引き寄せます。

バーマンはモールに現れたグッドにディーナの血を浴びせ殺人鬼たちにグッドを襲わせます。

しかし、グッドはモールの地下にあるソロモンの作った洞窟に逃げ、ディーナは1人グッドを追い洞窟へと侵入。

2人を追う殺人鬼を邪魔するためにマーティンたちは、殺人鬼にディーナの血を混ぜた薬剤を浴びせ、お互いを殺し合せます。

洞窟内でディーナはサムに襲われグッドにナイフで刺されますが、本を身体に巻きつけていたため致命傷にはなりませんでした。

逆にグッドは、グッド家によって殺された人間の怨念に浴びせられ怯んだところをディーナに顔面を刺され死亡。

殺人鬼は消滅しサムの呪いも解け、ソロモンの洞窟内にあった魔法陣も消滅。

数日後、死亡したグッドは多数の殺人に関わっていたと報道され、グッド家は没落します。

バーマンはグッドに操られ殺人鬼となってしまったルビーの母親レーンと再会。

ディーナとサムは再び結ばれ、真実を2人に伝えたサラの墓に「シェイディサイドの母」と刻みます。

その頃、ソロモンの洞窟内からソロモンの呪いについて書かれた本が何者かに持ち去られました。

映画『フィアー・ストリート Part3:1666』の感想と評価


Netflix映画『フィアー・ストリート Part3:1666』

シリーズに登場する殺人鬼の魅力が深まっていく3部作

「フィアー・ストリート」シリーズの完結作となる本作は、最終作としての魅力を充分に活かしきった物語となっており、前2作を鑑賞したファンは終盤の展開に心揺さぶられること間違いありません。

本シリーズで町を襲う「呪い」は過去の殺人鬼を復活させ対象を殺害するまで追わせるものであり、物語が進むごとに「殺人鬼」の正体が分かるため徐々に愛着がわき始めます。

この構成によって殺人鬼の魅力はシリーズを遡って鑑賞しても維持されることになり、完結編となる本作を鑑賞してから再度1作目を鑑賞することで登場する殺人鬼が識別できるようになる面白味もありました。

3世代に渡って描かれる「呪いの物語」の完結編

異常な殺人事件の発生率によって「魔女の呪い」が覆うと噂されている町シェイディサイド。

完結編となる本作では物語が1666年へと遡り、魔女サラ・フィアーの真実が明かされることになります。

そして時代は1994年へと戻り、魔女の真実を知ったディーナたちは「呪いの物語」に決着をつけるために殺人鬼たちに再び立ち向かっていきます。

決戦の舞台となるショッピングモールや、殺人鬼たちへの対抗手段、そして呪いの元凶。

全てが3部作だったからこその深みを感じさせるものであり、それぞれの登場人物が抱える想いが語られずとも伝わって来るような作品でした。

まとめ

3週に渡ってシリーズが配信され、僅か1ヶ月の月日で新たなホラー映画のシリーズを打ち立てた「フィアー・ストリート」シリーズ。

短い期間での公開ながら、作品にはまるで十数年の歳月を経て完成させたシリーズのような重みが存在し、完結編となる『フィアー・ストリート Part3:1666』はその集大成にふさわしいと言える魅力を放っていました。

夏の暑さも本番となるこれからの季節にぴったりな「フィアー・ストリート」シリーズを、ぜひともご家庭でご覧になってみてください。

【連載コラム】「Netflix映画おすすめ」記事一覧はこちら


関連記事

連載コラム

映画『浅草キッド』ネタバレあらすじ感想と結末の評価解説。ビートたけしの芸人誕生秘話を柳楽優弥と大泉洋ら熱演す!|Netflix映画おすすめ76

連載コラム「シネマダイバー推薦のNetflix映画おすすめ」第76回 今回ご紹介するNetflix映画『浅草キッド』は、漫才師ビートたけしの自伝小説で、彼の師匠である芸人・深見千三郎との出会い、下積み …

連載コラム

映画『ストレイ・ドッグ』感想と評価考察。ニコールキッドマン最新作で演じた女刑事の“野良犬根性”と娘への愛|映画という星空を知るひとよ20

連載コラム『映画という星空を知るひとよ』第20回 オスカー女優のニコール・キッドマンが刑事役に初挑戦! ある事件で心をむしばまれた女性刑事が、忌まわし過去と向き合う姿を描いたサスペンスノワール『ストレ …

連載コラム

映画『2067』ネタバレ感想解説と結末考察のあらすじ。おすすめSFアドベンチャーは妻を救うために未来へ旅する男を描く|B級映画 ザ・虎の穴ロードショー40

連載コラム「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第40回 深夜テレビの放送や、レンタルビデオ店で目にする機会があったB級映画たち。現在では、新作・旧作含めたB級映画の数々を、動画配信U-NEXTで鑑賞す …

連載コラム

Netflix映画『荒れ野』ネタバレあらすじ感想とラスト結末の評価解説。ホラーのシチュエーションとしての見えない化け物との戦いを戦争ドラマとして確立させえる!| Netflix映画おすすめ82

連載コラム「シネマダイバー推薦のNetflix映画おすすめ」第82回 2022年1月6日(木)にNetflixで配信されたホラー映画『荒れ野』。 19世紀を舞台に、人里離れた土地に住む一家と彼らを襲う …

連載コラム

韓国映画『メタモルフォーゼ 変身』ネタバレ感想と結末解説のあらすじ。やばいガチ怖ホラーでエクソシストを描く|未体験ゾーンの映画たち2021見破録1

連載コラム「未体験ゾーンの映画たち2021見破録」第1回 映画ファン毎年恒例のイベント、今回が10回目の開催となる「未体験ゾーンの映画たち2021」が、2021年も1月22日(金)よりヒューマントラス …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学