連載コラム『海外ドラマ絞りたて』第6回
北米で2019年10月15日から放映開始となる『スーパーナチュラル』最終シーズン15。
このコラムでは引き続き1つ前のシーズン14を3話ずつ、あらすじをネタバレで掲載。
今回は第6話、7話、8話を、ドラマの見所などをご紹介します。
CONTENTS
ドラマ『スーパーナチュラル』シーズン14これまでのおさらい
大天使マイケルがモンスターを改良して軍隊をつくろうと画策していることが判明。また、ルシファーにグレースを抜き取られたジャックは、人間として一人前のハンターになろうと訓練を続けていました。
『スーパーナチュラル』シーズン14・第6話あらすじとネタバレ
ネブラスカ州、マクック。司書のハーパーを夕食に誘ったウィンストンは、図書館を出た所で殺害されます。
一方、テネシー州のメンフィスで連続失踪事件が起きているとチャーリーから報告を受けたサムは、2人で調査へ向かいます。
ボビーとメアリーが滞在するキャビンから戻って来たディーンに、ジャックは自分も狩へ行きたいと主張。
魔力を失う前にマイケルを仕留めておけばと後悔するジャックを、ディーンは自分を責めないよう諭します。
しかし、ジャックは、ディーンもマイケルのことで自分を責めていると指摘。ジャックの苦悩を理解したディーンは、ネブラスカ州で頻発する連続失踪事件の調査へジャックを連れて行くことに。
ウィンストンがよく行っていたダイナーでディーンとジャックは聞き込みを開始。ハーパーという女性に被害者が夢中になっていたことが分かります。全てメモしようとするジャックの手をディーンがやんわり制止。
高校で人気者だったハーパーは町では有名な女性。しかし、そんな彼女を捨てたボーイフレンドが居り、以降付き合う相手とは皆上手く行かないと町民から聞かされます。
その頃、サムは、パラレルワールドから来たチャーリーの過去について話を聞きます。
サムの知る現生のチャーリー同様、ローマンの会社でプログラマーとして従事。しかし、マイケルとルシファーが引き起こした終末期に存在したチャーリーは、パニックに陥った人達による暴動で最愛の人を失っていました。
生き延びても人に対する不信感を払しょくできないチャーリーは、暫くこの世界で仲間やサム達を助けた後、1人でこもる生活を望んでいると明かします。
ディーンとジャックはハーパーの働く図書館へ。2人は芝居をして若いジャックがハーパーに取り入る作戦を実行。
FBIを装うディーンは犠牲者について尋ねたいと高圧的。そこへ本を借りに来た振りをするジャックが、何の容疑も無いハーパーは質問に答える義務は無いと威勢の良さを見せます。
ジャックに「オヤジ」と呼ばれたディーンは、顔を引きつらせながらもその場を退散。外で張り込むことに。
本の話で話題を盛り上げたジャックは、ハーパーの家にある本を一緒に取に行くことになります。
図書館から出て来た2人の後を着けようとしたディーンは、ハーパーに気のある他の司書が外で殺害されているのを発見。直後に何者かに攻撃されます。
『スーパーナチュラル』シーズン14・第7話のあらすじとネタバレ
教会に来たニックは抱える苦悩を吐露。自分では止められない衝動を訴え、嫌悪しながらも快感を覚えると本心を語ります。
ニックの前には、殺害した牧師が貼り付けにされていました。
ニックは、家族の殺害事件を記事にした記者から、事件の日に地域のパトロール担当だった警官はフランクだと聞かされます。
ウィンチェスター兄弟から事情を聞いたカスティエルは、天使のヒーリングパワーで改善を試みますが、ジャックの容態は悪化していきます。
病院の緊急救命室へジャックを搬送。患者の基本情報を登録しなければならず、父親の死因を効かれたディーンとサムはどうこたえて良いか分からず沈黙。
すかさずカスティエルが、「心臓を剣で貫かれて爆死」と真面目な返答。
検査を繰り返してもジャックの病名は判明せず、担当医師は、臓器不全状態だと伝えます。更に検査をしても無駄だと悟ったディーン達は、ジャックを連れて帰ることに。サムは、魔女のロウィーナに連絡します。
バンカーに来たロウィーナは、ジャックがネフィリムで因縁のあるルシファーの息子だと知り、世の中から消えた方が良いと憤慨。
それを聞いていたジャックは、ルシファーの悪行は知っており自分は父親のようにならないよう努力していると静かに話し、パラレルワールドから多くの人を救ったロウィーナに感謝します。
控えめなジャックが酷く咳き込むのを見たロウィーナは、納得しないものの手を尽くすことに。
魔術でジャックを霊視したロウィーナは、天界のエネルギーである天使のグレースがネフェリムの生体バランスを取っていたと説明。
それを抜かれた後、機能できない生命細胞が互いに浸食し合っていると話します。
カスティエルは、躊躇せず自分のグレースをジャックにあげて欲しいと言いますが、ジャックの半分は大天使である為もっと強いパワーが必要。
ジャックの状態は厳しい局面を迎えており、ロウィーナは助からないだろうと言う見解を示します。
その頃、人通りの少ないクラブの裏道で女性を見掛けたニックは、湧き上がる悪意と闘いながらも話し掛けます。
後ろ手にナイフを握りしめたニックに、中へ入って楽しむよう警戒心を持たない女性が気軽に声を掛けます。
「自分から離れろ」そうニックは呟きます。キョトンとする女性に、向こうへ行けと怒鳴るニック。
『スーパーナチュラル』シーズン14・第8話のあらすじとネタバレ
ディーン、サム、そしてカスティエルは、ベッドから起き上がれなくなったジャックの側に付き添います。
しかし、酷く咳き込むジャックを見ていられなくなったディーンは席を外した間に、ジャックは息を引き取ります。ジャックの早すぎる死に打ちひしがれる3人。
自分が親代わりと認識していたカスティエルは、ジャックは寿命前に命を落としたと感じていました。
その頃、過去の思い出を旅するジャックは天国に到着し、謎の黒い液体に追い掛けられます。
手段を問わずジャックを生き返らせようとするサムはリリー・サンダーに助けを求めますが、ディーンは天使殺しのリリーに警戒感を露わにします。
自分が地獄へ行くと悟っていたリリーは、死んだ後に娘の居る天国へ行くことを条件に、ジャックを自分の黒魔術で復活させると申し出ます。
神が不在の天国では、死者の魂の相応しい目的地を審判する役目は死の守護神・アヌビスが請け負っているとカスティエルが説明。そして、天国から救助を求める信号を探知したカスティエルは天国へ向かいます。
天使が黒い血を流して死んでおり、何か黒い物に襲われたと言うデュマを連れ、カスティエルはジャックを探しに行きます。
ナオミが現れ、天国の門を破り天使の多くを殲滅したのは、無の世界を支配する影だと伝えます。
過去にルシファーに殺され、天使が死後に行く無の世界に居たカスティエルは、半分が大天使の血を引くネフェリムであるジャックの魂を追って無が天国を襲ったと聞かされます。
無の要求に従わなければ天国は陥落し、450億を超える人間の魂が散り散りになってしまうとナオミは危機感を募らせます。
『スーパーナチュラル』に登場する天使
第8話に登場するリリー・サンダースは、天使と恋人関係になった過去があります。
ネフェリムの存在は禁忌である為、天使達はリリーの娘を殺しにやって来ますが、彼女の娘は天使との子供ではありませんでした。結局娘は亡くなり、リリーは天使に対する復讐をした背景があります。
慈悲深く光りに覆われ白い羽を持つというイメージをよく見かけますが、『スーパーナチュラル』で描かれる天使達はかなり高圧的。天国の規定により殺傷も厭わない非情な特性があります。
天使を殺せるのは基本的に天使の剣だけですが、絶大なパワーを持つルシファーは指をパチンと弾くだけで一瞬にして天使を抹殺します。
カスティエル
今ではウィンチェスター兄弟の家族同然となったカスティエルも、最初は神の意思に従って行動する天界の僕でした。
パートナーとして行動していたザッカリアは、人間を猿呼ばわりするほど。強大な力を持ち高慢でおよそ人間の感情に理解を見せることはありません。
そんな中、ディーン、サムと行動する内に、過ちを起こし不完全であっても、人間に善を見出したのがカスティエルです。
何度天国に背いて2人の為に犠牲を払ったか…。駆け引きが下手で負けると分かっていてもルシファーにさえ挑んだ勇気のある天使です。
ナオミ
『スーパーナチュラル』シーズン14の第8話に久し振りに登場。これまでカスティエルとは幾度も対立した高位の天使です。
天国を守る為なら手荒な手段も選び、カスティエルより以前の昔から存在している強力なパワーの持主。
煉獄に閉じ込められたカスティエルを救い出したのもナオミですが、それは天国で起きていた紛争を制する為、自分の内通者にしようと目論んだうえでのことでした。神が離れた天国を事実上切り盛りしています。
ドラマ『スーパーナチュラル』第6話から8話の見所
ニック/ルシファー
ルシファーに長く憑依されていたニックが精神的に破滅していた様子が緻密に描写されています。
更に、ニックが涙ながらにルシファーを呼び、特徴である真っ赤な目をした黒いスケルトンが無の世界で起き上がります。
これから大きな山場を迎えることは間違いなし。今後、ルシファーがニックの肉体に戻りひと暴れしそうです。
ドラマを通し、絶対悪を象徴するルシファーを演じるマーク・ペリグリノは、『LOST』や『CHUCK/チャック』等数多くのテレビドラマに出演した長いキャリアを持つ俳優です。
ペリグリノは、「父である神に愛されなかったことが大きな心の傷になっている」とルシファーを分析。ユーモアを交えた強弱のあるペリグリノの演技力で、残忍でありながら『スーパーナチュラル』のルシファーはとても人気のあるキャラクターです。
ジャック
カヤの槍がマイケルに対する武器になることは判明していますが、致命傷を負わせるほどの威力があるかが分からない中、唯一マイケルに対する爆発的な力を発揮したのは今の所ネフェリムであるジャックだけです。
大天使の剣無しにマイケルを倒せるとしたらジャックだけ。天国から復活した時に以前の様な黄金の目に一瞬光った場面は、ジャックが再び力を取り戻す兆しを示しているのかもしれません。
何と言っても、マイケルに対抗できたのは、過去ルシファーだけだったので、ジャックに期待が集まります。
まとめ
ジャックの命が尽きかけた時、サムにさえ貸したがらない愛車・インパラで運転の練習をさせたディーン。『スーパーナチュラル』ファンならディーンがどれだけジャックを思っているのかが分かる涙の場面でした。
無の世界に葬られたルシファーの覚醒、そして無と取引したカスティエルの動向が今後気になる『スーパーナチュラル』シーズン14。
次回は第9話から11話までをご紹介します。死んだ人の魂を狩りに来るリーパー・ビリーが登場。そして、ディーンがピンチに…。