世界一有名な“ネコとネズミ”のアニメコンビが実写でも大ゲンカ
映画『トムとジェリー』が、2021年3月19日(金)より新宿ピカデリーほかで全国順次公開中です。
誕生から80年を迎えた、ネコのトムとネズミのジェリーが繰り広げるドタバタを描く人気アニメが、最新鋭の技術で実写映画化されました。
映画『トムとジェリー』の作品情報
【日本公開】
2021年(アメリカ映画)
【原題】
Tom and Jerry
【監督】
ティム・ストーリー
【キャラクター創造】
ウィリアム・ハンナ、ジョセフ・バーベラ
【脚本】
ケビン・コステロ
【製作総指揮】
ティム・ストーリー、アダム・グッドマン、スティーブ・ハーディング、サム・レジスター、ジェシー・アーマン、アリソン・アベイト
【撮影】
アラン・スチュワート
【キャスト】
クロエ・グレース・モレッツ、マイケル・ペナ、ケン・チョン、コリン・ジョスト、ロブ・ディレイニー
【作品概要】
多才だがお調子者でドジなネコのトムと、見た目は可愛らしくもずる賢く容赦ないネズミのジェリーがドタバタを繰り広げるアニメ『トムとジェリー』を実写映画化。
2Dアニメーションで描かれたトムとジェリーたち動物キャラが実写映像と融合し、ヒロイン役のクロエ・グレース・モレッツをはじめとした俳優陣と共演を果たしました。
その他のキャストに、マイケル・ペーニャ、ロブ・ディレイニー、ケン・チョンといった個性派を揃えました。
マーベルヒーロー映画「ファンタスティック・フォー」シリーズ(2005~07)を手がけたティム・ストーリーが、監督を務めます。
映画『トムとジェリー』のあらすじとネタバレ
ニューヨークにある一流ホテルのロイヤル・ゲート・ホテルでは、世界中が注目するセレブカップル、ベンとプリータのウエディングパーティーの準備に追われていました。
そんな中、顔を合わすとケンカばかりしているネコのトムとネズミのジェリーは、例によってニューヨークの町でひと騒動を起こし、それに巻き込まれてしまった女性ケイラは、バイトをクビになってしまいます。
お金が無いためタダで食事しようと、ロイヤル・ゲートのバイキングに向かったケイラは、ウエディングパーティーのスタッフを募集していると知ります。
面接を受けに来ていた女性リンダを騙して履歴書を盗んだケイラは、経歴を偽り面接に。
ケイラが持参した履歴書を怪しんだ支配人のテレンスは反対するも、総責任者のドゥブローは、ニューヨークの土地勘がある彼女を気に入り、臨時スタッフとして採用します。
一方、ロイヤル・ゲート内に住み着いたジェリーを捕まえようとするトムですが、失敗を繰り返すばかり。
やがて、ベンとプリータの2人が、ブルドッグのスパイクとネコのトゥーツを、それぞれペットとして引き連れて到着します。
ケイラとテレンスに迎えられた2人を見ながら、「夫婦の最初の難関は結婚式だ」とつぶやくドゥブロー。
プリータと親しくなったケイラは、ホテル内に住むジェリーを見つけ、出ていくよう命じるも、当然ながら相手にされません。
ジェリーを捕まえて株を上げようと、ケイラはネズミ対策のプロとしてトムを雇うようドゥブローに進言し、了承されます。
そんな中、ベンとプリータに呼ばれたケイラとテレンス。
ベンは、ウエディングを豪勢なものにしようとゾウ2匹の発注を依頼し、さらにテレンスにスパイクの散歩を頼みます。
そんなサプライズ好きなベンの性格を心配するプリータは、本当は質素にウエディングを挙げたいとケイラに内心を打ち明けつつ、ホテル内で無くしてしまったダイヤの婚約指輪を探してほしいと頼むのでした。
トムは大掛かりな罠を仕掛けてジェリーの捕獲に成功、ホテルからつまみ出します。
ジェリーの追い出しに成功し、親しくなったバーテンダーのキャメロンと祝杯を上げるケイラに、トゥーツに一目ぼれしたトムは得意のピアノを演奏します。
ところが、ホテルに舞い戻ったジェリーを見たトムが追いかけっこを始め、さらに散歩から戻ったスパイクも巻き込んでしまったことで、ロビー中が大騒ぎに。
騒動の最中にジェリーの姿を見つけたテレンスは、ネズミを追い出したというケイラの報告はウソだと責めます。
しかしケイラは、なぜか自分の制服ポケットに入っていたプリータのダイヤを見せて、ドゥブローの信用を得ることに成功。
休職扱いとなったテレンスの代わりにウエディングプランナーに抜擢されたケイラは、ダイヤを持っていたジェリーが、騒動の最中にポケットに入れていたことに感謝しつつ、トムとジェリーに条件を出します。
それは、ウエディングパーティーを行っている間だけ仲良く2匹で外で遊んでいてくれれば、トムを正式にスタッフとして雇い、ジェリーはホテルに住んでも良いというものでした。
ケイラがパーティの準備に追われる中、動物園や遊園地で遊ぶ様をSNSにアップするトムとジェリーでしたが、手違いで遊園地で騒動を起こして保健所に捕まり、ニュースになってしまいます。
迎えたウエディングパーティーでは、ベンとプリータがゾウに乗って登場。
そこへ休職中のテレンスが、保健所に捕まっていたトムを連れて忍び込みます。
2匹が捕まったニュースを見たテレンスは個別に面会を行い、それぞれの悪口を吹聴させて仲たがいさせ、彼らを連れ出してパーティを台無しにしようと企んだのです。
ところが、ネズミ嫌いの料理長ジャッキーがジェリーを見てエキサイトし、ウエディングケーキを自ら破壊したのを発端に、カップルが乗っていた2匹のゾウが大暴れ。
さらに、ベンがサプライズで呼んでいたタイガーも混じり、会場はメチャクチャとなってしまうのでした。
ベンのやりすぎ行為に呆れたプリータは婚約を解消、ケイラも経歴を詐称していたことがバレ、クビとなります。
映画『トムとジェリー』の感想と評価
1940年に誕生したアニメーションシリーズ「トムとジェリー」。本作はその本格実写映画として製作されました。
原作となるアニメ版は、第1作でアカデミー賞にノミネートされ、その後に製作された作品も含めて、実に7回の受賞やノミネートに輝いた名作です。
アニメと実写が融合した作品といえば、ディズニー製作の『メリー・ポピンズ』(1964)や『ロジャー・ラビット』(1988)、ワーナー製作の『スペース・ジャム』(1996)、『ルーニー・テューンズ:バック・イン・アクション』(2003)などがありますが、時代を経るごとに、映像技術の目覚ましい進歩が感じられます。
そうした系譜の最新版となる本作は、スラップスティックな追いかけっこが要となるトムとジェリーの良さが、アニメ同様に存分に活かされています。
また、ヒロイン役のクロエ・グレース・モレッツは別として、アニメキャラとのバランスを取るために、マイケル・ペーニャ、ロブ・ディレイニー、ケン・チョンといった個性のありすぎるキャストで脇を固めたのも、功を奏しているといえます。
『トムとジェリー』アカデミー賞受賞作品名シーンメドレー
まとめ
子ども向けなだけあって、ストーリーのドラマ性は弱いものの、『ネズミ取り必勝法』、『変な魚釣り』、『素敵なおさがり』といったアニメのエピソードを盛り込み、往年のファンを喜ばせるツボはしっかり抑えています。
セリフを喋らないという理由から、『ロジャー・ラビット』には出演しなかったと云われるトムとジェリーですが、実世界で動き回る彼らをようやく観られるとあって、ファンなら感慨無量となるでしょう。
原作アニメの日本版のエンディング曲の歌詞「なかよくケンカしな」の通り、実世界でもトムとジェリーは、ケンカするほど仲が良いのです。
映画『トムとジェリー』は、2021年3月19日(金)より新宿ピカデリーほかで全国順次公開。