「SAO」シリーズの原作者自らがリブートした小説をアニメ映画化!
河野亜矢子が監督を務めた、2021年製作の日本の大人気アニメーション映画『劇場版ソードアート・オンライン -プログレッシブ-星なき夜のアリア』。
2022年11月6日、世界初の次世代VRMMOゲーム「ソードアート・オンライン(SAO)」が始動。
しかしサービス開始直後、ゲームマスターよってプレイヤーたちはゲームの世界に閉じ込められ、ログアウト不能のデスゲームを強いられます。
それまでネットゲームとは無縁だった少女アスナの視点で描かれる「ソードアート・オンライン」のアインクラッド編、『劇場版ソードアート・オンライン-プログレッシブ-星なき夜のアリア』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
映画『劇場版ソードアート・オンライン-プログレッシブ-星なき夜のアリア』の作品情報
(C)2020 川原礫/KADOKAWA/SAO-P Project
【公開】
2021年(日本映画)
【原作・ストーリー原案】
川原礫
【監督】
河野亜矢子
【キャスト】
松岡禎丞、戸松遥、水瀬いのり、平田広明、安元洋貴、日高里菜、檜山修之、関智一、山寺宏一
【作品概要】
「ラブライブ!」シリーズの演出を担当した河野亜矢子が監督を務めた、日本のSFファンタジーアニメーション作品。
全世界シリーズ累計2,600万部発行の大人気ライトノベル小説『ソードアート・オンライン』の原作者である川原礫自ら、デスゲームと化したソードアート・オンラインの舞台である浮遊城アインクラッド第一層からゲームクリアまでの軌跡を詳細に描いたリブート小説「ソードアート・オンライン プログレッシブ」シリーズをもとに、「アインクラッド編」では明かされなかったエピソードをヒロインのアスナ視点で描いた作品です。
テレビアニメ「ソードアート・オンライン」シリーズで主人公のキリト役を演じた松岡禎丞、ヒロインのアスナ役を演じた戸松遥ら豪華声優陣が出演しています。
映画『劇場版ソードアート・オンライン-プログレッシブ-星なき夜のアリア』のあらすじとネタバレ
(C)2020 川原礫/KADOKAWA/SAO-P Project
中学3年生の少女・結城明日奈は、エリートコースを歩んできた令嬢でこれまでゲームとは無縁の生活を送っていました。
ですがある日、通っている学校でいつも成績トップをキープしている同級生・兎沢深澄が、ゲームセンターの格闘ゲームで連勝記録を更新しているゲーマーであることを偶然知り、それをきっかけに彼女と仲良くなって放課後一緒にゲームをするようになりました。
それから月日は流れ、2022年10月14日。親友となった深澄から、明日奈は11月6日に正式サービスが始動する世界初の次世代VRMMOゲーム「ソードアート・オンライン(略称SAO)」を一緒にやらないかと誘われます。
11月6日。教育ママである母親との軋轢もあって断ってしまった明日奈でしたが、やはり深澄と一緒に新しいゲームをプレイしたい気持ちが勝り、出張中の兄の浩一の部屋にあった、あらゆる感覚が体験になる「完全ダイブ(フルダイブ)」を可能とするVR技術を搭載したVRマシン「ナーヴギア」を装着しSAOをプレイしてみることに。
明日奈は、兄のPCに入っていた自分の写真をもとにアバターを作成。剣士「アスナ」として、SAOの舞台である無限の蒼穹に浮かぶ巨大な天空城「浮遊城アインクラッド」の第1層はじまりの街に向かいました。
ゲームのルールを知らないアスナは、自身に話しかけてきたNPCの女性に、深澄を探していることを必死に伝えました。
すると、大鎌と投剣を武器とする巨漢で強面の男のアバターが、自分がその深澄だと名乗り出ます。
しかし普段の彼女と似ても似つかない容貌だったため、アスナは「自分が探しているのは兎沢深澄という“女の子”だ」と大勢のプレイヤーの前で本名を叫び続けてしまうのです。
そんなアスナを制しつつ、深澄は強面のプレイヤー「ミト」=自分であることを説明しました。
そして深澄あらためミトは、アスナを街に連れ出し、ゲームのルールを教えながら一緒に武器と装備を買い揃えました。
その日の夕方。アスナは、ミトとまた明日学校とゲームの世界で会うことを約束し、ログアウトしようとします。しかし何故かログアウトできません。
鐘がなったと同時に、再びはじまりの街に集められるアスナたちゲームプレイヤー。彼らの前に姿を現したSAOおよびナーヴギアの開発者・茅場晶彦がゲームマスターとして姿を表します。
茅場はアスナたちに、「ログアウトできないのはシステムの不具合ではなく、SAO本来の仕様である」と言いました。
茅場曰く、外部の人間によるナーヴギアの停止あるいは解除できないといいます。
それを試みられた場合、ナーヴギアの信号阻止時に発せられる高出力の電磁パルスが、ナーヴギア装着者であるプレイヤーの脳を破壊し生命活動を停止させる、と………。
しかも今後ゲームにおいて蘇生手段は機能しません。つまりHPが0になった瞬間、アスナたちのアバターは永久に消滅し、同時にナーヴギアによって脳が破壊されるのです。
茅場はデスゲームと化したこのSAOから解放される条件は、このゲームをクリアすることのみだと告げます。
アインクラッドは全100層で構成されており、上下のフロアを繋ぐ階段は各層1つのみ。上にあがるには怪物(モンスター)がうろつく「迷宮区(ダンジョン)」を攻略し、その最奥にいる強力な「フロアボス」を倒すことが必須条件です。
そして最上部の第100層にいるフロアボスを倒せば、ゲームクリアとなります。しかしその第100層は、SAOの本サービス開始前に行った2ヶ月間のテストプレイ「βテスト」でもろくにあがれなかった場所でした。
さらに茅場は、全プレイヤーに「手鏡」というアイテムをプレゼントしました。それを手にしたプレイヤーは皆、現実世界の自分の姿にアバターを強制的に変えさせられます。
なぜ茅場はこんなことをするのかと皆が疑問に思っていると、彼から「私の目的はこの世界を生み出し鑑賞すること。そのために私はSAOを作った」と言いました。
最後に茅場は、「これはゲームであっても遊びではない。プレイヤー諸君の健闘を祈る」と忠告し、SAOの公式サービスのチュートリアルを終了しました。
以下、『劇場版ソードアート・オンライン-プログレッシブ-星なき夜のアリア』ネタバレ・結末の記載がございます。『劇場版ソードアート・オンライン-プログレッシブ-星なき夜のアリア』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
(C)2020 川原礫/KADOKAWA/SAO-P Project
突如ゲームの世界に閉じ込められ、ゲームでの死は現実世界での死に繋がると告げられたため、大半のプレイヤーたちは半狂乱に陥ります。
はじまりの街の外で最初に遭遇したモンスターに首を噛まれて迫りくる死を実感したアスナも半狂乱に陥りました。
そしてつい助けてくれたミトに、「私はこのゲームのことなんか何も知らない。先に進もうなんて言えるのは、ミトがゲーム上手いからでしょ」、「私は違うの、もう放っておいてよ」と言い突き放してしまったのです。
それはミトが子供の頃、一緒にゲームをプレイしていた友達に言われてショックだった言葉でした。
ミトはアスナを強く抱きしめながら、「SAOのことは私が全て教える。だからそんなこと言わないで、一緒にクリアを目指して現実世界に帰ろう」と言いました。
「絶対にアスナを守るから」というミトの支えで持ち直したアスナは、彼女とパーティを組むことに。
元々運動能力が高かったこともあり、魔法が存在しないSAOに設定された最大の攻撃システムであり、予備動作をシステムが検知することで発動する必殺技「ソードスキル」もすぐに上達することができました。
そしてついに、アスナたちも第1層のダンジョンへ。ですが既にベータテストを受けたプレイヤーたち「ベータテスター」によって、宝箱はほとんど開けられていました。
さらに宝箱に仕掛けられたトラップにより、前のパーティーが断末魔をあげながら全滅していく様を見てしまったため、ダンジョンへの挑戦はまたの機会にとなりました。
翌日。第1層にいる肉食植物のモンスター「ネペント」を狩っていたアスナたちの前に、丸い実をつけたネペントの個体が出現。
その個体は実を傷つけられると、大勢の仲間を引き寄せる煙を噴射するため、ミトはアスナにソードスキルの発動をやめるよう警告しました。
しかしその瞬間、既にソードスキルを発動していたアスナは引き寄せられるように、前にいるネペントもろともその個体を斬ってしまいました。
そのせいでネペントの大群が出現。なんとか奮戦するも、ミトがトラップにかかり崖から転落。
さらにHPを回復させるポーションも尽きたところで、新たな巨大モンスター「ジャイアントアントロサウルス」が出現し、絶体絶命のピンチに陥ったアスナ。
早く合流したいミトも次々と現れるネペントたちに苦戦を強いられ、ポーションがなくなりHPが減り続けていく一方の現状に絶望します。
そしてミトは、アスナを守れず彼女が死ぬところを見たくない一心で、パーティーから離脱。アスナを置いてその場から逃げ出してしまうのです。
(C)2020 川原礫/KADOKAWA/SAO-P Project
死を覚悟したアスナの前に、黒い剣を持ったプレイヤーが現れます。彼は圧倒的な強さでジャイアントアントロサウルスを討伐しました。
呆然自失のアスナに、彼は街までのマップデータとポーションを渡してその場から立ち去りました。
街へと戻ったアスナは、自身のプレイヤー画面にログアウトボタンが追加されたことに気づき、藁にも縋る思いでそのボタンを押しました。
11月27日。ゲーム開始から3週間経っても、未だ第1層を突破するプレイヤーはおらず、既に1800人ものプレイヤーが命を落としました。
ミトとパーティーを解散したことと、ログアウトできなかった現実に再び塞ぎ込むアスナでしたが、「死に方くらいなら選べる。最期の瞬間くらい自分らしくいたい」と自分を奮い立たせ、もうダンジョンから戻らないつもりで全てのアイテムを売却しました。
ゲーム開始から約1ヶ月経った頃、数日間ダンジョンに籠ってレベル上げをしていたアスナは、自分を助けてくれたプレイヤー、「黒の剣士」ことキリトと再会します。
そして彼から、「迷宮区で死ぬためにではなく、ゲームをクリアするために頑張っているのなら、第1層のフロアボス攻略会議に顔を出してみたらどうだ」と誘われ、一緒にその会議が行われる街「トールバーナ」に向かいました。
アスナたちはディアベルと名乗る剣士プレイヤーのパーティーが、フロアボスがいる部屋を発見したことを知らされます。
「フロアボスを倒して第2層に到達し、このデスゲームもいつかきっとクリアできるのだとはじまりの街で待っている他のプレイヤーたちに伝えること。それが今この場に集まった俺たちの義務だ」と告げるディアベルによって、バラバラだったプレイヤーたちが奮起し、6人1組のパーティーを作りました。
ソロとして活動していたアスナは、キリトの申し出により彼とパーティーを組むことに。その直後、アインクラッドで最大規模を持ち、1000人以上のプレイヤーを擁する超巨大ギルト「アインクラッド解放軍」のサブリーダー、キバオウがベータテスターたちへの不満を叫びます。
ベータテスターがゲーム初心者の面倒を見なかったせいで、2000人以上のプレイヤーが命を落としたこと。その責任をとって謝罪・賠償しろと。
これに対し斧使いのプレイヤーのエギルが、「ベータテスターが営む道具屋にSAOのガイドブックが配布されてた」、「情報は誰にでも手に入れられたはずなのに、それでも大勢のプレイヤーが死んだ。そのことも踏まえて、どうフロアボスを攻略するのかを論議すべきだ」と反論すると、キバオウはぐうの音も出ず引っ込みました。
ディアベルは会議を再開させ、最新版のガイドブックによると第1層のフロアボスは「イルファング・ザ・コボルト・ロード」という名のモンスターであること、最大で同時に3匹出現する「ルイン・コボルト・センチネル」という取り巻きがいること。
イルファングザコボルトロードの武器や攻撃パターン、ボス討伐によって得られるアイテムや金の分配方法などを説明しました。
イルファングザコボルトロード攻略前夜。キリトが固いパンを美味しく食べるための工夫を教えたことを機に、少し彼との距離を縮めたアスナは、ゲームクリアを目指している本当の理由を打ち明けます。
これに対しキリトは、「パーティーメンバーには死なれたくない。せめて明日はやめてくれ」と答え、今日のうちにボス戦での戦い方をどこかで相談したいと言いました。
キリトの借り部屋で打合せすることにしたアスナは、SAOの世界で今まで見たことがなかった立派なお風呂に入ることができて感動。張りつめていた糸がするすると解けていきました。
風呂から上がったアスナに、キリトは自分が手に入れたドロップアイテム「レイピア」を渡し、彼女が使っていたレイピアよりも強化するため鍛冶屋に連れていきました。
その帰り道、キリトはアスナから、ベータテスターとはどんな人たちなのかと聞かれます。
キバオウが批判していたとおり、ベータテストで培った経験と知識を独占し、他のプレイヤーを見捨てる利己的な人たちなのか、それともエギルが言うようにゲームの情報を教えてくれる親切な人たちなのかと。
そしてキリトに、アスナはミトとの間にあったことを打ち明けます。あの時、ミトはモンスターのレアアイテムをゲットしていたから、自分よりそれを守りたくて逃げたのではないかと………。
これに対しキリトは、「SAOは普通のゲームじゃない、命が懸かっている。ましてや生死にかかわる極限状態だったら、自分が生き残るためにどんな行動だってとるだろう」と前置きしたうえで、「でもそんな状況で現れるのが人間の本性だとは限らない。何気ない普段の姿こそ、その人の真実ではないか」と答えました。
「ベータテスターであるかは問題じゃない。彼女がどんな人間か、君がよく知っているはずだ」というキリトの言葉を機に、本来の性格を取り戻していくアスナ。
(C)2020 川原礫/KADOKAWA/SAO-P Project
そしてついに、ディアベルの指揮の下、キリトたちはイルファング・ザ・コボルト・ロードおよびルイン・コボルト・センチネル攻略に挑みます。
激闘の末、事前に打合せしたからか、初めて共闘するとは思えないほど上手く取れた連携プレイで、アスナとキリトはルイン・コボルト・センチネルを倒していきました。
しかし肝心のイルファング・ザ・コボルト・ロードは、ベータテストにはなかった剣とソードスキルを持っていたことが、直前になって判明。
キリトは慌てて特攻するディアベルを制止するも、時すでに遅し。イルファング・ザ・コボルト・ロードに集中攻撃されたディアベルは瀕死の重傷を負い、ボス攻略をキリトに託し、息を引き取りました。
ディアベルの死と、ルイン・コボルト・ロードが3匹以上に増殖したことにパニックに陥るプレイヤーたち。
しかもイルファング・ザ・コボルト・ロードに挑んだ大半のプレイヤーが、イルファング・ザ・コボルト・ロードが持つ刀の範囲攻撃によって麻痺状態になり身動きが取れない始末。
アスナはエギルの制止を振り切り、1人戦っていたミトを救出。アスナとミトが戦う姿を見てキバオウたちも奮起し、彼女たちと共にルイン・コボルト・センチネルの群れと激闘を繰り広げていきます。
そんな中、キリトは1人、イルファング・ザ・コボルト・ロードと戦っていました。そんな彼の元へ駆け寄ろうとした時、アスナはミトに呼び止められます。
涙を流しながら謝るミトに、アスナは「このゲームをクリアするんでしょ?まだボスは倒れてない」、「一緒に生き残ろう」と言いました。
戦いの中で和解したアスナとミト。ミトはイルファング・ザ・コボルト・ロードに挑むアスナに、あの時手に入れたレア装備を投げ渡しました。
孤軍奮闘していたキリトの元に駆けつけたアスナは、フードで隠していた姿を晒し、「ボスを囲まなければ範囲攻撃は来ない」とミトから聞いた情報を伝え、「ひとまず全員後退、回復した人から戦線復帰して」と皆に指示を出します。
キリトとアスナは交互に斬撃を入れ、イルファング・ザ・コボルト・ロードを追い詰めていきました。
そこにミトも加わり、ミト・アスナ・キリトの順でソードスキルを使った斬撃を入れ、ついにイルファング・ザ・コボルト・ロードを討伐。ルイン・コボルト・センチネルも消滅しました。
第1層クリアに歓喜に湧くプレイヤーたち。しかし「ボスが使う技を知っていたのに、なぜディアベルを見殺しにしたんだ」というキバオウの言葉で、場の空気は一変してしまうのです。
それに続くように、曲刀使いのプレイヤーのリンドが、「あいつ(キリト)は元ベータテスターだ、だからボスの攻撃パターンも全部知ってたんだ」、ガイドブックを配布しボスの情報をくれたベータテスター「情報屋」のアルゴも嘘の情報を売りつけていたのだと言い、キリトたちベータテスターを糾弾しました。
それを聞いたキリトは、アスナとミトたち他のベータテスターを守るために、自ら他のベータテスターとは比較にならない量の情報を持つ悪役を演じます。
事実、キリトはベータテスト中に他のベータテスターが到達できなかった層まで行き、イルファング・ザ・コボルト・ロードのように刀を使うモンスターと散々戦ってきた経験がありました。
それを聞いたキバオウたちは、ベータテスト上がりのチーター(不正行為者)を縮めた蔑称「ビーター」だとキリトを糾弾します。
キリトは最後まで悪役を演じ、全てを1人で背負い込んで第2層へと向かいました。最後に彼と顔を合わせたアスナは、「ベータテスターとゲーム初心者との間に確執が生まれたのは、ある意味自分のせいだ」と昨夜キリトが言っていたことを思い出しました。
キリトの先にSAOでの生き方を見つけたアスナは、彼と共に前に進むことを選びました。
第2層到達後、アスナはキリトに、なぜ戦いの最中に自分の名を呼んだのか尋ねました。2人はパーティーを組んだものの、互いに自分の名前を名乗っていませんでした。
キリトは自分のHPゲージの下に、パーティーを組んだプレイヤーの名前が記されていることを説明し、それでアスナの名前を知ったと答えました。
キリトの名前を知ったアスナは、キリトに色々助けて貰ったことのお礼を言いに来たといい、「(昨晩キリトが言いかけた言葉の続きは)今ならわかる、あなたがこれまで歩いてきた道。そしてこれから1人で行こうとしているところも。だから私も」と言いました。
キリトたちは互いに「アスナ」「キリトくん」と呼び合い、ゲームクリアを目指して歩みを進めます。
そんな2人を物陰から見ていたアルゴは、「あいつらが現時点でのトッププレイヤーか。面白くなりそうだな」と呟きました。
映画『劇場版ソードアート・オンライン-プログレッシブ-星なき夜のアリア』の感想と評価
(C)2020 川原礫/KADOKAWA/SAO-P Project
ゲームとは無縁だったアスナにとって、初めてやるVRMMOゲームがまさかのデスゲームだったなんて思いもよらなかったことでしょうし、その絶望感と恐怖は他のプレイヤーよりも計り知れないものだったに違いありません。
ましてや、現実世界でもSAOの世界でも行動を共にしていた親友のミトが突如パーティーを離脱。
アスナを絶対に守ると約束してくれたはずなのに、親友だったのになぜ自分を置き去りにして逃げたのかと、疑心暗鬼に陥り再び塞ぎ込んでしまったアスナの姿は見ていてとても辛いです。
ですがミトもミトで、アスナを置き去りにして逃げてしまったことをとても後悔し、自責の念を抱き続けていたことが、第1層のボス戦にてアスナと再会した時の彼女の表情から窺えます。
キリトのおかげで本来の性格を取り戻し、生きる希望を見出したアスナと、今度こそアスナを守ろうと奮闘するミトが共闘するボス戦は、感動とスリルを味わえるアクション場面です。
また、今ではゲームの世界でも現実世界でもカップルとなったキリトとアスナの馴れ初めが、アスナ視点で観ることができて、「SAO」シリーズファンにとってこれほど感慨深いものはありません。
まとめ
(C)2020 川原礫/KADOKAWA/SAO-P Project
「閃光」のアスナと「黒の剣士」キリトの出会いを描いた、日本のSFファンタジーアニメーション作品でした。
VRMMOプレイヤーとして高い仮想世界適性を持ち、ずば抜けた実力を有するキリト視点とは違い、ゲームとは無縁の生活を送っていたヒロイン・アスナの視点で描かれた本作でのアインクラッド編。
アスナと同じようにゲーム初心者あるいはゲームのことを知らない人でも、アスナの成長を通じてゲームそのものの難しさと楽しさを知り、SAOの世界観に没入することができます。
そして何より、今ではアスナの髪型として定着している編み込んだハーフアップですが、実はミトが現実世界でアスナにやってあげたものだったのです。
またミトの髪型も、アスナと同じ編み込みが入っていたのも、アスナがミトにしてあげたからだったなんて、彼女たちの美しき女の友情に心うたれます。
本作の続編である『劇場版ソードアート・オンライン-プログレッシブ-冥き夕闇のスケルツォ』(2022)で、キリトとアスナがどんな活躍を見せてくれるのか楽しみです。
「閃光」のアスナの心身ともに成長する姿と、「黒の剣士」キリトとの出会いを描いた日本のSFファンタジーアニメーション映画が観たい人に、とてもオススメな作品となっています。