「ワンピースONE PIECE」シリーズ劇場版の第14作が2019年8月9日に公開。
「立ち上がれ、全勢力。」というキャッチコピーの通り、今まで登場した人気のキャラクターが多数出演し、オールスターキャストでのお宝争奪戦が繰り広げられます。
ゲストのユースケ・サンタマリア、指原莉乃、そして南海キャンディーズの山里亮太が重要な役どころで出演。3人とも普段の本人とはちがった声色で、役柄そのものとしか感じられない演技を披露し、惹きつけてくれました。
そしてこの作品で注目されるのは、最強の敵ダグラス・バレットを演じる磯部勉。
舞台やテレビなどで俳優としても活躍されている磯部勉ですが、映画ファンにはハリソン・フォードやメル・ギブソン、チョウ・ユンファなどの吹き替えでおなじみでしょう。
ルフィをはじめ、“最悪の世代”やサボ、トラファルガー・ローなどが束になってかかっても倒せない衝撃の強さが、磯部勉の迫力のあるイイ声により見事に伝わってきます。
CONTENTS
映画『劇場版ONE PIECE STAMPEDE』の作品情報
【日本公開】
2019年(日本映画)
【監督】
大塚隆史
【キャスト】
田中真弓、中井和哉、岡村明美、山口勝平、平田広明、大谷育江、山口由里子、矢尾一樹、チョー、磯部勉、ユースケ・サンタマリア、指原莉乃、山里亮太
【作品概要】
「ワンピース ONE PIECE」テレビアニメ放送20周年を記念して作られた劇場版第14作。
前作『ONE PIECE FILM GOLD』(2016)から3年ぶりとなる劇場版。原作者尾田栄一郎氏監修のもと、「海賊万博」をめぐるオリジナルストーリーが展開されます。
今回は世界中の海賊たちが一堂に会する展開のため、今まで登場した多くの魅力的な海賊や海軍の面々、そしてルフィの義兄サボなど、ワンピースファンにはたまらないメンバー総出演となっています。
映画『劇場版ONE PIECE STAMPEDE』のあらすじとネタバレ
海底監獄インペルダウン「LEVEL6」にて、20年間一人黙々と鍛え抜いてきた男。そこで“黒ひげ”による囚人同士の殺し合いが起こり、騒ぎに乗じてその男や多くの囚人が脱走したのです。
2年後。「祭り屋」と呼ばれる仕掛け人、ブエナ・フェスタの呼びかけによって「海賊万博」が開催されることになりました。その目玉は「海賊王ロジャーの宝探し」。
“最悪の世代”のキッドやベッジ、ホーキンス、ボニー、さらにバルトロメオやキャベンディッシュなど、世界中の海賊がお宝を狙って集まってきました。もちろんルフィ率いる麦わらの一味もいます。
しかし、宝探しが行われる島の中ではトラファルガー・ローが何者かから逃げ回っていたり、海軍のスモーカーが潜入していたりと何やらキナ臭い雰囲気が漂っています。
買い物やグルメ三昧で宝探しの集合に遅れてしまったルフィたち。すると突然激しい潮の流れが激しくなり渦を形成、そこからノックアップストリームと呼ばれる水柱が立ち上がります。
螺旋状の水の流れに沿って頂上を目指す海賊船たち。遅れをとったルフィのサニー号は、フランキーの準備していた皇帝ペンギンバージョンによってフライング・サニー号に大変身、空を切って先頭に躍り出ました。
そんな中、突如サニー号にトラファルガー・ローが現れます。こんなことしてる場合じゃない、島から逃げろ、と告げに来たローは瀕死の状態ですが、何か目的があるらしくすぐに立ち去ろうとします。
ルフィは宝探しをやめるつもりはなく、ロビン、サンジ、ブルック、チョッパーをローに同行させました。
ローは「海賊万博」の主催者のブエナ・フェスタを倒すため、島の地下に向かいます。
しかしそこで立ち塞がったのはスモーカーでした。サンジたちが拘束され、ロビンを守りつつローはそこから離れました。そこでロビンたちはクロコダイルに遭遇するのでした。
その頃、島にたどり着いた海賊たちはお宝を目指し、多数入り乱れての闘いを繰り広げていました。皆が欲していたのは古びた小さな宝箱。
それを巡って最強の海賊たちは争い、ふと落ちた宝箱を拾ったのはなんとウソップだったのです。
それを開けた途端、突如大男が現れ、ウソップは軽々と頭をつかまれ放り投げられてしまいます。その大男は、かつてロジャー海賊団で「“鬼”の跡目」と呼ばれたダグラス・バレットでした。
圧倒的な強さでルフィたちを寄せ付けないダグラス。人に裏切られ、信じられるものは己の力のみ。
そんなダグラスはロジャーを倒して世界最強になることを夢見ていましたが、ロジャー亡き今、あらゆる強者を倒して“最強の海賊王”になるために今回の闘いに臨んだのです。
一方そのダグラスを誘った仕掛け人のブエナ・フェスタは、ロジャーよりも影響力のある存在として名を轟かせるため、この「海賊万博」を企画したのです。
海賊たちを集め、そこにダグラス・バレットを送り込んで彼を最強の海賊王に仕立て上げる。また、海賊をエサに海軍を動かし、そこでバスターコールを起こさせる、それがフェスタの目論見だったのです。
映画『劇場版ONE PIECE STAMPEDE』の感想と評価
2019年夏の劇場版は、原作者の尾田栄一郎が自ら監修しているためか、ワンピースファンにはたまらない演出がそこかしこに見られました。
なんといっても一番ファンを喜ばせたのは、「エースの登場」ではないでしょうか。
クライマックスでサボが能力を発動させるとき、亡きエースも姿を現すのです。
このとき声を発したかどうか、劇場ではわからなかったのですが、エンドクレジットでエース役の古川登志夫の名前があったのです。役名は“???”。これは確認のためにもう1回観なければいけませんね。
また、スモーカーとサボが戦うシーンで、火と煙じゃ決着つかねーよ、とサボにエースのセリフを言わせたのも粋な計らいでした。
それからこの映画の良かった点、それはファンの喜ぶオールスターキャストを登場させ、それぞれに活躍させたことではないでしょうか。
今回監督を努めた大塚隆史は、「プリキュアオールスターズ」の映画を何本も手掛けたオールスター物のエキスパート。
「こういうのお得意ですよね」とオファーを受けたそうで、様々な登場人物を絶妙に配置し活躍させる手腕はさすがの一言に尽きます。
まとめ
テレビアニメ放送20周年記念作品としてふさわしい総花的な仕上がりで、全編ほぼバトルシーンという盛りだくさんでおなかいっぱいの展開。
ワンピースの王道である、「仲間を大切にする気持ち」の代表としてルフィとウソップに焦点があてられ、特にウソップは今までで一番かっこよかった!と言われるくらい頑張っている姿が見られます。
それに対して、自分の力だけを信じて突き進むダグラス・バレット。そのシンプルな対比はわかりやすく、キャラクターの多さの割りにはストーリーにスッと入り込むことができます。
もちろん、ワンピースファンにはお楽しみ満載の内容となっていますので、コアなファンの方も、お久しぶりの方もぜひご覧ください。