一匹狼の警官と警察犬が巨大犯罪に挑むリベンジ・アクション大作!
ジョン・スタルバーグ・Jr.が原案・製作・監督を務めた、2023年製作のアメリカのリベンジ・アクション大作『K-9 L.A.大捜査線』。
元アメリカ海兵隊でロサンゼルス市警の警察犬部隊「K-9」の警官ジェイクは、相棒の警察犬エースと共に、繁華街で衝突事故を起こし逃走中の麻薬ディーラーを追跡。
しかし建物の中に入った直後、何者かの襲撃に遭い、エースが撃たれて死んでしまいました。
エースを撃った犯人への復讐のため、ジェイクは優秀だが気性に難ありの警備犬ソックスを新たな相棒に迎え入れ犯人捜しをしていきます。
映画『K-9 L.A.大捜査線』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
映画『K-9 L.A.大捜査線』の作品情報
【日本公開】
2024年(アメリカ映画)
【原案】
ジョン・スタルバーグ・Jr.、カーライル・ユーバンク
【監督】
ジョン・スタルバーグ・Jr.
【キャスト】
アーロン・エッカート、ペネロープ・ミッチェル、ディエゴ・ティノコ、ポール・ヨハンソン、ヘムキー・マデーラ、カイル・スミッソン、スティーブン・ラング、ニック・サーシー、ルイス・チャベス、グレインジャー・ハインズ
【作品概要】
『ビットコイン・ウォーズ 暗号資産の行方』(2019)や『ハイスクール マリファナ大作戦』(2010)のジョン・スタルバーグ・Jr.が原案・製作・監督を務めた、アメリカのリベンジ・アクション大作。
ヒューマントラストシネマ渋谷&シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2024」上映作品です。
『ダークナイト』(2008)や『エンド・オブ・ホワイトハウス』(2013)などに出演するアーロン・エッカートが本作の主演を務めています。
映画『K-9 L.A.大捜査線』のあらすじとネタバレ
2022年6月。アメリカ・ロサンゼルスの繁華街で衝突事故が発生。運転手はロサンゼルス市警の警官に一時停止違反で止められる前に、猛スピードを出して衝突し逃走したのです。
元アメリカ海兵隊でロサンゼルス市警の警察犬部隊「K-9」の警官ジェイク・ロサー巡査は、本部からの無線で衝突事故現場への出動要請を受け、相棒の警察犬エースと共に現場へ急行。
乗り捨てられた車のトランクに大量のドラッグがあるのを見つけました。引き続き現場周辺を調べてみると、エースがある場所で座りました。
そこに隠れていた運転手、麻薬ディーラーは、ジェイクが声を掛けた直後に銃を発砲。ジェイクたちと一緒にいた警官が撃たれてしまいました。
さらに別の警官がドラッグに手を伸ばした瞬間、車に仕掛けられていた爆弾により爆発。これらにより、2人の警官が死傷しました。
ジェイクは応援を待たず、エースと共に麻薬ディーラーを追跡。麻薬ディーラーが逃げ込んだ建物に入ると、何者かの襲撃に遭い、エースが撃たれて死んでしまいました。
エースを助けなかった救急隊員に暴力を振るってしまったジェイクは、停職処分となりました。
しかしジェイクは、停職中にも関わらず、エースを殺した犯人への復讐のため内密に捜査を開始。犯人は自分たちと同じ、ドイツ語でエースに指示を出していたため内部の人間の仕業だと睨みました。
まずは衝突事故の目撃者であり、この界隈の目とも言われている50代黒人男性で足がないダンテを探すも、見つかりませんでした。代わりに、エースが撃たれた場所で特徴的なマークが記された小瓶が見つかりました。
さらに、ロサンゼルス市警の女性刑事ラモスから、エースの検視報告書を入手。そこには、エースの死因は薬物「フェンタニル」の過剰摂取と書かれていました。
ラモスと、K-9の警察犬トレーナーのリーランドから、新しい犬を迎えるよう勧められたジェイクは、一目惚れした気難しい警備犬ソックスを新たな相棒に迎え入れることに。
ソックスと、同じマンションに住む看護師のミアとの出会いのおかげで、エースの死で塞ぎ込んでいたジェイクも徐々に笑顔を取り戻していきました。
セラピーを受ける傍ら、ダンテの捜索を行うジェイク。ダンテが誘拐されたかもと嘘の情報を本部に流し、見回り要請を受けたK-9の同僚エルナンデスとその相棒が乗ったパトカーを尾行し見つけ出します。
彼らがいなくなったのを見送ってから、ジェイクはダンテに声をかけ、あの特徴的なマークが記された小瓶の中に入っていた麻薬の出所が中国であるという手かかりを掴みました。
さらに朝のランニング中に会ったラモスから、爆破された盗難車の主は高級住宅地、ベル・エアーのパインクレスト2806に住むシャン・シーだという情報を入手しました。
セラピーが終わり、復職したジェイク。そのそばには、彼の停職期間中に警察犬として立派に成長したソックスの姿がありました。
ジェイクは上司に、高級住宅地にある第8署に異動したいとお願いしました。
そして見事その要望を受け入れられ、堂々と高級住宅地をパトロールすることができたジェイクは、パインクレスト2806へ向かい、その家の警備会社に不法侵入された形跡があると嘘の情報を流します。
その嘘の捜査に格好つけて、ジェイクはソックスと共に物音がした豪邸に突入。慎重に中を調べていくと、経皮吸収型フェンタニルを製造している部屋を発見。
その部屋には、あの特徴的なマークが記された小瓶もありました。その直後、上の階から物音が聞こえ、ソックスがジェイクの手から離れ音のした方へ走っていきました。
慌てて追いかけたジェイクに、謎の男とその飼い犬が襲撃。激闘の末、ナイフを持った男を倒したジェイクは右肩を負傷しましたが、男の犬を倒したソックスは無傷でした。
帰宅後、持ち帰った小瓶を眺めていたジェイク。その小瓶に反応したソックスは、何かを隠しているようでした。
ジェイクは小瓶に印字されていた「エクシス治療」をネットで検索。エクシス治療の免疫細胞療法の出資者が中国人であることを知ります。
さらに「シャン・シー」のことを調べてみると、シャン・シーは人物名ではなく、薬物・技術・不動産の発展に貢献をとうたった会社の名前で、ヴァーノン地区のビルを買収していたことが判明。
ラモスが教えてくれたあの住所は、以前彼女が家宅捜索を行った場所でした。ジェイクから報告を受けたロサンゼルス市警のフリーマン署長は、高級住宅地に堂々とあったフェンタニル製造工場を見逃した彼女を叱責しました。
ジェイクとソックスは、シャン・シー社が買収したビルに行ってみました。そこも、経皮吸収型フェンタニルの製造工場でした。
そこにいたパンチパーマの男は、知らないはずのソックスのことを知っていました。ジェイクがそのことを問い詰めるも、男の劇薬のついた手袋で顔を押し退けられ、意識朦朧となり倒れてしまいます。
しかもソックスが、警察犬を攫う集団「サタニスタス」に攫われてしまったのです。
ジェイクは署に戻り、ベル・エアー同様、ヴァーノンで経皮吸収型フェンタニルの製造をしていたサタニスタスにソックスが攫われてしまったことをフリーマンに報告。
しかしフリーマンたち上層部はソックスのことよりも、サタニスタスに薬を盛られて倒れたジェイクを薬物乱用ではと疑い、彼に長期の休暇を言い渡したのです。
ソックスを死亡扱いした上層部の言葉を信じていないエルナンデスは、ジェイクに協力することを決めました。
その一方で、特別捜査班の人たちが勤務場所の病院にジェイクの話を聞きに来たことを受け、医師の許可を取るために自分と付き合ったのかと疑ったミアは、彼の言葉も聞かずにマンションを出ていってしまいました。
映画『K-9 L.A.大捜査線』の感想と評価
一匹狼の警官ジェイクは、ソックスと出会うまで、1人で相棒のエースを撃った犯人を捜していました。
ロサンゼルス市警の腐敗っぷりが作中で描かれている一方で、ジェイクに協力してくれる頼もしい警官たちもいました。女性刑事のラモスと、ジェイクと同じ「K-9」の警官エルナンデスです。
ラモスは、娘を置き去りにするほどギャンブル中毒であることを知ってもなお秘密にしてくれたジェイクに恩がありました。
対してエルナンデスは、エースがいた時もソックスと組んだ時も、ジェイクと彼の相棒に会うたびいちゃもんをつける意地悪なキャラ。
ですが、ジェイクとソックスがやられたら「自分と相棒の犬も危ないから」という建前でジェイクに協力し、共にサタニスタスと戦ってくれたのです。
この不器用で仲間思いなエルナンデスの狙撃シーンは、本当に格好良いので見逃さないように。
そして主人公のジェイクも、エースと一緒に犯人を追跡する姿はもちろん、ソックスと信頼関係を築き、ともにエース殺しの犯人を追っていく姿もとても魅力的で格好良いキャラです。
エースを失った時、彼の墓前で涙を堪えきれずに泣いてしまうジェイクの姿は、画面越しに彼の悲痛な叫びや悲しみが伝わってきて、思わず視聴者も泣いてしまうことでしょう。
ですがソックスと出会ったことで、ジェイクは再び笑顔を取り戻しました。ジェイクとエース、そしてジェイクとソックスのやり取りも本作の見どころの1つです。
まとめ
一匹狼の「K-9」の警官ジェイクが新たな相棒ソックスと共に、エース殺しの犯人を追っていくにつれて、巨大犯罪とロサンゼルス市警の腐敗を暴いていくアメリカの感動のリベンジ・アクション大作でした。
相棒の警察犬を殺された主人公ジェイク役を演じるアーロン・エッカートの繊細かつ魅力的な演技と、ジェイクと警察犬たちのやり取りと、彼らの真実の絆が本作の見どころです。
物語の終盤、ソックスが撃たれてしまった時は、またしてもジェイクは相棒を失ってしまうのかとハラハラドキドキします。せっかく、エースを殺しソックスを攫ったサタニスタスと決着がついたというのに……。
そして場面は1年後に変わり、ジェイクの話を聞いていたのは彼の子供。嗚呼、ソックスを救えなかったのかと思いきや、ジェイクが向かった先に、彼と結婚したであろうミアと散歩するソックスの姿がそこにあったのです。
ジェイクに笑顔を取り戻させてくれたソックスが生きていた、しかもジェイクとその家族の一員になっている……。
ソックスの嬉しそうにジェイクの元へ駆けていく姿を見て、その事実に胸がいっぱいになり涙が止まりません。
また、作中ではエースたち警察犬目線で犯人を追っていく描写もあるので、他のポリスアクション作品にはない面白さがあってとてもオススメな作品です。