Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

アクション映画

福山雅治映画『マンハント』あらすじと感想。ジョン・ウーは鳩をリメイク版でも飛ばしたか⁈

  • Writer :
  • 村松健太郎

映画『マンハント』は2月9日(金)より日本公開!

福山雅治&チャン・ハンのダブル主演で、監督はジョン・ウーという中国映画『マンハント』は、1976年の日本映画『君よ憤怒の河を渡れ』のリメイク版というのは、既に映画ファンはご存知ではないでしょうか。

今回はリメイク版『マンハント』とオリジナル版『君よ憤怒の河を渡れ』の比較をするにあたり、ジョン・ウーの過去作を引き合いに出して考察してみました。

もちろん、ジョン・ウー証の鳩のエピソードも触れています!

スポンサーリンク

1.映画『マンハント』の作品情報


(C)2017 Media Asia Film International Ltd. All rights Reserved

【公開】
2018年(中国)

【原作】
西村寿行

【監督】
ジョン・ウー

【キャスト】
チャン・ハン、福山雅治、チー・ウェイ、ハ・ジウォン、國村隼、竹中直人、倉田保昭、斎藤工、アンジェルス・ウー、桜庭ななみ、池内博之、TAO、トクナガクニハル、矢島健一、田中圭、ジョーナカムラ、吉沢悠

【作品概要】
1976年に高倉健主演で映画化された原作西村寿行の『君よ憤怒の河を渉れ』を、「男たちの挽歌」シリーズや『M:I-2』のジョン・ウーがリメイクとして映画化。

ダブル主演として『戦場のレクイエム』のチャン・ハンユーと、『三度目の殺人』の福山雅治の挑むサスペンス・アクション作品。そのほか『第7鉱区』のハ・ジウォン、『哭声/コクソン』の國村隼、『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』の桜庭ななみ共演しました。

2.映画『マンハント』のあらすじ


(C)2017 Media Asia Film International Ltd. All rights Reserved

酒井義廣社長の経営する天神製薬の顧問弁護士として雇われたドゥ・チウ。

彼は出席したパーティの翌朝にベッドで目を覚まします。

すると社長秘書である希子の死体が横たわっていました。

その現場にはドゥ・チウ自身の指紋が付いたナイフが置かれて、突如、殺人事件の被疑者となってしまいます。

何者かに仕組まれ、嵌められた事実に気が付いたドゥ・チウは、その場から逃走。

そんな彼を大阪府警の刑事矢村は、新人部下の里香とともに事件を捜査しながら追い詰めて行きます。


(C)2017 Media Asia Film International Ltd. All rights Reserved

事件のカギを握るのは元天神製薬研究員で、かつて3年前に婚約者を失った真由美。

しかし矢村は、警察の包囲網を次々と潜り抜けるドゥ・チウの存在に近づけば近づくほど、なぜか事件に違和感を覚えていました。

次第に捜査見解に変化を見せていく矢村ですが、真由美の実家が営む牧場で、ドゥ・チウを逮捕に成功します。

ドゥ・チウに手錠をかける矢村ですが、女殺し屋レインたちからの襲撃を受けます。

矢村はその事実からドゥ・チウが無実の罪であることを確信します。

しかし、何者かによって捜査妨害されるなか、矢村とドゥ・チウは身分や国籍を超え、2人はともに手を組み事件の真相に立ち向かう…。


(C)2017 Media Asia Film International Ltd. All rights Reserved

スポンサーリンク

3.映画『マンハント』の感想と考察


(C)2017 Media Asia Film International Ltd. All rights Reserved

『君よ憤怒の河を渉れ』VS『マンハント』
なんで『君よ憤怒の河を渉れ』が40年後に『マンハント』になったのか?

2017年のヴェネツィア国際映画祭、中国語圏に続いていよいよ公開される映画『マンハント』。

中国の人気俳優チャン・ハンユーとともにダブル主演として勤めるのは、海外作品初出演の福山雅治。

韓国から人気女優ハ・ジウォンが出演。福山の部下役で桜庭みなみ、ハリウッドでも活躍するTAO、海外作品への出演経験も多い池内博之、竹中直人、國村隼、倉田保昭も登場します。

監督は「男たちの挽歌」シリーズから『フェイス/オフ』(1997)『レッドクリフ』(2008、09)など話題作・ヒット作が多い中国語圏の巨匠ジョン・ウー

実は『マンハント』が日本映画のリメイクだということは宣伝でも語られているのですが、しかしそのオリジナルのタイトルを言われてもピンと来る人はあんまりいないでしょう。

その映画は1976年の『君よ憤怒の河を渉れ』

主演はあの高倉健、共演に原田芳雄。監督はその後、1977年『野生の証明』、1978年『人間の証明』など大型作品を撮ることになる佐藤純彌。

という豪華な陣営で作られたものの大変、失礼ながら映画の出来やヒットの度合いで言えばそこまでのものでもない映画であります。

それがなんでわざわざ40年も経って中国でリメイクされるほどのものになったかというと。

この『君よ憤怒の河を渉れ』が、中国で文化大革命後に初めて公開された外国映画で、驚異的な大ヒット作品となったからです。

この大ヒットで高倉健は中国でも大人気俳優となりました。後々巨匠チャン・イーモウ監督は自分の『単騎、千里を走る。』(2006)に主演で招いたほどです。

思い出すのは『ミッション・インポッシブル』と『M:I-2』

リメイク作『マンハント』を見て思い出したのが、あの人気映画シリーズの第一作1996年の『ミッション・インポッシブル』とその第2弾『M:I-2(ミッション:インポッシブル2)』(2000)です。

細かく説明することもいらないのではと思われる、文字通りの大スターのトム・クルーズ主演の今ではライフワークとなりつつあるサスペンスアクション作品。

もともとは1960年代中盤から70年代までアメリカで放映されていた同じタイトルのテレビドラマで、日本では『スパイ大作戦』のタイトルで知られていました。

そんな古典ともいうべきドラマをハリウッドで映画化するというなかで、最初に白羽の矢が立った監督は自他ともにサスペンス王様アルフレッド・ヒッチコックのフォロワーであるとされているブライアン・デ・パルマでした。

その映画人生をほぼサスペンスだけに捧げてきたデ・パルマ監督に、場合によってはシリーズ化も視野に入れたプロジェクトを託しました。

結果、映画『ミッション・インポッシブル』はオールドファンからまずまずの合格点をもらえたケレン味たっぷりの映画となりました。

全米・そして世界市場でも大ヒットを記録した『ミッション・インポッシブル』はシリーズ化が決定。ところが、ここでデ・パルマ監督が次のプロジェクトもあったりと降板。

そして、続編の『ミッション・インポッシブル2』のちに『M:I-2』となる続編の監督に抜擢されたのが、ハリウッド進出後着々と成功を重ね、作品のスケールも着々と広げてきたジョン・ウーでした。

結果映画がどうなったかというとゴリゴリのスパイサスペンスであった一作目からうって変わってひたすら力業のアクション映画となりました。

トレードマークの二丁拳銃にスローモーションアクション白い鳩も飛び交い丸々ジョン・ウー印の映画となり、“スパイ大作戦はどこへ行ったのか!?”と思わず言ってしまうような映画となりました。

一応、殺人ウィルス“キメラウィルス”をめぐる攻防戦もあるにはあるのですが、最後はなんと銃撃戦を経ての殴る蹴るの肉弾戦で決着をつける映画となっていました。スパイ映画なのに!?

そして『マンハント』はどうなったのか?


(C)2017 Media Asia Film International Ltd. All rights Reserved

結果からいうとやはり『マンハント』は『M:I-2』になりました

刑事ものではありましたがどちらかというとウェットな人情物語だった『君よ憤怒の河を渉れ』が、明朗快活なアクション映画に大きくシフトチェンジしました。

ただ、今回は良い方に転んだといっていいでしょう。

『M:I-2』はスパイ映画でなければならないところをジョン・ウー映画にしてしまったことで映画自体のスタンスを変えすぎてしまった感がありました。

しかし、巻き込まれ型サスペンスだった『君よ憤怒の河を渉れ』は派手なアクション映画へのアレンジは相性も良く、結果として『マンハント』は『君よ憤怒の河を渉れ』の現代版アップデートであるとともに、ジョン・ウー映画としても実に久しぶりの現代アクション映画となっています

現代劇でいうとハリウッドの最期の作品となった『ペイチェック消されて記憶』以来14年ぶりの作品となります。


(C)2017 Media Asia Film International Ltd. All rights Reserved

やはり、スローモーション、二丁拳銃、カーチェイス(今回は水上バイクチェイスも)、そして鳩もみんな出てきます

物語もまず主役の高倉健ありきでそれを追う原田芳雄という並びでしたが、今回はチャン・ハンユー、福山雅治が完全に並び立っているのもはったりを利かせるにはぴったりの陣容です。

『君よ憤怒の河を渉れ』を見たいと思わると困るのですが、ジョン・ウー印の娯楽アクション映画だと思ってみてもらえれば、全く損することがないエンターテイメント作品となっています。

まとめ


(C)2017 Media Asia Film International Ltd. All rights Reserved

本作は中国映画でありながら、日本の各地でオールロケを敢行!ダブル主演の福山雅治&チャン・ハンの2人の強烈な存在感を見せた、ジョン・ウー監督の力強い演出力で『君よ憤怒の河を渡れ』を超えたリメイク作品となっています。

映画『マンハント』は2月9日(金)より日本公開!

ぜひ、お見逃しなく!

関連記事

アクション映画

韓国映画V.I.P.修羅の獣たち|あらすじとキャスト。公開上映館の情報も

韓国映画『V.I.P.修羅の獣たち』は、6月16日(土)より、シネマート新宿ほか全国ロードショー。 『新しき世界』などで知られる韓国ノワールのパク・フンジョン監督のクライム・アクション、いよいよ公開! …

アクション映画

映画『BLEACH/ブリーチ』ネタバレ感想と評価。MIYAVIの剣戟アクションの新境地

週刊少年ジャンプに15年にわたって連載されてきた大人気漫画『BLEACH』の完全実写化作品。 この世にとどまる悪霊を退治する死神の仕事を代行することになった高校生の活躍を描く! 『アイアムアヒーロー』 …

アクション映画

【ネタバレ感想】シャザム!4DX映画吹き替え版の評価と結末までのあらすじ。体感型鑑賞のススメ紹介も

映画『シャザム!』掟破りのコメディ×アクション・エンターテインメント。 『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)の公開が控えアメコミ映画が特に熱いこの時期。 マーベル映画の巻き起こす旋風に負けじと …

アクション映画

ミッドウェイ海戦に至るまでの経緯・敗因・日米関係。映画『ミッドウェイ』でローランド・エメリッヒが紐解く

「ミッドウェイ海戦」に至るまでの経緯とは? ハリウッドが誇る“破壊王”ローランド・エメリッヒが太平洋戦争において日米、運命の決戦となった「ミッドウェイ海戦」に至るまでの経緯を日米双方の視点で描いた映画 …

アクション映画

映画『アクセレーション』ネタバレ感想と結末解説のあらすじ。女殺し屋が息子を取り戻す三つ巴の戦い!

凄腕の女殺し屋が息子を取り戻すハイスパート・アクション映画『アクセレーション』。 マイケル・メリノとダニエル・ジリーリが監督を務め、2019年にアメリカで製作された、女殺し屋とギャングとマフィアが戦い …

U-NEXT
CINEMA DISCOVERIES【シネマディスカバリーズ】
架空映画館 by ReallyLikeFilms Online
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
【連載コラム】光の国からシンは来る?
映画『哀愁しんでれら』2021年2月5日(金)より全国公開
映画『写真の女』
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【KREVAインタビュー】映画『461個のおべんとう』井ノ原快彦の“自然体”の意味と歌詞を紡ぎ続ける“漁師”の話
【玉城ティナ インタビュー】ドラマ『そして、ユリコは一人になった』女優として“自己の表現”への正解を探し続ける
【ビー・ガン監督インタビュー】映画『ロングデイズ・ジャーニー』芸術が追い求める“永遠なるもの”を表現するために
オリヴィエ・アサイヤス監督インタビュー|映画『冬時間のパリ』『HHH候孝賢』“立ち位置”を問われる現代だからこそ“映画”を撮り続ける
【べーナズ・ジャファリ インタビュー】映画『ある女優の不在』イランにおける女性の現実の中でも“希望”を絶やさない
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
アーロン・クォックインタビュー|映画最新作『プロジェクト・グーテンベルク』『ファストフード店の住人たち』では“見たことのないアーロン”を演じる
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
【平田満インタビュー】映画『五億円のじんせい』名バイプレイヤーが語る「嘘と役者」についての事柄
【白石和彌監督インタビュー】香取慎吾だからこそ『凪待ち』という被災者へのレクイエムを託せた
【Cinemarche独占・多部未華子インタビュー】映画『多十郎殉愛記』のヒロイン役や舞台俳優としても活躍する女優の素顔に迫る
日本映画大学