大人気スパイアクション映画「007」シリーズ第8作!
ガイ・ハミルトンが監督を務めた、1973年製作のイギリス・アメリカ合作の大人気スパイアクション映画『007/死ぬのは奴らだ』。
カリブ島の島国サン・モニークにて、麻薬組織を調査中だった英国人諜報員3人が相次いで殺害されてしまう事件が発生。
この調査を命じられた「007」ことMI6の敏腕諜報員ジェームズ・ボンドが、恐るべき裏の顔を持つサン・モニークの大統領Dr.カナンガと、ブードゥー教の暗黒世界に挑む姿とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。
ロジャー・ムーアが3代目ジェームズ・ボンドを演じた最初の作品『007/死ぬのは奴らだ』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
CONTENTS
映画『007/死ぬのは奴らだ』の作品情報
(C) 1973 Danjaq, LLC and Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.
【公開】
1973年(イギリス・アメリカ合作映画)
【原作】
イアン・フレミングの小説『007/死ぬのは奴らだ』
【監督】
ガイ・ハミルトン
【キャスト】
ロジャー・ムーア、ヤフェット・コットー、ジェーン・シーモア、クリフトン・ジェームズ、ジュリアス・W・ハリス、ジェフリー・ホールダー、デヴィッド・ヘディソン、グロリア・ヘンドリー、バーナード・リー、ロイス・マクスウェル、トミー・レイン、アール・ジョリー・ブラウン、ロイ・スチュワート、ロン・サットン、マデリン・スミス
【作品概要】
『007/ゴールドフィンガー』(1965)と『007/ダイヤモンドは永遠に』(1971)を手掛けたガイ・ハミルトンが監督を務めた、イギリス・アメリカ合作のスパイアクション作品。
原作であるイギリス人のスパイ小説・冒険小説家イアン・フレミングの小説『007/死ぬのは奴らだ』をもとに描かれた、「007」シリーズ第8作目です。
前作『007/ダイヤモンドは永遠に』(1971)でボンド役を卒業したショーン・コネリーからバトンタッチされた、『ゴールド』(1974)のロジャー・ムーアが3代目ジェームズ・ボンドを演じています。
映画『007/死ぬのは奴らだ』のあらすじとネタバレ
(C) 1973 Danjaq, LLC and Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.
ニューヨークにある国連本部とニューオーリンズルイジアナ州、カリブ海の島国サン・モニークで麻薬組織を調査していた英国情報局秘密情報部「MI6」の諜報員ドーズ、ハミルトン、ベーンズの3人が相次いで殺害されるという事件が発生。
これを受け、MI6の部長であるMは、ドーズがサン・モニークの大統領Dr.カナンガを見張っていたことから、彼らの死にDr.カナンガが絡んでいると睨みました。
Mは、「007」ことMI6の敏腕諜報員ジェームズ・ボンドにこの事件の調査を命じ、Dr.カナンガがいるニューヨークへ彼を派遣しました。
ボンドは急ぎ足でニューヨークへ飛び、今回も事件の捜査協力してくれる盟友のCIAのエージェント、フィリックス・ライターと合流しようとします。
しかしCIA本部へ向かう道中、迎えの車の運転手チャーリーが殺され、早くもピンチに陥るボンド。運転手をなくした車は大破してしまいましたが、ボンドは無事命を取り留めました。
ボンドはフィリックスに連絡を取り、チャーリーを殺害した男が乗っていた車を調べてもらいます。
その結果、ボンドはミスター・ビッグという、ハーレムを牛耳るギャングのボスに辿り着きました。
黒人界の顔役としても有名なミスター・ビッグは、手下たちにボンドを殺すよう命じます。
多勢に無勢と窮地に陥ったボンドでしたが、フィリックスが寄越したCIAのエージェント、ハリー・ストラッターのおかげで難を逃れることができました。
するとそこへ、国連本部にいるDr.カナンガを監視していたフィリックスから、「Dr.カナンガは自家用機で1時間以内にサン・モニークへ発つ」との一報が届きます。
サン・モニークに到着後、ボンドは宿泊先のホテルでCIAのエージェント、ロージー・カーヴァーと出会います。彼女はベーンズにも協力してくれた人物です。
翌朝。ロージーと一緒に朝食をとろうとしていたボンドのところへ、「嘘つき」のタロットカードとメモが送られてきました。
その後、ボンドたちはボンドの友人クォレル・ジュニアと合流し、彼のボートに乗ってベーンズが殺された丘へ向かいます。
その島の丘の上には、ボンドがハーレムで出会った占い師ソリテアの家がありました。
Dr.カナンガの女であるソリテアは、ボンドがニューヨークへ来ることも、ハーレムでビッグに会うことも、そしてこの家に来ることも全てタロットカードを使って予見していました。
ソリテアはDr.カナンガに言われ、この家にやって来るボンドの未来を占います。その結果、ソリテアはハーレムでボンドが引いた時と同じタロットカード「恋人」を引き当てました。
しかし、ソリテアはこの事実を隠し、Dr.カナンガに「死」のカードを引いたと嘘をつきます。実は彼女は、ハーレムで会った時からボンドに心惹かれていたのです。
そんなソリテアが送ってきてくれたタロットカード「嘘つき」のおかげで、ボンドはロージーがDr.カナンガの手先であることを見破ります。
しかし、ロージーに真実を聞くことはできず、彼女は口封じのためにDr.カナンガに殺されてしまいました。
ロージーの死後、ボンドはクォレルのボートにあったハングライダーを使い、ソリテアの家へ侵入。彼女に「恋人」のカードを引かせ、自分が運命の相手であると信じ込ませます。
ソリテアは葛藤の末、ボンドの誘惑に負け、彼と一夜を共にすることに。ですが内心、ソリテアは処女を失ったことで巫女の力を失ってしまったこと、それによって母と祖母と同じようにお払い箱にされて、Dr.カナンガに殺されることを恐れていました。
ボンドはそんなソリテアに、先ほど占った時に使ったタロットカードは全て「恋人」であったとネタばらしをした上で、「恋人のルール」と称してここから逃げようと諭します。
Dr.カナンガに恐怖していると同時に、彼の支配に嫌気がさしていたソリテアは、今まで一度も出たことがないこの島から、ボンドと一緒に出ようと決心しました。
映画『007/死ぬのは奴らだ』の感想と評価
(C) 1973 Danjaq, LLC and Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.
ボンドとライターたちCIAの信頼関係
ボンドは今回の事件も捜査協力してくれるライターたちCIAと、友人であるクォレル・ジュニアと協力して、同僚3人が殺された事件を調査していきます。
これまでの「007」シリーズ作品でもそうでしたが、ライターたちCIAは本当に頼りになるボンドの味方です。ボンドは何度も彼らに窮地を救われています。
だからボンドは、ライターたちCIAへの信頼は厚いです。それは、ライターたちもきっと同じでしょう。
その証拠に、ライターはボンドが小型飛行機の教習所と僻地で逃走劇を繰り広げた際、大暴れしてしまったことを、誰に言われるまでもなく彼のフォローをしていました。
厚い信頼関係にあるボンドとライターの友情はもちろん、2人が麻薬組織のボスとブードゥー教の教祖と戦うアクション場面はどれもワクワクドキドキするものばかりで、観ていてとても面白いし楽しいです。
恐るべき裏の顔を持つ大統領
(C) 1973 Danjaq, LLC and Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.
Dr.カナンガはサン・モニークの大統領でありながら、麻薬組織のボスという恐るべき裏の顔を持っていました。
しかも作中、ボンドを二度も窮地に陥れたミスター・ビッグの正体が、マスクとカツラで正体を隠していたDr.カナンガだったなんて驚きです。
2つの顔をうまく使い分けていたDr.カナンガの目的は、大量に栽培したケシを使ってヘロインを作り、それを無料で無差別に売りさばき、アメリカの麻薬市場を独占することでした。
そんな恐ろしい野望を抱くDr.カナンガですが、彼はソリテアのタロット占いと、カモフラージュに使ったブードゥー教をとても信頼・信仰していました。
Dr.カナンガの最大の武器は占いと宗教。ですが逆に言えば、それがDr.カナンガの最大の弱点でもあったのではないかと考察できます。
まとめ
(C) 1973 Danjaq, LLC and Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.
宿敵スペクターとそのボスとの戦いを終えた「007」ことMI6の敏腕諜報員ジェームズ・ボンドが、盟友と共に英国人諜報員が殺された事件を調査し、麻薬組織のボスとブードゥー教の教祖に挑んでいく、イギリス・アメリカ合作のスパイアクション作品でした。
本作の見どころは、ボンドと敵の占い師ソリテアの運命的な出会いと恋、ボンドとCIAvsDr.カナンガたちによる激闘の数々です。
作中では、ショーン・コネリー演じる初代ジェームズ・ボンドの時にあった、ボンドのハードな部分は削られ、軽妙でユーモラスなボンドが描かれています。
ショーン・コネリー演じる初代ジェームズ・ボンドは、ジョークをよく言って観る人を楽しませてきました。
3代目ジェームズ・ボンドを演じるロジャー・ムーアは、さらにそのジョークを増やしているため、より一層「007」シリーズ作品の面白さが増して楽しく鑑賞できます。
ロジャー・ムーアが新たなジェームズ・ボンドの姿と、「007」シリーズ作品を魅せてくれるスパイアクション映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。