大人気スパイアクション映画「007」シリーズ第21作!
マーティン・キャンベルが監督を務めた、2006年製作のイギリス・アメリカ・チェコ合作のスパイアクション映画『007/カジノ・ロワイヤル』。
チェコ・プラハでの内部汚職の根を絶ち、殺しのライセンス「00(ダブルオー)」を得た英国情報局秘密情報部「MI6」の諜報員ジェームズ・ボンドが、テロ組織への資金提供を行う謎の男ル・シッフルの活動を阻止するべく奔走する物語とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。
ダニエル・クレイグが6代目ジェームズ・ボンドを演じた最初の作品である、「007」シリーズ第21作目『007/カジノ・ロワイヤル』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
CONTENTS
映画『007/カジノ・ロワイヤル』の作品情報
Casino Royale(C)2006 Danjaq,LLC,United Artists Corporation,Columbia Pictures Industries,Inc
【公開】
2006年(イギリス・アメリカ・チェコ・ドイツ合作映画)
【原作】
イアン・フレミング『カジノ・ロワイヤル』
【監督】
マーティン・キャンベル
【キャスト】
ダニエル・クレイグ、エヴァ・グリーン、マッツ・ミケルセン、ジュディ・デンチ、ジェフリー・ライト、ジャンカルロ・ジャンニーニ、シモン・アブカリアン、カテリーナ・ムリーノ、イワナ・ミルセヴィッチ、セバスチャン・フォーカン、イェスパー・クリステンセン、クラウディオ・サンタマリア、イザック・ド・バンコレ、トビアス・メンジーズ
【作品概要】
『007/ゴールデン・アイ』(1995)のマーティン・キャンベルが監督を務めた、イギリス・アメリカ・チェコ合作のスパイアクション作品。
原作はイギリスのスパイ小説・冒険小説家イアン・フレミングの小説『カジノ・ロワイヤル』であり、「007」シリーズの第21作目です。
『レイヤー・ケーキ』(2004)のダニエル・クレイグが主演を務めています。
映画『007/カジノ・ロワイヤル』のあらすじとネタバレ
Casino Royale(C)2006 Danjaq,LLC,United Artists Corporation,Columbia Pictures Industries,Inc
チェコ・プラハにて、英国情報機関秘密情報部「MI6」の諜報員ジェームズ・ボンドは、MI6を裏切った局長と彼の相棒を射殺し、殺しのライセンス(任務遂行中は自分の一存で容疑者を殺めても不問にされる殺人許可証)である「00(ダブルオー)」を手に入れました。
マダガスカルへ飛んだボンドはテロ組織への糸を掴むため、相棒と一緒にテロ組織の下っ端である爆弾密造人モロカの監視をしていました。その監視に気づいたモロカは、建設現場からナムブツ大使館へ逃走。
ボンドはナムブツ大使館へ押し入り、モロカを捕まえます。しかしそのせいで、ボンドはナムブツ大使館の兵士に囲まれてしまいました。
ボンドは持っていた銃を手放し、モロカを引き渡すと見せかけて、腰に隠していた銃を使ってモロカと、近くにあったガスボンベを撃ちその爆発に紛れて逃走。
ボンドはモロカから押収した鞄から、爆弾と一緒に見つけた携帯電話を調べたところ、「エリプシス」という謎のメッセージが残されていました。
MI6の部長Mの自宅に侵入し、彼女のPCを使って軍情報部のデータベースにアクセスし調べた結果、ボンドはメッセージの送信者がバハマ・ナッソーにいることを突き止めました。
ナッソーにあるリゾートホテル「オーシャン・クラブ」へ到着後、ボンドは警備室に侵入。監視カメラの映像から、メッセージの送信日時にこのホテルに来た客を割り出します。
さらにボンドは再度Mの名前と暗証番号を使って軍情報部へアクセスし、メッセージの送信者のデータを入手。メッセージの送信者が武器商人のアレックス・ディミトリオスであることを突き止めました。
ボンドはディミトリオスとポーカーで勝負をし、その戦利品として1964年型アストン・マーティンの車を奪うと、彼の妻ソランジュに接触し、自分の部屋へ誘います。
その時、ディミトリオスからの電話を受けたソランジュから、彼がマイアミへ向かうことを聞いたボンドは、急いでマイアミへ向かいました。
マイアミに到着後、ボンドはディミトリオスが入っていった「人体の世界展(ボディ・ワールド)」という展覧会が催されている博物館を訪れました。
クロークに鞄を預け、展示品を眺めていたディミトリオスは、自分を尾行しているボンドに気づきナイフで殺そうとしますが、逆にボンドにナイフで刺されて死にました。
その直後、ボンドはディミトリオスが展示品に置いたクロークの鍵がないことに気づき、ディミトリオスの荷物を引き出した男カルロスを急いで追いかけます。
カルロスが向かった先は、マイアミ国際空港。そこは、世界最大の新型航空機「スカイフリート S570型」が初めて飛行する場所でした。
ボンドの追跡を撒くため、鞄に入っていた空港の警備員の服に着替えたカルロスは機関室に侵入。ボンドはそんなカルロスを追いかけましたが、従業員用の出入り口の扉の解除コードが分かりません。
そこでボンドは、Mに電話をかけ、空港への警告を頼もうとします。ですがMが出る前に、ボンドは解除コードが「エリプシス」であることに気づきました。
緊急用スプリンクラーが突如作動し、空港内はパニック状態に。そうさせた張本人であるカルロスは、混乱に乗じて空港から逃げようとします。
そんなカルロスを追跡中、ボンドはMから、カルロスの狙いはスカイフリートの爆破であることを知らされました。
カルロスは奪った燃料補給用タンカーに小型爆弾を仕掛け、格納庫から出てきたスカイフリートを目掛けて発進。それに気づいたボンドは爆弾テロを阻止するべく、タンカーを猛追します。
何とかタンカーの運転席に乗り込んだボンドは、狭い車内でカルロスと死闘を繰り広げていきました。死闘の末、カルロスは運転席から飛び降り、残されたボンドはギリギリのところでタンカーを止めました。
それでも諦めず、カルロスは起爆装置を作動させますが、自分のベルトに小型爆弾をつけられたことに気づかず、爆死します。
映画『007/カジノ・ロワイヤル』の感想と評価
Casino Royale(C)2006 Danjaq,LLC,United Artists Corporation,Columbia Pictures Industries,Inc
ボンドvsル・シッフルの予測不可能な心理戦
MI6の諜報員ジェームズ・ボンドは、物語の序盤から工事現場のクレーンで格闘戦を繰り広げたり、マイアミ国際空港での爆破テロを阻止したりと、スリルと迫力があるアクション場面を魅せてくれます。
そして作中、もっとも緊張感のある戦いを魅せてくれたのは、ボンドとル・シッフルが頭脳戦を繰り広げていくカジノ・ロワイヤルでのポーカーゲームです。
MI6の中で一番ポーカーが得意で強いボンドと、頭脳明晰なチェスの名人ル・シッフルは、互いに得意とする読心術を使って相手の手の内を探り合います。どちらが勝つか負けるか予測不可能なため、2人の戦いは一瞬たりとも目が離せません。
ポーカーゲームに負け追い詰められたル・シッフルは、ボンドを拷問し、是が非でもテロ組織に返済する金を手に入れようとします。ボンドは死ぬほど痛いであろう拷問を受けてもなお、暗証番号を言わないどころか、ル・シッフルを挑発し続けました。
そんなボンドとル・シッフルの戦いが、突如現れたミスター・ホワイトにル・シッフルが射殺されるという形で幕を閉じたのは、とても衝撃的な展開でした。
暗躍するミスター・ホワイト
Casino Royale(C)2006 Danjaq,LLC,United Artists Corporation,Columbia Pictures Industries,Inc
物語の前半でオバンノにル・シッフルを紹介しただけの登場かと思いきや、物語の後半、国際的犯罪組織「スペクター」の幹部ミスター・ホワイトは突如ボンドの前に現れ、ル・シッフルを射殺しました。
その理由は、紹介者であるミスター・ホワイト自身も、オバンノが率いるテロ組織に命を狙われる可能性が高かったことと、少なからず損失を被ったからではないかと考察できます。
それを裏付けるかのように、ミスター・ホワイトは失態をおかしたル・シッフルを射殺しただけでなく、ボンドが手に入れたポーカーゲームの賞金を奪っていきました。
そんなミスター・ホワイトが物語の最後、ボンドに追い詰められたのは、きっと労せずして賞金を奪った罰が当たったのでしょう。
まとめ
Casino Royale(C)2006 Danjaq,LLC,United Artists Corporation,Columbia Pictures Industries,Inc
殺しのライセンス「00(ダブルオー)」を手に入れたMI6の諜報員ジェームズ・ボンドが、世界各地で激闘を繰り広げつつ、テロ組織の資金を運用する謎の男との戦いに挑む姿を描いた、イギリス・アメリカ・チェコ合作のスパイアクション作品でした。
本作の見どころは、ボンドが悪党たちと繰り広げる激闘の数々と、ル・シッフルとのポーカーゲーム、そしてヴェスパーとの恋模様です。
ボンドとヴェスパーは互いに第一印象が良くなかったものの、一緒に危険を乗り越えていくにつれて、少しずつ互いに惹かれ合っていきました。
MI6の諜報員としての仕事を辞めてもいいと思えるほど、ヴェスパーを深く愛しているボンド。このままボンドとヴェスパーが幸せに暮らすのかと思いきや、物語の終盤、ヴェスパーがル・シッフル一味に誘拐された恋人を救うために裏切っていたなんていう事実が発覚したのです。
最後まで目が離せないアクション場面の数々と、MI6の諜報員「007(ダブルオーセブン)」となって間もないジェームズ・ボンドの姿を描いた、ハラハラドキドキのスパイアクション映画が観たい人に、とてもオススメな作品となっています。