映画『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』は、2018年11月16日(金)より全国ロードショー!
アメリカとメキシコの国境地帯を舞台に麻薬・誘拐・人身売買・殺人などの暗黒のビジネスの実態を描きだしたドゥニ・ビルヌーヴ監督の2015年の『ボーダーライン』の続編。
監督はステファノ・ソッリマ監督に代わったものの、脚本はテイラー・シェリダンが前作から続投。テイラー・シェリダンは監督としても『ウインド・リバー』で注目を浴びたばかり。
メインキャストのジョシュ・ブローリンとベニチオ・デル・トロが同じ役で再登場しています!
CONTENTS
映画『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』の作品情報
【公開】
2018年(アメリカ映画)
【原題】
Sicario: Day of the Soldado
【脚本】
テイラー・シェリダン
【監督】
ステファノ・ソッリマ
【作品概要】
アメリカとメキシコの国境で行われる薬物の横行の現実をリアルな描写で見せた、アカデミー賞3部門にノミネート作品『ボーダーライン』の続編。
前作から引き続きベニチオ・デル・トロとジョシュ・ブローリンは出演。共演はイザベラ・モナー、ジェフリー・ドノバン、キャサリン・キーナーたちが務めます。
脚本は前作『ボーダーライン』などでアカデミー脚本賞にノミネートされたテイラー・シェリダン。演出はイタリア出身のステファノ・ソッリマ監督。またキャメラマンは『オデッセイ』などで知られるダリウス・ウォルスキーが参加。
映画『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』のキャラクターとキャスト
マット・グレイヴァー(ジョシュ・ブローリン)
CIAの工作員であり、正面からだけでなく様々な形で問題に対応する
アレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)
コロンビアの元検事でマットの相棒
シンシア(キャサリン・キーナー)
CIA副長官
イサベル(イサベラ・モナー)
巨大麻薬カルテルの支配者カルロス・レイエス末娘
前作『ボーダーライン』(2015)のあらすじとネタバレ
FBI捜査官のケイトと彼女のチームは奇襲します。家屋の壁の中から無数の誘拐被害者たちの死体を発見。その後、ケイトはマットのチームに加わり、誘拐事件の黒幕と思われる麻薬カルテルのマニュエル・ディアスの捜査に参加することになります。
マットのパートナーは所属不明のコロンビア人、アレハンドロ。
マットとアレハンドロは、ケイトの権限を利用し、国境警備隊に拘束されたメキシコからの不法入国者から得た情報から、薬物密輸のための地下トンネルの位置が特定されます。
ケイトは上官にマットの部隊が行っている超法規的捜査について報告しますが、上官はこの捜査に対する協力要請は政府の上層から下されたものであり、合法・非合法のラインは変わるものと突きはなされてしまいます。
マットのチームは密輸トンネルを急襲、ケイトも作戦に参加します。
夜、マットの部隊からアレハンドロを離別しメキシコへ向かいます。
トンネル急襲の本当の目的は、アレハンドロをメキシコ側に送り込むための陽動でした。
それに抗議するケイトに、マットはアレハンドロは、メキシコ麻薬カルテルに妻と娘を惨殺された過去を持つメキシコの元検事で、個人的な復讐のために今回の作戦に参加しているということを伝えます。
マットたちはそれを承知の上でアレハンドロの目的を利用し計画を進めていたのでした。
後日、ケイトのもとにアレハンドロが現れ、彼女を拳銃で脅し今回の捜査が全て合法なものだったという書簡にサインをするよう強要します。
清濁を併せ無ければ解決できない問題の眼の前で、ケイトは無力さを感じて立ちすくんでしまいます。
そんな彼女の眼の前からアレハンドロはゆっくりと静かに去って行きます。
本作品『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』(2018)のあらすじとネタバレ
アメリカのカンザスにあるショッピングモールで自爆テロが起き、アメリカの市民の子どもを含む15人の犠牲者が出ました。
大勢の民間人が犠牲となったこの事件を受けて、アメリカ合衆国の国土安全保障省は、テロ実行犯らがメキシコの麻薬カルテルの助けを得てアメリカに不法入国したという仮説を立てます。
中東に派遣されていたCIAの秘密工作員マットは、本国に呼び戻されて、カルテル殲滅作戦を練ることになりました。
マットはカルテルに家族を殺害されたコロンビアの元検事、アレハンドロと再び組むことを決めます。
カルテル同士の抗争を誘発するために、マットとアレハンドロは巨大カルテルのリーダーカルロスの娘イサベルを拉致し、敵対する別のカルテルの仕業に見せかけます。
テキサスでイサベルの救出劇を偽装した後、彼女をメキシコに連れ帰る途中、別のカルテルの息がかかっていたメキシコ連邦警察から奇襲攻撃を受け、壮絶な銃撃戦に展開。
結果、アレハンドロとイザベルの二人は一隊から離れてしまいます。
映画『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』の感想と評価
薬物カルテルと薬物戦争
第45代アメリカ合衆国大統領であるドナルド・トランプの公約の目玉の一つとして挙げたのが、アメリカとメキシコの国境を隔てる物理的なコンクリートの壁を建てるというものでした。
多くの人は批判を通り越して苦笑いを浮かべるばかりですが、その一方で、アメリカとメキシコの国境から流入してくる薬物・不法入国者・武器・金はアメリカの国家的な問題でもあります。
特に国境と接する南部は保守的な風土があって、国境問題に問題意識を持った人で、さらに極端な感覚を持つ人はトランプ大統領に票を入れました。
そんな現状のアメリカを描いた作品は、本作『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』以外も多くあります。
ハリソン・フォードの「ジャック・ライアン」シリーズ第2弾である『今、そこにある危機』(1994)のタイトルは、その現状をそのまま言い表したタイトルになっていますね。
『トラフィック』(2000)
近年の映画で言えば『ボーダーライン』のキャスト繋がりでいうと、ベニチオ・デル・トロがアカデミー助演男優賞を受賞し、監督のスティーブン・ソダーバーグもアカデミー賞を獲得した『トラフィック』(2000)は、国境問題を描いた作品の中でも代表的な作品といっていいでしょう。
同じようにコーエン兄弟がアカデミー賞を獲得した『ノーカントリー』もあります。
こちらにはジョシュ・ブローリンが出演しています。
アカデミー賞繋がりで言うと『ハートロッカー』のアカデミー賞監督キャサリン・ビグローが製作総指揮した『カルテル・ランド』はドキュメンタリーということもあって、より一層きつい“リアル”を突き付けられます。
参考映像:『ナルコス』(2015)
Netflix の『ナルコス』も同じカルテルの物語。
このようなハードな実情を見せつけられると、トランプ大統領を支持する人がいるのもわかる気がしてしまいます。
それゆえに、本作『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』は単なる想像の絵空事なフィクションではなく、現実的な設定やリアルな描写が大きな特徴になっています。
アクション映画ファンであれば、前作に引き続き必見な作品です。
まとめ
本作品『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』は、ストーリーが二転三転する先の読めない展開に、手に汗握る作品です。
しかも、作戦実行がなかなか思うようにいかないなど、細部に渡ってリアルな描写が目を釘付けにさせる演出が見どころです。
映画の冒頭、アメリカで市民15人が犠牲と自爆テロ事件が発生。
容疑者はメキシコ経由で不法入国したという憶測を持ったアメリカ政府から任務を命じられたCIA特別捜査官マットは、カルテルに妻と娘を殺害された過去を持つアレハンドロに協力を依頼します。
マットはアレハンドロとともに薬物カルテルを取り仕切るボスの娘イサベルを誘拐します。
その犯行をメキシコの国境地帯で密入国ビジネスを取り仕切る薬物カルテル同士の抗争の仕業に仕組むと工作を企てるが…。
国境地帯で繰り広げられる地上戦と、それを空から監視しながら作戦実行される展開は必見!
それぞれの過去を持ちながらも、信頼関係がある男同士ソルジャーであるマットとアレハンドロの友情と運命はいかに!
映画『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』は、2018年11月16日(金)より全国ロードショー!