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Entry 2019/07/26
Update

ドキュメンタリー映画『台湾、街かどの人形劇』あらすじ。日本公開は11月30日に決定!

  • Writer :
  • 石井夏子

『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』で大注目の台湾布袋戯!

父から息子へ受け継がれる物語。

侯孝賢監督映画の常連俳優で布袋戯の巨匠・李天禄(リ・ティエンルー)の息子・陳錫煌(チェン・シーホワン)を、台湾ドキュメンタリー映画界の巨匠・楊力州(ヤン・リージョウ)が追った注目作『台湾、街かどの人形劇』が、2019年11月30日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開されます。

台湾で大ヒットを記録した珠玉のドキュメンタリー映画『台湾、街かどの人形劇』のティザーチラシと、楊力州監督のコメントも解禁となりましたのでご紹介します。

映画『台湾、街かどの人形劇』について

(C)Backstage Studio Co., Ltd.

本作『台湾、街かどの人形劇』は、台湾ドキュメンタリー映画界の巨匠・楊力州が10年に渡り追った、世界最高峰の人形師一家の愛憎と、布袋戯の栄枯盛衰の記録です。

台湾の伝統芸能である人形劇“布袋戯”。

『戯夢人生』(1993)をはじめとするホウ・シャオシェン(侯孝賢)監督作に出演し、強い印象を残したリー・ティエンルー(李天禄)は、人間国宝とも称された布袋戯の名手

そんな彼の愛弟子でもある二人の息子、長男のチェン・シーホワン(陳錫煌)と次男のリー・チュエンツアン(李傳燦)。

家督を継いだ次男は名門を守り、父と異なる姓を持つ長男は、己の道を邁進し、名人の高みへと達しました。

そんな人形師一家を追うのは、34歳にして台湾アカデミー賞といわれる金馬奨最優秀監督賞受賞し、その後も金馬奨50周年記念作品『あの時、この時』をはじめ多くのドキュメンタリー映画を世に送り出している楊力州監督。

本作は大阪アジアン映画祭2019特集企画“台湾:電影ルネッサンス2019”で上映され、圧倒的に支持されました。

布袋戯(ほていげき)とは

参考動画:『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』

布袋戯(ほていげき)とは台湾の民間芸能のひとつ。

布袋でできた人形衣装の中に手を入れて操ることから「布袋戲」といわれます。

映画『台湾、街かどの人形劇』のティザーチラシ

(C)Backstage Studio Co., Ltd.

本記事冒頭に掲載した、『台湾、街かどの人形劇』のティザーチラシ。

父・李天禄から受け継いだ戯劇の神“田都元帥(でんとげんすい)”が入った赤い箱。

ティザーチラシでは、台湾の美しい風景の中で、赤い箱を持った陳錫煌と“田都元帥”の向き合う姿がデザインされています。

楊力州(ヤン・リージョウ)監督のコメント

(C)Backstage Studio Co., Ltd.

1969年3月9日生まれ、台湾出身の楊力州(ヤン・リージョウ)監督

精緻でドラマティックな演出力を持った、台湾ドキュメンタリーの巨匠です。

中学のサッカー部の少年たちを追った『奇蹟的夏天』(2006)は金馬獎でドキュメンタリー映画賞を受賞

『台湾、街かどの人形劇』の日本公開に向けて、以下のように楊力州監督はコメントを寄せました。

この映画は台湾伝統布袋戯の技、その伝承、そして父子関係に関するドキュメンタリーです。
10年に及ぶ撮影期間中、布袋戯の文化は言語の弾圧・エンタテインメントの多様化など不可逆な状況を目撃してきました。
台湾伝統布袋戯が消えつつある現状にもぜひ目を向けてください。

10年間で築いた信頼関係が浮き彫りになる本作では、衰退して行く伝統芸能と、父と子の確執を丁寧に見つめ続けます。

映画『台湾、街かどの人形劇』の作品情報

(C)Backstage Studio Co., Ltd.

【日本公開】
2019年(台湾映画)

【原題】
紅盒子-Father

【監督】
楊力州(ヤン・リージョウ)

【監修】
侯孝賢(ホウ・シャオシェン)

【日本語字幕】
青井哲人+亭菲(フェイ)

【キャスト】
陳錫煌(チェン・シーホァン)

映画『台湾、街かどの人形劇』のあらすじ

(C)Backstage Studio Co., Ltd.

人間国宝・陳錫煌(チェン・シーホワン)を追った10年の記録は、台湾布袋戯の伝統と継承、そして、逃れられない父と子の物語でした。

映画『戯夢人生』など候孝賢映画の名脇役にして、布袋戯の大家である李天禄(リ・ティエンルー)。

長男・陳錫煌(チェン・シーホワン)は、母の姓を継いだ事で父との間に深い葛藤が生まれ、自身が80歳を超えた今も、そのわだかまりは消える事はありません。

家を継ぐこと、名前を継ぐこと、芸を継ぐこと、親子でありながらも師弟であるが故の深く抜け出しがたい感情。

どの時代にも共通する、親子のそして師弟の葛藤と、天命を知る者ゆえの闘いの記録が描きだされます。

まとめ


(C)Backstage Studio Co., Ltd.

3月に開催された、大阪アジアン映画祭2019特集企画“台湾:電影ルネッサンス2019”で上映され、好評を博した本作。

人形を操る指先ひとつひとつに魂が宿っている様が映し出され、ため息が出るほどの美しさです。

大阪アジアン映画祭にゲスト登壇時、本作のことを「“布袋戯”についての映画であるとともに、あるいはそれ以上に父と子の物語」だと語った楊力州(ヤン・リージョウ)監督。

ただの人形師のドキュメンタリーではなく、その内側に潜んだ、言葉に出来ない親子の関係さえも捉えた本作にご期待下さい。

映画『台湾、街かどの人形劇』は2019年11月30日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開です。

(C)Backstage Studio Co., Ltd.

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