映画『チャイルド・プレイ』は2019年7月19日(金)より全国ロードショー!
チャッキーの残忍な無差別殺人の模様を追った「チャイルド・プレイ」シリーズをリブート、先端技術により生み出されたバディ人形が暴走し、人々を恐怖に陥れるストーリーとして帰ってきました!
80年代のホラーブームの中で生まれた作品の中でも、特に異彩を放つ一作品である「チャイルド・プレイ」シリーズ。殺人人形・チャッキーの設定を現代風に合わせた設定として、再び登場しました。
恐怖の殺人人形・チャッキーの声を「スター・ウォーズ」シリーズのマーク・ハミルが担当。
そのほかキャストには『アナベル 死霊館の人形』『ライト/オフ』などのガブリエル・ベイトマンやオーブリー・プラザ、ブライアン・タイリー・ヘンリー、ティム・マシスンら実力派が集結しています。
CONTENTS
映画『チャイルド・プレイ』の作品情報
【日本公開】
2019年(アメリカ映画)
【原題】
『CHILD’S PLAY』
【監督】
ラース・クレヴバーグ
【キャスト】
オーブリー・プラザ、ガブリエル・ベイトマン、ブライアン・タイリー・ヘンリー、ティム・マシスン、マーク・ハミル(声の出演)
【作品概要】
1988年公開の第1作以降、計7作品が制作されてきた「チャイルド・プレイ」シリーズの殺人人形の恐怖をリブートした作品。
引っ越したばかりの少年にある日贈られた一つの人形が、高性能のAIによって機械を操り、人々を襲撃する恐怖の軌跡を映像にて描きます。
演出は新鋭・ラース・クレヴバーグ監督。殺人人形チャッキーの声を、「スター・ウォーズ」シリーズでルーク・スカイウォーカー役を演じたマーク・ハミルが担当。
チャッキーに追われる少年アンディー役を『アナベル 死霊館の人形』『ライト/オフ』などのガブリエル・ベイトマンが演じます。
映画『チャイルド・プレイ』のあらすじ
最先端テクノロジー企業・カスラン社。商品製造を担うベトナムの工場では新製品バディ人形の製造がおこなわれていました。
ある日、現場のリーダーに散々パワハラを受けていた一人の工員が、その腹いせとして一つのバディ人形のプログラミングを書き換え、欠陥を混入させます。
そのバディ人形は何もなかったように、商品の梱包ラインに乗っていきました。
一方、アメリカのとある街中。母子家庭で育った少年・アンディ(ガブリエル・ベイトマン)は、引っ越しのため友達ができず、孤独な日々を送っており、そんな彼を母・カレン(オーブリー・プラザ)も心配していました。
カレンはショッピングモールのカスタマーサービスカウンターで、客の苦情を受け付ける案内係として働いていました。
一人の客が欠陥があるからと、返品を要求してきたバディ人形を、まんまと入手することに成功。それを誕生日のプレゼントとしてアンディに贈ります。
音声認識、センサー付きカメラ、高解像度画像認識など高性能の機能を満載したバディ人形でしたが、贈られたものは電源を入れると、アンディが命名しようとするのも聞かず自らを「チャッキー」と名乗ります。
しかし、しばらくは言葉の受け答えすら的外れだったりと、おかしな動作を繰り返します。
失望したカレンとアンディでしたが、それでもだんだんと動作は正常に近づきつつ、「君が一番の親友だよ」と自分に親しくしてくれるチャッキーに、アンディは徐々に夢中になっていきます。
ある日、アンディとチャッキーが遊んでいると、アンディの家で飼っている一匹の猫が現れ、アンディはその猫に手を引っ掻かれます。
思わず下品な言葉を吐いてしまうアンディ。その言葉を聞いて、チャッキーの目が赤く光り始めます。
こうしてアンディは、チャッキーによる恐怖の暴走を味わうことに…。
映画『チャイルド・プレイ』の感想と評価
設定を変えてもオリジナル版のスタイルを継承
シリーズものとしては、80年代のホラームービーを代表する一作ともいえる『チャイルド・プレイ』。それだけにリブートとなると、かなりハードルは高いものになります。
本作のプロデュースを担当したセス・グレアム・スミスとデヴィッド・カッツェンバーグは、本作の制作にあたって、単なるリメイク作品ではなく今日の観衆の感性に合う、新しいものを取り入れたいと考えて企画を立案しました。
オリジナルの『チャイルド・プレイ』は、ある殺人鬼が黒魔術により自分の魂を一つの人形に移し、殺人人形として人々を恐怖の淵に陥れるというものでありました。
今作はそういったスピリチュアルなものはなく、人形自体は技術的に大きく進化した中で、欠陥が埋め込まれたことで巻き起こる、いわばアクシデント的な展開となっています。
この二つの設定は全く異なるものであり、全く別の作品になってしまう可能性もあります。
その意味では後者の設定で“新しいもの”を取り入れると同時に、ある程度オリジナル作品を知っているファンに対し、納得のできるものを考える必要があったはずです。
本作ではこの課題に対し、不確定要素であるバディ人形のプログラミング上の欠陥をオリジナルのスピリチュアル的要素として当てはめ、またオリジナルのチャッキーが見せていた残虐な性格、暴言を「人間がしゃべったことを、品格など問わず覚え、使ってしまう」という動作に置き換えるなどの対応を行っています。
そういった面からは、オリジナルのファンにも納得してもらうための配慮がかなり深くなされているようにも見えます。
重要なブラック・コメディー的要素
本作にはオリジナルの『チャイルド・プレイ』シリーズに向けた、そのほかのオマージュも感じられます。それがブラック・コメディー的な要素です。
1988年公開にはじまったオリジナル「チャイルド・プレイ」シリーズは単純なホラーと違い、主要キャラクターであるチャッキーがとにかくよくしゃべり、下ネタ、下品な言葉、罵声などお構いなしに吐き続けます。
この設定は従来のホラーにあった「殺人者は無口」的な要素、得体のしれないものに対する恐れからくる怖さが、このシリーズ作品では薄く、キャラクターに可愛らしさ、愛着のようなものすら見せていました。
さらに例えば殺人の瞬間にも、どこか笑いを誘うような演出、仕掛けが用意されることも度々ありました。
これに対し本作のチャッキーは、コンピュータープログラムの欠陥により生まれたものですから、オリジナルのチャッキーに比べるとどちらかというと心根は純粋であり、チャッキーの言葉で笑いを作ることは難しくなります。
しかし、本作では残虐なシーンでポンと笑える要素を入れてみたり、人々の会話の端々に皮肉めいた言葉をちりばめてみたりと、演出にはかなり笑いを誘う意向が感じられ、時にはアットホームな雰囲気すら見られます。
一方で、ひどい喧嘩をして絶交した友達同士が、何かの瞬間にふっとお互いを理解し友情を取り戻すといった、「そんなのでいいのか!?」と、見ていてついツッコミを入れたくなる展開もB級ホラーにはありがちですが、御多分に漏れずしっかりと織り込まれております。
こういった方向性は、当初『チャイルド・プレイ』が単にホラーとかたづけられない、コメディーに微妙な境界を取り入れていた作品だったことを、改めて思い返させるようでもあります。
巧妙な残虐シーン
一方、本作で作られた映像の残虐的な表現も巧妙です。
プロデューサーのスミス、カッツェンバーグは映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』でのチームとしても有名でありますが、その手腕は本作でも十分生かされているようです。
特徴的なのは、何らかの殺人行為に対してそのシーンを瞬間だけ見せるようなカットが多いところにあります。
凄惨な殺人の被害者をじっくりと描くのも十分インパクトがありますが、本作では殺人行為の立ち上がりから実行まで、例えば、ナイフを振り上げて何度も刺すような瞬間をごく短い時間の間に、フッと見せることが多くなっています。
見る側としては、「うわっ、来た!」と殺戮シーンを認識、次の瞬間には明らかにむごたらしい殺人行為を行っているのに、ふっと流れるようなシーンだけ見せられ、恐怖とともに“何が起きたんだ?”という不安にかられます。
結果、惨殺遺体もあまりはっきりした画が見られるところもありません。
そのため観衆は見た目の恐怖よりも、殺人シーンを思い思いに描いて、自身の胸の内で増幅された恐怖を味わうことになります。
もちろん特殊効果などに高い技術を用いて作られたことも見てとれますが、心から感じる怖さというものをうまく突き詰めている感じもあります。
その意味ではコメディー要素につい意識をとらわれがちな一方で、ホラーという分野を深く追究している作品ともいえるでしょう。
まとめ
ホラーというジャンルに求められる“恐怖”というレベルだけでなく、エンタテイメントという面を合わせ、高く突き詰めて作られた2019年公開の『チャイルド・プレイ』リブート作品。
ホラー映画マニアにも、またチャッキーというキャラクターを見たことが無い人にも、印象深い作品となることでしょう。
現代ホラーのリアル感、エゲツなさと、B級ホラー的なハチャメチャさを意図的に、絶妙にミックスした本作。是非作品を見て「何だこりゃ!?」と漏らしながら、大笑いして見てはいかがでしょう。
映画『チャイルド・プレイ』は2019年7月19日(金)より全国で公開されます!