Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ホラー映画

映画『ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談』あらすじと感想レビュー。本当の恐怖を体験!

  • Writer :
  • 西川ちょり

2018年、本当の恐怖が英国からやってくる!

100万人が絶叫した大ヒット舞台を完全映画化!

7月21日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国順次ロードショーされる映画『ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談』をご紹介します!

映画『ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談』の作品情報


© GHOST STORY LIMITED 2017 All Rights Reserved.

【公開】
2018年(イギリス映画)

【監督】
ジェレミー・ダイソン&アンディ・ナイマン

【キャスト】
マーティン・フリーマン、アンディ・ナイマン、ポール・ホワイトハウス、アレックス・ロウザー

【作品概要】
アンディ・ナイマンとジェレミー・ダイソンが2010年に発表した舞台を映画化。

舞台はイギリスでロングラン上演されたほか、世界ツアーで100万人を動員。史上最も恐ろしい舞台と評されました。

ナイマン、ダイソン自身がメガホンを取り、映像ならではの怪奇表現が随所に溢れた作品となっています。

『ブラックパンサー』、『SHERLOCK シャーロック』のマーティン・フリーマンがメインキャストで出演し、ナイマンは教授役も兼任しています。

映画『ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談』のあらすじ


© GHOST STORY LIMITED 2017 All Rights Reserved.
心理学者のフィリップ・グッドマン教授は、イギリス各地で、ニセ超能力者やニセ霊能者の嘘を暴いてきました。

「降霊術の嘘を暴く」というTV番組を持っている彼は、「どんな超常現象も説明可能だ。この世に幽霊などいない」という信念を持っていました。

グッドマンはベテラン学者、キャメロン博士を敬愛していました。「迷信じみた恐れに支配されるな」という信念のもと、キャメロン博士は数々の超常現象の嘘を暴いてきた学者です。

しかし、キャメロン博士は突然姿をくらまし、彼の消息を知るものは誰もいませんでした。

そんなある日、一通の封書がグッドマンに届けられます。彼はすぐにフィリーのイーストショアに車を走らせます。

手紙に書かれた住所をたどっていくと、一台のキャンピングカーに辿り着きました。グッドマンを迎えたのはあのキャメロン博士でした。

年老いて、体がひどく悪いように見えました。グッドマンは尊敬していた人物に自分の著書を渡し、ご満悦です。

しかし、キャメロン博士の口から出たのは、自身がやって来た事柄への後悔の念でした。「高慢な態度で他人の家に入り込み、秘密を暴いて家庭を潰し喜んでいた」

そして説明することができない件が三件存在すると語り、「私や君が否定してきた超自然現象や見えない力は全て真実だった」とまで言うではありませんか!

「私は間違っている、と言ってくれ」とキャメロン博士は自身が解決できなかった三件の資料をグッドマンに託すのでした。

部屋を出て振り返ったグッドマンは、窓から覗いている博士の後ろになにやら影のような不可解なものが見えたような気がしました。

初老の夜間警備員、家族関係に問題を抱える青年、妻が出産を控えた地方の名士…3人の超常現象体験者に話を聞くため、グッドマンは車を走らせます。

彼を待ち受けていたのは、信じがたい怪奇現象の数々と想像を絶する恐怖でした。

「人は見たいようにものを見る」と、そのからくりを暴こうとするグッドマンでしたが…。

映画『ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談』の感想


© GHOST STORY LIMITED 2017 All Rights Reserved.

物語は、いんちき降霊術を使い、悲しみにくれる善良な人を騙している男のステージにグッドマンという学者が駆け上って、インチキを暴露する場面から始まります。

(自称)超能力者と学者の攻防をスリリングに描いた作品といえば、ロドリゴ・コルテス監督の『レッド・ライト』(2012)という傑作が思い出されます。

『ゴースト・ストーリーズ』のオープニングと同じような集会に、科学者であるシガニー・ウィーバーが乗り込むシーンや、大学の講義中、学生に「超常現象というものは存在しないとお考えですか?」と問われ、「解決不能の事態には未だめぐりあったことがない」と答えるシーンなど、いくつかの共通項が見られます。

しかし、『レッド・ライト』が、あくまでも「超能力」が対象であるのに対して、『ゴーストストーリーズ 英国幽霊奇談』は、「幽霊は本当にいるのか?」ということが主題になっています。

イギリス人は幽霊が大好きな国民だ、とはよく言われますが、「超常現象」や「超能力」ではなく、ずばり「幽霊」であるところが、なんともイギリスらしく、嬉しくなってしまいます。

イギリスの美しいけれどもどこか陰鬱な風景が、絶好の恐怖の舞台として、画面に立ち上がってきます


© GHOST STORY LIMITED 2017 All Rights Reserved.

グッドマンが検証することとなった3つのケースのうち、ケース1では、初老の夜間警備員と共に、観ている私たちも、懐中電灯の明かりだけを頼りに、この恐怖体験に巻き込まれることになります。

もともとは舞台だったということですが、これほど、臨場感のある映像を見せられると、逆に舞台はどのような演出を行ったのだろう?と興味が湧くくらいです。

さらにケース2,ケース3でグッドマン(そして私たち)を待っていたものとは!?

もっといろいろと語りたくてたまらないのですが、本作はあまり事前に情報を仕入れずに観たほうが断然面白いと思われますので、是非映画館の大きなスクリーンで、“本当の恐怖”を体験してみてください!

まとめ


© GHOST STORY LIMITED 2017 All Rights Reserved.

原作は、アンディ・ナイマンとジェレミー・ダイソンが2010年に発表した舞台。イギリスでロングラン上演されたほか、世界ツアーで100万人を動員。史上最も恐ろしい舞台と評されました。

映画化に際し、原作者であるアンディ・ナイマンとジェレミー・ダイソンがメガホンを取り、映画ならではの恐怖を生み出しました。

二人は大のホラーマニアを公言しており、ホラー映画への深い愛が二人を結びつけたとも語っています。

アンディ・ナイマンは、英国内で高い知名度を持つマジジャン、メンタリストのダレン・ブラウンのコンサルタントを長年務めていることでも知られ、本作ではグッドマン教授役で出演もしています。

映画の監督を務めるのは二人にとって初めての体験でしたが、ジェレミー・ダイソンは「我々は深刻な仲違いも一度もなく、この映画製作は最初から最後まで喜びに満ちていた」と証言しています。

『SHERLOCK シャーロック』のワトソン役で国際的スターとなり、最近では『ブラックパンサー』(2018)での活躍も記憶に新しいマーティン・フリーマンは、脚本に惚れ込み、メインキャストで出演しており、彼がどのような役割を果たすのかも見どころのひとつとなっています。

他にも、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』(2014)で主人公アラン・チューリングの少年時代を演じ、Netflix製作のドラマ『このサイテーな世界の終わり』(2017)の主演で注目を集めているアレックス・ロウザーなど、屈指の実力派俳優が集結しました。

この夏、本物の恐怖が待っている!

7月21(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、ユナイテッド・シネマ豊洲ほか全国順次公開!


© GHOST STORY LIMITED 2017 All Rights Reserved.

関連記事

ホラー映画

映画『ポラロイド』あらすじネタバレと感想。アナログな恐怖の秘密はカラヴァッジョの陰影とスピルバーグファンとしての遊び心

『IT イット “それ”が見えたら、終わり。』のロイ・リーがプロデューサーを務めた、ポラロイドカメラが巻き起こす怪奇ホラー! 『ポラロイド』は、ノルウェー出身のラース・クレヴバーグが製作・監督・脚本を …

ホラー映画

【黄龍の村 考察】どんでん返し映画としてホラージャンルを覆す。あらすじ展開の“伏線”を見逃すな!

ジャンルごと物語が変わる驚異のジェットコースタームービー 物語の半ばで大きく様相が変わり、視聴者の予想を裏切る展開のことを「どんでん返し」と呼びます。 ミステリを始めサスペンスや果てには恋愛映画まで、 …

ホラー映画

映画『ザ・スイッチ』ネタバレ考察と結末ラストの解説。ハッピー・デス・デイの監督がシリアルキラーと女子高生のボディスワップを描く

世界中で話題騒然!コメディ・ハイティーン・スラッシャー映画『ザ・スイッチ』。 映画『ザ・スイッチ』は、2020年11月にアメリカや欧州などで劇場公開され、アジアではいち早く韓国公開された作品。 しかも …

ホラー映画

【事故物件の映画考察】なぜ4軒目入居で“黒い悪霊”に襲われたのか⁈不動産屋で変死する横水の理由も解説

殺人や自殺など何かしらの死亡事故が起きた、いわくつきの部屋を指す「事故物件」。 この事故物件に住み、自身の体験を書籍にしている「事故物件住みます芸人」である、松原タニシの原作を、中田秀夫が映像化した『 …

ホラー映画

『ファウンダーズデイ殺戮選挙』あらすじ感想評価。スラッシャームービーの欲望渦巻く秀作!

映画『ファウンダーズデイ/殺戮選挙』は2024年9月20日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷他で全国順次公開! 国であったり県であったりと規模に大小はあれど、特定の集団の長を決める「選挙」の期間は …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学