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Entry 2019/05/29
Update

『東南アジア映画の巨匠たち』有楽町スバル座にて開催!7月3日より文化交流の祭典【響きあうアジア2019】の関連イベント情報

  • Writer :
  • 石井夏子

ワールドクラスの巨匠監督が集結!

国際交流基金アジアセンター主催、公益財団法人ユニジャパン(東京国際映画祭)共催で、2019年7月3日(水)から10日(水)まで、躍進が目覚ましい東南アジアの巨匠にスポットライトを当てる特集上映『東南アジア映画の巨匠たち』が実施されます。

日本と東南アジアの文化交流事業を幅広く紹介する祭典「響きあうアジア2019」の一環として行う本特集について、上映プログラムや概要についてお知らせ致します。

『東南アジア映画の巨匠たち』について


©︎Cinemarche

2014年以降、東京国際映画祭(TIFF)は国際交流基金アジアセンターと共に「国際交流基金アジアセンターpresents CROSSCUT ASIA」をはじめ、さまざまな切り口で東南アジア映画を紹介し、映画を軸とした相互交流を深めてきました。

今回は、その集大成として、東南アジアの地域を越えて世界に挑戦し映画ファンを魅了し続ける巨匠たちの原点から最新作、注目の若手監督の意欲作を一挙上映します。

上映にあわせて、豪華顔ぶれが来日し、シンポジウムやトークイベントも行う予定です。

『東南アジア映画の巨匠たち』開催概要

上映日程
2019年7月4日(木)~7月10日(水)

会場
有楽町スバル座
東京都千代田区有楽町1丁目10-1有楽町ビルヂング内
※上映時間などの詳細は国際交流基金アジアセンター公式サイトをご覧ください。

上映チケット
6月8日(土)よりローソンチケットにて発売

チケット料金(税込)
前売券:一般1,000円、U-25・シニア500円
当日券:一般1,500円、U-25・シニア1,000円
※U-25割引(25歳以下)、シニア割引(60歳以上)

『東南アジアの巨匠たち』上映作品について


©︎Cinemarche

今回の全10プログラムのうち、ジャパンプレミアとなるのは、ガリン・ヌグロホ(インドネシア)の『メモリーズ・オブ・マイ・ボディ』

このほか、フィリピン映画に新風を巻き起こすブリランテ・メンドーサ、日本でも熱狂的な人気を集めるアピチャッポン・ウィーラセタクン(タイ)、斎藤工主演作『家族のレシピ』が話題を呼んだエリック・クー(シンガポール)、そして自国の真実を探求し続けるリティ・パン(カンボジア)による傑作を上映します。

ガリン・ヌグロホ監督『メモリーズ・オブ・マイ・ボディ』

©Asian Shadows International Sales Limited

映画『メモリーズ・オブ・マイ・ボディ』の作品情報

【製作】
2018年(インドネシア映画)

【原題】
Memories of My Body

【作品概要】
『サタンジャワ』に加えてヌグロホ監督の最新作を日本初公開。

中部ジャワのレンゲル(女装した男性が踊る女形舞踊)のダンサーを主人公に、地域の芸能に根付くLGBTQの伝統が見てとれます。

「ひとつの身体の中に混在する男性性と女性性を描いています」と語る本作は必見です。ヴェネチア国際映画祭出品作。
 

ガリン・ヌグロホ監督のプロフィール


©︎Cinemarche

1961年、インドネシア生まれ。

90年代インドネシア映画新世代のパイオニアとしてその名が知られるようになりました。

監督作はカンヌ、ヴェネチア、ベルリンをはじめとする数多くの映画祭で上映され、多数の映画賞に輝いています。

映画以外にも演劇や美術インスタレーションも手がけるほか、2005年にはジョグジャNETPACアジア映画祭を創設しました。

ブリランテ・メンドーサ監督『アルファ、殺しの権利』『アジア三面鏡2016:リフレクションズ』

©2018 Center Stage Production

映画『アルファ、殺しの権利』の作品情報

【製作】
2018年(フィリピン映画)

【原題】
Alpha, The Right to Kill

【作品概要】
メンドーサ監督が『ローサは密告された』に続いて発表した、フィリピン麻薬戦争を一人の警察官の視座から生々しく切り取る問題作。

警察署が麻薬組織にスパイを送り込み、善と悪、表と裏が入り乱れる戦いが展開していきます。

サンセバスチャン国際映画祭審査員特別賞受賞。

映画『アジア三面鏡2016:リフレクションズ』の作品情報

©2016 The Japan Foundation, All Rights reserved.

【製作】
2016年(日本映画)

【監督】
ブリランテ・メンドーサ、行定勲、ソト・クォーリーカー

【作品概要】
国際交流基金アジアセンターと東京国際映画祭が共同製作したオムニバス映画シリーズ第1弾。

メンドーサ監督は第1話「SHINIUMA Dead Horse」で不法滞在のフィリピン人を主人公に、酷寒の北海道から灼熱のフィリピンへ強制送還の旅路を描きます。

他に行定勲監督「鳩 Pigeon」、ソト・クォーリーカー監督「Beyond The Bridge」。第29回TIFF上映作品。

ブリランテ・メンドーサ監督のプロフィール


©︎Cinemarche

1960年、フィリピン生まれ。

監督第1作『マニラ・デイドリーム』で2005年ロカルノ国際映画祭ビデオ部門金豹賞を受賞しました。

その後数々の国際映画祭で評価される。最もよく知られている受賞は、2009年に『キナタイ マニラ・アンダーグラウンド』でカンヌ映画祭監督賞の栄冠に輝いたこと。

フランス政府より芸術文化勲章シュヴァリエを授与されました。

エリック・クー監督『ミーポック・マン』『一緒にいて』

映画『ミーポック・マン』

【製作】
1995年(シンガポール映画)

【原題】
Mee Pok Man

【作品概要】
斎藤工・松田聖子共演の『家族のレシピ』が公開されたクー監督、伝説の長編デビュー作『ミーポック・マン』をAsian Film Archiveによるデジタルリストア版で上映!

ミーポック(麺料理)売りの青年と娼婦の愛を描き、シンガポール映画の復興を告げた記念碑的作品です。ローカルフードへのこだわりは現在まで一貫しています。

本国で上映禁止となった初期の短篇『痛み』を併映。

映画『一緒にいて』

©Zhao Wei Films 2005

【製作】
2005年(シンガポール映画)

【原題】
Be With Me

【作品概要】
妻を亡くした商店主、グルメな警備員、同性に恋する女子高生という3人の孤独を静謐でスタイリッシュな様式のなかに優しく見つめたクー監督の初期の代表作。

シンガポール映画として初めてカンヌ映画祭監督週間のオープニングを飾りました。第18回東京国際映画祭上映作品。

エリック・クー監督のプロフィール


©︎Cinemarche

1965年、シンガポール生まれ。数々の国際映画祭で出品を果たしたシンガポールを代表する映画監督。

2008年、『私のマジック』(TIFF08出品作)でカンヌ映画祭コンペティション部門に選出されました。

2011年『TATSUMI マンガに革命を起こした男』ではカンヌ映画祭ある視点部門出品、アカデミー賞外国語映画賞シンガポール代表に選出。最新作は『家族のレシピ』(2018)です。

アピチャッポン・ウィーラセタクン監督『十年 Ten Years Thailand』

©2018 Ten Years Studio

映画『十年 Ten Years Thailand』

【製作】
2017年(タイ・香港・日本合作映画)

【原題】
Ten Years Thailand

【監督】
アーティット・アッサラット、ウィシット・サーサナティヤン、チュラヤーンノン・シリポン、アピチャッポン・ウィーラセタクン 

【作品概要】
香港・日本・台湾と並んで製作された、10年後の自国を描く近未来オムニバスの国際共同プロジェクトのタイ版。

アピチャッポンは第4話「Song of the City」で銅像の建つ公園とそこに集う人々を素描しました。第31回東京国際映画祭上映作品。

アピチャッポン・ウィーラセタクン監督のプロフィール

1970年、タイ生まれ。映画監督、プロデューサー、アーティスト。

監督作は『ブンミおじさんの森』(2010)など。タイ内外で実験的でハイブリッドな物語映画を活発に製作しています。

カンヌ国際映画祭パルムドールの他、最近ではオランダのプリンス・クラウス・アワードを受賞。「響きあうアジア 2019」では舞台作品『フィーバー・ルーム』を上演予定です。

リティ・パン監督『飼育』

映画『飼育』

【製作】
2011年(フランス・カンボジア合作映画)

【原題】
Shiiku

【作品概要】
『消えた画 クメール・ルージュの真実』などで知られるドキュメンタリーの巨匠リティ・パンが、大江健三郎の芥川賞受賞作『飼育』を1972年のカンボジアの物語に翻案して劇映画化。

クメール・ルージュの少年兵が墜落した米軍機の黒人パイロットを鎖につないで“飼う”グロテスクな寓話です。

大島渚監督版『飼育』(1961)との比較も一興。第24回東京国際映画祭上映作品。

リティ・パン監督のプロフィール

1964年、カンボジア生まれ。

カンヌ映画祭ある視点部門グランプリ受賞作『消えた画 クメール・ルージュの真実』(2013)等、ドキュメンタリー映画を中心に高い評価を受けています。

映画製作の傍ら、カンボジアの視聴覚資料を収集・公開するリソースセンターやフィルム・コミッションを設立し、カンボジアの映像分野の牽引役として活動。

まとめ

「響きあうアジア2019」は、設立5年を迎える国際交流基金アジアセンターが、日本と東南アジアの文化交流事業を幅広く紹介する祭典です。

国を超え共に創り上げた舞台芸術や映画から、東南アジア選手による混成サッカーチーム「ASIAN ELEVEN」と日本チームとの国際親善試合、“日本語パートナーズ”のシンポジウムまで、お互いの文化が刺激しあって生まれたイベントで構成されています。

「響きあうアジア2019」の一環として行う『東南アジア映画の巨匠たち』では、東南アジアの地域を越えて世界に挑戦し映画ファンを魅了し続ける巨匠たちの原点から最新作を一挙上映。

上映にあわせてガリン・ヌグロホ監督、ブリランテ・メンドーサ監督、エリック・クー監督の来日が予定されており、トークイベントも開催されるとのことで、どのような話が聞けるか楽しみですね。

2019年7月4日(木)から7月10日(水)まで有楽町スバル座にて上映される『東南アジア映画の巨匠たち』にご期待下さい。

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