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映画『TOMORROW パーマネントライフを探して』の作品情報
【公開】
2016年(フランス)
【監督】
シリル・ディオン&メラニー・ロラン
【キャスト】
シリル・ディオン、メラニー・ロラン、ロブ・ホプキンス、バンダナ・シバ、ヤン・ゲール
【作品概要】
『イングロリアス・バスターズ』『オーケストラ!』などで知られる女優メラニー・ロランが監督を務め、第41回セザール賞でベストドキュメンタリー賞を受賞。
「農業・エネルギー・経済・民主主義・教育」の5つにスポットを当て、世界各地で新しい取り組みを行う活動を取材したドキュメンタリー。
映画『TOMORROW パーマネントライフを探して』のあらすじとネタバレ
フランス人の女優メラニー・ロランは、総合科学誌「Nature」に掲載された記事に衝撃を受けます。
その内容とは、21人の科学者による論文で、“人類は絶滅する恐れがある。それも決して遠くない未来に”と綴られていました。
メラニーは、ジャーナリストのシリル・ディオンと一緒に、世界中で新しい取り組みを試みた人たちに取材を行い、未来のための解決策を探っていきます…。
映画『TOMORROW パーマネントライフを探して』の感想と評価
この作品で女優のメラリー・ロランとジャーナリストのシリル・ディオンは、人類の未来について立ち止まって考えなければならない状況だと知ってしまいます。
そこで”私たちに出来ることは何か”と、自問自答したことが、きっとこの作品の出発点だと思います。
ただ与えられたものを消費していくだけでは、思考停止状態から脱却することはできないないのです。
彼らは自分たちの身近な問題として、「農業・エネルギー・経済・民主主義・教育」という5つをポイントを挙げてみたのでしょう。
その取材を行う冒険のロードマップこそが、”地球を救う仮説”としたのでないでしょうか。
先ずは問題解決には、直接的に一対一で向き合いながら解決していく、コアな取り組みが重要なことです。そのことが取材対象の相手となるのは言うまでもありません。
5つのポイントのそれぞれの活動を中心として、それぞれの活動を行なう人たちをメラリーとシリルが取材していく側として、彼らのコミュニティの活動を結ぶ役割をする。
そのことで各所の中心的な存在が、もう1つ大きな枠組みとして、中心を人類の未来(希望)という形を映像として見出すことが大きな成功だったのでしょう。
つまり2人の活動は遊星的であり、地球の循環のようにしなやかに危機をかわして行こうとした試みたように見えてくるはずです。
強引な力技は見せませんが、”ハリウッドお得意のディザスター・ムービー”の主人公さながら戦ったと言えば言い過ぎでしょうか。
この作品の中で、個人的には最も興味を持ったのは、アイスランドの「レイキャビック:市民運動」。
2008年の金融危機を引き金に、政府は退陣へと追い込まれます。市民たちは無茶苦茶な行為をおこなった銀行企業を救済しなかったのです。
2010年に、政治家や銀行家、大企業などを監視する組織が誕生させ、くじ引きのように無作為で選ばれた市民1000人は政策に提言します。
何と新憲法を作成する25名の市民を選出。市民による市民のための憲法を作ったのです。すると、ウェブを通して寄付金が集まり、検討会は常にオープンな場として活動を行なったのです。
そこで2011年に新憲法の草案を国会に提出、国民の67%が賛成したが、政治家である政府の保守党がそれを拒んのです。
この情報をこの作品で観た時にとても驚きました。それまでアイスランドは、単に破綻した国家としか自分には認識がなかったからです。
何も知らず思考停止して、本当の意味での民主主義や、自分は憲法を与えられるものとしか知らないのだと、つくづく感じました。
まとめ
この映画は、未来という次を生きる中学生、高校生や大学生にとっては、考えるという問題定義や解決策の道しるべになる作品。
また、市民活動やボランティア活動を実際に行なっている人たちや、何か学び合うことの大切さを知っている人たちは、強い味方になる作品です。
ドキュメンタリー映画というと、眉をひそめて難しいと思いがちですがそんなことはみじんもありません。
人類の現状は、とても難しい問題はたくさんあるかもしれません。それでもこの作品は、希望に満ちたポップで軽妙さを盛り込んであるのでご安心ください。
誰の心の中にも何か気付きが育める作品。まだまだ、全国の劇場にて公開中の新作映画!
気楽な感じで地球について、ちょっと未来について見つめ直して、考えてみませんか?
お薦めのフランス発の秀作ドキュメンタリーです!ぜひ、映画館でお見逃しなく!