今回ご紹介する映画は、43歳の愛らしいおデブのフーシが初めて恋をした⁉︎、
2015年に北欧映画でナンバーワンに輝いた、アイスランドの大人のラブストーリー。
映画『好きにならずにはいられない』、ちょっとビターで、あま〜いお話ですよ⁉︎
映画『好きにならずにいられない』の作品情報
【公開】
2016年(アイスランド・デンマーク)
【脚本・監督】
ダーグル・カウリ
【キャスト】
グンナル・ヨンソン、リムル・クリスチャンスドッティル、シガージョン・キャルタンソン、マーグレット・ヘルガ・ヨハンスドッティル、アルナル・ヨンソン、フランチスカ・ウナ・ダグス
【作品概要】
ダーグル・カウリ監督は、テレビの風刺番組の仕事をしていた際に、出演者のグンナル・ヨンソンと初対面。
グンナルは役者としての勉強はしてこなかったが、ダーグル監督は彼の才能を見抜き、初めて会ってから15年間後に書き上げた脚本で今作を製作しました。
フーシという個性的なキャラクターは、グルナルの愛くるしさからイメージから広げた人物像のようです。
映画『好きにならずにいられない』のあらすじとネタバレ
アイスランドの飛行場で地上勤務をする、43歳独身男のフーシ。
彼の仕事は、乗客たちの旅行カバンなどを貨物車で運搬をすることです。
体格は巨漢な大男で、趣味といえばオタクなジオラマ模型を作って遊ぶことでした。
そんな引きこもりがちな息子を心配した母親と恋人の彼氏が、フーシの誕生日にダンスのレッスン券をプレゼントします。
あまり気のすすまなかったフーシでしたが、母親に断れない彼はダンス教室に向かいます。
レッスン帰りの時間は夜。しかも天候は吹雪です。しかし、そこには小柄な女性シェヴンがいました。
シェヴンは、吹雪がヒドかったので、自宅に車で送って欲しかったようで、フーシは、愛車の4DW車にシェヴンを乗せて送ってあげることにします…。
映画『好きにならずにいられない』の感想と評価
この作品のファースト・シーンの空港を高い場所から撮影した俯瞰ショットで始まります。
実はこのファーストシーンが、主人公フーシの「まなざし」と深く関わりがあります。
フーシの趣味は、ジオラマ作りとラジコン遊び。巨漢のフーシが小さな玩具で遊ぶ姿は、まるで北欧民話に登場する巨大妖精トロルのようです。
大きな身体で自分だけの「小さな世界」作りに夢中な「子ども」のような男性です。
映画のラストシーンで、空港にいるフーシは飛行機の機内へ独りで向います。
今まで、自分が作りあげた「小さな世界」を見下ろしていた彼が、シェヴンとの恋を経て、現実を見下ろす「まなざし」を得たことを暗示させています。
ダーグル・カウリ監督の映画作りは、物語の構成が比喩と巧みにマッチして、思いのほか豊かなで、巧みな才能ある手腕のようです。
第12回ノルディック映画賞受賞のほか、トライベッカ映画祭、バリャドリッド国際映画祭、カイロ国際映画祭、マラケシュ国際映画祭など、各賞を受賞したことも納得です。
また、映画に登場したフーシ同様に、演じる経験の少なかった俳優グンナルも、アイスランドから飛行機で旅立ち、世界中でフーシ旋風を巻き起こしているようですね。
まとめ
北欧に住む妖精に似ているフーシ。それは、巨大で怪力の持ち主な点だけではなく、身体に傷を負っても再生能力がある点も似ています。
困難や辛くとも何度も立ち上がるフーシ。体型のことで虐められたり、心に傷を負っても、常に前向きな姿がいじらしいですよね。
また、フーシの妖精の様な優しさを、先ず見抜いていたのは、まだ引っ越して来たばかりで、先入観のない少女という点も興味深く、忘れてはならない点です。
もし、まだこの映画を観ていない方は、ぜひ、観ていただくことで、何か心が少しずつ和らいでいくはずです。
フーシが成長する姿を見つめ、あなたも何か?「好きにならずにいられない」かも?
ぜひ、おススメの1本ですよ〜!