映画『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』は、6月8日(金) 謎の〈妻ふり〉ロードショー!
日本人ならネットで誰もが一度くらいは見たことがあるだろうYahoo!知恵袋。
ここにあげた投稿から始まった実話が生んだ伝説のコミックエッセイを、榮倉奈々と安田顕の共演により実写映画化されたハートフル・コメディ。
毎日マメなまでに謎の行動をとる妻。それにはある“秘密”があった⁈
CONTENTS
1.映画『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』の作品情報
【公開】
2018年(日本映画)
【原作】
作:K.Kajunsky 漫画:ichida
【監督】
李闘士男
【キャスト】
榮倉奈々、安田顕、大谷亮平、野々すみ花
【主題歌】
チャントモンチー
【作品概要】
2010年に「Yahoo!知恵袋」に“妻の奇行”を質問した投稿され話題となり、コミックエッセイとなった原作を映画化。
榮倉奈々と安田顕をW主演に迎えた夫婦役で、『デトロイト・メタル・シティ』や『神様はバリにいる』などユニークな作風で知られる李闘士男監督が演出。
2.映画『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』のあらすじ
会社勤務の仕事に疲れて、足取りも重く自宅に帰ってきたサラリーマンのじゅん。
玄関前のインターフォンを鳴らすも、部屋に居るだろう妻のちえから応答がありません。
手に持つ自宅の鍵を自ら開けて、「ただいま」と自宅に入ります。
すると、妻ちえはリビングの床に倒れ、口から真っ赤な血を流して動きがない様子。
叫び声をあげ状況に慌てるじゅんは、妻ちえの身体を揺らし介抱します。
グワーっとばかりにゾンビのように起き上がった妻ちえは、「ククク…」と笑い出し、「驚きましたか?」と言い始めます。
ちえは死んだふりをしていただけで、その傍らにはケチャップがありました。
妻ちえは驚いた夫じゅんを他所に、夕食のオムライスにケチャップでニコニコスマイルの絵を描きます。
演技の死んだふりにホッとしたじゅんは、ちえに奇行な行動の訳を尋ねますが、妻はからかうように意味を言わずに笑うだけでした。
それからというもの、夫じゅんが会社から帰宅すると自宅では、ちえが必ず死んだふりをするようになっていました。
ある時は頭からワニに喰われて…。
また、ある時は銃で頭を撃たれて…。
またまた、ある時は頭に矢が刺さって…。次第にエスカレートしてゆく、妻の死んだふり。
最初は呆れるだけのじゅんですが、何を聞いても「月が綺麗ですね」と笑うだけのちえに、徐々に不安を覚え始めます。
じゅんは会社の同僚に、3年目を迎えた夫婦の危機なのか?寂しいだけなのか?何かのSOSのサインなのか?悩みを打ち分けました。
しかし、妻ちえの奇行な行動には“何か秘密”があるですがハッキリとはしません。
そんなおり、妻ちえの父親が…。
3.映画『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』の感想と評価
見どころ①:榮倉奈々の魅力満載の“死?のダイニングメッセージ”
本作『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』は、妻ちえ役を演じた榮倉奈々と、夫じゅん役の安田顕によるダブル主演作品で制作されたハートフル・コメディ。
毎日毎日、死んだふりしている妻を見る楽しさは、安田演じる夫じゅんの驚きや呆れた様子とはウラハラに観客にとっては楽しい見どころになっています。
まさに榮倉奈々の衣装チェンジと、可愛らしい死に顔の魅力が満載だからです。
いったい、この作品で何度?榮倉奈々が死んだふりの演技をしたのか、数えて見ては如何でしょう。
妻ちえが夫じゅんに“死のダイニングメッセージ”を伝えようと、演技に使う小道具や特殊効果もいろいろと登場します。
冷蔵庫にあるケチャップを血糊として見せたり、100円ショップで購入した弓矢で工夫をしたり、時には映画制作に使用される美術貸出しのレンタルまで利用する妻ちえのこだわりは、遊び心でもあるのでしょうが愛情の深さとも読み取れるでしょう。
死んだふりを何度も榮倉奈々が演じると、妻ちえの謎な行動や奇行というより無邪気であり、とてもカワイイの一言。
とはいえ、妻ちえの「死んだふり」は、ちえの父親譲りの性格を想起させる演技でもあります。
三島で寿司屋を営み男手一つで娘ちえを育てくれた父親譲りの「職人気質」や「不器用さ」をシンクロさせて見ることがでます。
お客に「いらっしゃいませ」ということでしか、お客に感謝を伝えることくらいしかできないであろう、ちえの父親を俳優で名バイプレイヤーの螢雪次朗が演じており、榮倉奈々とのちょっとした距離感のある親子の間柄も程よい2人の好演となっています。
映画の冒頭で安田顕の夫じゅんのナレーションは、飲食店の倒産率を夫婦生活に掛けた例え話。
そんなことからも、榮倉奈々演じる妻ちえと、その父親を演じた螢雪次朗の親子関係は、夫婦生活の謎の“死のダイニングメッセージ”を産んだ秘密もあり、脚本に仕込まれた細かい配慮にも要チェックです。
見どころ②:坪田文の巧みな脚本構成を生かした榮倉奈々
ちなみに脚本はドラマ『半沢直樹』やNHKテレビ小説『マッサン』、そして『コウノドリ』などの執筆や脚本協力した坪田文。
ほかにも「プリキュア」シリーズや『映画 プリキュアドリームスターズ!』の脚本を手がけており、妻ちえを演じた榮倉奈々の演技の魅力には、彼女が坪田文の脚本を活かしたこともあるように思います。
忘れがちな夫婦の恋愛模様のラブストーリーの要素を見ると、本作は公私ともに充実した今の榮倉奈々の代表作なのだと思いますね。
見どころ③:どうしても思い出す榮倉奈々のもう1本の実話映画
2009年に榮倉奈々は同じく実話を映画化した、廣木隆一監督作品の『余命1ヶ月の花嫁』で長島千恵役を演じています。
この作品での彼女の役柄は、24歳で末期の乳がんに冒され余命宣告を受けた女性で、愛する人と婚姻届は出さずに、友人たちとともに模擬結婚式をあげる様子を描いた感動作。
主人公の長島千恵の夢は、“ウエディングドレスを着ること”というものでしたね。
こちらの榮倉奈々作品をご覧になった方も多いのではないでしょうか。
今回ご紹介している映画『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』を見ていると、こちらも実話だけに榮倉奈々の過去作として、関連性はないのですが思い出されるかもしれません。
榮倉奈々が演じていることで、過去作の『余命1ヶ月の花嫁』にある「明日が来ること」や「いつどうなるかわからない」というもの、当たり前でない日常への感謝という共通点を感じてしまうでしょう。
それはある一つの形ではありますが、“女性の幸せ”である結婚式や結婚生活を“模擬結婚式”と“死んだふり”でいう演じるなかで楽しむという、乙女心のようなものなのかもしれません。
そのことがまた、榮倉奈々という女優にはハマった役柄なのだと感じるはずです。
映画『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』のなかで、妻ちえの自宅で過ごしやすい何気ない服装で髪をアップにしたり、また、夫とのデートでは髪をオシャレにおろしているちえの様子に、榮倉奈々の魅力ある表情はさらに増しています。
まとめ
日本人ならネットで誰もが一度くらいは読んだことがあるだろうYahoo!知恵袋。そこにあった投稿から始まった伝説のコミックエッセイを坪田文の脚本で面白み溢れる構成に仕上げ、榮倉奈々と安田顕の共演により映画化。
そして何と言っても、演出を果たした李闘士男は、テレビバラエティ番組『とんねるずのみなさんのおかげです』や『上岡龍太郎にはダマされないぞ!』、『ダウンタウン・セブン』など、時代とともに話題となった番組を手がけた人物。
本作『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』の榮倉奈々演じる妻ちえの「死んだふり」は、家庭に楽しみを!家族に笑顔を!とバラエティ番組を持ち込んだものだとも読み取れるかもしれません。
李闘士男監督の「月が綺麗ですね」かもしれません!!
ハートフル・コメディたっぷり!女優、そして女性としての榮倉奈々の魅力が満載の映画『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』は、6月8日(金) 謎の〈妻ふり〉ロードショーです。
ぜひ、お見逃しなく!