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『九月の恋と出会うまで』ネタバレ感想。映画化されたもう一度読みたい恋愛小説の見どころとは⁈

  • Writer :
  • もりのちこ

「タイムパラドックス」で大切な人が消える⁈未来が彼女を消すまで、あと365日。


松尾由美の人気恋愛小説を、高橋一生と川口春奈のダブル主演で実写映画化した『九月の恋と出会うまで』

ある日、未来からの声を聞いた志織。その声は彼女の運命を変えてしまいます。

時を超え大切な人を守りたい。一途な思いが起こす奇跡の物語に感涙必死です。

時空を超えた愛の物語『九月の恋と出会うまで』を紹介します。

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映画『九月の恋と出会うまで』の作品情報


(C)松尾由美/双葉社 (C)2019 映画「九月の恋と出会うまで」製作委員会
【公開】
2019年(日本)

【原作】
松尾由美

【監督】
山本透

【キャスト】
高橋一生、川口春奈、浜野謙太、中村優子、川栄李奈、古舘佑太郎、ミッキー・カーチス

【作品概要】
書店員が選んだ、もう一度読みたい恋愛小説第1位に選ばれた、松尾由美の同名人気恋愛小説の実写化。

監督は、『探検隊の栄光』『グッモーエビアン!』『わたしに××しなさい!』など、一癖も二癖もある作品を手掛けてきた山本透監督。

主人公には、テレビドラマ、CMと目にしない日はない人気俳優、高橋一生と人気女優・川口春奈のW主演。意外にも高橋一生は、恋愛映画初主演となります。

映画『九月の恋と出会うまで』のあらすじとネタバレ


(C)松尾由美/双葉社 (C)2019 映画「九月の恋と出会うまで」製作委員会

そこは芸術を愛する人たちが集まるマンション「アビタシオン・ゴトー」。

写真が趣味の北村志織は、このマンションに越してきたばかりです。中庭から、チェロの音色が聞こえてきました。

誘われるように庭に出てみると、マンションの住人たちを前に、やはり同じマンションの住人・倉がチェロを演奏していました。

自己紹介をし合う住人たち。このマンションのオーナー権藤は「人が部屋を選ぶんじゃない。部屋が人を選ぶんだ」と言います。どこか不思議なマンションのようです。

そこへ通りかかったのは、志織のお隣さん・平野進です。簡単な挨拶をしてそそくさと自分の部屋に戻る平野。

「彼は何者なんですか」と聞く倉に、オーナーは一言「たまご」と答えます。平野は小説家を目指す、小説家のたまごでした。

PM9:00、志織は部屋で音楽を聞きながら過ごしていました。突然、音が消え光がゆがみます。

「もしもし、北村志織さんですか」どこからか声が聞こえてきます。驚く志織の反応をよそに「奇跡だ!そちらは今、何年ですか?間に合った」と興奮している様子の声の主。

今は2018年9月14日です。「こちらは2019年一年後の未来です。私は隣の平野です。助けて下さい」声は、志織の部屋のエアコンの穴から聞こえてきます。

とても信じられない志織に、未来の平野はこれから起こる出来事を予知してみせます。そして「現在の平野を尾行して写真を撮って欲しい」と志織にお願いをしてきます。

未来の自分が、今の自分を尾行してほしいなんて突飛なお願いに、志織は戸惑いながらも言われた通りにします。

現在の平野は、普通のサラリーマンのようです。仕事をして、コンビニに寄って、マンションに帰る。パーマっ気のある髪は寝ぐせが付き、大きなパフェを照れ臭そうに頬張っています。

PM9:00、エアコンの穴から聞こえる声に、その日の平野の様子を報告することが志織の日課になりつつありました。

9月27日。その日は一日中、平野を尾行して下さいとお願いされる志織。平野が気になる志織は、その日熱があるにも関わらず出かけます。

PM3:00、街で平野を尾行していた志織に、いつもはPM9:00に起こる現象が起こります。周りの光がゆがみ、時間が止まる感覚です。

その後、平野を見失った志織は自宅に帰りますが、部屋は空き巣に入られ、荒らされていました。

その日はPM9:00になっても未来の平野の声は聞こえませんでした。

警察も去り、部屋の片づけに取り掛かる志織は、何気に窓から隣の平野を覗きます。平野の部屋からエアコンの稼働音が聞こえます。

現在の平野がエアコンを使用したから声が聞こえなくなったと思った志織は、窓から顔を出した平野に「エアコンが付けてる」と思わず声を掛けます。

声を掛けられた現在の平野は、エアコンの稼働音でクレームを言われたと思い、志織の部屋を訪ねます。

訪ねて来た平野を見るなり志織は、熱で倒れてしまいます。意識を失くした志織をベッドへ運ぶ平野は、お粥を作って看病します。

これを機に距離を縮めて行く2人。志織は現在の平野に、未来の声のことを話します。到底信じられない話を真剣に受け止めてくれます。

平野はタイムトラベルなどSF小説を得意としていました。時空は変わっても場所まで変わることはない。この部屋から声がするということは、声の主は一年後この部屋にいるはず。タイムトラベルの謎を熱く語り始める平野。

一年後に自分がこの部屋にいるはずはないし、志織も引っ越す予定はないと言っていることから、未来の声は平野自身ではないと結論を出します。

このままでは、名前がややこしいので、未来の声の主を「シラノ」と名付けます。

そこへ警察がやってきます。空き巣の犯人が捕まった報告でした。聞けば犯人は、ただの空き巣ではなく強盗殺人犯で、部屋にいたら殺されていたかもしれないということでした。

その報告を聞いて青ざめる志織。27日はシラノに頼まれ、平野を尾行していた日です。もし、熱のまま寝込んでいたら殺されていたかもしれません。

その事実で、平野はある仮説にたどり着きます。それは、本当なら志織は死んでいて、それを知るシラノが志織を守るために尾行をさせ、未来を変えたのではないか。

平野はこの不思議な現象に取り組みます。そこで、タイムトラベルに成功したことで時間軸上の矛盾が生じタイムパラドックスを引き起こすことに気付きます。

タイムパラドックスが現在に与える影響に「矛盾点の消失」、つまり一年後に志織の存在が消し去られ、歴史上存在しなかった人物になってしまうのです。

その解決法は、シラノは誰なのか探し出し、一年後もう一度、まったく同じように志織を助けてもらう必要があります。

シラノはいったい誰なのか?志織に思い当たる人物はいるのでしょうか。

以下、『九月の恋と出会うまで』ネタバレ・結末の記載がございます。『九月の恋と出会うまで』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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(C)松尾由美/双葉社 (C)2019 映画「九月の恋と出会うまで」製作委員会
志織は未来の声、シラノのセリフを思い出していました。「もし未来の僕と会うことがあったら、町一番のレストランで食事をしよう」

その言葉は、大学時代付き合っていた真一のものでした。シラノは真一かもしれないと予想をつけた志織と平野は、現在の彼の居所を探しますが、大学を卒業後アメリカに行った真一の居所はわかりませんでした。

手がかりが掴めずがっかりする志織を、平野は見晴らしの良い高台に誘います。そこで誕生日のプレゼントを贈る平野。志織は自分の誕生日も忘れていました。

感激する志織。一緒に思い出の写真を撮ります。「北村さんが笑ってくれると嬉しいです」平野の言葉は、どこかで聞いたセリフのようでした。

一緒に帰る帰り道。触れ合う手を意識する2人。思いは通じているかのようでした。

マンションに帰ると、権藤オーナーの孫が引っ越して来た所でした。その彼こそ、真一だったのです。

運命の再会を果たす志織と真一。それを見た平野は自ら身を引きます。

そこから志織の周りにも変化が起き始めます。仕事で、突然の昇進移動の話がでたり、真一にプロポーズされたりと運命に導かれているかのようです。

しかし、志織の中では平野の存在が大きくなっていました。志織は、初めてこのマンションに来た時から大好きな公園に平野を誘います。

運命は決まっているかもしれない。それでも、今の自分の心に正直に生きたい。好きな場所で好きな人と暮らしたい。その気持ちを平野にぶつける志織。

しかし、平野は真一こそが未来のシラノで、自分は運命の相手ではなかったと確信し、僕には資格がないと志織を遠ざけます。

そして、志織は引っ越して行きました。

2019年9月27日PM3:00。志織は職場を早退し、海にやってきました。もう一度、奇跡が起きなければ私は消える。たったひとつのことを信じています。

鳴る携帯電話。相手は平野でした。「シラノは僕でした。やっかいな時間の壁をようやく超えました」その声は、すぐ側で聞こえます。

平野は志織が引っ越した後も気がかりで、真一に未来の声について志織をちゃんと助けて欲しいとお願いに行っていました。

しかし真一は、未来の声の存在を信じておらず、志織には振られていると言います。

慌てた平野は、権藤オーナーに志織の部屋に引っ越させて欲しいと頼みにいきます。しかし、部屋の交代を許したことがない権藤は、自分の殻を割って本当の小説家になったら許すと約束します。

それから夢中で小説を書き始める平野。運命の人が僕じゃなかったとしても、志織を守りたい。

平野の小説はみごと受賞し、小説家デビューとなりました。時は2019年9月14日。志織が初めて未来の声を聞いた日でした。

授賞式を抜け出し、急いで志織のいた部屋へ帰る平野。時刻はまもなくPM9:00です。

エアコンの穴をあける平野は、何かが挟まっているのを発見します。それは、志織と2人で撮った写真でした。聞こえてくる音楽。震える声でエアコンの穴に話しかける平野。

「北村志織さんですか?奇跡だ」その声は一年前、志織が聞いた声と同じ声でした。

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映画『九月の恋と出会うまで』の感想と評価


(C)松尾由美/双葉社 (C)2019 映画「九月の恋と出会うまで」製作委員会

今をときめく高橋一生と川口春奈、W主演のラブストーリー『九月の恋と出会うまで』。

時空を超えて大切な人を守り抜く一途な恋の物語です。

高橋一生が演じた平野は、常にオドオド気味で、趣味の話になると饒舌になるオタク気質の男性。

志織に対しても常に敬語で、少し距離を置いた話し方をします。そんな平野が志織と仲良くなるに連れて、言い返すようになります。

志織「平野さんはケチですね」平野「ケチで構いません」「ケチ」「ケチで結構です」「ケチ」「ケチです」「ケチ」

その言い争いが可愛らしく、等身大の高橋一生と川口春奈の姿に重なりほっこりします。

また志織役の川口春奈の可愛いらしさに見惚れてしまいます。無邪気な笑顔で写真を撮る姿は本当に輝いて見えました。表情ひとつひとつに気持ちが分かり易く表現されていて、感情移入しやすいのではないでしょうか。

ラストシーンでは、見事小説家デビューを果たし志織の元に帰ってくる平野の「男は誰もが好きな人のために奇跡を起こしたいと思っている」というセリフが印象的です。

自分の殻を破り成長することで、掴めないと諦めていた事にも手が届くようになる。

恋愛ばかりではなく、夢や欲しいものを諦めたらそこで挑戦は終わってしまいます。自分を信じ、勇気を持って、自分を変えて行くことが大切だと気付かされます。

自分を進化させていくことは、時空をも超える奇跡を運んでくる秘訣なのかもしれません。

まとめ


(C)松尾由美/双葉社 (C)2019 映画「九月の恋と出会うまで」製作委員会

書店員が選んだ、もう一度読みたい恋愛小説第1位に選ばれた、松尾由美の同名人気恋愛小説を、高橋一生と川口春奈のW主演で映画化した『九月の恋と出会うまで』を紹介しました。

大切な人が消えてしまう。一途な思いが時空を超えて、運命さえも変えて、奇跡を起こすラブストーリー。

現実には時間は元に戻りません。大切な人に気持ちを伝えず後悔しないように。本当に大切なことは、今を大切に生きることなのです。

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