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室井滋がトークショーでドキュメンタリー映画『山懐に抱かれて』への思いを語る【ポレポレ東中野】

  • Writer :
  • 石井夏子

『山懐に抱かれて』は2019年4月27日(土)よりポレポレ東中野にて上映

ドキュメンタリー映画『山懐に抱かれて』が2019年4月27日(土)からポレポレ東中野にて公開となりました。

それを記念しまして4月29日(月・祝)に、本作のナレーションを担当した室井滋と遠藤隆監督によるトークショーが開催。

本記事ではトークショーの模様をお伝えして参ります。

映画『山懐に抱かれて』トークショー概要

【開催日時】
2019年4月29日(月・祝)

【開催場所】
ポレポレ東中野

【登壇者】
室井滋(本作ナレーション)、遠藤隆監督

映画『山懐に抱かれて』トークショーレポート


©テレビ岩手

タイトルに込めた思いとは

27日(土)より公開されたドキュメンタリー映画『山懐に抱かれて』。

本作公開を記念して、て4月29日(月・祝)にナレーションを担当した女優の室井滋と遠藤隆監督が登壇しトークショーが行われました。

本作は、岩手県田野畑村で、自らの手で山に牧場を切り拓き、四季を通じて牛を完全放牧し、草だけを餌に育てる“山地酪農(やまちらくのう)”を営む父・吉塚公雄さんを中心とする大家族を、地元・テレビ岩手が24年にわたり追いかけたドキュメンタリー映画です。

まず遠藤監督より、「テレビ放送では<ガンコ親父と7人の子ども達>というタイトルで放送していたが、映画化に辺り、家族だけなく、大いなる自然に包まれて暮らしている家族という意味を込めて<山懐に抱かれて>というタイトルに変更した」とタイトルに込めた思いが明かされました。

続けて、牛をイメージした白黒模様の衣裳を纏い、朗らかに登壇した室井滋

なんと20年前にそのテレビ放送を観ていたと告白。

「最初は“山地酪農”の意味も分からずに観ていましたが、子どもたちが学校に行く前に乳しぼりをして出かけていく姿や、幼子を世話する人もいないので猫が遊び相手になっていたり、とても今の時代とは思えない、酪農に家族全員で取り組む姿を、仕事から疲れて帰ってきた時に見て、胸がいっぱいに感激しました」と語りました。

テレビを観た後、吉塚一家の牛乳を取り寄せるようになり、そこから実に20年間牛乳を飲み続けてきた室井滋。

そのため、映画化にあたりナレーションのオファーが来たときは、他の仕事の時と違い、なかなか冷静にできなかったと感慨深げにその胸のうちを明かします。

店と客という関係性の変化


©テレビ岩手

それからも室井滋は、あんまり牛乳が美味しいので、テレビ番組などで吉塚一家の牛乳を紹介したこともあったそう。

ただ、吉塚さんとは、直接個人的なコンタクトを取っていたわけではなかったそうですが、東日本大震災が起こった時に、吉塚一家の事が心配になりました。

室井滋は居ても立ってもいられず、吉塚さんの奥さまとコンタクトを取って、震災の影響や家族の安否を確かめたことを語ります。

一時中止になっていた牛乳の宅配。再開後はそれまでと変わらずに、また牛乳を頼めるようになったとのことでした。

加えて、日本テレビ『news every.』の「トク4」コーナーで放送された特集《岩手の大家族 室井滋が酪農生活を体験》で、田野畑村を訪れて吉塚一家と初めて実際にお会いした室井滋は、その時のことを「何せ20年飲み続けていますから、初めてご家族のみなさんに会っても、他人とは思えない、親戚と会ったような気分でした」と振り返りました。

その他、吉塚一家についてのエピソードは尽きぬように話は続き、会場があたたかい雰囲気に包まれるトークショーとなりました。

映画『山懐に抱かれて』の作品情報


©テレビ岩手

【公開】
2019年(日本映画)

【監督・プロデューサー】
遠藤隆

【ナレーション】
室井滋

【作品概要】
美しい岩手の自然を背景に綴る、酪農大家族の24年。

地元ローカル局“テレビ岩手”が24年にわたり独自に追いかけた、人気TVドキュメンタリーシリーズ待望の映画化です。

映画化にあたってナレーションは、その牛乳を長年愛飲し、一家を温かく見守っている室井滋が務めます。

地方発TVドキュメンタリーの映画化が注目を集めるなか、NNNドキュメント映画化シリーズでは2012年『放射線を浴びたX年後』(+2015年『X年後2』/愛媛・南海放送)、2014年『夢は牛のお医者さん』(新潟・テレビ新潟)、2016年『ふたりの桃源郷』(山口・山口放送)に次ぐ、第4弾となります。

映画『山懐に抱かれて』のあらすじ


©テレビ岩手

岩手県下閉伊郡田野畑村。

5男2女の子どもと夫婦、9人家族の吉塚一家。

山を切り拓き、牛を完全放牧し、限りなく自然に近い環境で育む 安心安全の酪農“山地酪農”。

「山も、牛も、人も、みんなの幸せを」と、実現に困難を極める酪農に挑む、そのひたむきな日々を、子どもたちの育ちと豊かな自然の四季とともに丹念に追いました。

プレハブの家でのランプ生活、みんなで囲む楽しい食卓、大自然を駆け回り牛たちの世話をする子どもたち、新しい“いのち”の誕生、成長した子どもたちと父との衝突と葛藤、周囲の支え…。

そして仲間とともに踏み出したプライベートブランド設立への挑戦、第二牧場への夢。

雨の日も雪の日も、泣いた日も笑った日も、その歳月はいつも、家族とともにありました。

山懐に抱かれて、365日24時間“いのち”と向き合いながら、愛情いっぱいに育まれるその「いとなみ」の24年を追って行きます。

まとめ


©テレビ岩手

室井滋の朗らかな人柄と、吉塚家との20年に渡る不思議な縁により、4月29日(月・祝)に開催された本作のトークショーは、あたたかい雰囲気に包まれ終了。

家族の固い繋がりと、そこから拡がって行く他人との繋がりの“輪”を感じさせる映画『山懐に抱かれて』はポレポレ東中野にて2019年4月27日(土)より公開

以降、5月10日(金)11日(土)12日(日)には、吉塚一家の住む田野畑村で完成披露上映5月24日(金)よりフォーラム盛岡ほか全国順次公開となります。

是非、足をお運びください。

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