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Entry 2019/02/21
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シャーロット・ランプリングがベルリン国際映画祭にて名誉金熊賞授賞。『ともしび』の記者会見インタビュー情報

  • Writer :
  • 石井夏子

シャーロット・ランプリングが名誉金熊賞授賞!

年輪を重ねるにつれ、未踏の美しきオーラを放つシャーロット・ランプリング主演作、映画『ともしび』が、2019年2月2日より全国公開中


(C)Richard Hübner / Berlinale 2019

2019年2月14日(現地時間)に開催された第69回ベルリン国際映画祭。

そこで、シャーロット・ランプリングに長年の映画業界への功績を讃える“名誉金熊賞”が贈られました。

シャーロット・ランプリングへの授賞式会見が実施され、映画『ともしび』についてや、デビューのきっかけなどについて語られました。

シャーロット・ランプリング授賞式会見


(C)Richard Hübner / Berlinale 2019

監督ヴィスコンティは私の師匠

──若い時にキャリアをスタートしましたが、そのはじまりはどのようなものだったのでしょうか?その後の女優のキャリアに影響を与えましたか?

ランプリング:もちろんです。たとえば、ヴィスコンティは私の師匠(マスター)となりました。

映画ができるまで、どのようなものができるかわからなかったわけですから。

私は俳優としての訓練を受けたわけではなかったので、17歳時の時に選ばれて、携わっているうちにどう映画を作るかを学びました。
ヴィスコンティはご存知のように特別な映画の作り方をしている巨匠でした。私は映画作りにも色々な方法があるのだということを彼によって知ることができました。

名優ダーク・ボガード

──『愛の嵐』でのダーク・ボガードとの関係は?

ランプリング:ダーク・ボガードはヴィスコンティの映画で共演してから、私を選んだわけです。

リリアナ(監督)に長い間探していた相手役を見つけたと言って、彼の保護と推薦がりました。とても美しい体験でした。

俳優の責任

──『マックス・モンアムール』などもそうですが、どういう状況で出演依頼を受けてきたのでしょうか?

ランプリング:人として、俳優として、アーティストとして、何にコミットするか、受け入れるかということです。

自分の選択は決定的であることです。

例えば、『愛の嵐』のような映画を選ぶということは、もしかしたら、そのままお蔵入りしてしまうかもしれないけれど、火がつけば、その作品に出演した責任があります。俳優として成長していく上での責任があります。それは永遠に自分の一部であるからです。

オゾン監督への信頼感

──フランソワ・オゾン監督との関係について教えてください。初めから信頼していましたか?

ランプリング:(彼との初めての仕事は)私が50歳になったばかりの時でした。自分の人生の中でも私は違った年代にさしかかっていて、もう若い女性という括りではなくなっていました。ただ、老女でもない、人生の真ん中にいました。

彼は32歳で私の年齢の女性の体験を描いてみたかったのです。若い監督が映画を通して、若い年代が年上の女性との関係性を探っていくという。

はじめて会った瞬間から、とても気が合いました。彼はとても魅力的な人で重いところもあるのだけれど、素晴らしい軽やかさがあるのです。楽しく、ハッピーにもできる。心理的に深みのある、領域のある作家です。

映画『ともしび』の何が魅力なのか


2017 © Partner Media Investment – Left Field Ventures – Good Fortune Films

──『ともしび』は難しい映画と、コメントしていましたね?

ランプリング:他人の人生とその頭の中で起こっていることを、私は自身の身体で受け止めているわけです。

それは誰かに教えてもらえことではなく、どんな方向にいくのかもわからないようなことがその人の人生に起こっており、その緊張感や痛みを私は捉えなければいけません。そしてその人にとってもわからないことを私は俳優として表現しなくてはなりません。

それはとても困難な作業でしたが、その難しさが気に入りました。

映画『ともしび』の作品情報

【公開】
2019年(フランス・イタリア・ベルギー合作映画)

【原題】
Hannah 

【脚本・監督】
アンドレア・パラオロ

【キャスト】
シャーロット・ランプリング、アンドレ・ウィルム、ステファニー・バン・ビーブ、シモン・ビショップ、ファトゥ・トラオレ

【作品概要】
2017年に開かれた第74回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門主演女優賞受賞。

主演は『愛の嵐』『まぼろし』などに出演し、『さざなみ』(2015)で数々の主演女優賞を受賞したことが記憶に新しいシャーロット・ランプリング。

共演は、『ル・アーヴルの靴みがき』『ラヴィ・ド・ボエーム』などで知られるアンドレ・ウィルム。

人生の終盤、さまざまな業を背負ったひとりの女性が、もう一度“生きなおし”を図るまでの、哀しみと決意を追う人生最後のドラマが、ミステリー小説のごとく描かれています。

2019年のセザール賞では、外国語映画賞にノミネートされています。

映画『ともしび』のあらすじ

2017 © Partner Media Investment – Left Field Ventures – Good Fortune Films

ベルギーのある小さな都市で、アンナは夫と慎ましやかに過ごしていました。

ところが夫はある疑惑で警察に出頭しそのまま収監。

生活は歯車が狂い始めていきます。

日常の些細な変化に見て見ぬふりをし、これまでと変わらない生活を続けていくアンナ。

しかし、小さな変化は大きな狂いを生じ…。

まとめ

2017 © Partner Media Investment – Left Field Ventures – Good Fortune Films
第69回ベルリン国際映画祭にて長年の映画業界への功績を讃える“名誉金熊賞”が贈られたシャーロット・ランプリング。

授賞式会見では、17歳の時に巨匠・ヴィスコンティとともにスタートした自身のキャリアや、未だその官能的な美しさが語り継がれる『愛の嵐』(1974)に出演したきっかけ、そして日本での最新公開作『ともしび』への役作りの苦労や方法など、73歳になった今でも第一線で活躍する彼女の俳優への真摯な思いがこれまでの想い出とともに語られました。

今後の彼女の活躍にも目が離せません。

そんな年輪を重ねるにつれ、未踏の美しきオーラを放つシャーロット・ランプリング主演・渾身の感動作『ともしび』は、2019年2月2日より全国ロードショーです。


2017 © Partner Media Investment – Left Field Ventures – Good Fortune Films


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