人種差別が色濃く残る1960年代のアメリカ南部を舞台に、黒人ジャズピアニストとイタリア系白人運転手の2人が旅を続けるなかで友情を深めていく姿を、実話をもとに描いた映画『グリーンブック』。
第91回アカデミー賞では作品賞、ヴィゴ・モーテンセンが主演男賞、マハーシャラ・アリが助演男優賞など、5部門にノミネートされている本作。
アカデミー賞の有力な前哨戦として知られる第41回トロント国際映画祭で最高賞の観客賞を受賞し、ライバル視されていた映画『ROMA/ローマ』を破り、第76回ゴールデングローブ賞でも作品賞を受賞しました。
2019年3月1日(金)の全国ロードショーを前に、映画『グリーンブック』の紹介と、キャストと監督のプロフィールを紹介します!
CONTENTS
映画『グリーンブック』の作品情報
【公開】
2019年(アメリカ映画)
【原題】
Green Book
【監督】
ピーター·ファレリー
【キャスト】
ヴィゴ・モーテンセン、マハーシャラ・アリ、リンダ・カーデリーニ、ディミテル・D・マリノフ、マイク・ハットン、P・J・バーン
【作品概要】
トニー・リップ役に『イースタン・プロミス』(2008)のヴィゴ・モーテンセン、ドクター・シャーリー役に『ムーンライト』(2017)のマハーシャラ・アリ。
どちらも第91回アカデミー賞主演男賞、助演男優賞にノミネートされています。
トニー・リップ(本名トニー・バレロンガ)の実の息子であるニック・バレロンガが製作・脚本を手がけ、父とドクター・シャーリーの友情の物語を映画化しました。
監督は、『メリーに首ったけ』(1999)などコメディ映画を得意としてきたファレリー兄弟の兄ピーター・ファレリーです。
映画『グリーンブック』のあらすじ
1962年、ニューヨークの一流ナイトクラブで用心棒として働くトニー・リップ。
粗野で無教養なニックですが、腕っぷしは確かで口が達者なため、何かと周囲から頼りにされていました。
クラブが改装のため閉鎖になり、しばらくの間、無職になってしまったトニーは、南部でコンサートツアーを計画する黒人ジャズピアニストのドクター・シャーリーに運転手として雇われます。
ドクター・シャーリーはカーネギーホールを住処とし、ホワイトハウスでも演奏したほどの天才です。
黒人差別が色濃い南部へ、あえてツアーにでかけようとするドクター・シャーリーと、黒人用旅行ガイド『グリーンブック』を頼りに、その旅に同行することになったトニー。
出自も性格も全く異なる2人は、当初は衝突を繰り返すものの、次第に友情を築いていき…。
グリーンブックとは
『Green Book』(グリーンブック)とは1936年から1966年までヴィクター・H・グリーン氏によって毎年出版された旅のガイドブックです。
当時の南部には、黒人を差別弾圧するジム・クロウ法という法律がありました。
そのせいで黒人にとって、旅先での宿、レストラン、バーを探すのは至難の技だったんです。
自身がアフリカ系アメリカ人のヴィクター・H・グリーン氏が同胞のために、黒人も利用可能な施設を記した『Green Book』は南部で特に重宝されました。
トニー役ヴィゴ・モーテンセンのプロフィール
1958年、アメリカ、ニューヨーク州生まれで、父はデンマーク人、母はアメリカ人。
セントローレンス大学を卒業後、デンマークで職を転々としながら、詩や短編小説を執筆。
1980年代前半にニューヨークの舞台で俳優として活動を始め、『刑事ジョン・ブック 目撃者』(1985)の端役で映画デビューしました。
ピーター・ジャクソン監督の世界的大ヒット作「ロード・オブ・ザ・リング」三部作のアラゴルン役で高い人気を獲得します。
その後、デヴィッド・クローネンバーグ監督の『イースタン・プロミス』(2008)で、アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞、英国アカデミー賞にノミネートされ、同監督の『危険なメソッド』 (2012)でもゴールデン・グローブ賞にノミネートされました。
さらに、『はじまりへの旅』(2017)で、アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞、英国アカデミー賞にノミネートされ、他に並ぶ者のない個性派俳優の地位を確立します。
本作『グリーンブック』でも第91回アカデミー賞主演男賞にノミネート。
本作では実在の人物、トニー・バレロンガを演じます。
喧嘩っ早くて口達者なトニーを、色気あふれるヴィゴ・モーテンセンがどのように料理するか、どうぞお楽しみに。
ドクター・シャーリー役マハーシャラ・アリのプロフィール
1974年、アメリカ、カリフォルニア州生まれ。
ニューヨーク大学で演劇を学び修士号を修得し、2000年代初頭からTVシリーズに多数出演。
政治ドラマ「ハウス・オブ・カード野望の階段」で演じたロビイストのレミー・ダントン役で注目が高まり、2016年にはエミー賞ゲスト俳優賞にノミネートされました。
『ムーンライト』(2017)の演技で絶賛されて第89回アカデミー賞助演男優賞を受賞し、イスラム教徒の俳優として初のオスカーを手にしました。
ハリウッドでも特別な存在の演技派俳優の彼が、本作『グリーンブック』では天才ピアニスト役を演じます。
徹底した役づくりをするマハーシャラ・アリのピアノ演奏も見ものですね。
監督·製作·共同脚本ピーター・ファレリーのプロフィール
参考映像:『ジム・キャリーはMr.ダマー』(1994)
ピーター・ファレリーは、1956年にアメリカ・ペンシルベニア州生まれます。
ジム・キャリーとジェフ・ダニエルズ共演のコメディ映画『ジム・キャリーはMr·ダマー』(1994)で監督デビューを果たし、大ヒットを記録します。
その後も、キャメロン・ディアス主演の『メリーに首ったけ』(1999)、グウィネス・パルトロー主演の『愛しのローズマリー』(2002)、マット・デイモン主演の『ふたりにクギづけ』(2004)、ジム・キャリーと久しぶりに組んだ『帰ってきたMr.ダマーバカMAX!』(2015)などを弟のボビー・ファレリーと共に監督し、コメディの名手としての評価を不動のものとしました。
単独で監督した本作『グリーンブック』。
重くなりがちなテーマを、ピーター・ファレリー監督の軽妙なおかしみ満載で描きます。
まとめ
人種も性格も違うトニーとドクター・シャーリー。
異なる世界に住む2人の壮大なズレに笑い、ツアーの本当の目的に胸を熱くし、極上のラストにスタンディングオベーションを贈らずにいられない、痛快で爽快、驚きと感動の実話『グリーンブック』。
トニーとシャーリーを演じるのは、2度アカデミー賞ノミネートされたヴィゴ・モーテンセンと、同賞を受賞したマハーシャラ・アリです。
監督は『メリーに首ったけ』などコメディで知られるピーター・ファレリー。
期待の映画『グリーンブック』は、2019年3月1日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか、全国ロードショーです!