世界中で愛される名作児童文学『赤毛のアン』
『赤毛のアン』の実写化3部作の第1部が2017年に日本で公開されてから1年。第2部『赤毛のアン 初恋』が公開されました。
13歳の誕生日を前にアンは、複雑な心境です。分別を持った大人になりたいと張り切るアンは、空回りの毎日です。それでもアンは、アンらしく成長していきます。
大人になりたい自分と大人になりたくない自分。13歳は思っていたよりずっと複雑です。
第2部『赤毛のアン 初恋』、アンの初恋の行方はいかに…。
映画『赤毛のアン 初恋』の作品情報
【公開】
2017年(カナダ)
【原作】
L.M. Montgomery’s Anne of Green Gables: The Good Stars
【監督】
ジョン・ケント・ハリソン
【キャスト】
エラ・バレンタイン、サラ・ポッツフォード、マーティン・シーン、ジュリア・ラロンド、ドゥルー・ヘイタオグルー、ステファイニー・キンバー、ケイト・ヘニッグ、ナタリー・リジンスカ、ジェス・ブラウン、ジョーン・グレッグソン
【作品概要】
世界中で広く愛され続けているルーシー・モード・モンゴメリーの児童文学『赤毛のアン』を、モンゴメリーの孫娘ケイト・マクドナルド・バトラーが制作総指揮を務めて新たに実写化した『赤毛のアン』シリーズ。全3部作のうちの第2部です。
キャストは第1部『赤毛のアン』と同じく、アン役にエラ・バレンタイン、親友のダイアナ役にはジュリア・ラロンド、初恋の予感?ギルバートにはドゥルー・ヘイタオグルーが出演しています。
映画『赤毛のアン 初恋』のあらすじとネタバレ
生まれてすぐ両親を失い、孤児院で育ったアンは、寂しい子供時代を過ごすも、ユーモアと想像力で健気に生きる女の子です。
赤毛とそばかすがコンプレックスの女の子は、カナダのプリンスエドワード島で、マシュウとマリラ兄妹に引き取られ、時にはケンカをしながらも楽しく暮らしていました。
アンはまもなく13歳。
女友達とおしゃべりしたり、お菓子作りをしたり、家事を手伝ったり、時には失敗もあるけれど、いや失敗ばかりのアンだけど、大人へと成長する毎日です。
ある日、仲良しのダイアナの家に泊まりに来るよう招待されたアンは、マリラに相談します。厳格なマリラは外泊を許してくれません。でも、アンのよき理解者マシュウは、いつもアンの味方です。
外泊の許しを得たアンはダイアナと、ダイアナの家へ向かいます。
家に向かう途中、近道をしようと森を抜けることにした2人。
森の中は、薄暗く静まり、風の音が大きく聞こえます。アンは、持ち前の想像力でオバケを作り上げます。怖くなった2人はたまらず森の中を駆け出します。
夜になっても怖さが抜けない2人はベッドの中で震えます。廊下の窓から森を覗くアンは、戻る部屋を間違え、泊まりに来ていたジョセフィン伯母さんの部屋に飛び込み、驚かせてしまいます。
アンのいたずらだと思ったジョセフィン伯母さんは怒り、ダイアナの習い事を辞めさせようとします。
自分のせいだと謝りに行くアン。
「私の人生は、悲劇的な偶然ばかり。伯母さんも驚いたでしょうけど、私も廊下で迷いすごく怖かったの」と得意の楽しいおしゃべりをするアン。
ジョセフィン伯母さんはたちまち機嫌を直し、この町で一番楽しい人ねとアンのファンになります。
さて、学校でのアンはというと、幾何学は苦手だけど朗読は得意。同級生たちと、勉強も頑張っています。
そんなアンの学校生活に、変化が訪れます。
赤毛をからかわれた以来、無視していたギルバートが、アンにちょっかいを出してきます。
ギルバートはアンと仲良くしたいだけなのに、鈍感なアンは敵対し張り合うように成績を上げ、熾烈な争いへと発展してしまいます。
溜まりかねたギルバートは、アンに林檎をプレゼントします。
しかし、ランチ前に食べ物を出したことで罰をあたえる先生。ギルバートだけ厳しく罰する先生に不公平だと彼を庇うアン。
2人の距離は一気に近づきます。
ギルバートとの時間が増えるアン。それに、寂しさを覚えるダイアナ。ダイアナともっと一緒にいたいのはアンも同じです。
自分の感情の居所がわからないアン。
映画『赤毛のアン 初恋』の感想と評価
名作『赤毛のアン』の世界そのまま、まさにカナダのプリンスエドワード島で撮影された映画「赤毛のアン」シリーズ。
プリンスエドワード島の美しい風景と、少女たちの瑞々しい笑顔に心から癒されます。
初恋に戸惑い素直になれない13歳のアン。大人と子供の間を行ったり来たりしながら、少しずつ成長していきます。
そんな健気な姿に、自分の子どもの成長を重ね合わせてみる人もいれば、自分の13歳の時を思い返す人もいることでしょう。また、自分の初恋を思い出す人も。
人を信じる心、嘘をつかないこと、大切な人を大切にすること、ユーモアを忘れないこと。
アンの成長を通して、改めて大切なことをたくさん教えてもらいました。
まとめ
『赤毛のアン』3部作の第2部『赤毛のアン 初恋』を紹介しました。
主人公のアンを演じたエラ・バレンタインは、この3部作で11歳から16歳までのアンを見事に演じ、カナダ・アカデミー賞、青少年向け作品部門で演技賞を受賞しています。
小説から抜け出してきたようなアンに、違和感なく感情移入できます。
まっすぐ健気に生きるアンの成長を通して、私たちは学ぶことがたくさんあります。
生きる上で大切な事に改めて気付かせてくれる映画です。