11月17日(土)よりテアトル新宿ほか全国ロードショーされる映画『銃』が、第31回東京国際映画祭の2部門にて受賞に輝きました。
モノクロームの映像表現により、人間を追及していく純文学性をもった質の高い作品として描かれた本作。
日本映画スプラッシュ監督賞で武正晴監督、また東京ジェムストーン賞を村上虹郎が受賞しました。
日本映画スプラッシュ監督賞を受賞した武正晴監督の喜び!
日本映画スプラッシュ監督賞を受賞した武正晴監督は次のように語っています。
「日本映画スプラッシュの監督賞を受賞できたこと、スタッフ、キャストが頑張ったおかげです。そして、奥山(和由)さんに感謝しています。
好き勝手に出来る現場を与えてくださったことが、本当に良かったなと思います。これがスタートです。
これからいろんな国の出来るだけ多くの方たちに観て頂きたい。それは、映画をつくった上で必要なことだと思っています。
この受賞が作品のロケットエンジンになったらいいなと思っています」
村上虹郎は主人公トオル役を演じ、東京ジェムストーン賞を獲得!
東京ジェムストーン賞を受賞した映画『銃』主演俳優の村上虹郎は、受賞の喜びをこう語りました。
「東京ジェムストーン賞をいただき、有難うございました。
トロフィーのようにキラキラと、そして重みのある人間になりたいと思います。
『銃』は、銃社会じゃない日本で描かれた作品ですがトオルという主人公がもつ加害者精神や善悪の分からなくなる怖さなど日本ではない国ではどう響くのか、尖っているようで、普遍性をもつ作品なので世界に羽ばたいてほしいと思っています」
今回は村上虹郎を含め、受賞した東京ジェムストーン賞。
東京国際映画祭のビジョンの一つに掲げた「映画の未来の開拓」に沿って、宝石の原石(ジェムストーン)の様な輝きを放つ若手俳優を東京で見出し、顕彰し世界に紹介していくものです。
2017年に設立されて以来、受賞者がその輝きを増す一助となることを目的にされ、東京国際映画祭に出品される全作品を対象として、映画祭事務局が日本と世界の若手俳優(男優、女優を問わず)数名を選出するものです。
映画『銃』の作品情報
【公開】
2018年(日本映画)
【監督】
武正晴
【原作】
中村文則
【企画・製作】
奥山和由
【キャスト】
村上虹郎、広瀬アリス、リリー・フランキー、日南響子、岡山天音、新垣里沙、後藤淳平(ジャルジャル)、中村有志、日向丈、片山萌美、寺十吾、サヘル・ローズ、山中秀樹
【作品概要】
第31回東京国際映画祭のレットカーペッドの登壇の様子
中村文則の同名原作は、新潮新人賞を受賞した他、英訳版の『The Gun』が2016年の「ウォール・ストリート・ジャーナル」年間ベストミステリー10冊に選出されるなど、国内外から評価を受けた作品です。
主演は『武曲 MUKOKU』で第41回日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞した村上虹郎。ヒロインには広瀬アリス。快活な一方で、心の中に何らかの問題を抱えている女子大生・ヨシカワユウコを演じます。
そして、トオルを追いつめる刑事には、怪優、リリー・フランキー。彼の独創的な発想と演技力が刑事という人物をより浮き彫りにし、主人公を追いつめる姿は、さらに本作を盛り上げる要素となっています。
ほか日南響子、新垣里沙、岡山天音など、個性派俳優の面々が脇を固めています。
偶然銃を拾った主人公・西川トオルがその魅力に捉われ、徐々に銃に支配され狂気に満ちていく様を鮮烈に描く、ジャパニーズ・フィルムノワール。
映画『銃』のあらすじ
俺は拳銃を拾った――。
大学生、西川トオル(村上虹郎)は、雨の夜の河原で、ひとりの男の死体と共に放置されていた拳銃=COLT社の「LAWMAN MK Ⅲ 357 MAGNUM CTG」を手にし、それを自宅アパートに持ち帰ります。
まもなく、その銃は彼にとって、かけがえのない宝物のような存在になりました。
悪友のケイスケに合コンに誘われたトオルは、欲求不満気味のケイスケとの「付き合い」から、その夜出逢った女(日南響子)と一夜のアヴァンチュールを楽しみます。
女の部屋でのセックスは、銃の存在によって高揚しているトオルにとって心地よいものでした。
翌朝、彼女の部屋で目覚めると、女はトーストを焼いていました。
カフェでバイトしているという女は、バイト先で分けてもらっているという豆で淹れたコーヒーとトーストで彼をもてなしました。
食べながらテレビを見ると、あの銃と関係する男の遺体が発見されたというニュースが目に飛び込んできます。
途端に気分が悪くなったトオルはトイレで嘔吐。
優しくしてくれた女を再び抱いたトオルは、その日以来、彼女を「トースト女」と頭の中で呼ぶようになり、セックスフレンドとして、度々性欲を吐き出すようになったんです。
また、大学の学食で、以前も講義中に話しかけてきた美女ヨシカワユウコ(広瀬アリス)と再会したトオルは、彼女に興味を抱きますが、それ以上に銃の存在感がトオルの中で圧倒的な位置を占めるようになっていきます。
やがて、刑事(リリー・フランキー)の突然の訪問を契機に、精神的に追い込まれてしまったトオルは、ある決断を下しますが…。
まとめ
芥川賞作家の中村文則による同名デビュー作を『百円の恋』などで知られた武正晴監督が演出を担当し、若手人気俳優の村上虹郎と広瀬アリスで映画化した映画『銃』。
第31回東京国際映画で武正晴監督が日本映画スプラッシュ監督賞、村上虹郎が東京ジェムストーン賞の2冠を達成しました。
武正晴監督や村上虹郎が受賞の際に語ったようにこの受賞が、普遍性をもつ本作のロケットエンジンとなって全世界に羽ばたく事でしょう。
映画『銃』は、2018年11月17日(土)よりテアトル新宿ほか全国ロードショーです。こうご期待!