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Entry 2018/11/03
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映画『アマンダと僕』あらすじとキャスト。監督のミカエル・アースは日本での劇場公開と東京国際映画祭グランプリ&最優秀脚本賞の快挙

  • Writer :
  • 石井夏子

第31回東京国際映画祭のコンペティション部門出品作品『アマンダ(原題)』が、最高賞となる東京グランプリと最優秀脚本賞のW受賞という快挙を成し遂げました!!

さらに2019年初夏にはシネスイッチ銀座ほか全国公開も決定されました。

映画祭の上映会場では、涙と感動で温かな空気に終始包まれ、SNSでは「誰もが彼らの心に寄り添って観られる映画」「観終わった今でも涙が止まらない!」など熱い感想が続々とあがっていました。

美しいパリを舞台に、悲しみから乗り越えようとする青年と少女の心の機微を優しく丁寧に紡いだストーリー、そして全ての人びとの心に寄り添う普遍的なテーマが評価され、見事W受賞へと輝きました。

映画『アマンダと僕』は、2019年初夏、シネスイッチ銀座ほか全国公開します。

審査委員長ブリランテ・メンドーサ監督のコメント


映画『アマンダ(原題)』

審査委員長であるブリランテ・メンドーサ監督は、本作品『アマンダ(原題)』に次のようなコメントを寄せました。

「本作は、一見シンプルに見えるものの決して単純な作品ではなく、私たちの心をとても強く惹きつけ、複雑な人間の感情を映画として体験させてくれる素晴らしい作品だ」

また、ミカエル・アース監督の代理で麒麟像を受け取ったローラン・ピック駐日フランス大使は次のように語っています。

「アース監督は、フランスの若手監督のなかで『最も日本人らしい』と言われています。日本の映画ファンの胸を打つ作品であるよう、多くの人々の感動を呼び起こす作品であるよう祈念します」

映画『アマンダ(原題)』の監督ミカエル・アースのコメント


©2018 TIFF

ミカエル・アース監督はすでに帰国していたため、ビデオメッセージが寄せられました。

「受賞に慣れていないのに二つも受賞し、しかもひとつはグランプリと、大変幸せで誇りに思います。

一緒に映画祭に参加したプロデューサーのピエール・ギュイヤールとこの賞を受賞した喜びを分かち合います。そしてヴァンサン・ラコスト、イゾール・ミュルトゥリエ、ステイシー・マーティン、オフェリア・コルブ、マリアンヌ・バスレーらの俳優たちとも。

観客のみなさんとは、作品上映後に素晴らしい議論が交わせました。地球の反対側くらい離れていても映画が人々を感動させる、これ以上大きなご褒美はありません。みなさんの情熱と寛大さに感謝します。

改めてメンドーサ監督、そして素晴らしい審査員のみなさんのご厚意に感謝します。同席できないことが残念ですが、また日本でみなさんと再会して交流し、議論できる日が待ちきれません」

映画『アマンダと僕』の作品情報


『アマンダ(原題)』

【公開】
2019年(フランス映画)

【原題】
AMANDA

【監督・脚本】
ミカエル・アース

【協同脚本】
モード・アメリーヌ

【キャスト】
ヴァンサン・ラコスト、イゾール・ミュルトゥリエ、ステイシー・マーティン、オフェリア・コルブ、マリアンヌ・バスレー、ジョナタン・コーエン、グレタ・スカッキ 

【作品概要】
「日常的で些細な出来事を、美と抒情性で描写する」ことが映画作りの目的だとミカエル・アース監督が語るように、隅々まで美しさに満ちた作品です。

悲しみを受け止める人々の繊細な心情描写は監督の過去作にも共通。光の扱いに長けたアース監督は仏映画の伝統を未来へ繋いで行きます。

突然の父親役に戸惑う青年と、彼に頼るしかないが逆に励ます側にも回る少女の関係は微笑ましくも痛ましく、悲劇に見舞われるパリの光景は美しい故に大きな衝撃を残します。

主演のヴァンサン・ラコストは2018年にフランスで主演作が3本公開される若手の代表格であり新スター。

アマンダ役のイゾール・ミュルトリエは今作が初の演技経験。

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映画『アマンダと僕』のあらすじ


映画『アマンダ(原題)』

便利屋業をしているダヴィッドは、パリに出てきたてのレナに出会い、恋に落ちます。

しかしその直後、姉の突然の死によって無残に壊れていく彼の人生。

ダヴィッドはショックと辛さを乗り越え、まだ幼い姪っ子アマンダの世話をしながら自分を取り戻していきます。

まとめ


©2018 TIFF

第31回東京国際映画祭の授賞式が11月2日、東京・六本木のEXシアターにて開催され、最高賞にあたる東京グランプリと最優秀脚本賞を『アマンダ(原題)』が受賞しました。

既に帰国し、授賞式には参加できなかったミカエル・アース監督ですが、10月27日に行われた本作上映後の記者会見では、制作のきっかけについて次のように語っていました。

「普段は直感的にこういうものを撮りたいと思うこともありますが、本作は複数の出来事や出会いを経て必要性を感じて作りました。

何か今のパリを描く作品を作りたいという想いで、パリの美しさやもろさ、テロによる傷、エネルギッシュなところを描きたかった。

そして、父性についても描きたいという考えがあり、思春期を過ぎた人と子どもが悲劇を経て寄り添っていく、どっちがどっちを支えているのかわからないけど、互いに寄り添って一つになっていく姿も描きたかったです」

パリで暮らす青年ダヴィッドが、悲惨なテロ事件により姉を亡くし、残された姪と暮らしながら日常を取り戻していく姿を描いた本作。

アース監督が、必要性を感じて作ったと語る本作は、主人公のダヴィッド役にフランスの若手人気俳優ヴァンサン・ラコストを迎え、姪のアマンダ役には、まったく演技経験のないイゾール・ミュルトゥリエを抜擢しています。

ふたりをキャスティングしたことによる相乗効果が、ある日突然2人きりになってしまった喪失感、絶望感を抱えながらも次第に支え合っていく姿に、絶妙な真実味を与え、見事に今のパリをスクリーンに映し出しています。

東京グランプリと最優秀脚本賞をW受賞したことで、ますます公開が待ち遠しい本作。

映画『アマンダと僕』は2019年初夏、シネスイッチ銀座ほか全国公開です。

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