千年の時を超え〈哀しき真実〉が今、暴かれる?!
劇場版第21作目にあたる大人気シリーズ『名探偵コナン から紅の恋歌』をご紹介します。
CONTENTS
映画『名探偵コナン から紅の恋歌』の作品情報
【公開】
2017年(日本)
【監督】
静野孔文
【キャスト】
高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、堀川りょう、宮村優子、緒方賢一、岩居由希子、高木渉、大谷育江、林原めぐみ、宮川大輔、吉岡里帆、ゆきのさつき
【作品概要】
青山剛昌の人気コミックをアニメ化した『名探偵コナン』の劇場版21作目にあたる作品。監督は15作目より引き続き担当している静野孔文さん。
主要キャストの高山みなみさんや山崎和佳奈さん、小山力也さん、堀川りょうさん、宮村優子さんらおなじみのメンバーに加え、ゲスト声優に宮川大輔さん、吉岡里帆さんを迎えている。
映画『名探偵コナン から紅の恋歌』のキャスト一覧
江戸川 コナン / 高山みなみ
1987年の『ミスター味っ子』の主人公・味吉陽一役で声優デビューを飾った高山みなみさん。
1989年には、ジブリ映画『魔女の宅急便』でキキとウルスラの二役を務め、作品自体が大ヒットすると共に高山みなみさんの名も世に知らしめることに。
90年代には『楽しいムーミン一家』のムーミン役、『まじかる☆タルるートくん』の江戸城本丸役、『剣勇伝説YAIBA』の鉄刃役など、少年役を務めることが多くなっていきます。
1993年には『忍たま乱太郎』の猪名寺乱太郎役、そして1996年、ついに『名探偵コナン』の江戸川コナンの役を務めることになるのです。
この乱太郎役とコナン役という現在でも続く大人気キャラの声を務めたことで、高山みなみさんを一気に国民的人気者へと押し上げることになりました。
現在でもこの2役を続けている他、リニューアル後の『ドラえもん』ではスネ夫のママ、『ゲゲゲの鬼太郎第5作』では鬼太郎役を務めるなど、常に第一線を走り続けている声優さんであると言えますね。
そして、もちろん本作『名探偵コナン から紅の恋歌』でも江戸川コナンを演じています。さて、今回は一体どんな事件に巻き込まれ、そして解決していくのか非常に楽しみですね!
毛利 蘭 / 山崎和佳奈
1990年に声優デビューを果たした山崎和佳奈さんも、1996年に『名探偵コナン』の毛利蘭役を掴み、一躍注目を集めることになりました。
その後、1998年には『ひみつのアッコちゃん』(第3作)で主人公・加賀美あつこ役、2005年には『格闘美神 武龍』の毛蘭役を務め人気を博します。
ナレーションや舞台の世界でも活躍している他、自らが演じている毛利蘭に合わせて殺陣や太極拳を本格的に学んでいるそうで、その辺りの息遣いなんかも作品に活かされている感じがしますね。
本作でもそんな格闘シーンがおそらく登場してくれるはずですので、期待して見ていきたいと思います!
毛利 小五郎 / 小山力也
1998年に声優デビューを果たし、2000年には『はじめの一歩』で鷹村守役を務めていた小山力也さん。
他にも『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』でクゼ・ヒデオ役のアニメ作品に関わる一方で、何といっても小山さんといえば洋画や海外ドラマの吹き替えが有名でしょう。
『ER』以降は、ジョージ・クルーニーの吹き替えは現在に至るまでほぼ専属で担当している他、多くの人が小山さんの声のイメージとして『24 -TWENTY FOUR-』のジャック・バウアーを挙げるはず。
このハマり役を得たことで声優としての知名度がグンと上がり、アニメファンに限らず、その名が知られるようになっていきます。
2009年から降板した神谷明さんに代わって2代目・毛利小五郎に抜擢。現在でも変わらず担当し続いていますね。
今回はどんなおとぼけ推理をかまし、どんな姿で眠りに落ちることになるのか…要注目です!
服部 平次 / 堀川りょう
1984年に『夢戦士ウイングマン』の主人公・広野健太役で声優デビューを飾った堀川りょうさん。
元々、堀川 亮(ほりかわ りょう)の名で活動していましたが、2001年4月3日に現在の名前に改名したようですね。
1986年には『聖闘士星矢』のアンドロメダ瞬、そして1989年にあの伝説的アニメ『ドラゴンボールZ』でベジータ役を務めることになります。
「堀川さん=ベジータ」というイメージをお持ちの方は非常に多いと思います。それほど強烈なインパクトを残しました!これを機に主人公のライバル的存在を演じることが多くなったんだとか。
『名探偵コナン』の服部平次役を務めるようになったのは、1997年から。本作『名探偵コナン から紅の恋歌』は大阪舞台で、しかも平次の婚約者(?)なる女性も登場するので、かなり物語の中心的存在になるはず!非常に楽しみですね!
遠山 和葉 / 宮村優子
1994年に『勇者警察ジェイデッカー』で声優デビューを果たした宮村優子さんといえば…『新世紀エヴァンゲリオン』の惣流・アスカ・ラングレーがすぐに頭に思い浮かぶ人が非常に多いはず!
まだデビューして間もない宮村さんでしたが、このアスカ役で爆発的に人気が上がり、一躍その名を知られる存在となりました。
1998年から『名探偵コナン』の遠山和葉役を務め始め、現在でも活躍を続けています。
遠山和葉と言えばその可愛らしい関西弁ですが、宮村さん自身兵庫県神戸市の出身だからこそ、すごく自然にスッと入ってくるんですね。
平次のことを想い続ける和葉ですが、今回は何やら平次の婚約者のような女性が出てきて…という展開に一体どんな反応を見せるのか…注目です!
大岡 紅葉 / ゆきのさつき
1992年ごろに声優としてデビューを果たしたゆきのさつきさんは、1997年に『中華一番!』でヒロインのメイリィ役を務めたことで、その名が知られるようになりました。
その後、『トライガン』のミリィ・トンプソン役など、次第に主要キャラクターを演じることが多くなっていき、2000年には『犬夜叉』のヒロイン・日暮かごめ、『ラブひな』の乙姫むつみなどを担当し、さらに知名度が上がっていきます。
2001年には『サイボーグ009 THE CYBORG SOLDIER』の003(フランソワーズ・アルヌール)、『フルメタル・パニック!』の千鳥かなめなど人気キャラクターを務め、その地位を確かなものとしました。
本作『名探偵コナン から紅の恋歌』では、女子高生で百人一首のチャンピオンの大岡紅葉を演じています。平次を「未来の旦那さん」と呼んでいるようで、一体どういうことなのでしょうか?!
物語のカギとなる人物になりそうですので、注視していきたいと思います!
関根 康史 / 宮川大輔
お笑い芸人の宮川大輔さんは今回ゲスト声優として出演します。
バラエティ番組ではもちろん欠かせない存在ですが、俳優としても高い評価を得ていますよね。
2008年のテレビドラマ『チーム・バチスタの栄光』や『銭ゲバ』、映画『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』や『オー!ファーザー』などでも活躍を見せています。
声優としては『ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>』(2016)で吹き替えを担当したくらいしか見当たりませんが、宮川さんなら問題ないでしょう!
本作では百人一首の団体「皐月会」に所属するカメラマン関根康史を演じています。
最初の殺人事件の現場に現れるなど謎の行動が多いという関根を一体どのように演じているのか、楽しみですね!
枚本 未来子 / 吉岡里帆
京都の太秦生まれの吉岡里帆さんは、2014年に『週刊プレイボーイ』にて初めてグラビアに登場し、一躍人気者に。
2015年には『マンゴーと赤い車椅子』で映画デビュー、同年の『明烏』ではヒロイン役に抜擢されるなど、女優として一気にその名を知られる存在となっていきます。
テレビドラマでもNHK連続テレビ小説『あさが来た』(2016)、日本テレビドラマ『ゆとりですがなにか』(2016)やTBSドラマ『カルテット』(2017)にも出演し、高評価を得ていますね。
本作で吉岡さんが演じているのは、百人一首の団体「皐月会」に所属する女子高生・枚本未来子(ひらもと みきこ)。
京都出身の吉岡さんの関西弁なんかも聞けるのでしょうか?そのあたりも注目ポイントになりそうですね!
映画『名探偵コナン から紅の恋歌』の監督紹介
映画『名探偵コナン から紅の恋歌』の監督を務めるのは静野孔文(しずの こうぶん)さんです。
静野監督はOVAの『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』(1992~98)の制作に携わった後、3DCG(3次元コンピュータグラフィックス)の演出を手掛けることに。
その後は『FF:U 〜ファイナルファンタジー:アンリミテッド〜』や『藍より青し』などで絵コンテや演出を手掛け、2005年にはアメリカで放送されたテレビアニメ『G.I.ジョー: SIGMA6』の総監督に抜擢されるなど、活躍の場を海外に移すことに。
一方で、聖飢魔Ⅱのビデオクリップで監督を務めるなど、アニメに限らず活躍の場を広げていった静野監督。
静野孔文監督作品1:劇場版『シドニアの騎士』(2015)
2015年には劇場版『シドニアの騎士』で監督を務め、2017年に公開を予定しているゴジラシリーズ初のアニメーション作品となる『GODZILLA』で瀬下寛之さんと共同監督を務めるなど、さらにその名が知れ渡ることに。
そんな静野監督が『名探偵コナン』に携わるようになってきたのは2004年ごろから(テレビアニメ版)。
2011年には劇場版『名探偵コナン』の15作目に当たる『名探偵コナン 沈黙の15分』(2011)で監督に抜擢され、第35回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞するなど高い評価を得ることになります。
この作品以降、劇場版『名探偵コナン』の監督を継続して担当することになった静野さんは、『11人目のストライカー』(2012)、『絶海の探偵』(2013)、『異次元の狙撃手』(2014)、『業火の向日葵』(2015)、『純黒の悪夢』(2016)を手掛けました。
興行成績的にも次々に好記録を叩き出し、昨年の『純黒の悪夢』では60億円超というシリーズ最高の結果を残します。
静野孔文監督作品2『異次元の狙撃手』(2014)
また、2014年の『異次元の狙撃手』も第38回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞するなど、常に興行的に結果を出し続けた上で、批評家からも高評価を獲得するという偉業を成し遂げ、監督としてその勢いはとどまることは知りません。
果たして、本作『名探偵コナン から紅の恋歌』では一体どのようなコナンの活躍を見せてくれるのか…期待して見てみましょう!
映画『名探偵コナン から紅の恋歌』のあらすじ
毛利小五郎は競技かるたの名門『皐月会』の阿知波会長と対談をするため、大阪・日売テレビに来ていました。蘭、コナン、少年探偵団といういつもの面々が勢ぞろいです。鈴木その子だけは風邪をひき自宅療養中。
スタジオでは、百人一首の高校生チャンピオン、大岡紅葉と、遠山和葉が所属するかるた部の部長、未来子が試合のリハーサルを行っていました。
あとは本番を残すのみ。対戦相手の矢島がまだ来ていないのがきがかりですが、スタジオに、皐月会の大切な試合にだけ使われるかるたがケースに入れられて運ばれてきました。普段は博物館で保存されているというほど、貴重なものだそうです。
毛利小五郎と『皐月会』会長の対談の準備として、コナンは会長のインタビューが載っている雑誌に目を通しました。
阿知波会長は阿知波建設の経営者で、かるたは唯一の趣味であること、試合の時には車を洗車してゲンを担ぐこと、妻は三年前に亡くなっていることなどがわかりました。
日売テレビにやってきた服部平次は、大岡紅葉とすれ違います。すると紅葉は目の色をかえ、平次を「未来の旦那様」と呼ぶではありませんか。葉月は突然のライバル出現に心を乱されます。
そんな折、日売テレビ爆破予告のメールが警察に届きました。避難が始まり、平次は葉月や紅葉たちをエレベーターに乗せますが、突然、美来子が走り出します。そのあとを追う平次と葉月。
彼女は伝統のあるかるたをあのまま置いておけなかったのです。その時、建物の一部が爆発。
美来子は警備員たちに保護されましたが、平次と葉月は、崩壊していくビルの中に取り残されることに!
間一髪の所で隣のビルから飛び移ってきたコナンが、伸縮サスペンダーを使い2人を救出! しかし新たな爆発で今度はコナンが取り残されてしまいます。前がふさがれ、スケートボードで加速するスペースがありません! コナンは咄嗟にテレビ局のパラポラアンテナにサスペンダーを巻きつけると、ぐるぐる廻って加速し、近くの川に向かって飛びました!
しかし、あと少し距離が足らない! 落下するコナンを服部が受け止め、なんとか難を逃れることができました。まるでテロのような事件でしたが、犯人の目的も分からず皆困惑するばかりでした。
美来子が怪我をしたというので、一行は病院に来ていました。美来子は、腕を骨折しており、大会に出られなくなってしまいました。このままでは部が潰れてしまう! 美来子は和葉に代わりに出てくれるように頼みます。
試合にも出たことがないとためらう和葉の前に大岡紅葉が現れました。彼女は和葉に、決勝で勝ったほうが平次のお嫁さん候補、先に告白することが出来るという条件を突きつけます。負けん気が沸き起こった和葉はその挑戦を受けてしまいます。
自信満々で立ち去った紅葉でしたが、蘭は彼女の忘れ物を拾いました。あわてて追いかけましたが、彼女は車に乗って立ち去ったところでした。
連絡先を調べるために中身を観てみると、一枚の男性の写真と一緒に、子供の頃の平次と紅葉が指切りしている写真が出てきました。
その頃、京都では、豪華な日本家屋で、大岡紅葉と対戦する予定だった矢島が殺害されているのが発見されました。
遺体の周りにはかるたの札が散乱していました。また、彼は死の直前まで、過去の「高校皐月杯争奪戦」のDVDを観ていたことがわかりました。
綾小路警部の許可を得て、現場を調べたコナンと服部は、彼が日本刀で撲殺されたのだろうと目星をつけます。
さらに、手に何か持っていたものを無理やり抜き去ったあとがあることから、ダイニングメッセージを残していたのを抜いて、他の札と混ぜ合わせたのでは?と推理します。コナンは写真を撮ると、灰原に送り、解析してくれるよう頼みました。
そこに隠されていたのは“百人一首にまつわる共通点”…。
果たして爆破事件と殺害事件との関係は一体…?
そして…事件の真相にコナンと平次は辿り着くことが出来るのか?!
映画『名探偵コナン から紅の恋歌』感想と評価
東宝の春の顔となって久しい映画版コナン。コナンの小道具であるサスペンダー、サッカーボール、スケボーが今回も大活躍! 滝にボールを押しつけて水を飛ばすというアイデアなど、なるほど!と感心させられました。
前半のテレビ局の爆破事件の際には、服部平次から、何か起こると思ってそんなもの用意してたんか、と突っ込まれていますが、そりゃぁ、コナンの行くところに何か起こるわけですから(笑)。
前作『名探偵コナン 純黒の悪夢』では、『ダイ・ハード4』を想起させる凄まじいカーアクションで幕を開け、ラストの遊園地の大パニックも手汗握る壮大な展開をみせました。
『ワイルド・スピード』シリーズや、『ミッション・イン・ポッシブル』シリーズに匹敵する日本を代表するアクション映画があるか?と問われれば、映画版名探偵コナンがある!と応えるでしょう。
アニメならではの、アニメだからこそ出来るど迫力のアクションです。今回なら爆破されたテレビ局や、くずれゆく社からの脱出シーンのアクロバティックな展開がこれでもか!と観られます。
また、かるた大会のシーン、とりわけ、決勝戦での二人の対決をかるたの枠組の中で展開させるなど、凝った演出も決まっています。
もっとも、アクションに徹した前作とは違い、本作は、服部平次と和葉の間に新たな女性が現れ、三角関係のようになるというラブコメの要素もはいっていますので、従来のファンにも好評なのではないでしょうか。
また、競技カルタといえば、昨年『ちはやふる 上の句/下の句』が公開、ヒットしたことで、ルールやその世界観が馴染みやすくなっているというメリットもあると思います。
大岡紅葉のルックスが『ちはやふる 下の句』のライバル役の松岡茉優に似ていると感じたのは私だけでしょうか?
蘭や和葉、そして新一が選ぶ得意札は、彼女たちが抱える境遇にぴったりで、ラストのやりとりも洒落ています。
まとめ
おなじみのメンバーに加え、ゲスト声優として宮川大輔さん、吉岡里帆さんを迎えた本作『名探偵コナン から紅の恋歌』。
主題歌もまたおなじみの倉木麻衣さんの『渡月橋 〜君 想ふ〜』に決定しています。こちらも非常に楽しみですね!
こういった長年続くシリーズにつきもののマンネリを静野監督の巧みな手腕で回避し、常に新しい試みに挑戦し続ける『名探偵コナン』。
注目の劇場公開は2017年4月15日(土)より始まります!ぜひ劇場でコナンの活躍をご覧ください!