「図書館戦争」シリーズ『空飛ぶ広報室』などで知られる有川浩が、一生のうちで一本しか書けないと自負する物語『旅猫リポート』を映画化。
主演は今をときめく福士蒼汰。彼と共に旅をする猫のナナの声に高畑充希。
監督は『植物図鑑運命の恋ひろいました』ですでに有川原作を経験済みの三木康一郎。
脚本には原作者の有川浩自身が参加しているのも注目です。
映画『旅猫リポート』は10月26日(金)ロードショーです。
CONTENTS
映画『旅猫リポート』の作品情報
【公開】
2018年(日本映画)
【原作】
有川浩『旅猫リポート』
【監督】
三木康一郎
【脚本】
有川浩、平松恵美子
【音楽】
コトリンゴ
【キャスト】
福士蒼汰、高畑充希(声の出演)、竹内結子、山本涼介、大野拓朗、広瀬アリス
【作品概要】
有川浩の原作ベストセラー小説を、人気若手俳優の福士蒼汰主演で実写映画化。心優しい青年サトルとツンデレ猫ナナが織りなすロードムービー。
愛猫ナナの声は高畑充希が務め、脚本には原作者の有川自身も参加。演出は『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』で知られる三木康一郎監督。
映画『旅猫リポート』のキャラクターとキャスト
サトル(福士蒼汰)
ナナの飼い主、やさしく明るい青年。
ナナ(高畑充希・声の出演)
サトルに拾われた三毛猫
法子(竹内結子)
サトルの叔母で判事。両親を事故で失ったサトルを引き取る。
コースケ(山本涼介)
写真館の二代目、父親と妻の間に立って弱っている
スギ(大野拓朗)
サトルの高校時代の同級生、子供ころからチカコに想いを寄せている
チカコ(広瀬アリス)
スギ・サトルと高校で同級生だった。のちにスギと結婚。
映画『旅猫リポート』のあらすじとネタバレ
野良の三毛猫ナナはサトルの車のボンネットがお気に入りの場所でした。
ある夜、車にはねられて大けがを負ったのをきっかけに、サトルの飼い猫となりました。
それから5年。
なぜか、サトルはナナを引き取ってもらう旅に出ることになりました。
最初に尋ねたのは小学校の時の親友コースケ。
写真館の二代目のコースケは、高圧的な父親と、妻の間で挟まれ、頭を抱えていました。
小学校のころ、サトルとコースケは捨て猫を拾い、ハチと名付けて、サトルの家で飼うことにしました。
小学生の二人はハチをかわいがります。ところが修学旅行の最中に、サトルの両親が交通事故で命を落としてしまったのです。
何処も引き取り手がいなかったサトルを引き取ったのは、叔母のノリコでした。
ノリコは厳しくも優しい叔母として、サトルとともに暮らしていきます。
ただ、ノリコは判事をしてることから転勤が多く、結果サトルも転校が多い青春時代を過ごしていくことになりました。
映画は現在に戻ります。
サトルはコースケの事情を聴くと、「ナナではなくて、奥さんとの間のまっさらな猫を探したほうがいい」と言って再びナナと旅に出ます。
サトルが去った後、コースケは実家に帰った妻に電話して「猫嫌いの父親に文句はもう言わせないから、一緒に猫を探さないか?」と問いかけるのでした。
次に予定していた農家のヨシミネの家は、タイミングの悪いことに茶トラの猫を拾ったばかりでした。
そこでサトルは、高校時代の同級生夫妻が経営しているペット可のペンションに向かいます。
ペンションのオーナーのスギと、妻のチカコ、そしてサトルは高校時代の同級生で、ちょっと微妙な三角関係にありました。
スギとチカコは幼馴染で、ずっと一緒に過ごしていました。
高校生のサトルはチカコに惹かれながらも、二人の関係をちゃんとわかっていて、「転校生族に恋愛は無理だ」と言って身を引いたのでした。
動物好きのスギ夫妻の家にならナナもなじむかと思いましたが、犬の虎丸とナナが大げんかをしてしまい、破談となりました。
もともとサトルのもとを去るつもりはなかったナナにとっては、ちょうどよい展開でした。
映画『旅猫リポート』のあらすじとネタバレ
有川浩映像化総まくり!!
多少突飛な設定でも、等身大の登場人物たちのおかげもあり、映像化が多い有川浩作品。
映画化作品は『阪急電車片道15分の奇跡』から始まり「図書館戦争」シリーズ、『県庁おもてなし課』、『レインツリーの国』『植物図鑑運命の恋ひろいました』、そして本作が8作目。
テレビドラマやアニメーションでも『図書館戦争』『フリーター家を買う』『三匹のおっさん』『キャロリング』『空飛ぶ広報室』と多数の作品が映像化されています。
映画から入っても、原作から入っても、どちらも楽しめる有川浩の世界。お薦めです。
“鉄板×鉄板”でもあざとくない
原作もベストセラーなので言ってしまいますが、これはいわゆる“難病モノ”です。
それに猫と犬という動物が重なってくるという、“鉄板×鉄板”の映画です。
この組み合わせはちょっと狙い過ぎなようにも見えてしまいがちです。
ところがこれをあざとく見せないのが三木監督の巧さです。
ドラマやバラエティのディレクションも経験している三木監督の絶妙な力加減を堪能できる一作です。
まとめ
原作者の有川浩自身が脚本を担当し、映画化した『旅猫リポート』。
自分が居なくなった後を心配する青年と、青年の側についていたい猫の、切ないけれど優しい物語に仕上がっています。
秋が深まり、寒さも増してきたこの頃。ぜひこの映画をご覧になって心から温まって下さいね。