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Entry 2018/08/26
Update

【ネタバレ感想】銀魂2掟は破るためにこそある|あらすじ。ラスト結末も

  • Writer :
  • 白石丸

週刊少年ジャンプに14年以上連載されている人気アクションコメディ漫画『銀魂』の完全実写化第2弾。

原作の人気エピソード「真選組動乱篇」と「将軍接待篇」を融合し、アクション、ギャグ、ドラマ全てがボリュームアップして帰ってきました。

前作からのキャストに加え、今回から新参加のキャストたちの再現度、ハマりっぷりにも注目です!

映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』の作品情報


(C)空知英秋/集英社 (C)2018映画「銀魂2」製作委員会

【公開】
2018年(日本映画)

【監督】
福田雄一

【原作】
空知英秋

【キャスト】
小栗旬、菅田将暉、橋本環奈、柳楽優弥、三浦春馬、窪田正孝、吉沢亮、勝地涼、夏菜、戸塚純貴、長澤まさみ、岡田将生、ムロツヨシ、キムラ緑子、佐藤二朗、堤真一、中村勘九郎、堂本剛

【作品概要】
映画『銀魂2』は、原作のギャグの人気エピソード「将軍接待編」とシリアスの人気エピソード「真選組動乱編」を融合させ、ギャグとシリアス、時代劇とSF要素。

グダグダとガチンコアクションなど様々な要素がごった煮になっている銀魂の実写化らしさが増した映画になっています。

パロディ満載でモザイクも画面に登場しまくり、なのに気づけば本格アクションに興奮し最後には感動している必見のエンターテイメント作品です。

映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』のキャラクターとモデルになった人物

坂田銀時(小栗旬)
元攘夷派の白夜叉と恐れられた男。今は万事屋の主人。モデルは金太郎こと平安時代の英雄坂田金時。

志村新八(菅田将暉)
万事屋の突っ込み担当。モデルは志村けんと新撰組二番隊組長永倉新八。

神楽(橋本環奈)
万事屋のアイドル。実は夜兎族で怪力、大食い。モデルは不明。

桂小太郎(岡田将生)
攘夷志士で、銀時、高杉晋助と古い仲の剣客。モデルは明治維新の三大立役者の1人、桂小五郎(後の木戸孝允)。

エリザベス(?)
桂の相棒の謎の宇宙生物。モデル不明。オバQに似てる。

お登勢(キムラ緑子)
万事屋の大家。モデルは幕末京都で攘夷志士が出入りしていた宿、寺田屋の女将お登勢。

志村妙(長澤まさみ)
新八の姉、美人だが凶暴。モデル不明。

猿飛あやめ(夏菜)
元御庭番衆の凄腕くノ一だがドM。銀さんのストーカー。モデルは架空の甲賀流忍者、猿飛佐助。

徳川茂茂(勝地涼)
江戸幕府の若き征夷大将軍。あだ名は将ちゃん。モデルは徳川14代将軍徳川家茂。

松平片栗虎(堤真一)
警察庁のドンでキャバクラ好き、実は策士。モデルは新選組を作った会津藩主にして江戸幕府京都守護職の松平容保。

近藤勲(中村勘九郎)
真選組の局長で熱い男。モデルは新撰組局長近藤勇。

土方十四郎(柳楽優弥)
真選組の鬼の副長。別人格でヘタレのアニオタトッシーの顔を持つ。モデルは新撰組副長土方歳三。

沖田総悟(吉沢亮)
真選組の一番隊隊長でドSな天才剣士。モデルは新撰組一番隊組長沖田総司。

伊藤鴨太郎(三浦春馬)
真選組の参謀で知略家。モデルは新選組の前身である壬生浪士組初代頭取にして近藤たちに暗殺された荒くれ者の芹沢鴨と新選組参謀にして裏切りの咎で暗殺された伊東甲子太郎。

河上万斉(窪田正孝)
千人切りの伝説の剣豪。モデルは幕末四大人斬りの1人河上彦斎。

高杉晋助(堂本剛)
幕府転覆を図る鬼兵隊の首魁。モデルは奇兵隊の創始者にして幕末の英雄、長州藩の高杉晋作。

映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』のあらすじとネタバレ


(C)空知英秋/集英社 (C)2018映画「銀魂2」製作委員会

1ヶ月なにも仕事がなく大家のお登勢に家賃を滞納しまくっている万事屋。

お登勢にボコボコにされ食料も底をついた3人は、新八の姉お妙が働いてるキャバクラ「すまいる」にバイトをしに行きます。

すまいるでは風邪が流行してお妙以外のキャバ嬢が全員休んでいました。

店長は、今夜上客がやってくる予定なので、あと3人は嬢が必要だと言います。

銀さんは天井に潜んでいたストーカーのくノ一さっちゃん(猿飛あやめ)を連れ出してきます。

さらに表のキャバ嬢募集の張り紙を見たヅラ(桂小太郎)がやってきます。

攘夷活動の資金が尽きてしまったようです。

女装すれば割とイケると主張するヅラを嬢に加え、厚化粧して張り切っている神楽も仕方なく参加させます。

4人の嬢が揃いましたが、店長はチェンジされた場合に備え、あと2人女の子が欲しいと言い出します。

そうこうしているうちに、上客の警察庁長官松平片栗虎がやってきました。

急遽銀さんと新八も女装して嬢として参加させられてしまいます。

しかし、その夜の上客は松平だけではなく、現征夷大将軍の徳川茂茂まで来ていました。

ビビりまくる銀さんと新八ですが、ここで将軍に気に入られれば大金が手に入ると考え、接待に張り切ります。

松平は全員で王様ゲームをすることを提案します。

銀さんと新八は将軍を楽しませようと画策して、いろいろな命令を出しますが、毎回将軍が貧乏くじを引くような展開になり、どんどん気まずい雰囲気になってしまいます。

外では将軍がいるキャバクラの周りを、武装警察真選組が厳重に警護していました。

彼らは、松平が思いつきで将軍に世間勉強をさせようと連れ出したことで巻き添えを食い、任務についていました。

副長の土方十四郎が見回りをしていると物陰から吹き矢が飛んできて彼の首筋に刺さります。

少し痛いくらいの吹き矢でしたが土方は不審に思います。

ちょうどそこに将軍の命を狙う不逞浪士たちがやってきます。

いつも通り浪士たちを切り捨てようと飛びかかる土方でしたが、気が付くと彼は浪士たちに土下座をして命乞いをしていました。

なぜか勝手に口と体が動いて命乞いをしてしまい、浪士たちに嬲られていた土方でしたが、そこにひとりの男が駆けつけて浪士たちを一気に切り伏せます。

その男は1年ほど前に真選組にやってきて急速に出世しているエリート伊東鴨太郎でした。

伊東は参謀的ポジションを得ているうえに、北辰一刀流免許皆伝の剣の腕前。

土方は伊東を嫌い、ライバル視していましたが、事もあろうにその伊東の前で醜態を晒してしまいました。

政治方面にも詳しく参謀役になっている伊東は、その夜の宿舎での飲み会でも局長の近藤と大盛り上がりです。

その後廊下ですれ違う土方と伊東は、お互いに「いずれ殺してやる」と宣言するのでした。


(C)空知英秋/集英社 (C)2018映画「銀魂2」製作委員会

翌日、万事屋は近所の床屋の店番をしていました。

そこにまたしても、街を視察中の松平と将軍がやってきます。

3人は変装してやり過ごそうとしますが、将軍は髷を結い直してくれと頼んできます。

ガチガチに緊張していた3人ですが、神楽が意外な才能を発揮し、手馴れた剃刀捌きで将軍の髪を剃っていきます。

しかしいつの間にか、将軍の髷を丸ごと剃り落としてしまっていました。

銀さんは、残りの髪の毛で髷を結おうと頭皮をギュウギュウに引っ張り、なんとか髷を結いますが、顔の筋肉が引っ張られすぎて将軍の人相が変わってしまいます。

そんなことをしている間、土方と真選組一番隊隊長の沖田は近くの喫茶店で将軍を見張っていました。

土方の異変は治っておらず、気が付くとアイドルアニメの動画を見始めている始末。

沖田が土方の首元を見ると、昨晩吹き矢を打たれた部分が腫れ上がってコブが出来ていました。

土方はそれが異変の原因で、自分の人格のヘタれた部分が出てきているのではと推察します。

そこで沖田は土方に良い事を思いついたと耳打ちをします。

その夜、屯所で真選組の会議が行われていました。

開始時間を過ぎても土方がやってきません。

伊東は近藤に、土方が昨晩から真選組局中法度を破りまくっていること、それでは隊員たちに示しが付かないので土方を厳しく処断すべきだと提言します。

そこへ土方が飛び込んできます。

「沖田先輩!ゲームとワンピース買ってきましたぁぁぁ!!!」

沖田は土方のヘタレ人格につけこみ使い走りをさせ、みんなの前で決定的醜態を晒させました。

土方は、伊東と沖田が手を組んでいたことに気づきましたが、もう後の祭りでした。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには「銀魂2 掟は破るためにこそある」ネタバレ・結末の記載がございます。「銀魂2 掟は破るためにこそある」をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)空知英秋/集英社 (C)2018映画「銀魂2」製作委員会

そこから数日、アイドル寺門通の親衛隊隊長である新八がオタクをテーマにした討論番組に出演していました。

銀さんと神楽も家で放送を見ていましたが、そこでトッシーと名乗るアニメオタクが新八と口論になり乱闘騒ぎを起こします。

よく見るとトッシーは土方でした。

新八がトッシーを万事屋まで連れ帰ってきましたが、かつての土方の面影はほとんどありません。

神楽のチャイナ服をコスプレだと思って撮影を始める始末です。

聞くと、土方は数日前に真選組をクビになっていました。

万事屋は知り合いの天才発明家、平賀源外のところへ土方を連れて行きます。

源外の検査の結果、土方の首元の吹き矢を打たれた部分に、昔天人が発明した人格を改変するチップが埋め込まれていることが分かりました。

土方のチップは「ヘタレオタク」人格を作り出す仕様でした。

源外が発明したVR装置でエ○○ンゲリオンの世界に入り、土方を碇シ○ジにしてヘタレを矯正しようとするもうまくいきません。

土方の本来の人格はもう消えようとしていました。

土方は最後の力を振り絞って、恥も外聞もかなぐり捨てて万事屋に頼み込みます。

「頼む。俺たちの真選組を守ってくれ」

まさかの土方からの頼みごとに驚く万事屋。

そして土方はトッシーの人格に飲み込まれました。

一方伊東は、屯所で沖田と話し込んでいます。

伊東は土方を排除し、真選組をもっと高みにあげるつもりだと話します。

沖田は、自分は副長の座しか興味ないとそっけなく言いその場を去ります。

しかし伊東の思惑はもっと凶悪でした。

伊東は、近藤も土方も暗殺し真選組を乗っ取り、自分の名を天下に知らしめるつもりだと側近に話します。

それをこっそり聞いていた観察役の山崎。

早く近藤と土方にそれを報告しようとしますが、伊東に見つかってしまいます。

山崎は必死に逃げますが、その前に高杉率いる鬼兵隊の伝説の人斬り河上万斉が立ちはだかります。

伊東は高杉と鬼兵隊とも手を組んでいました。

山崎は万斉に刺され瀕死の状態になりますが、自分は士道を貫くと宣言し、最後まで這いずりながら土方のところへ向かおうとします。

伊東は万斉に命じ、山崎を殺害させます。

完全にトッシーになってしまった土方を連れて街を歩いていた万事屋のところに、真選組の隊員がやってきます。

隊員たちは、山崎が殺されたから今すぐ来てくれと土方を連れ出そうとしますが、彼らは隙を見て土方を殺そうとしてきました。

銀さんは隊員たちを倒し、新八と神楽とともにトッシーを連れてパトカーで逃げます。

3人が真選組に異変が起きていると気づいた時、パトカーの無線で「近藤を暗殺せよ」という指示が入ります。

近藤は、温泉に向かう将軍の護衛で汽車に乗っていました。

しかしその護衛は、伊東が仕組んだ嘘の任務で、汽車には伊東と伊東側に寝返った隊員たちしか乗っていませんでした。

伊東は本性を現し、隊員に囲ませて近藤を殺そうとしますが、そこに沖田がやってきます。

沖田は伊東陣営に寝返ったわけではなく、近藤を殺そうとしている伊東に対して怒り狂っていました。

沖田は襲いかかってきた隊員たちを瞬殺し、近藤を列車の前車両に逃がします。

そして近藤が止めるのも聞かず、近藤がいる車両と後続車両を切り離して1人で伊東たちに立ち向かいます。

しかし伊東が手を組んだ鬼兵隊たちが現れ、近藤を乗せた車両を追いかけて行きます。

伊東は沖田の無謀ぶりを笑いますが、沖田は「俺も1人じゃねえ」と不敵に笑います。

ちょうどそこに万事屋がパトカーを爆走させながらやってきました。

土方も乗っていますが、完全に怯えています。

銀さんは無線で屯所にいる他の真選組隊員に対して事態を告げ、今すぐ近藤のいる列車に出動するよう言います。

沖田は向かってくる隊員たちを1人で次々と切り捨て圧倒します。

近藤を救出しようと前車両に向かう万事屋に、近藤は土方を連れて逃げてくれと告げます。

土方を信用せず、伊藤の言うままに彼を処断した自分に助けてもらう資格はないと言うのです。

その時、トッシーに異変が起きました。

口調が少し土方に戻り、近藤に局長の役目は生き延びることだと告げます。

土方は根性でトッシーの人格をねじ伏せ、刀を抜きます。

そこに伊東がやってきて、土方に決着を付けようと向かってきます。

2人の因縁の斬り合いが始まります。

一方、万事屋は無線を傍受し、鬼兵隊の河上万斉が真選組不在のタイミングを狙って将軍を暗殺しようとしていることに気づきます。

列車はもうかなり江戸から離れた場所にいましたが、そこになんと「となりのト○ロ」の「ネ○バス」に乗った源外がやってきました。

銀さんは「ネ○バス」に乗り猛スピードで江戸に戻ります。

将軍はその日も松平に連れられてキャバクラに向かおうとしていましたが、キャバクラの前には万斉と鬼兵隊たちが待ち伏せています。

松平は鬼兵隊たちに向かってバズーカを撃った後、乗ってきたタクシーを自ら運転して江戸城に逃げ込みます。

万斉たちは江戸城まで松平を追いますが、松平は忍者集団お庭番衆を呼び出し応戦させます。

万斉は1人でお庭番衆を圧倒、将軍と松平を追い詰めます。

そこへ間一髪、銀さんが駆けつけます。

実は江戸城にいた将軍は影武者で、本物は本当に温泉で羽を伸ばしていました。

本物の将軍は、先日の床屋での事故のせいで髷がゆえず、落ち武者のようになっていました。

万斉は、自分が今仕えている高杉晋助の盟友にして、攘夷戦争の英雄「白夜叉」坂田銀時との対戦を喜びます。

2人はほぼ互角に戦いますが、万斉は自身が背負っている三味線の弦の糸を飛ばす戦法で銀さんを追い詰めます。

その頃、列車での真選組VS鬼兵隊の戦いも熾烈を極めていました。

沖田は神楽と共闘して敵を切り伏せ、土方は伊東と斬り合いを続けています。

近藤は新八の助けもあって後続車両に飛び乗ります。

真選組の隊員たちも駆けつけ、鬼兵たちと戦っています。

しかし、列車が鉄橋に差し掛かかると、突如として鉄橋が爆発しました。

高杉は伊東を仲間に入れる気など毛頭なく、真選組ごと葬り去ろうとしていたのです。

伊東は爆破に巻き込まれ片腕を失います。

さらにそこへ鬼兵隊のヘリが現れ機銃掃射を受けます。

伊東は走馬灯のように昔を思い出します。

武家の次男に生まれ、母は病弱な兄に付きっきりで、自分には愛情を注いでくれなかったこと。

勉学や武芸に励んで結果を出しても周りからは疎まれ、父と母が、次男に才覚があってもしょうがない、鴨太郎(伊東)など生まれてこなければ良かったと話しているのを聞いてしまったこと。

彼はその寂しさを埋めるために今まで努力し、野心に駆られていたのでした。

そして伊東は、爆破で真っ二つになった列車から谷底に落ちそうになりますが、近藤、土方、沖田に助けられます。

近藤は、謀反を起こされるのは大将の器の問題だと言い、伊東を許します。

そして土方は全力で伊東を守り、敵のヘリに飛び移って墜落させます。

「俺はお前が嫌いだ。いつか殺してやる。だからこんなところで死ぬな」土方と伊東は互いにこう告げます。

伊東は自分が欲しかったのは名声や地位ではなく、一緒にいてくれる仲間だったと気づきます。

一方、銀さんと万斉の戦いは、ほぼ互角で決着がつきません。

鬼兵隊が伊東もろとも新撰組を潰そうとしていることを知った銀さんは、再び列車に戻ろうとしますが、万斉の三味線の糸が銀さんの全身を捕らえます。

万斉はそのままヘリに飛び乗り、銀さんに向かい「この国は腐りきりいずれ滅びる!ならば自ら引導を渡してやるのが侍の役目だ!」と叫びます。

銀さんは、腕や足に絡まった鋼鉄の強度を誇る糸を引きちぎると、「国なんてどうでもいい、俺の守るもんは昔から変わっちゃいねえええ!」と叫び、怪力で糸が絡まった刀を思い切り振り回します。

その勢いで万斉を乗せたヘリは吹っ飛ばされ、江戸城の天守閣に突っ込み爆発します。

その頃、新選組も鬼兵隊をほぼ撃退していました。

戦いの中で負傷した伊東は、虫の息になっていました。

放っておいても伊東は死ぬ状態でしたが、真選組は伊東を連行し、土方と決闘させます。

それは伊東を裏切り者ではなく、真選組の一員の武士として死なせるためでした。

伊東は土方に斬られ「ありがとう」と言って息絶えます。

隊士たちと伊東の間には確かな絆がありました。

後日、高杉と負傷した万斉が屋形船で密談をしています。

万斉は「奴らの歌に聞き惚れた拙者の負けでござる」と言い、それを聞いた高杉は不敵に笑います…。

真選組屯所では、死亡した山崎の葬儀が行われていました。

実は万斉に見逃され死んでいなかった山崎は、気まずい状況に生きていたと言い出せず、こっそり葬儀を覗いていました。

しかし近藤や隊士たちは居眠りをしたり、スマホをいじったりと全然悲しんでいません。

怒った山崎が、幽霊に扮してみんなを怖がらせてやろうとした矢先、元に戻った土方が葬儀会場に乗り込んできます。

隊員たちは喜んで副長土方の元に集まり、山崎もそのどさくさに紛れて輪に加わります。

万事屋も一件落着したように思っていましたが、結局真選組からも松平からもギャラを受け取っていないことに気づきます。

家賃未払いの万事屋に、大家のお登勢が襲いかかり、一同は必死に江戸の町を逃げ惑うのでした。


(C)空知英秋/集英社 (C)2018映画「銀魂2」製作委員会

映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』の感想と評価


(C)空知英秋/集英社 (C)2018映画「銀魂2」製作委員会

2017年に公開された『銀魂』でもキャストやシークエンスの再現力、常識破りのギャグ連発で原作ファンを唸らせた福田雄一監督の実写版。

本作でもまず「とにかく原作を再現する」ことにものすごく注力しています。

髪型や衣装だけでなく、喋り方や仕草や表情までキャストは全力でキャラを再現しています。

それだけでなく、セリフやシーン展開、また画角やセットまで原作どおり再現して、漫画をそのまま読んでいるかのような気分になるくらいです。

一番の売りのギャグキャラたちだけではなく、シリアスキャラの伊東を演じた三浦春馬、河上万斉役の窪田正孝も台詞回しや表情までほぼ完璧と言える演技で、彼らの信念や闇まで表現し、キャラになりきっています。

予算アップのおかげで迫力のある剣戟や列車アクションなども再現できており、原作ファンは満足できる作品です。

それだけでなく映画オリジナル要素も優れています。

原作ではバラバラだった将軍ギャグ回と真選組動乱編を組み合わせ、松平の見せ場も作りつつ、原作では出てこない近未来的江戸城での銀さんVS万斉のバトルを展開するなどの工夫も面白いです。

そしてなんといっても見所は自由すぎるパロディとメタギャグ。

オープニングから菅田将暉と日本アカデミー賞をイジリ倒し、近藤役の中村勘九郎は歌舞伎ポーズ、神楽役の橋本環奈は千年さんポーズ、佐藤二朗とムロツヨシは原作を一切意識せず、ほぼ本人のままアドリブギャグ連発と、自由すぎる暴れぶりです。

さらにエヴァンゲリオン、ブラックジャック、となりのトトロなど、のパロディを連発し、エンドロールではあの国民的刑事映画のパロディまであります。

有名俳優がパロディキャラになりきったり、実写風景にあのキャラがあえての雑なCGで出てくることによる可笑しみは、実写ならではですね。

まとめ


(C)空知英秋/集英社 (C)2018映画「銀魂2」製作委員会

2017年公開の『銀魂』のヒットを受けて、突貫で作った映画とは思えないクオリティです。

福田雄一監督は『50回目のファーストキス』も大ヒットさせましたし、今日本で最も注目すべきクリエイターの1人です。

先の少年ジャンプで、あと5週間で原作漫画「銀魂」の連載が終わることが発表されました。

しかし、実写の勢いはまだまだ止まりません。

この夏最も笑えて泣ける娯楽映画です。友達と一緒にゲラゲラ笑いながら観てはいかがでしょうか。

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