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韓国映画『黴の花』あらすじ感想と評価解説。キム・ジェギョンとヒョヌのゴミから生まれる異色の恋愛ストーリー|映画という星空を知るひとよ299

  • Writer :
  • 星野しげみ

連載コラム『映画という星空を知るひとよ』第299回

韓国のインディーズ・ジャンル映画の特集上映「ハングル・ニューウェーブ映画祭2026」にて、映画『黴の花』が、2026年7月18日(土)よりCinema KOBE、8月14日(金)よりMorc阿佐ヶ谷にて上映されます。

韓国文学界の権威ある賞を次々と受賞する作家ハ・ソンナンの短編小説『Flowers of Mold』。

韓国のみならず世界中で翻訳・評価されているこの小説を原作に、シム・へジョン監督が映画『黴の花』を作り上げました。

本作は、“SNSで選ばれた写真よりも、捨てられた写真の方がその人を表すのではないか”という着想から生まれ、他人のゴミを手がかりに本当の姿を知ろうとする主人公を描いています。

『黴の花』は、2026年7月18日(土)よりCinema KOBE、8月14日(金)よりMorc阿佐ヶ谷にて上映されます。

【連載コラム】『映画という星空を知るひとよ』一覧はこちら

映画『黴の花』の作品情報


(C)All Rights reserved Sinae film

【日本公開】
2026年(韓国映画)

【原題または英題】
Flowers of Mold

【原作】
ハ・ソンナン

【監督】
シム・ヘジョン

【脚本】
シム・ヘジョン、イ・スジン

【プロデューサー】
キム・スンテ

【出演】
キム・ジェギョン、ヒョヌ、キム・リュルハ、ソ・ユンジ、キム・シニョン

【作品概要】
韓国文学界で数々の賞を受賞してきた作家ハ・ソンナンの短編小説「Flowers of Mold」を原作に、『A Bedsore』(2019)で注目されたシム・ヘジョン監督が映画化。

他人のゴミを拾い集めてファイリングをする主人公ジスを、韓国のガールズグループ「RAINBOW」の元リーダーで現在は俳優として活躍するキム・ジェギョン、ジスの隣人ウジェをテレビドラマ『ロースクール』(2021)のヒョヌが演じています。

全州国際映画祭2023にてCGV賞とWatcha’s Pick長編映画賞をW受賞し、韓国のインディーズ・ジャンル映画の特集上映「ハングル・ニューウェーブ映画祭2026」で上映されます。

映画『黴の花』のあらすじ


(C)All Rights reserved Sinae film

恋愛に深いトラウマを抱えるジス。

「捨てたゴミに本当の姿が表れる」との考えから、他人のゴミを密かに拾い集めてはファイリングするようになりました。

ある日、ゴミ山の中から丁寧に分別されて捨てられたゴミ袋を見つけた彼女は、それが隣人男性ウジェのものだと知りました。

ウジェに興味を持ったジスは、ゴミから得た断片的な情報を手がかりに彼に接近します。

2人は徐々に心を通わせていくのですが、ある夜、ウジェはゴミ袋を手にアパートへ入っていくジスの姿を目撃します。

ジスの部屋までついて行き、ついに彼女の秘密を知ってしまいます……。

映画『黴の花』の感想と評価


(C)All Rights reserved Sinae film

トラウマを抱えて人間が怖いと思う主人公ジスは、周囲の人間の本当の姿を知るために、その人たちが出すゴミを拾い集めてファイリングするようになりました。

そして、とても几帳面にゴミを分別し、死んだ魚は丁寧に包み込んで処分している隣人のウジェに興味を持ちます。

ゴミの出し方、あるいは毎日出しているゴミの中身で、その人の素の私生活や人柄が分かってしまうのは、人に知られたくない秘密を暴かれるようなものです。

それは私生活を覗かれることでもあり、とても怖いし気持ちが悪いです。

個人情報を探るようなものなのに、ジスはそれでその人の本当の姿がわかると信じていました。

本作は、“SNSで選ばれた写真よりも、捨てられた写真の方がその人を表すのではないか”という着想から誕生したそうです。

単なるゴミに執着する主人公ジスは、その捨てられた方に愛着を持ちます。

その人を知るにはゴミを見るのが一番近道と思っているジス。隣人のウジェのことをもっと知りたいと思い、彼の部屋のゴミを徹底的に調べるようになりました。

表だって自分の気持ちを素直に出せない、複雑な恋心を抱くジスを、ガールズグループ「RAINBOW」の元リーダーのキム・ジェギョンが可憐に演じています。

対する物静かで優しいウジェは、韓国のテレビドラマ『ロースクール』(2021)に出演していたヒョヌが好演。

静かに打ち解けていく男女の感情が細やかに映し出される異色の恋愛ストーリーとなっています。

まとめ


(C)All Rights reserved Sinae film

本作は、家庭内から出る「ゴミ」を手がかりに、他者を理解しようとする女性の姿を描いた作品です。

気になる相手の本当の姿をゴミから知ろうとする主人公の恋心は、果たして相手に通じるのでしょうか。また、人間はどうすればお互いを分かり合えるのでしょう。

本当の自分を知ってもらうにはどうすればいいのかと、考えさせられます。

内容的には一種のホラーと言えるのですが、不気味な恋愛感情を美しく演じるキム・ジェギョンとヒョヌに惹き付けられることでしょう。

韓国のインディーズ・ジャンル映画の特集上映「ハングル・ニューウェーブ映画祭2026」にて、映画『黴の花』が、2026年7月18日(土)よりCinema KOBE、8月14日(金)よりMorc阿佐ヶ谷にて上映されます。

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星野しげみプロフィール

滋賀県出身の元陸上自衛官。現役時代にはイベントPRなど広報の仕事に携わる。退職後、専業主婦を経て以前から好きだった「書くこと」を追求。2020年よりCinemarcheでの記事執筆・編集業を開始し現在に至る。

時間を見つけて勤しむ読書は年間100冊前後。好きな小説が映画化されるとすぐに観に行き、映像となった活字の世界を楽しむ。


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