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【ネタバレ】アメリカン・グラフィティ|あらすじ感想と結末の評価考察。ジョージ・ルーカス監督が60年代の古き良きアメリカを舞台に紡ぐ青春群像劇

  • Writer :
  • 谷川裕美子

昔懐かしい青春が胸を打つ傑作

「スター・ウォーズ」シリーズの巨匠ジョージ・ルーカス監督の出世作。1960年代初めのカリフォルニアを舞台に、4人の若者たちが過ごす一夜をロックンロールの名曲の数々に乗せて描いた青春群像劇です。

後に名監督となったロン・ハワード、『ジョーズ』(1975)のリチャード・ドレイファスらが出演。無名時代のハリソン・フォードも出演しています。

素晴らしいロックンロールに乗せて描かれる、若者達の熱い情熱がほとばしる青春ドラマです。

映画『アメリカン・グラフィティ』の作品情報

【公開】
1974年(アメリカ映画)

【監督】
ジョージ・ルーカス

【脚本】
ジョージ・ルーカス、グロリア・カッツ、ウィラード・ハイク

【編集】
バーナ・フィールズ、マーシア・ルーカス

【キャスト】
リチャード・ドレイファス、ロン・ハワード、ポール・ル・マット、チャールズ・マーティン・スミス、キャンディ・クラーク、シンディ・ウィリアムズ、マッケンジー・フィリップス

【作品概要】
「スター・ウォーズ」シリーズで知られる巨匠ジョージ・ルーカス監督作品。1960年代初めのカリフォルニアを舞台に、それぞれの旅立ちを前にした4人のティーンネージャーたちの一夜の青春を描きます。数々のロックンロールの名曲も必聴です。

『ビューティフル・マインド』(2002)の名監督ロン・ハワードがスティーブ役、『ジョーズ』のリチャード・ドレイファスらが出演。

無名時代の、「スター・ウォーズ」シリーズや「インディ・ジョーンズ」シリーズの人気俳優、ハリソン・フォードも出演しています。

映画『アメリカン・グラフィティ』のあらすじとネタバレ

1962年、カリフォルニア北部の小さな街モデスト。高校を卒業したばかりのカートとスティーブ、1学年下のテリーと年上のビッグ・ジョンの4人は、それぞれの愛車でいつもの溜まり場に集まりました。

カートとスティーブは大学に進学するため、翌朝に故郷を出る予定でしたが、カートはまだ進路をためらっていました。スティーブはカートの妹のローリーと付き合っていますが、進学したら羽を伸ばそうと考えています。

クーペでのカー・レースでのジョンの強さは誰もが知るところでした。今夜は彼に勝負を挑もうという55年型シボレーが彼を探しています。

自動車を持っていないテリーに、スティーブは当分使わない愛車を貸してやることにしました。テリーは喜んで、早速街に繰り出します。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには映画『アメリカン・グラフィティ』ネタバレ・結末の記載がございます。映画『アメリカン・グラフィティ』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

カート、スティーブ、ローリーは母校の体育館で行われるダンスパーティーに向かいました。その途中でカートは白い車に乗ったブロンド美女を見かけて一目惚れします。スティーブとローリーはパーティーで愛を確かめ合います。

ジョンは車から女の子たちに声をかけますが、まだ13歳のキャロルを押し付けられてしまいました。

一方、テリーはかわいいデビーのナンパに成功し、車に乗せます。自分は大金持ちだと嘘を言って気に入られましたが、郊外で車を降りていちゃついている間に車を盗まれてしまいました。

一人で街をぶらついていたカートは、不良グループ「ファラオ団」の3人組に車を傷つけたと因縁をつけられ、車に乗せられてしまいます。その後、パトカーの後輪を吹き飛ばす大仕事をしてのけてから、カートはやっと解放されました。

スティーブとローリーは郊外で車を停めて二人で過ごしていましたが、体ばかり求めるスティーブにローリーは激怒し、彼を車から叩き出します。

街に戻ったローリーは、知らない男の55年型シボレーに乗ってしまいます。彼はジョンに勝負を挑もうとしているボブ・ファルファでした。

盗まれた車が駐車場に停めてあるのを見つけたテリーは取り返そうとしますが、犯人の2人組に見つかり殴られます。キャロルを家に送り届けたジョンが偶然通りかかり、テリーを助けてやりました。

ボブの車にローリーが乗っているという噂を聞いたスティーブは、テリーに貸していた車を奪うように返して貰い走り出しました。

テリーはデビーに自分は大金持ちではなく、本当は自動車も持っていないことを正直に話します。デビーは楽しかったと言い、また会う約束をして帰っていきました。

カートは、ウルフマン・ジャックにラジオでサンダーバードの美女へのメッセージを送ってもらおうと、ラジオ局に向かいました。機器を操作していたひげの男は、放送はすべて録音されたものだと話します。

男は、外の世界は素晴らしいとアドバイスし、すぐに連絡して番組で流してやると言いました。礼を言って別れてからカートが部屋の中をのぞくと、マイクに向かって叫んぶひげ男の声はウルフマン・ジャックその人のものでした。

ラジオから、サンダーバードの美女宛てに、カートと公衆電話で話すようにというメッセージが流れます。

ジョンを見つけたボブがレースを挑みました。その噂を聞きつけた若者達は、パラダイス・ロードにレースを見るために集まってきます。

明け方、レースが行われましたが、ボブの車が横転・炎上してしまいました。助手席にいたローリーは危ない所を逃げ出し、駆けよったスティーブに抱きついて「私を置いて行かないで」と泣きつきます。二人はかたく抱きあいました。

炎上する車を呆然と見つめるボブ。しかし、ジョンは自分は負けたのだとテリーに話します。

カートは、ラジオのメッセージを聞いたサンダーバードの美女と公衆電話で話ができました。しかし、彼女は名も告げずに電話を切ってしまいます。

カートは街を離れて進学する決意をしました。残ることを決めたスティーブは、ローリーと一緒に空港でカートを見送ります。テリーとジョンも見送りに駆けつけました。

飛び立つ飛行機の窓から、白いサンダーバードが走っているのが見えました。

それから。ジョンは64年に飲酒運転の男にひき殺され、テリーは65年ベトナムの戦闘で行方不明になりました。スティーブは保険会社に勤務し、カートは作家となってカナダに住んでいます。

映画『アメリカン・グラフィティ』の感想と評価

若者たちのパッションに圧倒される名作

明日を手にしようともがくティーンネージャーたちのパッションが胸を打つ青春映画です。オールディーズ音楽が生み出す郷愁、情熱と涙、ほろ苦い思いがないまぜになった極上の世界感にはまってしまうことでしょう。

カートとスティーブは明日に大学進学を控えた優等生です。年上でちょっと不良のジョンと、年下の間抜けで頼りないテリーとは昔からの友だち。カラーの違う彼らが、強い友情でつながっていることが伝わってきます。

この田舎を飛び出さねばならないと考え、進学を決心しているスティーブに対し、カートはなかなか進学の決心がつかずにいます。進学前の最後の夜、二人はそれぞれに迷いを持ちながら町をさまよいます。面白いことに、進学をなかば決めていたはずのスティーブが結局出発をとりやめ、進学を渋っていたカートが旅立つ選択をします。気持ちが揺れ動く様がとてもリアルです。

カートが決心したのは、謎のブロンド美女に一目惚れし、名前も分からないまま終わりを迎えたことでした。彼が一気に大人になっていく様は感動的です。

後に『ビューティフル・マインド』(2002)『ダ・ヴィンチ・コード』(2006)をヒットさせた巨匠ロン・ハワードが、恋人ローリーと進学の間で揺れるスティーブを繊細に演じています。必見です。

一方、車の飛ばし屋のジョンは、警察に目をつけられ、スピード自慢の男にも追いかけ回されます。ジョンに車のレースを挑んだのは、当時無名だったハリソン・フォードが演じるボブです。ハリソンのギラギラした瞳はとても印象的で、隠しきれないオーラがあふれ出ています。

一番頼りなかったテリーは、本当の恋に巡り会います。

ギュッと濃縮された青春がつまったかけがえのない一夜。その煌めきと、ラストに語られる4人のその後は残酷なほど対照的です。二度とは戻らない時だからこそ尊いことを教えられます。

最高に魅力的な女の子たち

主人公は少年達ですが、キュートな女の子たちもとびきり魅力的に描かれます。

カートの妹ローリーはスティーブと恋人同士です。彼の大学進学を前にブルーになっています。スティーブを大事に思うがゆえに一線を越えようとしない一方、突然見知らぬ男ボブの車に乗り込むなど無茶なところもある女の子です。最後は素直にスティーブの胸に飛びこみ、彼を引き留めます。

テリーがナンパしたデビーは、ジェニー人形のようなレトロなファッションがよく似合うとびきりチャーミングな女の子。テリーの目が釘付けになったのも無理はありません。お金持ちだというのは嘘だとしょんぼり告白するテリーを、一緒にいて楽しかったと言って慰めます。人の本質を素直に見ることのできる素敵な女の子です。

ジョンが押しつけられた13才のキャロルは、おしゃまで背伸びしたい少女です。結局は彼の企みに乗せられて体よく追い払われてしまうのですが、純粋でかわいい瞳がジョンの心を翻弄します。

カートが一目惚れしたブロンド美女は、最後まで謎めいた魅力を振りまきます。電話口の低くてハスキーな声も素敵です。ラジオのリクエストに応えてカートに電話してくるところには、やさしさがうかがえます。

どの女性も、少年達の人生に強い影響を与え続けることでしょう。

まとめ

特別な一夜を通して少年少女の成長と輝きを強烈に映し出す名作『アメリカン・グラフィティ』。名匠ジョージ・ルーカスが「自らの物語だ」と語るほどにリアルなストーリーは、今尚多くの人々の心を魅了し続けています。

「輝いていたあの頃」の記憶。国や国境に関係なく、誰もが郷愁を感じ、自らの青春に思いを馳せずにはいられない名作です。



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