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Entry 2025/10/11
Update

『アメリアの息子たち』感想評価と考察。血のつながりを超えたおぞましい狂気が襲いかかるマザコンホラー

  • Writer :
  • 菅浪瑛子

『アメリアの息子たち』は、2025年10月25日(土)渋谷シアター・イメージフォーラムで劇場公開!

“家族”とは、もっともおぞましい呪いだった──。触れるな。近づくな。これは正気を削る、鬼畜ONIBABAホラー。

実の親を探すエドは、DNAキットで自分の母と生き別れた弟の存在を知ります。

恋人のライリーと共にニューヨークからポルトガル北部の山奥へと旅立ち、母・アメリアと弟・マヌエルとの再会を果たします。

しかし、エドは血のつながりを超えた“おぞましい真実”とその土地の“忌まわしき過去”を知ってしまいます。


(C)2023 – ARTIFICIAL HUMORS.

『ディアマンティーノ 未知との遭遇』(2019)で第71回カンヌ国際映画祭で国際批評家週間グランプリを受賞した、彫刻家・造形作家などマルチな才能を持つガブリエル・アブランドスによる長編最新作。

おぞましい家族の血の因縁に巻き込まれるエドの恋人・ライリー役を演じたのは、A24の話題作『テレビの中に入りたい』(2025)などで注目されるジャック・ヘヴン(本作には改名前の​​ブリジット・ランディ=ペインで出演)が務めました。

また、『ポルトガル、夏の終わり』(2020)のカルロト・コッタが一人二役でエドと双子の弟・マヌエルを演じました。

映画『アメリアの息子たち』の作品情報

【日本公開】
2025年(ポルトガル映画)

【原題】
Amelia’s Children

【監督・脚本・プロデューサー】
ガブリエル・アブランドス

【プロデューサー・編集】
マルガリーダ・ルーカス

【撮影監督】
ヴァスコ・ヴィアナ

【美術監督】
パウラ・サボ

【音楽】
ガブリエル・アブランドス

【キャスト】
ジャック・ヘヴン、カルロト・コッタ、アナベラ・モレイラ、アルバ・バプティスタ、リタ・ブランコ

【作品概要】
『ディアマンティーノ 未知との遭遇』(2019)で第71回カンヌ国際映画祭で国際批評家週間グランプリを受賞した、彫刻家・造形作家などマルチな才能を持つガブリエル・アブランドスによる長編最新作。

スペインの画家ゴヤの名画に着想を得て、宗教・政治・ジェンダーといったテーマを横断したおぞましいホラー映画『アメリアの息子たち』は、数多くのホラー映画作家を輩出してきたフランス・ジェラルメ国際ファンタスティカ映画祭で見事グランプリを受賞しました。

エドの恋人ライリー役を演じたのは『テレビの中に入りたい』(2025)のジャック・ヘヴン。ジャック・ヘヴンは、ノンバイナリーであることをカミングアウトし、その後ブリジット・ランディ=ペインからジャック・ヘヴンに改名しました。(本作には改名前の​​ブリジット・ランディ=ペインで出演)

映画『アメリアの息子たち』のあらすじ


(C)2023 – ARTIFICIAL HUMORS.

ニューヨークに暮らす青年エドは、誕生に贈られたDNAキットをきっかけに、かつて失われた「家族」の存在を知ります。

そして、恋人のライリーと共に、母・アメリアと“もうひとりの自分”──生き別れた双子の弟・マヌエルに会いにポルトガルへと旅立ちます。

たどり着いたのはポルトガル北部の森の奥に佇む、どこか異様な空気が漂う古びた大邸宅でした。

再会を果たしたマヌエルでしたが、整形を繰り返したような異様な風貌で老いを隠すように施されたメイク……どこか妖しげな雰囲気の母・アメリアに動揺します。

そんな母のことを心から愛し服従する異様な親子関係にも、エドとライリーは戸惑います。

違和感からアメリアのことを警戒するライリーと取り込まれていくエド。2人は恐るべき家族の血の秘密と真実を知ってしまいます。

闇と狂気が襲いかかり、おぞましさに震える92分。見てしまったら最後、戻れなくなるでしょう。

映画『アメリアの息子たち』の感想と評価


(C)2023 – ARTIFICIAL HUMORS.

“家族”とは、もっともおぞましい呪いだった──。血のつながりを超えたおぞましいホラー『アメリアの息子たち』。

スペインの巨匠・ゴヤの絵画に着想を得た本作は、アメリアの邸宅を中心にゴシックホラーのような重要な様式美、重苦しくじとっとした闇が包み込みます。

映画監督だけでなく、彫刻家・造形作家などマルチな才能を持つガブリエル・アブランドスのこだわりが垣間見得ます。

強烈なアメリアというキャラクターも印象的です。『犬の裁判』(2025)などのアナベラ・モレイラが特殊メイクで挑んだアメリアというキャラクターには、人々は忌避するおぞましさを感じさせます。

そんなアメリアは、美や老い、愛情……様々なものを手放せない、執着している人物です。

しかし、見ている観客の多くの人にとってアメリアの姿は、異常な人物、滑稽だと切り捨てられないのではないでしょうか。

それは、アメリアが失うことを恐れているものは、私たちが失いたくないと思っているものとそう変わらないからなのです。

アメリアという人物が持つ恐ろしさ、おぞましさ……しかし、その奥にある複雑さを感じることができるでしょう。

まとめ


(C)2023 – ARTIFICIAL HUMORS.

2025年10月25日(土)渋谷シアター・イメージフォーラムで劇場公開される映画『アメリアの息子たち』。

『ディアマンティーノ 未知との遭遇』(2019)で第71回カンヌ国際映画祭で国際批評家週間グランプリを受賞した、彫刻家・造形作家などマルチな才能を持つガブリエル・アブランドスによる長編最新作であり、初のホラー映画となります。

様々なジャンルを縦横したゴシックホラーである本作は、インパクトのあるアメリアのビジュアルに象徴されるような老婆をモチーフとしたホラー映画とも言えます。

なぜ人は老いに恐怖を抱くのか、それは近づいてくる“死”の気配を感じたくないからなのでしょうか。

身の毛もよだつ恐怖の根底にあるものを感じさせるホラー映画になっています。




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