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短編オムニバス映画『おっさんずぶるーす』あらすじ感想と評価レビュー。“映画監督七人のおっさん”が人生の違和感を描く⁉︎

  • Writer :
  • 谷川裕美子

おっさんが抱く“違和感”を映像化

「今のおっさん世代が抱えている“違和感”」を共通のテーマに、いわゆる「おっさん」世代の男性監督が、同じく「おっさん」の男性俳優を主演に撮った短編7作品を集めたオムニバスです。

7人の監督によるバリエーション豊かな悲喜こもごものヒューマンドラマが綴られます。

本作に登場するのは、レンタルおじさんに夢追い人、特撮好き、生まれ変わったら便器になってたおっさんなど、様々なタイプのおっさんたち。それぞれが向き合う人生が魅力的に描かれます。

映画『おっさんずぶるーす』の作品情報


(C)おっさんずぶるーすパートナーズ

【公開】
2022年(日本映画)

【監督】
前田直樹、真田幹也、荒木憲司、西村大樹、越坂康史、中村公彦、細野辰興

【脚本】
難波望、真田幹也、荒木憲司、西村大樹、高橋祐太、越坂康史、中村公彦、細野辰興、齋藤萌

【キャスト】
藤井太一、森累珠、松田未来、仁科貴、松浦祐也、朝比奈加奈、江島卓、鈴木柚里絵、アマタニキヨシ、泊帝、若林美保、いずみ尚、高橋信二朗、範田紗々、林和哉、相馬絵美、大塚祐也、田山由起、大河原紗礼、田中要次

【作品概要】
7人のおっさん監督が、おっさん俳優を主演に据えて日本映画界に一石を投じるオムニバス企画。

全作品共通のテーマは、おっさんたちが抱える「違和感」。様々な切り口で「人生」や「社会」への違和感を描きます。

映画『おっさんずぶるーす』のあらすじ

前田直樹監督×藤井太一主演『21世紀のおじさん』


(C)おっさんずぶるーすパートナーズ

一生懸命生きてきたのに、会社でも家庭でも窓際族の坂上繁は、一念発起して「おっさんレンタル業」を始めました。

依頼人の若者・山岸新や谷口美咲の役に立とうと、坂上は奮闘しますが…。

真田幹也監督×仁科貴主演『オファーを待ちながら』


(C)おっさんずぶるーすパートナーズ

50歳を過ぎても夢を追っている、売れない役者の風祭豊は、チラシ代も借金して、人生の一発逆転を狙った一人芝居を企画します。

そして迎えた本番。スタッフの佐久間や南らが見守る中、豊に異変が起こり…。

荒木憲司監督×江島卓主演『全く最近のおやじモンときたら…』


(C)おっさんずぶるーすパートナーズ

特撮やフィギュアなど、昔は少年少女のものだったものに興じる50歳の大人など今や珍しくない時代。

そんな大人のアキラは、友達のアズマ、妻のアケミ、娘のアカネと一緒に仲良く昔の特撮番組を観ていました。しかしそれは、地球外知的生命体が仕掛けた実験で…。

西村大樹監督×泊帝主演『たそがれのあとに』


(C)おっさんずぶるーすパートナーズ

文学賞の受賞経験もある純文学作家・石野賢二。出版不況により仕事が激減し、支えてくれていた妻の奈々や娘の千鶴とは別居中です。

そんな時、編集者の芦塚からライトノベルへの転向を勧められました。賢二の心は揺れ動きますが…。

越坂康史監督×高橋信二朗主演『トイレのおっさん』


(C)おっさんずぶるーすパートナーズ

部長の高野山真一は、50歳になってもいまだに性的な妄想を抱いていました。

ある日電車の中で美しい女性・ソフィーに出逢い胸をときめかせますが、真一は事故で死んでしまいます。

目覚めると、真一は会社の女子トイレの便器になっており…。

中村公彦監督×林和哉主演『カリスマハウス』


(C)おっさんずぶるーすパートナーズ

八神保夫は、自宅の庭で見知らぬ男・甲斐賢人が変死する現場に出くわします。甲斐はカリスマ的な人気を持つミュージシャンでした。

やがて、甲斐の死を悼むファンたちが八神の家を訪れるようになります。彼らとの交流によって八神も変化していき…。

細野辰興監督×大塚祐也主演『謎乃中年認定壱拾箇条』


(C)おっさんずぶるーすパートナーズ

イベント会社に勤める佐藤漢と加藤玲子は、同期入社でアラフォーの中間管理職。
二人は会社が「年齢ではなく『おじさん』に該当する人の退職を促している」という噂を耳にします。

更に、後輩の大庭久美に「会社の経理に『使途不明金』がある」と相談されて…。

映画『おっさんずぶるーす』の感想と評価

「おじさん」「おっさん」という言葉に何を感じますか? どことなくもの悲しい響きを感じる人も多いのではないでしょうか。

そんなおじさんの悲哀と共に、おじさんの良さもギュッと濃縮されて伝わってくるオムニバス作品です。

登場するのは実に様々なタイプのおっさんたちで、胸温まる作品もあれば、あまりのシュールさに驚かされる作品もあり。とてもバラエティに富んだラインナップとなっています。

総じて観ると、自分の娘は、やはりおじさんにとってとても大きい存在のようです。娘との関係を改善したいという思いや、娘からのひと言に背中を押されるおっさんが何人か出てきます。また、強い妻の存在に支えられているおじさんもリアルに描かれます。

不遇の時代が長くても、いざとなると立ち上がる力を持っているのも、おっさんならではのパワーといえるかもしれません。それなりに人生を渡ってきた経験や知識が、年の功となって彼らを支えてくれるのでしょう。

じんわり胸が熱くなる作品に、思わずクスリと笑ってしまう作品など、色とりどりの作品群をどうぞたっぷりお楽しみください

まとめ


(C)おっさんずぶるーすパートナーズ

様々なタイプのおっさんの物語が楽しめる『おっさんずぶるーす』おっさん世代の監督ならではの温かくシニカルな視線で、リアルに描かれます

自分に似たタイプを見て身につまされたり、こんなおっさんにだけはなりたくないと思ったりと、様々な感情に身を任せながら楽しんでください。




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