Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ヒューマンドラマ映画

Entry 2024/10/16
Update

映画『ひとつの空』あらすじ感想と評価解説。池上紗理依が空手女子高生という格闘家を演じて“生き方”を問う

  • Writer :
  • 谷川裕美子

映画『ひとつの空』は2024年10月29日(火)より大阪・扇町キネマにて上映。

思春期特有の悩みを抱えた女子高生が空手を通して成長していくアクション映画『ひとつの空』が2024年10月29日(火)より大阪・扇町キネマ、11月1日(金)より洲本オリオン、11月16日(土)と11月17日(日)の2日間上映で神戸映画資料館にて公開されます。

監督・脚本は遠藤一平。池上紗理依と白本彩奈がメインキャストを務めるほか、藤岡弘、、加藤雅也、宮内洋らベテラン勢が脇を固めます。

いじめをきっかけに周囲を信じられなくなり放浪するようになった主人公の莉子。彼女が空手によって再生していくさまを描く本作の魅力をご紹介します。

映画『ひとつの空』の作品情報


(C)株式会社ボーダレスナイン

【公開】
2024年(日本映画)

【監督】
遠藤一平

【脚本】
遠藤一平、めぐみ千尋

【キャスト】
池上紗理依、川本淳市、白本彩奈、三木崇史、秋山真太郎、豊田博臣、一条貫太、加藤雅也、宮内洋、藤岡弘、

【作品概要】
遠藤一平監督が「空手しかない、独自の優しさ」を表現し、思春期特有の悩みを抱えた女子高生が空手を通して成長を遂げていくという複雑な心情をリアルに描いた空手アクションドラマ。

ヒロインの横倉莉子を、「ミスヤングチャンピオン」でグランプリ受賞経験がある池上紗理依が演じます。ライバルの新堂愛羅は、石井岳龍監督『箱男』(2024)出演で話題の白本彩奈。

特別出演に、藤岡弘、、加藤雅也、歌手の一条貫太。藤岡弘、と宮内洋の初期仮面ライダーシリーズ主役2人が揃っての出演も話題となりました。

映画『ひとつの空』のあらすじ


(C)株式会社ボーダレスナイン

高校3年生の横倉莉子は、憧れの先輩・松田樹をめぐって、親友の新堂愛羅の嫉妬によっていじめの標的にされてしまいます。

不登校になった莉子は家を飛び出し、不良の青年・生川悠斗に拾われ放浪します。そんな中、偶然空手の使い手である正田健吾と出会いました。

樹と愛羅が空手の大会に出ることを知った莉子は、自分も空手の試合に出場して見返してやろうと思い立ち、正田に弟子入りを志願します。正田は粘り強い莉子に根負けし、指導するようになりました。

空手の稽古を重ねるうちに、莉子は自分が失っていたものを取り戻していきます。そして大会当日、莉子と愛羅の試合が始まりますが…。

映画『ひとつの空』の感想と評価


(C)株式会社ボーダレスナイン

心身ともに放浪していたひとりの女子高生が、空手を通して自分を取り戻し、歩むべき道を見つけていくさまを描くヒューマンドラマです。

ヒロインの莉子は、親友・愛羅にいじめられるようになったことから何を信じれば良いのかわからなくなり、家出してしまいます。彼女を拾ったのは、不思議な雰囲気を持つ不良青年・悠斗でした。莉子は今まで知らなかった世界を放浪します。

二人でいる時は優しかった悠斗でしたが、周囲に対してはとても暴力的な男でした。悠斗が起こしたトラブルをきっかけに、空手家の正田健吾と出会った莉子は、空手大会に出て愛羅を倒したいという一心で弟子入りして稽古に励むようになります。

弱気と勝気が混在したような現代っ子の莉子のキャラクターや正田の過去の傷、愛羅のいじめっ子気質に悠斗の複雑な人物像など、興味深い要素が盛り込まれています。一筋縄ではいかないストーリーから目が離せなくなるに違いありません。

予想斜め上をいく展開に加え、藤岡弘、、加藤雅也というビッグネームふたりにも注目です。どこかファンタジックな役どころを演じ、本作の味わいを深めています

正田という男もまた、莉子にとってはファンタジーの世界にいる妖精のような存在だったといえるかもしれません突然現れた正田は、空手の素晴らしさを莉子に教え、空手を通して彼女の魂を再生させていきます。

何か心から打ち込める何かを見つけられたら、ほんの数ヶ月で人は生まれ変われるのかもしれないと思わせてくれる作品です。

まとめ


(C)株式会社ボーダレスナイン

魂が彷徨っていた少女が、空手との出会いによって地に足をつけて未来へと歩き出すさまを描いた『ひとつの空』。

悩み苦しむ中で、何かに対して一心不乱に打ち込み、自分の道に一歩踏み出すことの尊さを教えてくれます

青春アクション映画『ひとつの空』は2024年10月29日(火)より大阪・扇町キネマ、11月1日(金)より洲本オリオン、11月16日(土)と11月17日(日)の2日間上映で神戸映画資料館にて公開です。



関連記事

ヒューマンドラマ映画

映画『私は確信する』感想評価と解説レビュー。実話のヴィギエ事件を法廷サスペンスに仕上げた未解決ミステリー!

映画『私は確信する』は2021年2月12日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー。 映画『私は確信する』は、妻の失踪事件から10年間殺害容疑をかけられた夫の裁判を描 …

ヒューマンドラマ映画

『モーリタニアン/黒塗りの記録』感想解説と考察評価。実話をもとに政府の隠ぺいした事実に挑む弁護士

映画『モーリタニアン/黒塗りの記録』は、2021年10月29日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開! 2001年9月11日に起きた、アメリカ同時多発テロ。 このテロの首謀者とされ、不当拘 …

ヒューマンドラマ映画

【ネタバレ】『首都大地震』あらすじ結末感想と評価解説。ディザスタームービーおすすめ!自然災害のパニックに生き延びろ⁈

全米が激震した!驚異のディザスター・パニック大作! ジェフ・ミードが脚本・監督を務めた、2023年製作のアメリカのディザスター・パニック映画『首都大地震』。 アメリカが、崩壊する。 アメリカ・ワシント …

ヒューマンドラマ映画

アンジェイ・ワイダ映画『死の教室』あらすじネタバレ結末と感想評価の考察【タデウシュ・カントルの舞台記録】

アンジェイ・ワイダ監督の隠れた名作『死の教室』。 2019年開催のポーランド映画祭にて上映された名作のひとつが、巨匠アンジェイ・ワイダ監督の『死の教室』。 ポーランドの前衛演劇家タデウシュ・カントール …

ヒューマンドラマ映画

【ネタバレ】怪物|映画あらすじ結末感想と考察評価。是枝裕和×坂元裕二タッグ作の“解説キーワード”を解く

是枝裕和×坂元裕二×坂本龍一の第76回カンヌ国際映画祭脚本賞受賞作『怪物』をご紹介 映画『怪物』は、『万引き家族』(2018)でカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した是枝裕和監督が、映画『花束みたいな …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学