リーアム・ニーソン主演で贈るリアルタイム・サスペンス!
ニムロッド・アーントルが監督を務めた、2023年製作のイギリス・アメリカ・フランス合作のリアルタイム・サスペンス映画『バッド・デイ・ドライブ』。
金融ビジネスマンのマットは子供たちを学校に送るため、自慢の新車のシートに腰を下ろし車を走らせます。
すると非通知の着信が入り、声の主は「その車に爆弾を仕掛けた。車を降りても通報してもいけない。これから言う指示に従わなければ爆破する」と告げてきたのです。
犯人の正体、目的、要求も分からないままドライブを続けるマット。その行く先々で同僚たちの車が爆破されていき…。
映画『バッド・デイ・ドライブ』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
映画『バッド・デイ・ドライブ』の作品情報
【公開】
2023年(イギリス・アメリカ・フランス合作映画)
【脚本】
クリストファー・サルマンプール
【監督】
ニムロッド・アーントル
【キャスト】
リーアム・ニーソン、ノーマ・ドゥメズウェニ、リリー・アスペル、ジャック・チャンピオン、エンベス・デイビッツ、マシュー・モディーン
【作品概要】
『プレデターズ』(2010)のニムロッド・アーントルが監督を務めた、イギリス・アメリカ・フランス合作のリアルタイム・サスペンス作品。
ドイツや韓国でもリメイクされたスペイン映画『暴走車 ランナウェイ・カー』(2015)の英語リメイク版です。
「96時間」シリーズのリーアム・ニーソンが本作の主演を務め、主人公の妻のヘザー役を演じる『マチルダ』(1996)のエンベス・デイビッツと、『シンドラーのリスト』(1993)以来30年ぶりの共演となります。
映画『バッド・デイ・ドライブ』のあらすじとネタバレ
いつもと変わらないドイツ・ベルリンの朝。金融ビジネスマンのマット・ターナーは、子供たちを学校に送るため、自慢のベンツの黒のSUVの新車(10万ユーロする)の本革シートに腰を下ろしました。
そして上司であり親友でもあるアンダース・ミュラーの指示で、顧客のカール・アンガーと仕事の話をしつつ、車を走らせます。
カールとの電話を終えたマットのもとに非通知の着信が入り、声の主は「車の座席の下に爆弾を仕掛けた。電話を切ったり車を降りたり、これから言う指示に従わなかったりすれば爆破する」と言ってきたのです。
犯人の正体、要求、目的のすべてが不明のまま、マットは戸惑いながらもドライブを続けます。
ドライブ中、マットは運転席の下に仕掛けられた爆弾と、犯人の言葉通りこちらを監視・尾行する不審なバイクが後ろにいるのを確認しました。
最初の指示は、子供たちの携帯電話を没収し窓から投げ捨てること。マットはその指示に従うふりをしてわざと車を停めて後ろのバイクにぶつかります。
しかし犯人だと思っていたバイクの運転手は、マットの息子ザックの彼女ミラでした。マットは反発する子供たちに、車に爆弾が仕掛けられていることを告げて携帯電話を没収。運転席の窓から投げ捨てました。
2つ目の指示は、犯人が指定された場所へ向かうこと。マットの車がそこに到着すると、近くに彼の同僚シルヴァンが運転する車がありました。
シルヴァン曰く、彼の車にも爆弾が仕掛けられており、犯人からここでマットを待つよう指示されたのだと言います。
同乗していた女性はひどいパニック状態になっており、近くにいた警官に声を掛けられた瞬間、シルヴァンの制止を振り切り、車から降りてしまいました。
その瞬間、シルヴァンの車は爆破され、マットの目の前で3人とも殺されてしまいました。
その光景に愕然とするマットに、犯人から次の指示が飛んできます。マットの妻ヘザーに電話をかけ、彼が公園近くに借りている地元銀行の金庫を開けさせろ、とのことでした。
マットはヘザーに電話を掛けるも応答がなく、彼女と一緒にいる女性クリスティーナに電話をかけました。するとクリスティーナから、「ヘザーは今離婚弁護士のところにいる」との知らせが…。
マットはそのことにショックを受けつつ、その離婚弁護士の事務所に電話をかけ、ヘザーに事情を説明。地元銀行の貸金庫を開けて欲しいと頼みます。
ヘザーが地元銀行から出てくるのを待つ間、マットはニュースを見て驚愕しました。なんとマットの同僚で、ヘッジファンド「ナナイト・キャピタル」の上級役員ピルス・グローガーがシルヴァンと同様、車を爆破され殺されたこと。
しかも第二の爆破現場にいた自分が爆破犯と疑われ、ユーロポール(欧州警察機関)のアンジェラ・ブリンクマン率いる捜査チームがその行方を追っていると報じられていたのです。
マットは地元銀行から出てきたヘザーと電話し、助手席に5万ユーロの金を置いて立ち去るよう言いました。
すると犯人は、ベンチに座る青いスーツの男に金を渡せと伝えろと、指示の変更を言い渡してきたのです。
マットに言われ、ヘザーが青いスーツの男に金を渡した瞬間、ユーロポールの警官たちが2人を連行しました。犯人がユーロポールに通報したからです。
4つ目の指示は、アンダースに会い、彼とマットがドバイに隠してある投資家たちの金、2億800万ユーロを緊急口座から現金化して引き出すこと。
アンダースがいる場所へ向かっている途中、ヘザーの携帯電話からマットに電話がかかってきます。電話の相手は彼女を保護したアンジェラでした。
マットはアンジェラに事情を話し身の潔白を訴えました。そして携帯電話の電波を切るよう頼みます。
写真に撮った爆弾の起爆装置に携帯電話が使われており、電波がないと起爆しない設計だと分かったからです。
映画『バッド・デイ・ドライブ』の感想と評価
本作の主人公マットは、仕事人間で家族との時間を疎かにしてしまったばっかりに、作中では爆弾が仕掛けられた車に同乗する子供たちや、巻き込んでしまった妻との不和が生じてしまいます。
ゆえにマットは命の危機だけでなく、家庭崩壊の危機も迎えてしまうのです。
妻が離婚弁護士のところにいると知らされた時のマットのショックを受けた表情は、観ているだけで胸が苦しくなります。
また、両親が離婚するかもしれないと知った時のエミリーとザックの動揺っぷりと涙を流すほどのショックは、両親が離婚した経験がある視聴者に特に共感できることでしょう。
その一方で、作中で巻き起こる爆発事故はどれも迫力があり、その凄惨さを体感できます。
特にマットとその家族、アンダースの私利私欲のために巻き込まれたシルヴァンらマットの同僚とその関係者に襲いかかる、正体も目的も要求も分からない犯人に生殺与奪の権理を握られる恐怖は計り知れません。
終始ハラハラドキドキさせられるので、物語がどう展開していくのか目が離せません。
それに、マット役を演じたリーアム・ニーソンの演技力はもちろん、さすが「最強の親父」の称号を持つほどの頼り甲斐のある父親っぷりが格好良くて惚れ惚れします。
まとめ
「96時間」シリーズで「最強の親父」の称号を手中に収めた演技派アクション俳優、リーアム・ニーソン。
映画出演101本目となる本作で演じるのは、仕事と家庭の両立を図る金融ビジネスマンのマット。しかもこれまで出演してきた作品とは違い、マットは人生最悪の日を迎えるハメになったノンスキルの一般人です。
次第にエスカレートしていく謎の爆破犯からの要求、行く先々で起こる同僚たちの車の爆発に予期せぬトラブル、そのすべてがリアムタイムで進行されていくためとてもハラハラドキドキさせられます。
子供たちの手前、何とか平静を装い事件解決の糸口を探るマット。対して、物語の終盤で姿を現した爆破犯のアンダースは、隠し口座にある大金を手に入れるために、自分に長年尽くしてきてくれた彼を裏切り、自分の悪事を知る彼の同僚を爆殺するというとんでもなく身勝手で狡猾な男。
そんなマットとアンダースの最終対決と、爆弾が仕掛けられた車でのドライブ、マットたち家族の家庭崩壊の危機が見どころとなっているこのリアルタイム・サスペンス映画をぜひ一度観てみてください。