Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

新作映画ニュース

映画『大きな家』あらすじ/公開日/上映館。齊藤工プロデューサーによる児童養護施設の“ふつうの日常”とは⁈

  • Writer :
  • 大塚まき

映画『大きな家』12月6日先行、12月20日全国順次公開決定!
本ビジュアル・本予告映像も解禁

竹林亮監督、齊藤工が企画・プロデュースする映画『大きな家』(配給:PARCO / 製作:CHOCOLATEInc.)が、2024年12月6日(金)より渋谷・ホワイトシネクイント、大阪・TOHOシネマズ梅田、名古屋・センチュリーシネマにて先行公開、12月20日(金)より全国にて順次公開となります。


(C)CHOCOLATE

このたび本編予告映像と本ビジュアルが解禁、主題歌はハンバート ハンバートのオリジナル楽曲「トンネル」と決定しました。

映画『大きな家』について

監督は、中学2年生1クラス全員に密着した青春リアリティ映画『14歳の栞』で注目を浴びた竹林亮

企画・プロデュースを担ったのは、俳優としても第一線で活躍する齊藤工

齊藤が、約4年前に訪れたとある児童養護施設。「貴方もまた、もう二度と来ない大人なんだね」とでも言わんばかりの子どもの目が忘れられなかったと語ります。そして、『14歳の栞』を観た齊藤が内容だけでなく、子どもたちを第一に配慮した上映方法やその姿勢に感銘を受け、旧知の仲である竹林に本企画を相談しプロジェクトがスタート。

齊藤が個人的に施設に訪問を重ね、信頼関係を築いてきた施設に密着するという貴重な機会を得て、監督も撮影期間に入る前から何度も定期的に施設を訪問し、子どもたちと交流を重ねていきながら、彼らの思いや葛藤、そして成長を大切に記録していきました。

映画『大きな家』の予告編

この度解禁された予告編は、児童養護施設で暮らす子どもたちの「一緒に暮らしている他人」「ここは家とは言わないもん」の言葉に反して、血の繋がりのない他の子どもや職員と日々を過ごす、まるで家族のような日常を映し出します。

離れて暮らす両親への想い。生活を身近で支える職員との関係性。学校の友だちとの距離感や、施設を出たあとの暮らし。私たちが知らなかった“ふつう”の日常のなかで、子どもたちの葛藤や、成長していく姿、そして未来へと一歩踏み出していく姿が描かれます。

また、記事の冒頭に記載した本ビジュアルは、映画のなかでの子どもたちの日常をイラスト化したもの。友達と遊ぶシャボン玉や趣味のカメラ。みんなでの山登り、部活の野球、初めて結ぶネクタイ。

オーストラリア出身で東京を拠点に活動するイラストレーターのエイドリアン・ホーガンが、温もりを感じるタッチとともに、鮮やかな色彩で子どもたちの持つ繊細さと力強さを描いています。

監督:竹林亮のコメント

この映画は、ある子どもたちのごく普通の日常を記録した物語です。彼らは、様々な理由で自身の親から離れて児童養護施設と呼ばれる場所で日常を送っています。 僕たちは、この映画を、出演してくれた皆のこれからの人生のお守りになるようにと願いながら作りました。彼らがもし、将来生きることに苦労するようなことがあった時に、またこの作品を観て、生きる力を呼び覚ますような存在になってほしい。そう願いながら、共に過ごした時間を記録し、編集をして一本の映画にしました。この映画を観てくださる方々には、これまで知らなかったすぐそこにある日常の中の「普通」の感覚の差分の中に、全ての人々にとって大切なものが隠れているのを目撃していただきたいです。同じ地域に暮らしているが、知っているようで、知らなかった葛藤を映画の主人公である子どもたちや職員の方々と共に感じ取り、感情を共有することで、より深く関心を持つための入り口として果たせる役割があるのではと考えています。

企画・プロデュース:齊藤工のコメント

試写が始まり、多くの反響を頂き、偶然から始まった本作が形になる事は必然になりつつあると実感しています。同時に皆様に制作の動機を聞かれる事も多く、この場を借りて改めて簡潔にお伝えさせて頂くと、約4年前に1日限りのイベントのスタッフとして訪れたとある児童養護施設の子が、帰り際に何とも言えない表情で私達大人を見ていました。「貴方もまた、もう二度と来ない大人なんだね」とでも言わんばかりのその目が忘れられず、時折、個人的に施設にお邪魔していました。“質より量”と言う表現は相応しく無いですが、『大きな家』を観てもらえたらわかると思いますが、彼ら彼女らと接するには、“会う回数”がモノを言う気がしました。元々は知らないおじさんである私に、徐々に色々な話をしてくれる子どもたちのこれまでの物語や、施設での日々を、多くの人に知ってもらいたいと願った矢先に竹林監督の『14歳の栞』という、劇場のみでの上映で被写体のプライバシーを守るという誠実な映画に出逢い、本作の企画が始まりました。ハンバート ハンバートさんが「トンネル」という素晴らしい楽曲で、子どもたちや職員方、そして我々製作陣までも包み込み、光の方へ導いて下さり『大きな家』は完成致しました。本作は”被写体ファースト”で非商業的な特殊な上映を目指しているのもあり、作品に共鳴して下さった方々のサポートを必要としています。どうぞお力をお貸し下さい。

主題歌:ハンバート ハンバートのコメント

大きな家に暮らす子どもたちや職員の皆さんの表情が、言葉が、余計な意味づけされずにそのまま手渡される。見終わった時には、説明できない気持ちで胸がいっぱいになる。なんだか分からないけど涙があふれてくる。説明できないところが、この映画の誠実さなのだと思いました。登場する人たちのこんな空気を捉えられるまでには、映画チームのどんなにか丁寧なコミュニケーションがあったのだろうと思います。(佐野遊穂)
依頼をいただき映像を観せてもらい、子どもたちを追うカメラの自然で淡々とした姿勢に感銘を受け快諾しました。どんな曲をと考えていたときに、あの曲がぴったりじゃない?とうちのスタッフから提案されたのが「トンネル」です。映像を観る前に作った曲なのに歌詞やメロディが彼らの姿と重なり、これしかないと思いました。そんなわけで曲が決まり、竹林監督からの要望をアレンジに取り入れ、映画の最後の1ピースとなるべく完成しました。(佐藤良成)

映画『大きな家』の作品情報

【日本公開】
2024年(日本映画)

【監督・編集】
竹林亮

【企画・プロデュース】
齊藤工

【主題歌】
ハンバート ハンバート「トンネル」(SPACE SHOWER MUSIC)

映画『大きな家』のあらすじ

ここは、東京のとある児童養護施設。子どもたちは親と離れ、血の繋がりのない他の子どもや職員と日々を過ごしています。

両親への想い。生活を身近で支える職員との関係性。学校の友だちとの距離感や、施設を出たあとの暮らし。家族とも他人とも言い切れないつながりの中で育つうちに、子どもたちの葛藤はさまざまに変化していきます。

何を思い、何に悩み、何を受け入れてどう大人になっていくのか。惑いながらも確かに成長していく子どもたちの姿と、それをやさしく包みこむあたたかな眼差し。

映っているのは決して特別な事件などではなく、些細だけれど大切な日常の景色です。

観終わった時、きっとあなたは彼らだけでなく自分自身が歩んできた道のりをも肯定したくなる。そして”ふつう”が少しだけ広がり、明日をまた生きていく勇気をもらえる123分です。

まとめ

本作の主題歌はハンバート ハンバート「トンネル」に決定。本作に合わせてアレンジを加えた楽曲は、2024年の冬にリリースを予定しています。

メンバーの佐野遊穂は「見終わった時には、説明できない気持ちで胸がいっぱいになる。なんだか分からないけど涙があふれてくる。 説明できないところが、この映画の誠実さなのだと思いました」と魅力を語りました

力強く、そして優しく包み込んでくれる本楽曲は、子どもたちだけでなく私たちにも“明日をまた生きていく勇気“を与えてくれます。

そして、他コメントには「子どもたちの言葉ひとつひとつが、心に響きました」(漫画家・松本大洋)、「会ったこともないのに、大切な人が増えてしまった」(テレビプロデューサー・上田遼平)と寄せられました。

映画『大きな家』は、2024年12月6日(金)より渋谷・ホワイトシネクイント、大阪・TOHOシネマズ梅田、名古屋・センチュリーシネマにて先行、12月20日(金)より全国にて順次ロードショーです。



関連記事

新作映画ニュース

映画『ジェノサイド・ホテル』あらすじと上映劇場情報。予告編やポスター解禁に

豪華五つ星ホテルが惨劇の舞台となり、甚大な被害と多数の死傷者を出した凄惨な事件を元に描く、リアリティック・アクション・スリラー! 映画『ジェノサイド・ホテル』は、10月13日(土) ヒューマントラスト …

新作映画ニュース

『アディクトを待ちながら』あらすじ/公開日/上映館。ナカムラサヤカ監督×田中紀子プロデュースで“依存症からの回復”の偏見と真実を描く

依存症からの回復を題材とした衝撃の問題作! ギャンブル依存症、アルコール依存症、ゲーム依存症、薬物依存症、買い物依存症、ゲーム依存症……誰もが陥る可能性のある依存症。 依存症に回復はあるのか……その答 …

新作映画ニュース

映画『爆裂魔神少女バーストマシンガール』劇場公開日は11月22日!小林勇貴監督プロフィール紹介

レジェンド・オブ・カルト『片腕マシンガール』が 令和元年リブート。 『全員死刑』の新鋭監督・小林勇貴が新たに放つ、クレイジー・パンク・バイオレンス・アクション! たった一人の弟を殺された女子高生の壮絶 …

新作映画ニュース

【一般試写会プレゼント】映画『さよなら、退屈なレオニー』5組10名様ご招待!6月4日(火)にブロードメディア・スタジオ月島試写室にて

映画『さよなら、退屈なレオニー』は、2019年6月15日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー。 2018年東京国際映画祭にて上映され、輝きを放つ若手キャストに贈られる「ジェムストーン賞」を受 …

新作映画ニュース

エミール・クストリッツァ新作映画『世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ』劇場公開!ドキュメンタリーで波乱万丈な人生に密着

『アンダーグラウンド』のエミール・クストリッツァ監督の最新ドキュメンタリー “世界でいちばん貧しい大統領”と呼ばれた元ウルグアイ大統領、ホセ・ムヒカ。 (C)CAPITAL INTELECTUAL S …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学