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Entry 2024/06/06
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『アディクトを待ちながら』感想評価とあらすじ解説。高知東生らキャスト陣が“当事者となった者”として伝える依存症との“真の対峙”

  • Writer :
  • 谷川裕美子

映画『アディクトを待ちながら』は2024年6月29日(土)より新宿K’s cinema他で全国順次公開!

依存症からの回復を題材とした衝撃作『アディクトを待ちながら』が、2024年6月29日(土)より新宿K’s cinema他で全国順次公開されます。

ともにギャンブル依存症の家族であるナカムラサヤカ監督と田中紀子プロデューサーがタッグを組んだ、初の長編映画作品です。

主演の高知東生をはじめ、実際の回復を続けている依存症者、またはその家族が多数出演。升毅、宍戸開、青木さやかなどの俳優陣が脇を固めます。

「依存症は“脳の病気”である」「だが、“回復できる”病気でもある」という真実を伝えるために生み出された、スタッフ・キャスト陣の切実な思いがこめられた本作の魅力をご紹介します。

映画『アディクトを待ちながら』の作品情報


『アディクトを待ちながら』

【公開】
2024年(日本映画)

【監督・脚本】
ナカムラサヤカ

【プロデューサー】
田中紀子(ギャンブル依存症問題を考える会代表)

【キャスト】
高知東生、橋爪遼、宍戸開、升毅、青木さやか、中村優一、中山夢歩、下田大気、塚本堅一、武藤令子、蒼野ひかり、青柳美冴、荒井千佳(水月静)、伊燈香月、生川春花、大野光一、荻野みかん、唐澤里美、紀那きりこ、久保田メイ、後藤英樹、小西貴大、小松広季、小森敬仁、庄司浩之、竹本結音、田中美弥、樽見弦、つる、手島アリサ、ナオミ、西川真生、藤峰みずき、古川時男、松村ひらり、松本晃実、宮部大駿、三輪隆、三輪規子、森本千佳子、安田成穂、山岡竜弘、横山琉斗

【作品概要】
依存症からの回復を描いた衝撃のヒューマンドラマ。主演の高知東生をはじめ、実際の回復を続けている依存症者やその家族を多く起用し、一丸となり本作の制作に臨みました。

自身もギャンブル依存症の家族を持つナカムラサヤカ監督と、「ギャンブル依存症問題を考える会:の田中紀子プロデューサーがタッグを組み、《やめ続ける人》そして《待ち続ける人々》が今を生きる姿を丁寧に描き出します。

政府やメディアが作り上げたイメージによって、多くの人々が「依存症は適切な治療とケアのもとで回復できる」という事実を知らないという現実の中で、依存症の苦難と向き合い続けるキャスト陣の映画ラストでのスリリングな即興芝居は必見です。

映画『アディクトを待ちながら』のあらすじ


『アディクトを待ちながら』

数々のヒット曲を持つ大物ミュージシャン・大和遼が、覚醒剤と大麻の所持で逮捕。人々は驚き、落胆し、大きなニュースとなりました。

あれから2年。依存症者たちで結成されたゴスペルグループ「リカバリー」は音楽ホールでのコンサートを開こうとしますが、そのメンバーには大和の名前がありました。

事件以来、沈黙を守ってきた大和がついにカムバックする。出演の知らせを聞いたコアなファンが、続々と会場前に集まりました。

薬物、ギャンブル、アルコール、買い物、ゲームといった依存症者で構成される依存症ゴスペルグループ「リカバリー」。メンバーたちは互いに支え合い、スリップ(依存性の再発)することなく、コンサートにこぎつけます。

しかし、大和は開始時間を過ぎても現れません。

逃げたのか?それともスリップ?果たしてコンサートは開催できるのでしょうか……。

映画『アディクトを待ちながら』の感想と評価


『アディクトを待ちながら』

「依存症は治らない」そう思っている日本人は多くいます。しかし実際はそうではなく、映画『アディクトを待ちながら』は依存症が適切な相談と治療によって治る“脳の病気”であるという事実を強く訴える作品です。

病気にも軽い風邪から、治るまでに多くの時間と痛みを要する病まであります。誰もが病を乗り越え社会復帰を目指そうと努力するのと同様に、依存症者(アディクト)の人々も自らの人生を生きるために、病を乗り越えようとしているのです。

壮絶な事情を抱えて生きてきた人や、弱音を吐くのが難しい真面目な人など、映画作中では人々が依存症に陥った様々な理由が描かれています。そこからは、誰もが依存症に陥る可能性を持っていることがよく伝わってきます。

依存症に陥った中で「もうやめたい」「親しい人々を悲しませたくない」と泣きながら、自分を止められずに苦しんでいる方は多いはずです。それは、本作に登場する人々が依存症から抜け出せず、泣き叫びながら苦しみを訴える姿からもうかがえます。

また本作には、主演の高知東生をはじめ実際に依存症で苦しんだ当人やその家族が多く出演しています。依存症者の苦しみと、誘惑に負けず克服できたことへの自信がないまぜになった複雑な思いを、彼らは芝居を通じて余すことなく表現しました。

ナカムラ監督を痺れさせた、高知の心の底から出た《生》のセリフに胸打たれることでしょう。当事者だけではなく、世間の人たちの考えや言葉も描かれ、さまざまな思いが交錯するさまが丁寧に描かれます。

そして映画のラストを飾るのは、キャスト陣への“サプライズ演出”も含んだ即興芝居です。高い熱量でリアルな言葉がほとばしる様をぜひご覧ください。

まとめ


『アディクトを待ちながら』

ギャンブル依存症、アルコール依存症、ゲーム依存症、薬物依存症、買い物依存症、ゲーム依存症……様々な形で年々注目を集め続ける「依存症」の問題を、真正面からとらえた意欲作『アディクトを待ちながら』

依存症者とその家族の葛藤や真実の思い、そして彼らを取り巻く世間の目までをリアルに活写しています。

いつ誰が陥ってもおかしくない身近な病である依存症と、これからの時代においてどう向き合うべきなのかをを教えてくれる一作です。

映画『アディクトを待ちながら』は2024年6月29日(土)より新宿K’s cinema他で全国順次公開!



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